ランスの孫。ウィルの暴走戦記   作:神崎風水

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26話 JAPAN各国周り≪種子島編≫

―斉藤家門前―

 

 

 

 

 

一泊世話になり、朝食をご馳走になった一同。

道美にお礼を言って、別れを惜しむ。

 

 

「道美ちゃん、ありがとう。お世話になりました」

「本当に、ありがとうございます。夜分、急に来訪したのに、受け入れてもらい」

「いいの、いいのなのー。足利の事が役に立って。斗樹様達と仲良くなってくれて、良かったのー」

 

 

 

ウィルの言葉に、道美が役に立てて嬉しいという。

自分達の商売でお得意様、公家の3姉妹とウィルが交友関係になった事で、利益が出たのだ。

公家姉妹の変化に道美達が気づき、そこからウィルの話に話題が上がる。

その後、話に花が咲き、いつも以上に商品を購入してくれた。

ウィル繋がりで商売繁盛、嬉しい誤算だったらしい。

 

 

昨夜、一同はまむし油田に着くと山本家ではなく、斉藤家の門を叩いた。

 

山本家は侍女たちが多い。

居ないとは思うが、もしも亜矢のような視線を感じた際に、ウィルがどうなるか分からない。

また、そんな情けない姿を十六夜達に見せるのは嫌だった。

 

逆に、斉藤は道美をアイドル領主と慕う、商人男達が多い。

普段のウィルなら余り好ましくない選択だが、今は背に腹はかえられない。

足利での出来事や”魚”を餌に、公家での出来事を話そうと思った。

門を叩くと喜んで迎え入れられた。

公家での商売が上手くいき、儲かったと言って風呂と一泊、朝食をご馳走してくれたのだ。

 

 

「けど、意外なのー。くのいちの人達が、三人も表に意外なのー」

「いえ……世の中、物騒ですから」

「彼女達は、大事仲間ですよ。くのいちとしての技能は禁止してますし♪」

 

 

道美の言葉に、ウィル香華にばれないか、一瞬冷や冷やした。

しかし、香華は明るく仲間といい、くのいちであってもくのいちで無いと明るく答えた。

 

挨拶を終え、斉藤家を出た後、5人は丹波へと向う。

此処でまた、昴が上手いことを言い出だす。

 

 

「香華様。巫女機関での事を忘れさせるべく、ウィルを両方から挟みましょう」

「ええ、良い考えですね♪ 勿論常に私。交代で貴女達、お願いね」

「「「了解です(ござる」」」

 

 

昴の意見を喜んでさいようし、香華の命に3人が答える。

 

 

(鈴夜様。昴って、こんなに口が上手かったですね。知りませんでした)

(いや、驚いてるでござるよ。確かに、一番とぉ……まあ、ともかく。昴には感謝でござるな)

 

 

昴が最初にウィルと腕を組むのが決まる。

少し後ろで、鈴夜と吹雪がヒソヒソと話す。

鈴夜も意外な昴の一面に驚き、思わず年長なのを言おうとした。

その瞬間、鋭い視線が前より向けられた気がして、背中に冷や汗しながら誤魔化した。

毒耐性にも個人差があり、昴はかなりの適応力で長生きしている。

くのいちとしては嬉しい事だが、やはり年齢を言うのは禁句のようだ。

 

因みに、もう一人昴と同等の適応力をもち、毒狂いなくのいちも居る。

 

 

 

 

 

―種子島城―

 

 

 

 

 

一同が城内を案内される最中、爆発音が城内までやかましく聞こえる。

一日の遅れも、足利と違いまったく気にせず「ああ、気にするな。菱から聞いてる」の言葉で済んだ。

謁見の間で挨拶を終えると、ウィルはどうしても気になるモノがあった。

 

 

「あの、種子島さま。後ろにあるの、チューリップ1号と……ヒマワリ0号ですか?」

「ん? お前さん。それを知ってるのか?」

 

 

繁彦の後ろに飾ってある、二本の筒銃。

一本は古く、もう一方は新しい。

許可を貰って、ヒマワリを手に取る。

 

 

「ちょっと、失礼……やっぱり、ヒマワリ0号試作型だ。なんで、此処に」

「あん? 買ったんだ。ソコにあるチューリップに、よーく似てたんでな」

 

 

手に持って調べ、自分の知るヒマワリ0号と確認する。

繁彦は鉄砲の女神でもある、マリアの住んでいたCITYに行った事があったらしい。

その帰り道にコパ帝国に寄り、店に展示してたヒマワリを、チューリップと似てるという理由で買ったらしい。

 

 

「そうですか……コパンさんが、盗んだんだ。……アハハ……マリー姉に、報告しないと……ネェ」

「!? お、お前さん! マリア様の子孫。マリー様を知ってるのか!」

 

 

繁彦の説明に、ウィルが少し妖しい雰囲気になる。

その雰囲気に、香華達が引き気味になる。

一方「マリー姉」の言葉に反応し、詰め寄る繁彦。

 

 

「ええ、僕の従姉です。因みに、このヒマワリ0号。僕の為にマリー姉さんが作ってくれた、試作型です」

「従姉弟!? 前さんの為だとぉ!……んぅ? 盗んだとか言ったか? さっき」

 

 

ウィルの言葉に興奮する繁彦。

説明に驚き、順序が逆になるが「盗んだ」と言う言葉に、遅れて思い出し反応した。

 

ウィルは魔法が発動はしても、飛散してしまい魔法とはいえなかった。

そこで、チューリップを応用し、魔力を籠める弾丸と筒を作った。

弾丸に炎の矢を籠める発射できたのだが、籠める消費魔力が通常の3倍で、更に打つ際にも炎の矢分消費。

初級魔法しか籠めて使えないので、実戦には向かない。

試作品というより、燃費の悪い子供のおもちゃだ。

 

その後、試作型を改良し完成したのがヒマワリ1号。

他人任せになるが、弾丸に通常消費魔力で、上位のレーザー系まで籠められる。

弾丸数を7個から13個と増やし、実戦向きになったモノは、ウィルの部屋にしまってある。

 

 

「ええ、僕の為だけに作ったソレは、役目を終えて。飾ってあったんです」

「つまり、あれか? コパンってのが黙って持ってたのを、買ったのか。すまねぇ」

 

 

盗品とを買ったと分かり、謝罪する繁彦。

 

 

「別に、いいですよ。種子島さまが買ったもの。所在が分かったので……でも、魔力無いと、使えませんよ?」

「ありがてぇ……ああ、確かに使えなかった。だがな、筒に飛ばす弾を詰めるのでなく、弾と発射機関を同じにしたカラクリが、役に立ったんだ!」

 

 

ヒマワリの弾丸をバラシ、構造を真似して薬莢を作った繁彦。

火縄銃の掃除・火薬・弾・火縄・狙い・撃鉄の動作。

新型鉄砲は薬莢にした事で、薬莢込め・狙い・劇鉄だけに動作が短縮された。

しかも、風上からでも火縄の匂いがしなくなり、多少の雨にも湿気にくい。

まさに「画期的な銃が出来た!」と、熱く語る。

 

その語りを黙って聞き、相槌するウィル。

他の面々は、ほぼ聞き流して居た。

 

 

「でな……っと、すまねぇ。つい喋りすぎちまった」

「いえ、新しい型の銃が出来て、よかったですね」

 

 

ウィルが何故、黙って聞き続けれたのか。

別に、理解できたわけではない。

熱く語る姿が、マリーにスイッチの入った時と似てるので、懐かしく思い聞いていたのだ。

 

ひと段落し、話が終わる。

すると、ウィル両肩に手を置き、顔を近づける繁彦。

 

 

「た、た、頼みがある! マリー様に会わせてくれ!」

「ぅお! え、えーと……一応、事の成り行きを報告するので。伝えてみますね?」

「おおおぉ!! ありがてぇ!!」

 

 

繁彦の勢いに負けて「伝える」と言う。

ただし、ウィルは決して「会わせる」とは言ってない。

この辺が、好きなマリー姉に会わせる事、それを懸念するのはウィルらしい。

 

その後、新型鉄砲を見に行く為、射撃場へと一同は向った。

 

 

 

 

 

―射撃場―

 

 

 

 

 

射撃場に着くと、新型鉄砲の試し打ちをしている者が大勢いた。

その中に、手紙を送り届け戻る筈が中々帰ってこなかった、菱がいる。

新型鉄砲の小型式を持ち、的を狙い撃っていた。

 

 

「菱さん。中々、帰って来ないと思ったら。ずっと此処で?」

「……ん……お?ウィル。姫様も皆、来たか」

「菱は鉄砲が、お好きですよね?」

「やれやれ。任務終わったからといって、此処に入り浸ってるとは、思わなかったでござるよ」

 

 

一同か来ても気づかず、鉄砲に夢中な菱。

ウィルの言葉にやっと気づき、銃を置き振り向く。

香華は菱の銃好きを理解し、鈴夜は今更ながら呆れ気味。

 

その隣に、滅多に顔を出さない茅の姿もあった。

 

 

「ああ……こっちに、もういらしたのですか」

「茅さんも、鉄砲すきなの?」

 

 

種子島城に入るまでは警備してたのだが、新型の話題を聞きつけ抜けて此処に来ていた茅。

挨拶を終えて来たウィル達に、ため息は出さないまでも、嫌そうな雰囲気を出す。

ウィルの問いに、鉄砲の好きな理由を語る。

 

 

「……ええ、返り血が掛からないので。……本当は、毒で苦しむ無様な男の姿を見るのが、好きなんですけどね」

「そ、そうなんですか……銃の手並を見せてもらって、いいですか?」

 

 

しかし、何故か毒の事も語り出し、その様子と表情が……何か、怖い気がする。

ウィルはどう答えていいのか悩んだ結果、鉄砲の腕前を求めた。

そして、自分は何か茅に対して何かしたのか? と悩む。

その様子を見ていた茅はため息つく。

 

 

「はぁ……いえ、たいした腕じゃないので遠慮します。繁彦さん。コレ貰って行きますね」

「ん? ああ、そりゃーもうアンタのだ。好きにしな」

 

 

鉄砲の腕を見せるのを断り、繁彦に一言いって茅の姿が消える。

避けられて居る様に感じつつ、後を追っても何を言っていいのか分からず、どうすることも出来ない。

どうしようかと悩んでいると、繁彦からウィルも撃ってみろと言われ手渡された。

 

一方、茅の様子見ていた鈴夜と昴。

一行から離れた位置に移動し、ヒソヒソ話をしだした。

 

 

「茅のさっきのは、アレでござるか?」

「ああ、【毒仕込み禁止】を反対してた6人の中。その中で、一番反感が強かった」

 

 

公家で毒仕込み禁止さて、反対したのが茅・昴・兎縷々夏・鎖獲・桐果・林果。

その中でも、茅は最後まで反対していた。

要人暗殺や普通の暗殺任務、全ての毒を使い殺すのが好きな茅。

ちょっとした依頼でも、男相手ならわざわざ体と毒を使うありさま。

護衛に暗殺は必要ないといわれても「もしもの時があったら」と反対しつづけた。

 

実は、ウィルの護衛で護衛していた時も、ごろつき相手に毒を使い始末もしていたらしい。

 

昴の説明を聞き終えると。

鈴夜がニヤっとした顔しながら、カラカイ始めた。

 

 

「今は、5人でござろう? 元、反対派の昴♪」

「う、うるさいぞ。余計な事、いわんでいい」

 

 

昴も、先日までは反対派だった。

しかし、ウィルと共に過ごしたことで、心変わりし「毒を仕込まなくて、良かった」と、つい呟いたのをしっかり鈴夜に聞かれていたのだ。

 

そんな二人が話して居る間に、ウィルは鉄砲の試し撃ちをしていた。

 

 

「おぉ~……見事に、的の上にいったな」

「むぅ~……もう一回!」

 

 

教わった通りに構え、的を狙ったが反動に負けて上に弾がそれた。

繁彦に言われ、子供らしく負けずキライで再挑戦。

ただ、今度は構えを変える。

先程は言われるまま、右手で引き金を引き。

左手を下から銃身を支えて打った。

今度は左手肘を脇にしめ、引き金を持ち、上腕に銃の台座を固定。

右手を銃身の上から持ち構える。

 

 

「おいおい。それじゃあ、狙いが付けれないだろう」

 

 

ウィルの構えに繁彦が注意する。

普通は手前の目当てと先端を合わせ、覗き込むように見て撃つ。

しかし、今のウィルの構えでは狙いが付けれない。

そんな事お構いなしに、右手で角度修正して「ズドン!」と音を立てて発射した。

 

 

「……マジか? すげーな、おい。当ったぞ」

「うわぁー、ウィル、おめでとう♪」

「やりましたね、ウィルさん」

「ありがとうございます。結構、当るものですね」

 

 

的のど真ん中とはいかないが、確かに的に命中した。

基本を外れた構えで当てた事に驚く繁彦。

香華と吹雪が喜び褒める。

ウィルは、思いついた構えでも当るものだなーと、自分でも驚いていた。

 

 

その後、作ってるところを見学させてもらった。

皆揃って分厚い耐熱服を着てるので、男か女のかよく分からなかった。

型に熱で溶けた鉄を溶かし込む。

熱い中、真剣に命がけで作ってると言う事は理解できた。

 

夕食を食べ終え、風呂では繁彦とマリーの話をしながら入った。

風呂場を出ようとする繁彦に、もう少し浸かってると言い、次に誰か入るかと聞く。

 

重彦や男達が着換え終えたのを確認したかのように、鈴夜・吹雪・昴・菱が現れる。

巫女機関では苦労掛けたと、ウィルが4人の髪や体を洗った。

勿論、4人を楽しませるのは必然のようにヤッタ。

夢の中では昴が元禄の元に行ったようで、昴の夢の後に吹雪と一緒の夢をみた。

 

 

 

 

 

―朝食会場―

 

 

 

 

 

朝食を食べてる最中、城の外から鉄砲の音がしてきた。

 

 

「こんな朝から。もう誰か、テストしてるんですか?」

「いんや……悠美のヤツだ。今は暇さえ有れば、常に撃ってるからな」

 

 

柚原悠美の父親が、新作鉄砲の改良と試行錯誤の結果。

今の鉄砲を創ったらしい。

ただ、無理がたたり、先日他界したとの事。

その後は、取り付かれたように、父が残した【箒星】を使い、毎日撃ち続けてるらしい。

 

 

「そうだ、お前さん。悠美に会ってやってくれないか……同じ境遇として……な?」

「繁彦様! それは「いいですよ」……いいの?」

「ええ、両親を亡くした時は、流石に落ち込みました。でも、今は大丈夫だから」

 

 

もう、故郷を出て、一年と4ヶ月になる。

事の発端は繁彦は勿論、皆知ってること。

悠美の気持ちが分かるだろうと、ウィルにお願いする。

香華も両親や兄を早くに亡くしてるので、二人揃って行く事となった。

 

その途中、春香が青い生き物に餌をやっていた。

 

 

「春香さん。その生き物はナンですか?」

「知りません? 遅刻ペンギンという鳥ですよ」

「鳥?  変な角? してるんで……」

 

 

春香が餌を上げていた【遅刻ペンギン】は青く丸っぽい生き物。

黄色い角がクルりと丸くなっており、悪魔の角のようだ。

因みに、背中に白いジェットエンジンは無い。

 

ウィルは変な角といいながら、ゆっくりと剣を構えだした。

すると、ペンギンも腰? を落して身構え出す。

 

 

「あの、ウィル様? ペン吉? 二人ともどうしたのです?」

「……いえ、なんか。戦わないといけないような? 気がして……」

「……クエ……クエッ、クエー」

「はい? 何を言ってるんです?」

 

 

春香の言葉に、二人が答え香華はわけが分からず、ウィルと一匹を顔を見比べる。

 

その後、春香の説得? で、ペン吉と仲直りし、共食い? になるてばさき焼きを与え懐かれた。

そのまま、悠美が訓練してると思われる射撃場に向った。

 

射撃場では、今でも「ズダンッ」と音が鳴り響く。

スクール水着の上にセーラー服という、変わった服装をした少女。

悠美が鉄砲を構え、的を狙っていた。

撃ち終わり、薬莢を込める動作を狙い声を掛ける。

 

 

「柚原悠美さんですね? 僕はウィル・プラインといいます。種子島へ見学に来たものです」

「……誰?……ッ!?……きゃー!! 可愛いぃぃー!!」

「クェ? グェェーー!」

「「「……は?」」」

 

 

ウィルの言葉に振り向きはしたが、興味なさそうにしていた。

しかし、足元のペン吉に目が向きビクッ、と震えると叫び、可愛いと言いながら突貫。

ペン吉を抱きしめ、可愛いを連呼し、目がハートになっている。

悠美の叫びと視線に、首をかしげ、途端に突撃されて締め上げられる。

余りの力強さに、苦しみ悶えるペン吉。

その様子を見てわけ分からず、唖然とする3人。

 

 

何とか悠美を落ち着かせ、事情を聞く事に成功した。

最初にウィルが両親事を話して、香華も話す。

そして、先程のペン吉効果もあり、悠美が心情を語り出す。

 

新型鉄砲、箒星は父の最高傑作にして形見。

箒星を撃ってる間は、父と一緒に居るような、見ていてくれる気がすると。

可愛いもの、可愛い動物が好きで理性が飛ぶと事。

そして、寂しさや、この暴走を治す為にペン吉が欲しいと言ってきた。

知能が高く意志があるペン吉は、流石にさっきの様にされるのは勘弁だが、事情を聞いた事で条件付きで了解した。

 

何故ペン吉の言い分が分かるか?それは、春香の鳥会話術による、通訳のおかげ。

 

取り合えず、悠美とペン吉との契約が完了した。

衣食住と鳥を撃たない事、火薬の匂いが嫌なので抱きつく前に撃つなと。

実質、箒星よりペン吉を選べと言ってるようなものだが、了承した。

更に、抱きしめの暴走が長い場合、身の安全の為に頭突きや拳の一撃を食らわすのを認めさせた。

 

結局、繁彦のお願い通り、鉄砲を撃ち続けるのを止めさせる事には成功した。

しかし、有能な人材を同時に暫くの間失うことになり、繁彦が色んな意味の涙を流したとか。

 

 

 

 

 

―夕食会場―

 

 

 

 

 

夕食の場では、しばらく一緒に食べることの無かった、悠美が居る事にご機嫌な繁彦。

ただ、ペンギンの同伴を認めさせられ、自分や他の者も知らなかった一面に一同が驚いている。

 

 

「いんや~……なんだ、ウィル殿ありがとうよ。あんなに悠美……いや、俺も知らなかった、悠美を見せてくれて。ありがてぇ」

「いいえ。殆ど、ペン吉と春香さんのお陰ですよ」

「そ、そんな、私はペン吉の言葉を、通訳しただけで」

「「いや、それが凄いのよ!(でござるよ!」」

 

 

繁彦とウィルの褒める言葉に、春香が照れる。

そんな様子に、鈴夜と吹雪が突っ込みを入れる。

 

父親を亡くしてから、食う・寝る・撃つだけの生活していたので、繁彦や他の者達も心配していた。

それがどうだ、昨日来たばかりの異人が、悠美を元に戻し、いや変えたのだ。

流石異人と関心してるものばかり。

最初はソノつもりだったが、意外な参加ペンギンのお陰で、今回は何もしてないウィル。

 

一方、悠美はペン吉とじゃれていた。

 

 

「はい、あーん♪」

「クェ~。ング「可愛い!」グェ!?…………クェッ!「痛い……ごめんなさい」クェ!」

「はい、あ~ん♪」

「クェ~♪」

 

 

魚を食べさせ、その様子に抱きつく。

締め付け時間が長いと、器用に頭を振って角で小突く。

春香と違い技能もないのに、才能か会話しているようだ。

普通に人とペンギンのや鳥りを成立させ、楽しんでいる。

人同士なら、恋人のいちゃつき。

しかし、意外な組み合わせに、周りはどう反応していいのか悩みどころ。

 

夕食を終えた後、春香と悠美はペン吉と一緒に風呂に入った。

詳細はまだわからないようで、通訳してもらいながら風呂での扱いを聞き一緒に入った。

何気に、鍛冶場の女子達も、悠美とペン吉に対しどう接して言いか分からなかった。

しかし、春香の通訳と、悠美が話しながらじゃれる事で、だんだんと慣れる。

その後、ペン吉は子鍛冶場女子、皆のマスコット癒しベットとなった。

ただ、火薬がキライなので、風呂かその後もてはやされる。

仕事の後の癒しで、仕事効率が女子に対して向上したらしい。

 

 

 

 

 

―ウィルの寝室―

 

 

 

 

 

今夜は昨日の夢延長で、吹雪と昴を一緒に相手をしてた。

前は一人づつだったが、最近は二人同時が多い。

4人だと、一日交代で3日間空く。

一度知ってしまうと、トラウマの件もあるのだが恋しくなるとか。

とっかえひっかえになるのだが、本人達が了承してるのでOKらしい。

事が終わった後、ウィルは昨日気になっていた事を聞く。

 

 

「あの、僕って。茅さんに何か、嫌われるような事しました?」

「えーと……何もしてない筈ですよ?」

「そうだな、気にする必要ない。それに、キライなら贈った蒼いリボンを、付けてないだろう」

「そう、だと。いいんですけどね」

 

 

二人の言葉に納得しようとはした。

しかし、昨日の茅の視線は、恨みと怒りが感じられた。

二人が嘘を言ってるようには見えず、その場は納得する。

流石は忍び、悪いとは思っても、主の為に騙すのはお手の物らしい。

 

ソコに、終わったのだからと菱が枕元に降り立つ。

 

 

「ウィル。頼みがあるのだが……コレ、着てみてくれ」

「はい? お断りします!」

「「ははは……」」

 

菱が手にしてたのは巫女服。

自分が種子島に行ってる間に、ウィルが着た女装を見たいと言ってきた。

しかし、ウィルは即答で却下。

あんな思いはもう、まっぴらと断る。

 

あの時は、くのいち達の苦労を労い、一日頑張ってる香華の為にと婦負に言い包められてしたこと。

確かに、香華や皆の反応はよかった。

しかし、籤を引きに来た男達に言い寄られ。

更には……汚点とも言える出来事があったので、もうこりごりなウィル。

 

残念がる菱に対し、どうしても見たいなら「菱さんが僕に化けて見てください」と、頭の左右の髪を手でしばり。

どんな格好だったのかを、説明した。

 

 

「む、残念だ……ソレで我慢しよう」

「あ、私も後で見せて」

「ああ、私も見たい」

「鈴夜も見たいでござる」

「うぅ~……僕は見ません!」

 

 

菱の言葉に二人が賛同し、天井から鈴夜までも降りて希望した。

ウィルが拗ねるも、4人は話を咲かせた。

 

30分後。

やっと雑談が終わると、菱が香を取り出す。

 

 

「へ? 菱。何時の間にソレを?」

「今日だ。朝食事終わった後、直ぐに元禄殿の所に向った」

 

 

その後、菱の夢を見て、最後に鈴夜が夢に混ざり楽しんだ。

 

 

「んっ……なるほど。こうやって、絞りとってたのか」

「内緒でござるよ? 新型のお香と、伝えてるのでござるからな」

「ああ、了解した」

 

 

確かに気持ちいいが、何故出来ないのに肌のつやが良いのか、菱も今知ることとなる。

 

 

 

 

 

―種子島城門の前―

 

 

 

 

 

繁彦や鍛冶場女子達は、悠美を変えて女子に癒しをもたらした、ウィルと春香に感謝してた。

更に鍛冶場男も、何気に喜んでいた。

普段は分厚い耐熱服でよく分からず、普段や食事の時でも女らしさというものが感じにくかった。

無表情だった悠美や鍛冶場女子が、ペン吉が来てから変わり女の子らしくなった。

仕事しか知らない者達が、恋沙汰に目覚め活気溢れる事となる。

 

 

「おおそうだ、ウィルよう。毛利元就には、きーつけてな」

「はい? 気をつけるとは?」

「ああ、元就は何でも力で事を収め、力で知ろうとする」

 

 

別れ際に忠告されるが、何を気をつける分からない。

繁彦は説明しだす、物事を全て力で解決させる元就。

視察で現れた異人となれば、必ず力試しと勝負を申し込まれる。

更に、力加減というものを知らず、死する可能性すらあるとの事。

 

 

「あ、あの。断る・逃げる・手助けをしてもらうとかは?」

「無理だなぁ。言葉を聞かない・追いかける・娘達に邪魔される」

「うぁ……」

「そうですね。何か手段を、考えないといけませんね……」

 

 

ウィルの案は全部ボツにされ、身の危険を感じる。

香華も言われて思いだす、元就の性格。

ウィルの身の安全を策を考えながら、一同は毛利に向かい旅発った。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

   ≪人物≫

 

 

 

 

  種子島繁彦

 

  LV 28/30

 

 

技能 鉄砲戦闘LV1 射撃術LV1 鉄工技師LV1

 

戦国の種子島重彦そのまんま。

 

ポリゴン? カクカク体形のおやじ。

 

マリーが初めて作ったヒマワリ0号を手に入れて、新作鉄砲を量産まで手がけ作った。

マリア同様マリーに、ご執心でウィルの従姉と分かると会いたいと願う。

 

悠美の引き取り親でもあり、毎日常に撃つ続けるのを心配する。

疲労により体調と火薬事故を心配し、ウィルに意識変えを願う。

見事悠美に明るさが戻り、ペン吉効果を喜んだ。

 

 

 

  柚原悠美

 

  LV 28/38

 

 

技能 鉄砲戦闘LV2 射撃術LV2

 

戦国の柚原柚美そのまんま。

 

父の形見の箒星を毎日撃つことで、父と繋がりを感じていた。

趣味が高じて、意外な一面をウィル達に見せる。

恥ずかしさと一緒に、ウィルと香華の過去話を聞き、正直に話す。

 

春香の通訳により、善きパートナーペンギンと一緒に成る事で明るく変化した。

 

戦闘LV2を持ち

≪狙撃・遠雷絶死弾≫という必殺技を持つ。

 

 

   茅

 

  LV40/44

 

 

技能 鉄砲戦闘LV1 投擲LV1 忍者LV1 くのいちLV2 毒薬LV2 諜報LV1 隠密LV1

 

しゃーまんずの黒杉萱そのまんま。

 

髪と目や服装まで蒼一色。

リボンはウィルが前に贈ったもの、そのままつけてるので完全にキライではないようだ。

潔癖症ではないが、血を見るのは平気だが、返り血は嫌らしい。

戦闘は常に遠距離で、毒による殺害が得意で、毒で男の苦しむ様を見るのが悦びを感じるとか。

任務やそれ以外でも、ゴロツキなどの殺害するのに体に仕込んだ毒を使っていた。

ウィルの毒禁止令は命令でなく、香華と鈴夜からではある。

しかし、原因がウィルにあるので逆恨みしてる。

 

 

 

  ペン吉

 

 

大悪司の遅刻ペンギン、ジェットエンジン無しそのまんま。

 

何気に知能と戦闘力が高く、ハニーや一般人は普通に倒せるとか。

結構義理人情があり、春香と話ができるので結構前から付き合いがあったペンギン。

悠美の事を娘? のように可愛いもの暴走を更生すべく、衣食住確保を教育役となる。

 

マスコットペットとして、鍛冶場女子にもてはやされ、結構本人も楽しんでる様子。

因みに、オスなので……まあ、大丈夫だろう。

 

 

 

  ≪武器≫

 

 

 ヒマワリ0号

 

 

マリー作のチューリップの似たような、名前にした筒砲。

鉄の弾でなく、魔法を撃ち出すもの。

 

ウィルの飛散する魔力を留める魔弾をつくり、撃つ構造の筒砲。

炎・氷・水・雷・風・光・闇の7属性を撃てる様に、弾は7個。

 

その内の一個を繁彦が分解して、構造をしらべたとか。

元に戻したものをウィル魔法籠めようとしたが、反応せず。

6個に炎以外の初級魔法、氷の矢など弾に籠めた。

 

撃つのにも魔力が必要で、コレを撃てる人は魔法の才能ありますよと置いていった。

 

その後、誰かが撃てたかは……分からない。

 

 

 

 

 

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