ランスの孫。ウィルの暴走戦記   作:神崎風水

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誤字脱字と地文3000ほど追加。
後、香華の殺人団子イベントを反対に?修正。


では~~。


32話 JAPAN各国周り≪島津家子供屋敷・前編≫

 

 

 

-ウチヒサの寝室-

 

 

 

 

ベットの上では、全裸の女と男の子供を挟み「川」の字で寝てる3人。

真ん中のウチヒサは幸せそうに頬を指で掻きながら、寝返りを打ち今だ就寝中。

兎縷々夏はウチヒサの髪を撫でながら、寝顔を眺め微笑んでいる。

そんな朝、もう一人の女性も目を覚ます。

 

 

「ふふふ……ん、起きたか。昴」

「ああ……夢、じゃあ、ないんだな……やはり」

「何を今更。あんな薬ビンを出しておいて」

「……いうな」

 

 

昨晩、はじめは抵抗を試みるも流され、最後には昴から求める始末。

ミイラ取りがミイラ、罠に掛かって共倒れ状態。

悔やんでもヤッテしまったのは仕方ない。

次からと言うよりも、どうやって鈴夜達に説明すべきか、頭を悩ませ頭痛がする思いの昴。

そのくせ、兎縷々夏と同じように頭を撫でてしまうのは「大丈夫か?」と他者が見ると心配されそうなもの。

しばらくして、寝てる子供も目を覚ます。

 

 

「ん~……んぅ? あ、おはよう。縷々ねーちゃん。昴ねーちゃん」

「ああ、おはよう。ウチヒサ」

「おはよう……」

 

 

寝ぼけ、目元を指で擦りながら上半身を起こし、二人の美女の顔を見て普通に朝のあいさつをする。

兎縷々夏は自然に微笑みながら答え、昴は不機嫌ではないが、今後を考え少し雰囲気が重い。

今の裸の状態を確認し、腕を鼻に近づけ匂いを嗅いで、このまま朝食を食べるのはいけないと判断する。

 

 

「んじゃ、一緒に風呂に行こっか」

「ん、そうだな。このまま黒姫に会うと、何を言われるやら」

「風呂には行く。だが、私は一緒に入らんぞ」

 

 

ベットから飛び降り、服を着ながら風呂へと誘う。

兎縷々夏も次いでベットから降り、着物を着て後に着いていこうとする。

一方昴は忍び装束を風呂敷にタタミ入れてまとめ、部屋に常時完備されてる侍女服を着込む。

そのまま忍び装束を着たら匂いがついてしまうので、普段連れ込まれた侍女たちが着る服を着て風呂場へ向う事となる。

部屋を出て、二人の後に続いて行くが距離を置き離れて移動している。

手を繋ぎ、先を歩いていたウチヒサは何かを考えた後、昴の位置に移動し向き合う。

 

 

「おねがい。昴ねーちゃん……一緒に、入ろぅ……」

「……こ、今回だけだぞ」

(昴……ちょろ過ぎないか?)

 

 

昴の左手を両手で挟むように握り、涙目に顔を見上げ懇願する。

手を握られ見つめられ、ものの3秒で風呂に一緒に入ることを了承する。

昨晩、確かにそそのかしたのは兎縷々夏だ。

余りに簡単に意志を曲げ落ちる姿を見て、後でショタの言葉を訂正し、何故自分達が流されるのかを説明しなければいけないと心に決める。

 

その後、風呂に入り汚れを落とし、当然の様に一回つづして楽しんだ。

朝日は昇ったが、朝食までには大分時間がある。

そして、3人は黒姫の部屋へと向う。

朝食は島津城ではなく、子供屋敷で食べる予定なのだ。

 

 

 

 

-黒姫の私室-

 

 

 

 

部屋では、既に行く仕度を済ませお茶を飲み寛ぐ黒姫とアキレス。

ノックされて、入室を許可すると3人が入って来る。

黒姫の希望では二人の筈だった。

しかし、入室してきたのはウチヒサ、兎縷々夏と昴。

三人いる状態と雰囲気を見て。

 

 

「――はぁ~~……貴女が引き止め、考え直させる筈では? 一緒になって、どうするのですか……」

「……申し訳ない。返す言葉も無い」

「黒ねーちゃん。何気に酷くない? 二人は何も悪くないよ。ねぇ~♪」

「……あーもぉ~……はぁ~~諦めました。はい、行きますよ」

「「了解です」」

 

 

もの凄~~く長いため息をつく。

昨晩ウチヒサの部屋で 囮 役 (兎縷々夏)観察と監視()の忍びが潜んでるのは聞いていた、なので昨日は結界をはり天井の忍びに説得してもらうつもりだった。

だが、3人一緒と言う事は、つまりそう言う事だろうと予想する。

がっかりしたように、昴を軽く叱る。

言われて申し訳ななそうに、深く頭を下げ腰を45度に折る。

本来の目的を果たせず、逆に同じ穴のムジナなってしまったことを反省する。

黒姫が自分よりもウィルを優先してる事は理解してる、だが、あからさまに言われて流石にショックを受ける。

しかし、めげずに二人の腰に手を廻し抱き寄せ、見上げて甘え「ああ……」と昴が照れる。

『もう好きにして』状態で深いため息をつくと、子供屋敷に行こうと部屋を出る。

控えていたアキレスが立ち上がり答え、兎縷々夏は抱き寄せられた状態で普通に答えた。

そして、ふと思い出した事を問いかける。

 

 

「ところで黒姫様。残りの三ヒサ達はどうなった?」

「ああ、部屋に今日一日謹慎を伝え。織田の侍女達に手を出した事の叱り言葉。視察期日を明日までにした事を手紙にして置いてあります」

「それと、3人の世話は男達を向けたから、逃げ出すことは無いと思う」

「思いっきり、監禁だね。うわ~……僕も、そうなるところだった? 縷々ねーちゃん達を好きになってよかったぁ~♪(あぶねぇ~……嘘泣きして、悔しさ演出して正解だよ)」

 

 

三ヒサ処分と今後や対応を話し、アキレスが脱走の予防策を追加で説明する。

侍女達が世話に向かうと罰にはならず、逆に楽しみ憂さ晴らしをしそうなので却下。

武士の男を何人かを部屋に送り、監視と食事配達を申し付けたらしい。

ウチヒサは兄達の話を聞いて、自身の感情に素直に動き、奪い取るのでなく兎縷々夏を本気で好きになり良かったと安堵する。

ただ、その好きになった相手もウィルとの二股であり、自身も黒姫や香華と昴の四人好いている。

そして、侍女達にも手を出していたのは言わずにとぼける。

 

昨晩、確かにウィルに勝負心を抱き、負けた事に悔しい思いをした。

ただ、目を腕に隠す時にヒララレモンの汁を仕込み、悔し涙を演出した。

兄の3ヒサは気づいてなかったが、実は他の春香達3人や兎縷々夏がくのいちである事を何となく予想していた。

ウチヒサの初恋であり、脱DTの筆おろしや柔術と夜の手ほどきを受けた師。

その女性の雰囲気と同じだったので予想できた。

序に言われていた「ウチヒサ。私たちは、相手の”目”を見て大体の考えが読めます。騙し・誤魔化したいなら、さり気なく目を腕なりで防ぎなさい」と。

なので腕で目を隠しつつ、レモン汁で涙を流す両方の効果を使ったのだ。

その後も兎縷々夏を好き好き感を表しつつ、ウィルも持ち上げ好感を高めていたのだ。

 

 

 

 

-城下町-

 

 

 

 

城を出て、子供屋敷に向う道中に兎縷々夏が提案をする。

 

 

「黒姫。ウィルを優先するのはいいが、ウチヒサは息子のようなものだろう? 今くらいは手を繋いで歩いてはどうだ」

「何時、私が優先にしましたか? 手を繋ぐのは構いませんが、何故今です?」

 

 

侍女、女武士達をゾロゾロと引きつれ、先頭を歩き進んでいた黒姫が声に反応して振り返る。

一同も足を止め、二人の会話に耳を傾ける。

痛いところを突かれるも、顔には出さずに答え提案を受け入れつつ兎縷々夏の意図を探る。

手を繋ぐ事は構わないが「今この場で言う事か?」と言いたげな顔する。

確かに息子の様に見てるが、何故今なのか問いかける。

 

 

「護衛がこれだけいる中でのウチヒサの為。後、私と昴はちょっと話があるのでな」

「……分かりました。ウチヒサ」

「やった~♪ 久しぶりに黒ねーちゃんといちゃつける。(縷々って、凄いな。ウィルの周りは皆こうなのかな?)」

 

 

言われて理解する、本当にこの女性はウチヒサの為に動いているのだと。

それと同時に、内緒話をしてウィルの為と今後の話をするのだろうと。

名を呼ばれると、嬉しそうにウチヒサは黒姫に歩みより手を繋ぐ。

久しぶりのスキンシップをしながら、兎縷々夏の交渉と事の進め方に関心する。

 

ウィルを引き合いに出し、三ヒサとウチヒサの対応を考えよと言ったようなもの。

更に皆の前で仲良き姿を見せる名目と同時に逃げ道を塞ぎ、ウチヒサが黒姫に好きなだけ甘えれるように仕向けたのだ。

今現段階で、ウチヒサの女にそのような気遣いと配慮をできるものはいない。

黒姫の立場に臆して、また、たいがいが己を優先して他を押す事はない。

その流れに事に気づいたのは、黒姫とウチヒサに事情を知る黒崎師昏のみ。

師昏は口の上手さと話術の流れに関心し参考にしようと考えながら、厄介な女性がウチヒサについたと考え込む。

そんな事を知らない一同は、姉に甘えるウチヒサを侍女達やアキレスと女武士達が微笑ましく見守る。

 

 

「けど、どうしてこんなに大人数で屋敷に行くの?」

「同窓会を行うからです」

「……は? そんなの、今までなかったよ?」

「よろしいじゃないですか。私たちも久しく同僚に会えると思い、嬉しいのですから」

「そうですよ~♪」×侍女&女武士一同

(――ウィルの為だよね? けど、なんでこんなに大勢を集めるんだろ?)

 

 

最初こそ不機嫌ぽかった黒姫も、子供っぽく素直に甘えるウチヒサにしょうがない子と受け入れる。

手を繋ぎ楽しい気分で向う中、周りの女性達を見てもっともな疑問を思い問いかける。

それに対し、ごく普通に同窓会の事を伝えられる。

黒姫の言葉に首をかしげ、今までやりもしなかった行事を何故行うか疑惑感で一杯だ。

そんなウチヒサを誤魔化すように、師昏が自分達の気持ちを入れて黒姫の立案を支援する。

周りの女性達も昨日急に言われて驚いていたが、皆に会えるのと一人の男性に再び会える事にわくわく感で一杯。

護衛に来ていると思いきや、嬉しそうに列をなして本来の目的を知らずに黒姫を援護している。

一方、ウチヒサは屋敷に向う面子と人数を見て考える。

今までに、やりもしなかった同窓会をする為に大人数が向う。

4.5人をウィルに差し向けるなら分かるが、モロッコ・カイロ・アマゾンからも南アフリカの屋敷に集結しているらしい。

そんな大勢を集めても、一日では顔合わせがやっと。

黒姫の目的や考えを理解しきれないでいた。

 

そんな一行を尻目に列の最後尾から距離を置き、兎縷々夏と昴は内緒話をしていた。

 

 

「で? 私に話とはなんだ?」

「昴に、私の考えを伝えておこうと思ってな。昨晩言った『ショタ』だが」

「わ、私は違うぞ!」

 

 

真剣な話をしてると思いきや、昨晩の痴態話をしている。

昴は昨晩、久しぶりの快感に負けて自身から求めたことを思い出し、顔の前で手を振り慌てる。

その様子を見て、思わずからかいたくなるのを抑え語りだす。

 

 

「ああ、違う。昴はショタじゃない。慣れてないだけだ」

「――ナニ? どう言う事だ?」

 

 

昨晩、ウィルの裏切りと頭にきてる昴をショタ扱いして自覚させ、ウチヒサの良さを教えた。

だが、昴はショタではなく、ただ男の子に慣れてないだけと言う。

正確には、くのいち全員が同じ状況下にあると語る。

年下や部下の女の子には接する機会があるが、男の子とは訓練であっても私情に関した接する事が無い。

男は殺しの対象か、依頼主くらいで護衛など稀。

くのいちと蔑み、もしくは体目当てかのどちらかだ。

年下のウィルが今までにない考えで接してきて、忍びとして、女のとして見てきた。

それだけなら、皆があそこまで入れ込む事は無かっただろう。

 

 

「……まあ、確かに。言われてみれば、そうかもしれないな……」

「ああ。で、一番の理由は、鈴夜さまがやってしまった失敗が原因になる」

「ん? 失敗? 何を?」

 

 

昴は言われて男に対しての考えを思い返す。

ウィルが特殊であるが、確かに接する機会がないので色々な事が新鮮で嬉しく思う事ばかりだった。

鈴夜の名が出て、何が失敗かと首を傾げ困惑する。

自分達が任務に着く前はよく知らない。

しかし、別にそれほど失敗と思える報告は上がっていない。

思い返し考える昴に原因を説明しだす。

 

 

「くのいちに対して、ウィルのED……アレが、一番の原因さ……」

「む? 何故それが?」

 

 

原因を聞いても、全く理解できない理由だった。

何故、ウィルのトラウマが自分達がのめり込む原因になるのか不明に思える。

兎縷々夏が語るそれは、ひとえに嫉妬によるものだった。

女性恐怖症や勃起障害なら納得できるが『くのいち』だけを拒絶し、他の女性には普通に手出してヤッテいる。

それに、自分達を想いスケベなのは変わらず”出来ない”だけで、昴達を悦ばせる技量を持ち合わせている。

女好きで思いをぶつけて来るのに”出来ない”のが『くのいち』だからか、何かの繋がりを求め、忍びと女として見めて欲しいと思い純潔である口付けを捧げてしまうのだと。

それ以外にも、普通の女の子と同じ扱いや贈り物等の好感を高める事はしているのだが……。

 

 

「分かるか? もし仮にウィルと出来たなら、体目当ての口車とか思わないか?」

「そんな事は無い……と、言いたいが。確かに目の前で見せ付けられ、私を見て欲しいと思う、な」

「でだ。ウチヒサはウィルと似ている。昴は任務が除外されてたのもあるが、逆にそれが求める原因になった……って、ことさ」

 

 

今までの流れと、内心で理解できなかった事を思考誘導しながら説明する。

昨晩のウチヒサとの出来事を、軽いことにして昴の気を軽くした。

兎縷々夏に説明されて「うーん」と顎に指を当て考える。

今までの流れを思い出し、考えと思いを記憶から思い起こしなんとなく納得する。

思考を誘導されて気が軽くなり、そして浮ぶアノ行為にたいする不思議な感覚。

それをぼやくように口にすると。

 

 

「そうか……けど、ウィルの頭を撫でたくなるのは、何だろう……」

「ああ、それは。鳴香と春香の延長さ。妹分が弟分に代わったんだろう」

「――そうか……うむ。確かに、昔を思い出す懐かしい感覚はあった。そういうことだったのか」

 

 

自分で理解できない頭を撫でる事をぼやくと、そんな昴に妹と弟の似た感覚と言う。

昔を思い出し、しばらく空を見上げながら考えた後、可愛い妹のような弟感覚だったと納得する。

その後、兎縷々夏の考えるウィル対策を話し合いながら、子ども屋敷に一同は向った。

 

 

 

-昴サイド-

 

 

 

むぅ……まさか、私がウィルに過去の春香と鳴香を重ねていたとは。

確かに、昔はよく甘えられて、二人の髪を撫でていたな。

なんとなくホッとするし、ウィルも嬉しそうな顔するからな……つい、撫でたくなる。

修行の鍛錬やキズの手当てをしたもの、昔は本当によく懐いてたな二人とも……なつかしい。

今は確かに頼りにされてるが、甘えられる事はない。

逆に、ウィルに甘えてたな……いや、アレは以外な一面を見た場面だった。

そうなると、二人にいい訳が大変そうだ……まあ、なるようになるか。

 

しかし、年下に慣れてないか……。

――そうか、この右腕を失ってから、下忍や年下のくのいちなど、ほぼ全員が離れて言ったな……。

腕を失っても変わらずに接してきたのは春香と鳴香だけだった。

3人常に一緒で忘れてた、気を許す関係だけに年下の男が何を考え、どう接して良いか分からない訳だ。

任務で殺すか、体を見る男としか見てなかったからな~……。

しかし、兎縷々夏もよく色々気づくものだ。

ともかく、屋敷についてからなるようになるしかない。

 

 

 

 

―兎縷々夏サイド―

 

 

 

ふむ、昴が腕を押さえてなにやら、感傷に浸ってるな。

腕を失なった頃を思い出したか……。

 

腕を失う前の昴は、本当に凄かったからな。

男達の任務に混ざり活躍して、くのいちとしても優秀。

若いくのいち達も憧れの念を持って群がっていたからな。

だが、任務で腕を失った事で全て離れて行った。

けれど、春香と鳴香だけは違い態度が変わらなかった。

いや、寧ろ腕が無いのが当然の様に、落ち込む昴を励ましそれまで以上に絆を深めた様に見えた。

それ故に年下の同姓や異性の対応が疎い。

逆に私の方に多く来たからなー……お陰で年下の気持ちと言うのが大体理解できる。

しかし、押しに負けて百合の相手までする事に……。

良くあることだろう……多分。

 

昴はJAPAN一のくのいちから一度は落ちたが、今は私たちと肩を並べる実力者。

失った力を取り戻す事に死力を尽くした為に、あの二人以外心揺する事無かったからな。

春香と鳴香の保護慾に、ウィルが追加されたと言うところだろう。

 

さて、屋敷についてから鈴夜達がめんどうだが、ウチヒサがどう動くか楽しみだ。

私も確かに好きに成なり、なかなかずる賢いところも可愛いと思う。

そして、ウィルに負けずと独占欲が強い。

おそらく向うで、ウィルにちょっかい掛けるだろう……どうなるか見ものだ。

 

 

 

 

  時は戻り

-大広間の寝床-

 

 

 

朝、子供屋敷の子供達の起床は早い。

早寝早起きが基本。

各々の仕事に向かう為に目を覚まし、持ち場に向おうとする。

しかし、持ち場に行かずにある一箇所に集まって、視線を集中させている女史達。

 

 

「ん~~……セディア~♪……」

「あん♪ も、もう。ウィル君、ホントに寝てるの? ンっ!」

 

 

何を見てるかというと、唯一の異性が眠るその布団。

ただ、その寝ている状況がアレで、思わず興味がそそられているようだ。

何がそんなに興味を引くかというと、寝ぼけてウィルが寝言を言いながら、レイラの胸を揉んでいるのだ。

一方、レイラは他の女性の名を呼ぶので腹も立つが、夫が居る身なのでそこまで不快ではない。

逆にウィルの手付きがナカナカ上手で、どうしたものかと好きなようにさせている。

その様子をレイラ共々鑑賞している状態。

 

 

「ジーーーいいな……」×大勢

「「けど、セディアって誰です?(誰よ?」」

 

 

ずーっと様子を見ている子供屋敷の女の子達。

軽蔑するかと思いきや、結構興味津々でその様子を見ている。

寝言で言う名前に反応し、雪子と境子が首を傾げる。

そして、彼女達の後ろでカタコトを話す姫が一人。

 

 

「フ、フフフ……セディアサンノユメミナガラ、レイラサンノムネヲ……クスクス」

「ひ、姫様。落ちつく、で、ござるよ」

 

 

とっくに目を覚ました香華が、その様子を見て闇と化していた。

本来は闇になるほどの事ではないが、周りの女子達原因に思える。

女子達の嫉妬や幼い子達故の”胸”を強調された「大きい、柔らかい」といった寝言が発端で頬が膨れる子が多数現れる。

成長すれば発育するだろうが、そんな事は関係ない。

女の子達にとって”今”現在の状況を自分達の胸を見て、手で触れて唸るものが多数。

彼女達の負の感情を取り込むかのように香華が闇と化していた。

 

また、香華はセディアの名を聞き、どんな夢を見てるか容易に想像ができる。

寝ぼけているのは分かるが、自身の方に来ずにレイラの方に行き”大きな胸”を揉んでいるのが追い討ちをかけ気に触ったらしい。

鈴夜が落ち着かせようとするも、発するオーラが魚の時並にかなりヤバイ。

たちろぎながら、声を掛けるも関わるのが怖い様子。

 

 

「エエ。ワタシハ、オチツイテマスヨ? ウィルニ、オダンゴヲタベサセル。ジュンビ、シナクチャッ」

「ちょっ! 待つで、うにゃあ!!――っと! あ!……ウィル。すまないでござるよ」

 

 

鈴夜の言葉に答える思考は持っているが、ウィルに殺人兵器を使うと言い出す始末。

流石に不味いと止めようと肩に手を掛けると、その手を掴まれそのまま宙に投げ飛ばされる。

空中でクルリと3回転して着地するも、止められないと判断しウィルに対し聞こえない謝罪をする。

 

その後、ウィルは寝言でリオやミアリの名まで次々と33人中13人の彼女を言っていくので、その度に鈴夜が皆に説明するのだった。

最初はウィルの出す名前の数に呆れ、軽蔑する者がではじめる。

しかしソコは鈴夜のフォローが光る。

20人目以前までの名を出さなかったので、ただ可愛いからヤリタイだけで犯した事は言わずに済む。

セディアを始め、手出しする理由を聞いて納得するもの、金や身の安全が保証されるならありと考える女の子達もあらわれた。

 

 

「あの人とある意味同じ? いえ、ウィルさんは裏も知ってるし……」

「へぇ、ウィル君も隅に置けないわね。やっぱり摘み食いしちゃおうかしら」

「それでも、境子さんは駄目です!」×女子一同

 

 

鈴夜の説明に、少し前まで屋敷にいて現在モロッコに居る誰かと重ねてる様子の雪子。

境子は意外なウィルの手癖と理由を聞き、再度味見に手出ししようとするも再び周りに止められる。

 

周りが騒ぐのを聞きながら、胸を自由にさせているレイラ。

最初は周りの視線に気づいて突き放そうとした。

しかし、寝ぼけて胸を触るだけのウィルの上手に流され、周りのうらましそうな目に優越感を覚えてたのだ。

そして、その出来事の終止符が訪れる。

 

 

「んぁ♪ そっか、結構やり手な、んっ! なのねぇ~……あ、起きそう」

「んぅ~……ん? ふにゅ、ハれ? セディアは? 皆は?……え、レイラさん? んうぅ?」

「ウィル。何時まで寝ぼけてるでござる? 朝でござるよ」

 

 

夫より上手な胸マッサージを堪能しつつ、鈴夜の話を聞き続けた。

急に指に力が加えられ胸に痛みが走り、動きが止まり瞼が動くのを見て目覚めを悟る。

重い瞼を開け、先程まで楽しんだ相手セディアの不在を疑問に思い寝ぼける。

頬を赤めたレイラの顔が見え、何がどうなったかのかぼーっとする。

そして、鈴夜の声を聞くとガバッ! と飛び起き周りを見渡す。

 

 

「――!? げッ! す、すみませんでした!!」

「ん、ふぅ~っ……いいのよ。私は気にしてないから……けど、頑張って。死なないでね?」

「ほんと、すみません……ほぇ? 死ぬ? 何故?」

 

 

寝ていても視線感知はするのだが、セディアをはじめとした大勢と乱交の夢を見てたので気がつかなかったようだ。

じーっと見つめられる女子・女史の視線に驚き、咄嗟に土下座してレイラに謝る。

軽く上気したレイラはそれほど気にした様子はなく、寧ろ嬉しそうにも見える。

ただ「死なないで」と言われウィルは何の事かと首を傾げる。

 

周りを見回しても、自分を見る数多くの視線にそんな身の危険を感じるものはない。

茶弥はある男の子を思いだしたようで、いがいにも微笑ましく見てる。

振り返り境子を見ると、なにやら周りに手や腕、肩を掴まれ止められ残念そうだ。

雪子も特に変わった様子がなく、何やら考えてる様子。

ただ、永常を見ると目を逸らされ、鈴夜が申し訳無さそうに……いや、手を合掌して目を閉じている。

そこで、脳裏に閃くものがり、身震いと冷や汗がウィルを襲う。

ウィルの右横にいるはずの、さっきまでの事態を見て即時に怒鳴りそうな女性が居ない事を……。

 

 

「す、しゅじゅよしゃん? こ、香ね、姉は?」

「――すまないでござるよ……台所に、団子を……」

 

 

身の危険をビシビシ感じながら、油汗をダラダラ額から顔全体に流し、言葉使いがおかしいウィル。

目を閉じたまま押し黙ってた鈴夜が、目を開け台所の方に視線を向けながら死の宣告をする。

 

 

「っ!? う! うそだあぁーー!!」

「「――はいはい。ヤッタ責任は取ろうね~♪」」

「い、いやだー!! はーなーしーてー!」

(ウィルさん……耐えて、死なないで下さい)

 

 

ビクッ! と震え、四つん這いに這い這いをしながら、その場から逃げ出そうとするウィル。

しかし、そうは問屋が卸さない、と言いたげに天井から降下した萄果と林果が片足を二人で掴み、逃亡を阻止する。

両足首をつかまれ、今度はホフク前進をするように腕だけでもがくが、進むわけが無い。

楽しそうに足を掴む萄果と林果が、ちょっと前の悪戯好きな鈴夜に見える。

島津に来てウィルに身近で触れ合った二人は、何故、鈴夜が楽しそうにウィルを虐めるのか分かったらしい。

それに、目下の前で寝ぼけてもヤッテた行為が腹がたったようだ。

ウィルの反応を楽しみながら足を掴み続ける。

必死にもがく様を見ながら、雪子は話しに聞いた殺人団子の凄さを重く感じる。

けれど、怯えるウィルに対し自分が出て行くわけにも行かず、心の中で激励のエールする。

 

 

「「――??……何?」」

「――ウィル君?」×大勢

 

 

一方、事情のつかめない茶弥や境子は、ウィルに何が起きたのか分からず首をかしげる。

他の女史・女子達も先程部屋を出た香華の様子がおかしいものの、何故こんなにウィルが取り乱すのか不思議に思っていた。

そんなドタバタ漫才みたいな光景を眺めていた一同。

 

本来、食事や様々な仕事があるのだが、女性達は部屋から出る事がなかった。

お陰で、男達は少ない人数で役目をはたし、来ない女性達の変わりに奮闘した。

ただ、調理場では。

はじめのうちは、香華の雰囲気に圧されていた男達。

一方、妖しい雰囲気を発しながら団子を作り終えると、一息つき周りを見回す香華。

互いに目が合い、沈黙の後乾いた笑いをした後料理の下準備を手伝った。

その後の調理場の雰囲気は明るいものだったらしい。

 

 

 

―30分後―

 

 

 

流石にジタバタと、何処かに逃げようとはしなくなったウィル。

それでも尚萄果と林果がウィルを拘束し、鈴夜がレイラと永常と共に殺人団子の説明を皆にしていた。

 

 

「――そんなに、凄いものなの?」

「ええ。更に残った団子のタレをひと舐めしたけどね……アレは凄かったわよ……」

 

 

茶弥が想像できない味に疑問を持ち、レイラが茶屋での出来事と自身の経験を腕を組みながら語る。

その言葉に頬をポリポリかきながら、鈴夜が続き。

 

 

「そうでござる。織田では有名であり、皆が知ってる事実でござる」

「私も余りに料理は上手に出来るから。もう一度、軽く作ってもらったのですが……3分ほど意識を失いました……」

 

 

鈴夜の説明に、今度は永常が昨日調理場での出来事を語る。

茶屋での出来事が考えられないほど手際がよく、味見をしてみたが美味しかった。

黒姫より想いの強さが殺傷力に関係すると言われていたので、料理が終わり軽いお茶菓子にと一緒に団子を作ってみた。

そして、出来上がったのは七色団子でなく、普通の団子にタレが桃色だった。

醤油ダレが桃色になったのには驚いたが、見た目が綺麗なので一口食べたらしい。

 

 

「――いがい、よね……」

(信じられないですねー……)×一同

 

 

境子はその茶屋と調理場での事を知らないので、夕食の料理の味のみで判断し顎に手を当てる。

香華の料理の手際も見てたもの、料理を味わった者達は聞いても未だに信じれずにいる。

流石に目上や客人の説明に反語を口に出来ず、思うだけで口に出さない女子たち。

仲が良い者同士顔を見合わせ、ひそひそと内緒話しをしていた。

 

そこに、話題の人物が登場する。

 

 

「お待たせー!……あれ? 皆さん、どうかしましたか?」

(――み、緑色!? しかも、何か緑の湯気のような、緑煙が立ち昇ってるっ!!)×一同

「……お、おはよう。香華姉……」

 

 

特に待っては居ないのだが、どうやら調理場で闇モードは解除されて何時もの香華に戻っていた。

ただし、その手には団子を乗せた皿を持ち、その上には十数本の緑団子が乗っている。

その団子の色、様子に冷や汗を流しながら一同が驚く。

桃色のタレじゃないし、普通の団子の色じゃない上に、異様な煙を上げる団子。

ウィルも香華の雰囲気は何時ものままだが、手に持つ団子の色を見て口元をヒクつかせ目覚めの挨拶を言う。

ただ、両腕は後ろ手に縛られ身動きとれずに胡坐をかいた情けない状態だが。

拘束されてるのを気にした様子もなく、当然の様にウィルの前に移動して団子串を手に持ち。

 

 

「さて、それじゃぁ……ウィルさん♪ あーん♪」

「げぇ! いや、又今度にし、ぐ、が、がが」

「はいはい。口、開けようねー♪」

「あら、ありがとう。林果さん」

 

 

団子皿の乗ったお盆を畳に置き、団子串を持ってウィルに食わせようと満面の笑みで迫る香華。

前回は何も知らず、ある意味見た目が良い七色だった。

しかし、今回の緑団子は色が黒味がっかり、緑煙を立ち上らせあからさまに妖しい物体に見える。

思わず「げぇ!」とか良いながら、なんとか言い逃れしようとするが、頭と顎を手で押さえられ口を空けさせられる。

萄果は胸が大きく結構あるが、林果のは少し小振りで気にしていたようだ。

団子を見て、たじろぎ行動を起こさない姉に代わり妹がウィルの口を開口する。

気の利いた配慮にお礼を言って、口の中に緑兵器を突っ込む。

 

 

「ぐ! むぐ、ぐも、んぐ、ぬぐ、んぐん」

「どお? 美味しいですか?」

((((ああ、南無~))))

 

 

林果に無理やり顎を動かされ、団子を噛み飲み込まされる。

目が笑ってない微笑みをして感想を聞く香華とのやり取りを見ると、鈴夜・永常・レイラに萄果までもが冥福を祈る。

顔を真っ青にしていたウィルだが、なにやら様子がおかしい。

 

 

「に!……「に?」ニガ! シブイ!! けど、食べれるよこれ」

「――へ? 嘘? ホントですか!!」

「うん。えっと、レイラさんと境子さん、お酒飲むほうですか?」

「「え? ええ。もちろんよ!」」

 

 

殺人団子を食べて気を失うと思いきや、やたら葉っぱのように苦く、渋柿以上に渋みが強い団子らしい。

団子のモチモチ感のある、ニガシブの食べ物と言う。

意外な答えに思考が停止していた香華は、驚きつつも詰め寄り顔を近づける。

食べれると再度答えながら、酒が好きそうな二人に声を掛けて食べてもらう。

 

 

「んぐ! あ、確かに苦味と渋味が強いけど。コレ酒の摘みに合うわね」

「むぐ、ごぐん。あら、ホントにお酒が欲しくなる団子ね。ゴヤーに似てる?」

 

 

二人が酒を欲しくなると言いながら、次の串を手に取り出す。

その様子を見て、他の女子や女史も手に取り食べ出す。

酒を飲む飲まないで味覚が違うのか、一口で止める者と食べれる者と二種類に別れた。

しかし、殺人兵器と言われた団子が、癖のある味だが食べ物として作る事ができた。

その事実に驚くと同時に、どうやって作ったのか検討することとなる。

もちろん、拘束は解かれ相談を開始しようとするが。

 

 

「あ! そうでした。朝食の準備できてますよ」

「――ああー!! い、いけない。当番すっぽかしてる」×女史一同

「それなら大丈夫です。私と男の方達が必死にやって、屋敷にいる分は出来てるそうです。ただ、今日来る? 予定分はまだなので、朝食を食べたら『早く来い!』だ、そうです」

「パンパン! はい。皆さん着換えて食堂に急ぎますよ~」

「はい!」×一同

 

 

香華が思いだしたように朝飯の事を言うと、当番の女史達が口に手を当ててバツ悪そうな顔をする。

心配ないと準備が完了してる事を皆に伝え、男達の言葉を伝える。

すると、茶弥が手を叩き皆に声を掛け着換えをするように言う。

各自の部屋に着替えるべく大広間を出て行った。

 

 

「えーと……団子の件は、後にする?」

「駄目です! 今直ぐにでも原因解明しなくては!!」

「大丈夫でござるよ。一度出来れば、次も作れるはずでござるよ?」

「「それで、いいんじゃないですか?」」

「駄目! 私は、直ぐにでも知りたいの!!」

 

顔を見合わせる織田一行。

食事を遅らせ食器をかたずけるのが遅れ、他に迷惑を掛けないように後回しにしようとする。

殺人兵器とまで言われ、団子に絶望していたところに差し込んだ光に糸。

その糸を登り、食べれる料理と言う光を強く求める。

鈴夜が説得しようと案をだし、萄果と林果が合意する。

しかし、香華が猛反対をする。

何とか原因を掴みたいと状況を確認し出す。

余りの勢いに負けて、ウィルが冷静に鈴夜にどんな様子だったか解説を求めた。

 

 

「ん。落ち着いて香姉。鈴夜さん。台所に行くまでの様子教えて」

「はぅ~……」

「了解でござるよ」

 

 

香華の頭に手を乗せてポンポンし、撫でるウィル。

取り乱してたが、顔を赤め大人しくなる。

言われた鈴夜も、台所に向うまでどういう状態だったか説明する。

目が覚めたら、ウィルが寝ぼけレイラの胸を揉み寝言を言った事。

その際に周りの女子が嫉妬と妬みに呼応するように闇化したのを。

 

 

「――つまり、アレだね。負の感情を持って作る団子が、普通じゃないけど食べれると」

「そういうことに、なるでござるな~」

「むぅ~~……納得できないけど、納得しないといけませんね」

 

 

団子の検証した結果、相手を好いて想うと殺傷効果が増す殺人団子。

逆に、今回の嫉妬やねたみ等の負の感情でつくると、味は別にして食べれる団子ができると結論づく。

そこで、怒りといった他の感情で作るとどうなるかとなる。

けれど、それはウィルにとって危機にもなる可能性あるので後回しにしたかった。

そこで、食事を遅らせ食器をかたずけるのが遅れ、他に迷惑を掛けないように後回しにする提案をする。

納得できない香華もある程度の希望の光が見えたので、これ以上遅れるのは不味いと思い同意した。

五人とも頷き部屋に残ったウィル達は、団子の詳しい味に関しての検証を後にする事となった。

そして、各自の部屋に戻り、着替えて食堂に向った。

 

 

 

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