ランスの孫。ウィルの暴走戦記   作:神崎風水

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6話 JAPAN各国周り ≪原家・中篇≫

―とある侍女の日記―

 

 

 

私の名前は伊勢琥珀。

原家の侍女として勤め、早3年目で御座います。

 

 

2年目の夏に西条望月様に初めてを奪われ、何度か共にした後捨てられました。

悲しくないと言えば嘘になりますけど、私たちは雇われの身で泣き寝入りしかありません。

辞めるか残るかの二つで、辞めていくもの多数、残ってる侍女が少数です。

何故、今回こうなったかと聞き回ると、なんでも、美人の奥方が懐妊したらしく、その間の相手にされたらしいです。

奥方の出産後は何事も無かったかのように、私との関わりを無かった事にしたいようでした。

悲しい事ですが、変にもめて追い出されるよりましと、その後は何事もなく過ごしてきました。

 

 

本日、他国からのお客様がいらっしゃいました。

香華姫様とお付の鈴夜様はよく存じておりましたが、今日は桃色の長い髪をなびかせ歩いてる子供がお客らしいです。

 

謁見の間で、何やら亜紀姫様が騒いでいたようですけど…。

無事に会食も終わり片付けを終え、私達も下がりました。

 

 

夜、御花摘みの帰りに、お客のウィル様に呼び止められ面と向かい話し、私は好感を覚えました。

私たち侍女は低く見られるものです、客と言えば立場が強いと方が多く侍女に命令する方が大半です。

ウィル君でいいよと呼び方を改めさせられ、私を「お姉さん」と呼ばれ、胸躍る感覚しました。

侍女としてではなく、年上の一人の女性として話し対応してくれるのです。

また、11歳と子供なのに落ち着いた雰囲気で笑顔の可愛い青年にも見えたのです。

 

質問の内容は湯浴みの場所や、3時間後くらいに湯が沸いてるか、との事。

今なら可能ですけど、流石にその時間には無理と言うと3時間後に入れるようにとお願いされ、私は湯番に伝えると言いました。

最後に着替えの準備と3時間後に入れるように成っていれば良いと言われ。

管理してると眠る時間無くなるから、ほかって置けば言いと言われました。

 

 

3時間後、湯加減を確認すると、私は就寝する為に部屋へと向かいました。

寝支度を済ませ布団に横になり…はっ!っと私は着替えの事を忘れていたのを思い出し、二人分の着替えを持って浴場に向ったのです。

 

 

脱衣場に着くと服が脱ぎ置かれていました。

亜紀姫様の声が聞こえていたので、誰が入って居るか分かり、私は間に合ったと着替えを置き立ち去ろうとしました…。

けれど、姫様以外の声が聞こえ、姫のぐもった声が聞こえたので何事かと風呂場を覗いたのです。

 

 

中を見ると背中から、姫に覆いかぶさる女性が居たので、ふざけてるのだろうと思いました。

けれど、原家に桃色の髪をした女性は居ません。

よく目を凝らして見ると…私は思わず声を上げそうになり手で口を押さえました。

3時間前、私と話していたウィル君が亜紀姫様に抱きついています。

何をしてるか一目瞭然、私は直ぐに止めに入ろうとしました…けど、入れませんでした。

亜紀姫様の表情が…今までに見た事ない、幸せそうな笑顔をしてるのです。

止めに入る事も立ち去ることも出来ず、私は中の様子を見続けていました…すると、ウィル君と目が合ってしまったのです。

慌ててその場を去り、部屋に戻り布団を被り寝ようと思ってました…。

 

 

四半刻後…どうやって調べたか分かりませんけど、ウィルさんは私の部屋にいらっしゃいました…。

 

 

 

 

 

―現在廊下―

 

 

「鈴夜さん、琥珀さんの部屋は?」

「…知ってたのでござるか?…***の、3番目を曲がった部屋でござるよ」

「気配は分からなかったよ。けど、リーザスやゼスでも僕の監視してたんでしょ?なら、今もかなって…ありがとう、助かったよ」

 

 

ウィルは風呂場で視線は感じて探るも、何処か分からず放置してた。

しかし、何時の間にか視線が増えてる事に気づき、ふと見ると扉の隙間から覗く琥珀と目が合った。

一瞬動きが止まるほど焦るが、亜紀に気づかれる事も無く、琥珀が去ると同時に視線を感じ無くなったので、鈴夜が追ってる事が分かりそのまま亜紀に集中して事を終えたのだった。

 

 

「どうするんでござる?まさかと思うでござるが…処理するなら鈴夜がするでござるよ」

「物騒だな~…大丈夫、多少知ってる人だし話してみるよ…それに、場合によって手伝ってもらえるかも…知れないし」

 

 

井裏から声だけで鈴夜が質問して来てる中、口調が急に冷め殺気が感じられる。

その気は無いだろうと思えるのに、此処まで切り替えられる鈴夜に関心・信頼と恐怖を覚えるウィル。

部屋に向う歩みは止めず、殺気をさり気なくすり抜け話し合いをすると、手助けを求めると言う。

 

 

「ともかく、大丈夫だと思うよ」

「なら…いいでござるが…」

 

 

 

廊下をしばらく歩き進み、琥珀の部屋の前に到着すると部屋の中に気配がし居るだろう琥珀に声をかける。

 

 

「琥珀お姉さん、ウィルです。起きてますよね?」

「……」

「んじゃ…ごめんなさい。入るよ」

 

 

襖を開け部屋に入り奥に進み、盛り上がる布団の前に座る。

 

 

「お話したんだけど…いいかな?」

「…何の話でしょう…わ、私は何も見てませんし、言いません」

 

 

琥珀は観念したのか、布団からモソモソと出て来て向き合い正座する。

少し怯えた感じで良くある、見てない知らない言わないを主張する。

琥珀の目と表情をじっと見ながら、真剣にしばらく見つめていたウィル。

雰囲気を最初に会った年上尊敬状態に戻り。

 

 

「うん。お姉さんは言わないと、僕もそう思うよ」

「ほっ…良かった…それで、話って何?」

「それはね、亜紀姉の手助けして欲しいんだ…それについてのハナシだよ」

 

ウィルの雰囲気が戻り理解してもらえたと、胸を撫で下ろすと話を聞こうとする。

ただ、ウィルの話しとはハナシ違いで、琥珀は押し倒される事となった。

 

 

 

 

―30分後―

 

 

「はぁ、はぁ…す、凄いのね、ウィルさんて…姫様の気持ちが分かった気がする」

「…琥珀さん、どうして?…そんなに諦めてるの?」

「っ!?…なん、の事言ってるの」

 

 

ウィルは亜紀と同じ事を、口で説明しながらすることで、気の持ち方を操ろうとした。

だが、特に抵抗も無く、心此処に在らずの状態で全てを受け入れてる。

初めてではない、かといって慣れても居ないが、体は反応している。

導き出されたのは過去33人の何人かに当てはまり、セレーナの教授で琥珀の過去がなんとなく理解できた。

 

 

「お互いに秘密持った同士。悲しい事でも聞いてもらうことで軽く成る事もあるよ」

「都合のいい秘密ね…。でも、言えない事もあるのよ」

「…うん。そうだね…琥珀…命令だ、話せ」

「ひっ…わ、わかりました」

 

 

大人しくウィルは聞こうとしたが、なかなか話してくれない琥珀。

言いたくないなら仕方ないけど…それを聞いて解決しないと進めない。

勘と言う本能がウィルの中のもう一人が囁きく感じがして、ダンジョン捜索時に培った殺気を載せ、琥珀に命令する。

口調と雰囲気と感じたことの無い、初めての背筋が凍る感覚に琥珀はポツポツと西条との事を語り出した。

全てを話し終えた琥珀は、落ち着きつつも目に雫を溜めていた。

 

 

「そっか…強いんだね、お姉さんは…ごめん、やり方間違ってたよ。次は大丈夫、安心して」

「別に私は強くなんか…えっ?何?…え?…あっ…ふっ…ぁぁ!?」

 

 

 

 

 

―1時間後―

 

 

「はぁ~…何コレ…ふぁ~…サッキとまるで違うよ…頭が真っ白で、何も考えれない…心地いい」

「ふふっ…それは、良かった。大好きだよ…琥珀…んっ」

「あっ…んっ…」

 

 

2回目の後息が乱れる事無く、心地よい体のだるさ。

琥珀は何がなんだか分からない、心地よさに包まれる。

先程は高みから快楽の底に落とされるような感覚、と言えるだろうか体と心が離れる感じだった。

しかし、西条との事を話した後、再びウィル押し倒されたのだが今度は全く違う感覚に誘われた。

一番の違いは強引な快楽と、言葉を主体をした心に響く囁きと、軽く触れ続ける優しい動き。

最初は言葉攻めで落とされる感じから、今度は言葉で酔い浮ぶような甘味な感じのするひと時だった。

年下の弟とも思えるウィルから、好きと言われて嬉しく感じ、更に甘い接吻され名を呼ばれ堕ちる琥珀。

 

 

「ねえ、ウィル。何がサッキと違うの?こんな感じと気持ち…初めてよ」

「うーんと、体を見てるのと、相手を見続けるのとの違いだよ…えっと、恋人として接するって言った方がいい?」

「分からない…けど、なんとく私をずっと見て想ってくれてる、それはなんとなく分かったかな?年下の…子供の恋人…」

「あはは、深く考えなくて良いと思うよ?それよりお願い聞いてもらえる?」

「そうなの?…ふぅ…なんか、いい様に使われる気がするけど、いいよ。何をすればいいの」

 

 

ウィルに腕枕をされながら、ウィルの胸元を指で弄る琥珀。

最初との違いを説明されたがイマイチ理解できず、恋人と言われた事が心地よいが、なんとなく悩む所もあった。

ウィルのお願いに、いい様に使われるのは予想と理解できたが、断る気が起きず了承した。

 

 

 

 

 

 

 

―朝食の会食場―

 

 

一同が揃い朝食を食べる筈の場と時間だが、箸を動かすのは二人の女性と男のみ。

他の一同、香華さえも、ある一点箸を持ったままある女性を見続ける。

因みに回りに居る侍女も、皆動きが止まり一箇所に視線が集まる。

それ故に3人の食事が進むと、お茶やお代わり等の世話を一人の侍女が忙しくなく動く事となる。

 

 

「アナタ、何をぼーっと、わたくしを見てるのです?早く食事を終えてしまわなければ、城下の案内周りに支障が出るのでわなくて?」

「…はっ!…あ、ああ。そう、その通りだ。ほれ皆も速く食事を終えてしまうのだ」

「凄い変わりようですね…ウィルさん。後で、キチント説明してくださいね」

「もぐ、むご…ん、ゴクン。なんで僕になるですか?…はい、分かりました」

 

 

亜紀の指摘に再起動する庄司。

庄司に言われて、家臣達はいそいそと食べだし、侍女達も慌しく動きだす。

香華はウィルに事の内容説明を求め、ウィルは食べてるモノを飲み込み、拒否をしようとするが…香華の微笑みと目に圧され、俯き了承する。

もう分かってるであろうが、亜紀・ウィル・鈴夜が黙々と食べ続け、琥珀が慌しく三人の世話をしていた。

 

 

亜紀がどう変わり、皆の動きを思考を凍結させたか…。

簡単に言えば、結婚指輪を除く装飾品を一切つけていない。

着物も金の装飾が付いた羽織、帯、襟留めが無くさっぱりとした着物。

扇子・簪・金髪つけ(金の粒)・イヤリングも全て身に付け持っていないのだ。

それに眉の上にあった化粧も無く、全体に化粧が薄かった。

しかし、まったくさっぱりしただけで、此処まで固まる事は無いだろう。

何より着飾り、気位の塊であった筈。

それが飾るものが無くとも美しく、今までに無い柔らかな表情で活き活きしている。

ついでに言えば、肌がつやつやで若いから当然だけど、若々しく見えた。

予想外の事で朝食の時間が長引き、食事が終わると一同は素早く城下出かけた。

 

 

城下にて町の様子と色々な説明をする家臣。

香華は頷きながら聞き、ウィルも聞いているのだがよく分からず、それに眠そうだった。

そんな中一人の町人が進み出て直談判してきた。

 

 

「庄司様、お願いしますだ。どうか、どうか税率を下げてくだされ」

「むっ、いやそれは…しかし」

「原様。そんなに高い税を取ってるのですか?」

「7割の税ですじゃ。このままでは、ワシ等は干上がってしまいますだ」

 

 

意外な民の直談判に焦る原一同。

香華もあまりの酷い税に領主たるものはと力説し出す始末。

なんとか取り持とうとする中意外な、元凶からの一言で納まった。

 

 

「アナタ。税を元に戻せばよろしいのでなくて?財政等は、わたくしの貴金属を売ればよろしいのでわ?」

「!?…な、なんといいのか?亜紀」

「困ってる民の為ですわ。良いに決まってます」

「!?×7」

「ありがとうごぜーますだー!」

 

 

亜紀の信じられない言動と行動に、驚愕する原家一同。

直談判してきた民は喜び膝を付け平伏し、周りの民も税の復帰に喜び礼の声、言葉を上げる。

香華はこれで良いのです、とウンウンと頷きウィルは笑顔絵で亜紀の方を見ている。

原の家臣と庄司は姫の有り得ない変化に驚きと困惑に陥っていた。

 

 

 

一同が歩き進む中、脇から飛び出た子供が亜紀にぶつかり尻餅をつく。

皆が亜紀と子供の方を見るなと家臣達に緊張が走る。

子供はドロ遊びをしていたらしく、亜紀の着物がドロで汚れてしまったのだ。

過去亜紀に歯向かった為に処刑された同僚、子供とはいえこんな事に成れば唯ではすまないと恐怖する。

そんな中、亜紀は子供に近づき立たせ、汚れをポンポンと払う。

 

 

「坊やは大丈夫ですの?怪我はないですの?」

「うん!おいらはこのぐらいへっちゃらだい。ありがとう、綺麗なお姉ちゃん」

「な…なんと…あの亜紀が…」

 

 

家臣達は亜紀の行動に口を空けて唖然。

庄司も今までの経験から有り得ない亜紀の行動に嬉しくも、驚きの声を漏らす。

香華も話に聞いてた姫と違いに驚きながらも微笑ましく見ながら、何かをしただろうウィルに関心している。

一方鈴夜は香華から見えない位置で苦笑いしてウィルを見ている。

亜紀は子供を見送ると庄司の方を向き直り。

 

 

「アナタ、着物が汚れてしまったわ。買い換えたいの、よろしくて?」

「ああ、誰か付けよう、西じょ「ウィルがいいですわ」…亜紀?いや、それは困るぞ」

 

 

亜紀が町中なので着物の買い替えを言い出し、庄司はそれを許可し付き添いを選び呼ぼうとする。

小走りでウィルの元に行き、手を掴み服屋に連れて行こうとする。

亜紀の行動に戸惑いつつも、今回の視察の主役であるウィルを連れて行かれるのは困ると留める。

 

 

「あの庄司様。僕が視察に行ってもよく分からないので、香華姫に説明してもらっていいですか?」

「いや、それでは今回の視察の意味がなくなってしまう」

「あら、いいんじゃないですか庄司様。ウィルさんは聞いていても欠伸してるくらいですし、後で私がわかり易く説明しますよ?」

「う、うむ。香姫様がそう仰るのなら、私は構いませんが」

「大丈夫ですよ、ウィルさんと仲良さそうですし、鈴夜を護衛に付けます」

 

 

話しがまとまった事で、ウィル・亜紀・鈴夜は視察組みと別れ着物屋に向う。

 

 

 

 

 

―着物屋店内―

 

 

早速着替えを終えた亜紀が二人の前に現れる。

その服装は町民と同じモノで、髪型を左右で縛ったツインテール(小松参照)にし、ある意味変装を終えた状態。

髪を弄りながら服装を確認する亜紀、その姿を上から下まで確り見るウィルと鈴夜が感想を言う。

 

 

「うん、似合ってる。可愛いよ亜紀姉」

「似合ってるでござるよ。コレでどう見ても、姫に見えず町民でござるよ」

「ありがとうですわ。コレで町中を気にせず逢引できますわね」

 

 

着替えを終え、格好を褒められ嬉しそうに”逢引”と宣言してる亜紀。

汚れた着物は汚れ取りを依頼し後で取りに来ることになっており、結婚指輪外してウィルが収納済み。

今の状態と言動でもうわかるであろう。

先程の子供はウィルの仕込みで、前もって計画されていたことだ。

 

 

朝亜紀の格好は、ウィルのいう事を聞いてしたのは言うまでもないが。

民の直談判で趣味、楽しみであった貴金属を手放す行為。

ウィルが汚すなら怒らないが、見ず知らずの子供が亜紀の着物を汚した場合、いくら今の亜紀でも激怒するだろう。

前もってウィルに全て聞かされ、どうどういう風に行動すれば良いか、指示されてなければ絶対にしない行動である。

ウィルは金を鈴夜に渡し、大人と子供に行動するように前もって依頼しておいたのだ。

足利の姫という気位の高さで、逢引はしたがらなかった。

しかし、知らない事は損、町民に変装すれば姫と思われず絶対に楽しいと断言し、夜のアレとは違う事を教えると言葉巧みに丸め込んだのだった。

姫として自由がなく、無駄使いしか知らない亜紀にとって、ウィルに案内された場所やモノは全て新鮮で楽しいものだった。

 

 

そして、人の寄り付かない所で服が汚れない様に中に、にゃんにゃんした。

ウィルは亜紀を連れて、3人はお香屋に向かい見つけた香屋の店内に入って行く。

3人を愛想が良い、元気な声で40代の店主が出迎える。

 

 

「へい、らっしゃい!おっ、譲ちゃん達可愛いね。姉弟でお使いかい?」

「にょほほ。口が上手いでござるな、主人」

「あ、ありがとうですわ。ウィルと姉弟…姉弟…」

「おじさん、ありがとう。でも、そっちの亜紀姉とは恋人だよ」

「う、ウィル!?」

 

 

店主の出迎えに、3人それぞれ答える。

更にウィルが姉弟から恋人宣言するので、亜紀は顔を真赤にして俯く。

店主は亜紀の反応に「うらやましいのー」楽しそうに笑い、ウィルの肩をバンバン叩く。

亜紀の反応を楽しんだ後、本題の商品を求め店主に聞こうとする。

 

 

「で、おじさん…ゴニュゴニョ…って効果のある?」

「なんだと?小僧、本気で言ってるのか?ちょっとまて…」

 

 

ウィルの耳打ちに、先程笑顔だった店主が顔をしかめると怒ったように、マッタをかけた。

目を閉じ、しばらくすると雰囲気が変わり開けた瞳がギラギラとした金色に変化した。

 

 

「っ!?」

「店主、目の色が違いますわよ?」

「おじさん…雰囲気変わったね」

「どれ、スンスン…ったく。スンスン…おいおい。スンスン…こりゃまた…」

 

 

鈴夜は店主の雰囲気が変わると同時に臨戦態勢になる。

亜紀は瞳の色に、ウィルは雰囲気の違いに気づく。

店主は亜紀、ウィル、鈴夜の順番に鼻をスンスンならし、何やら匂いを嗅いで一人愚痴り、驚いているようだった。

嗅ぎ終えると、また直ぐに元の目色と雰囲気に戻る。

 

 

「譲ちゃん、このクソガキは止めとけ。騙されてるぞ」

「なっ!?何を言ってますの!」

「いいか、よーく聞けよ。このガキは30人以上、他の女の子達に手だしてる悪ガキだ」

「あ~…その事ですの。知ってますわよ、上手で手馴れてるから聞いたら普通に白状しましたわ」

「痛っ!?痛いって、亜紀姉。分かってるなら、その手離して…痛ってぇ!」

 

 

店主の言葉に亜紀は呆れ気味答え、同時にウィルの頬を抓る。

店主に説明しながら怒りが湧くのか、ウィルの言葉にも呼応し抓る指に力が入りウィルが痛がる。

手を離すとそっぽを向いて拗ね出した。

一方指を離してもらった後、痛がると思いきや、赤くなる頬を掘っておいて、亜紀がコッチを向いてないを確認するウィル。

確認終え、鈴夜に合図した後、ウィルは声には出さずに店主に謝る仕草や色々伝えようとジェスチャーをし出す。

過去の事までまで分かったという事は、昨夜の琥珀とこ事も必須、露見するのを防ごうと焦る。

今まで大人びたウィルが、急に歳相応の情けない慌てように主人は面白がり手振り合図で要求する。

 

 

「亜紀姉、怒んないでよ…過去、僕の町の話だよ。JAPANでは亜紀姉が初めてなんだから…ね」

「亜紀殿、ウィル殿も、ああ言ってるでござるよ。許してあげるでござるよ」

「べ、別にわたくしわ怒ってませんわよ。ただ、ちょっと…イライラしてるだけですわ」

「ほ~…なるほど。んじゃ、こうで。うむ…まあ、事実みたいだな。いいだろう」

 

 

店主に目を向け一生懸命、身振り手振りで伝えながら、亜紀に言葉をかける。

亜紀に声をかけてるのだが、その内容はなにやら店主にも聞かせ説明してるようだった。

一方鈴夜は亜紀が振り向いても、ウィルが見えない位置で亜紀をなだめる。

亜紀はそっぽ向いたまま、鈴夜とウィルの言葉に応える。

一方店主も、ウィルの意図、言葉、願いと要望を理解し了解する。

 

店の奥に入って行く主人。

しばらくすると奥から出て来て、カウンターの上に赤・青・黄色の○形と□形の容器を置く。

 

 

「ほれ、こいつが希望の品だ」

「変わった形ですわね…どんな効果ですの?」

「まあ、アレだ…男と女が出す特有の匂いを消して。お香としての効果を発揮するものだ」

「え?普通のと同じではなくて?」

「譲ちゃん鈍いな…お前さんの下腹の中にある、坊主の臭いを消す効果だ」

「?…っ!?…はっ!…なっ、なぁ!?」

 

 

ウィルの求めた、亜紀に使うお香説明を受ける。

始は意味分からずの亜紀だったが、意味が分かると顔を真赤にしてパニックになる。

取り乱す亜紀を鈴夜に任せ、ウィルは店主に使用方法を尋ねる。

 

 

「○が強い匂いで消臭し、□を使うことで混ざり匂いを香りに変化させるんだ」

「へー…二段構えの二種効果ですか」

「そうだ、後色で分けた三種類の香りが楽しめる。あの譲ちゃんには赤が合うと思うぞ」

 

 

2型3種の説明と効果に必要な時間説明等、色々聞き終える。

次に義姉やCITYの皆に渡すお土産の用途を主人に説明するウィル。

性格や落ち着く効果の香り、また油と汗を隠すようなモノ等、多種多彩のお香を出してもらう。

先程の交渉通りに、出たもの全部購入するウィル。

 

 

「全部で金200だな」

「はい…っと、コレでいいですか」

「…おい。この量を今、何処から出した」

「え?コレからですけど?」

 

 

主人は先の目の色変えた時、3人の特質具合に普通の町民でなく、どこぞの領主のドラ子息と辺りを付け金には驚かなかった。

しかし、手ぶらのウィルが急に袋に入った金を、ドサッとカウンターに置くので追求する。

腕輪を指して説明するウィルに、店主が忠告をする。

 

 

「坊主…金出す時、もっと分からないようにしとけ。命が幾つあっても足りなくなるぞ」

 

 

商売人でも、目が眩む者がたくさん居るのと、何処で見られてるか分からないと色々裏情報をウィルに説明する。

色々な話を聞く間には亜紀も平常心に戻り、先程の疑問を投げかける。

 

 

「店主。先程目の色が変わったのと、ウィルの過去とか分かったのは。どういう事ですの?」

「あ~アレか…ま、あんた等ならいいか。俺は呪い付きで嗅覚が異常に効くようになるんだ」

「そうだったのでござるか…気配が変わった訳が、判ったでござるよ」

「呪い付き?(ですの?)」

 

 

店主はついつい色々喋ってしまったし、買うモノ買ってくれた上客。

特殊な3人なのでイイだろうと呪い付きと説明する。

亜紀の事、ウィルの染み付いた洗っても残る匂いについて。

鈴夜に至っては毒と血や諸々でくのいちと分かった事や、自身の呪い嗅覚と瞳の色が分かるだけと説明し、その効果を利用し色々な香を作ってる等3人に教えた。

 

 

「いいの?おじさん。そんなに詳しく言って」

「ああ、いいんだよ。最初は気に入らないクソガキと思ったが案外子供で面白いと思ったし。買うモノはキチントしてる。俺は坊主を信用したんだ」

「それはいいのですけど…コレ匂いきつすぎますわよ」

「譲ちゃん。中のを洗い流せるなら、直ぐに□形のを使えば良いが、今は無理だろう。四半刻まで我慢だ。それに使ってる内に慣れるさ」

「ッ!?…分かりましたわ…この匂いはあまり慣れたくないものですわね」

 

 

呪いつきの迫害に関する説明もし、ウィルを気に入った事を伝える店主。

○形の匂い消し香が鼻に来るので文句を言うが、亜紀は店主に言われて渋々納得した。

 

 

3人はお香屋を後にすると、食い物屋台食い歩き。

お土産にと簪と櫛屋、小物屋等色々歩き廻わり、亜紀には櫛と簪と手鏡の同柄の3点セットを、鈴夜に髪留めと新しい首鈴をプレゼントした。

香華にはリボンと髪飾り準備し、祖母は勿論、静・マリー・ララや33人達のお土産をまた準備し終え、視察組みに合流しに向った。

勿論、左右に束ねてた髪を解き元に戻し、結婚指輪をキチントはめて亜紀が何処に行ったか足が着きにくい様にし終えてある。

 

 

 

皆が合流すると庄司は亜紀が着る町民格好、普段見ない服に妻と言うより歳相応の少女に見え、今朝同様違う姿が見れ驚きと嬉しさが湧き上がる。

一方で亜紀の服から発せられる匂いに、しばし顔をしかめた。

 

 

「亜紀よ。服似合って可愛いぞ…しかし、その匂いは少しきつくないか?」

「あ、ありがとうですわ。え?ああ、そい言えば、匂いに慣れて忘れてましたわ…」

 

 

庄司は初めてであろう服を褒める事と同時に、キツイお香に質問をする。

亜紀はウィルに褒められたのとは違う、今まで見たこと無い顔と褒め言葉に嬉しく思う。

そして、お香屋の店主が言った匂いの慣れに嫌な感じをしつつ、○形の匂い袋を仕舞い、□形の匂い袋を袖に入れ軽く服に振りかける。

 

 

「おお?良い香りに変わった…うむ、亜紀にピッタリだ」

「本当に、あの亜紀姫か…信じられん…」

「ええ、ありがとうアナタ。さあ、城に帰りますわよ」

 

 

今までこんな会話をしたことが無いと思いふける夫婦。

家臣は色々な亜紀の変わりようにボソボソと呟く。

合流と会話を終えると一同は城へ帰還する。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

  ≪人物≫

 

 

 伊勢琥珀(半オリモブ)

 

  LV 1/23

 

技能 弓戦闘LV0 巫女LV0

 

 

戦国ランスの全国版に出る メガネに三つ網ツインお下げの容姿で巫女。

ロードによって原勢力で巫女の高城山葵とか名前が違うが容姿はそれで。

 

西条望月に過去弄ばれ、捨てられ泣き寝入りした侍女。

ウィルに抱かれて違う世界?を見て、利用されてるのを理解しつつも協力する。

 

 

 

 西条望月

 

西条餅清=望月に変えただけの陰陽師。

深く気にする必要なし(ぁ

 

 

 

 お香屋の店主

 

呪い付で嗅覚の異常強化と瞳の色が変わり、犬歯も伸びるらしい。

鈴夜をくのいちと見抜き、臨戦態勢になり戦闘能力を言うと殺されると危惧し。

身体能力向上で移動速度と力が増すことは内緒にしたらしい。

嗅覚の強さを使い、色々なお香を製作して商売してる。

 

結構親切な40歳のおっさん。

 

 

 

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