ランスの孫。ウィルの暴走戦記   作:神崎風水

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7話 JAPAN各国周り≪原家・後編≫

―原城―

 

 

 

城に着くと庄司の言葉と同時に各自解散し、部屋に戻ったり各自仕事に戻る。

一方、亜紀には侍女の琥珀が風呂に入るようにと進める。

 

 

「皆ご苦労、各自戻ってくれ」

「姫様。外の埃で汚れてしまわれたでしょう。湯浴みの準備ができています」

「あら、気が利くわね、ありがとう」

 

 

琥珀に言われて風呂に向う亜紀。

琥珀は風呂場に向う亜紀に付き添い後に続く、途中ウィルに目を合わせ頷くと風呂場に向った。

 

脱衣場に着き、亜紀の衣服と脱がせると琥珀は脱衣場を後にしようとする。

 

 

「あら、貴女は来てくれないの?」

「申し訳ありません。私はこの後、用がありますので…大丈夫です。ハマさんが待っていますから」

「ハマさんなら、大丈夫ですわね」

 

 

浴場に入ると一人の女性が待っていた。

名を浜木綿と言い、長く原に仕えている30歳になる侍女長と言える存在で、侍女に皆に信頼されていた。

また、亜紀にも優しく親身に接して居たのでハマさんと呼ぶ程に信頼していた。

最初は幾ら跳ね除け、蔑ろにしようと変わらず接してくれるのか分からなかったが、今はその事を考えず接している。

何故ハマが親身になって居るのかは、後に知る事となる。

 

 

「はぁ~…やっぱり、ハマが一番上手ね…ちょ、は、ハマ。そこはイイですわ」

「何を仰るのです姫。女子にとって此処は大切な場所、綺麗にして置くべきです」

「だ、大丈夫ですわ。自分で洗えます」

 

 

ハマに大事な部分を洗われだして焦る亜紀。

普段なら何とも無いのだが、今現在は状況が違う。

止める様に言うのだが、ハマはいう事聞かずに洗い続けた。

 

 

「繊細な此処は丁寧に洗わないと、殿方に見られても恥ずかしくないよう…アラ?コレは」

「見られてもって…っ!?違うわ!ウィルのじゃないのよ!」

「ウィル様?…どういう事ですか姫…聞かせてもらいますよ」

「ひぃぃ!?はひぃ!」

 

 

ハマに体を洗ってもらう、何時もの湯浴みの日常で終わる筈であった。

しかし、亜紀は普段と違う状態である事を忘れ、信頼してるハマの存在で気が緩み事がばれてしまった。

焦ってウィルの名を出した事で、今まで見た事無い,、ハマの目が笑ってない笑みを見て、亜紀は悲鳴じみた返事をする。

 

 

ひと悶着あったが体を清め終え、湯に浸かる亜紀とハマ。

亜紀は昨日の事を白状し、今日の行い、どんな事してきたかハマに伝える。

 

 

「そうですか…そんな事が…」

「ええ、いけない事分かってますわ…それでも、わたくし…」

「大丈夫です、亜紀様。庄司様には黙っておきます。ただ、ウィル様には…オ・ハ・ナ・シ・する、必要がありますね」

「その…ハマ…お手柔らかに、お願いしますわよ」

 

 

過去を話せなかった事を聞いてもらいすっきりした事や。

ウィルの押しに負けて関係を持ったが、その後の良かった事。

逢引というが、3人で今まで見えなかった視線で城下町を楽しめた事を等ハマは理解してくれたようだが。

ソコに至る方法がNGと「ふふふ…」と黒いオーラが見えるようで、亜紀は怯えながらお願いする。

 

 

 

 

―琥珀の部屋―

 

 

室内では何度目かのコトを終えて、服を着込む琥珀とウィル。

おもむろに○形と□形の黄色いお香と、三つ網用の髪留めと櫛を琥珀に渡す。

 

 

「はい、琥珀さん。コレ使って」

「え?…こ、こっ、これは!」

「ニワトリ?黄色いのはお香で、髪留めと櫛だよ?プレゼント」

「男の子から初めてよ…プレゼント貰ったの…ありがとう」

 

 

ウィルに手渡された生まれて初めて貰った贈り物。

お香に髪留めと櫛は女にとって必要な物であり、もらえれば嬉しいものである。

 

 

「色々迷惑かけたし、今後もかけるからね。あ、お香は説明するね」

「…いい様に使われるってのはシャクだけど、気持ちは嬉しいのよ。へ?説明?」

 

 

余り派手なモノではない、同じ模様の髪留めと櫛を貰い嬉しく喜んで居た。

しかし、ウィルのモノ言いに昨日、今日お願いされた事を思い出し、今後の事も思う琥珀。

お香は普段使いもしないが、使用法は知っていた。

しかし、その説明された用途に唖然とする。

 

 

「分かるけど、何でそんなモノが必要になるの?…ウィル君、明日出てくでしょ?」

「うん、明日ね。ごめんなさい…必要になるのは今後で、昨日亜紀姉の事をお願いしたでしょ?その時に使う場合あるかもしれないし」

「そうかもしれないけど…私、今使う!いいよね?」

 

 

ウィルが旅立つ事は決まってる。

渡されたお香の用途に使い道が少なく、今後使う必要が無い可能性だってあるものだ。

折角貰ったものだと、ウィルに見て感じて欲しいと思い即行で香を使う。

 

 

「勿論いいよ。後、コレ亜紀姉は違う赤のを持ってるし、浜木綿さんにも青のあげるから」

「むっ…へ~…三種類かー…他は…な・い・よ・ね?」

「うぃ、もひゅいりょんりゃよぉ」

 

 

ウィルが次の視察に旅立つのを寂しく思いながら、昨日頼まれた事を思い出してた琥珀。

香りを嗅いでもらおうとお香を付け終えた。

亜紀の後にハマにも渡す事を聞いてイラっと来る。

昨日頼まれた時点でわかっていたが、実際に聞くと腹立ちウィルの両頬を引っ張る。

何故だろう、子供所為かウィルの体質か、女性を怒らせると直ぐに頬を抓られるウィルだった。

 

頬を抓り反応を楽しみ、ウィルに付けた香を褒められて機嫌よくなる琥珀。

二人は何事もなかった様にウィルに付き添う侍女として会食会場へと向う。

 

 

 

何度も行った会食を終え、即座に自分の部屋に戻ろうと会場を後にしたウィル。

会食中なにやら琥珀の香りが家臣や侍女達に評判だった。

亜紀は湯浴みに入ったのでしてなかったが、ウィルに買ってもらった別の香を付け庄司に褒められ御満悦のようだった事を思い出す。

 

少し経ち、鈴夜に周りの様子を聞きながら、素早く亜紀の部屋に向う。

 

 

 

 

 

―亜紀の部屋―

 

 

 

「亜紀姉居る?」

「居ますわよ、入って」

 

 

周りを気にしつつ入室するウィル。

亜紀は時間を惜しむように奥へとウィルの手を引き向った。

 

 

 

―3時間後―

 

 

「ねえ、ウィル…明日どうしても発ちますの?」

「決まってる事だから、仕方ないよ」

「わたくしを…連れて出してくれせんの?」

「…ごめん。今の僕には無理だよ。せめて15歳じゃないと、責任も取れないし、周りから認められないよ」

「はぁ~…わかりましたわ…」

 

 

琥珀同様に亜紀も明日の事を聞いてきたが、今のウィルには謝ることしか出来ない。

CITY時の様に深く考えず行動できず、責任と義務感を教えられ子供なのに頭を悩ませる。

ウィルの15歳発言に亜紀も11歳という事を忘れそうであったが、事実を胸に留めため息を漏らす。

 

服を着込み湯浴みい行こうとするウィルに、亜紀が待ったをかける。

 

 

「今日は、一人で大丈夫ですわ。それよりハマさんの所に行って」

「いいの?…ハマさん?誰?何処に?」

「大丈夫ですわキチント洗えます…今日は髪にかからず、全部ココにありますもの…大丈夫ですわ…ややこ、できないかしら」

「あ~ごめん…多分、無理。今まで出来たことないもん。まだ早いのかも」

「むぅ、そうなんですの?…残念ですわね…ああ、場所は****ですわよ」

「うん、じゃあ、また明日」

 

 

亜紀にハマの名を出され知ってるくせに、とぼけるウィル。

洗うのを手伝わずいいかと問うが、大丈夫とお腹をさすりながら答える亜紀。

過去散々やんちゃしたが、そういう話が出てこなかった事を自分は”種が無い”のかと思いつつも答えた。

二人がそれぞれ別々に別れると、ウィルは既に琥珀から聞いてる部屋に向かうのだった。

 

 

 

 

 

―浜木綿の部屋―

 

 

「ウィルです。浜木綿さんいますか?」

「お待ちしてました、どうぞ、お入りください」

 

 

部屋に入ると髪を頭部に上げ結び止めた女性が、寝巻きを着て布団の上で、深々お辞儀していた。

その様は、旅館の女将が客を向けいれる格好仕草そのものである。

 

「えっと、どうかしました?」

「御気になさらず、私の作法ですから」

「はあ、失礼します」

 

 

部屋に入り、向き合いながらつられて正座するウィル。

なにやら只ならぬ黒いオーラを感じつつ、次の言葉がでないウィル。

しばしの沈黙を破ったのはハマだった。

 

 

「大体は琥珀から聞いてます。まず、ウィル様のお手並み拝見させていただきます」

「えっと…その、スレばいいのですか?」

「ええ、姫や琥珀にしたように」

「うっ…じゃあ、失礼します」

 

 

ハマの言葉と雰囲気に「この人苦手だ」と思うウィル。

ヤレと言ってるんだから、いいんだと言い聞かせ行動にでた。

 

 

 

 

―1時間後―

 

 

 

「ふむ、見事なお手並みで…コレなら姫や琥珀の態度が分かりますね」

「はぁ、はぁ…ふぅ…ど、どうも」

 

 

息を切らせず事無く落ち着いてるハマに対し、ウィルはギリギリといった感じだ。

ハマへの苦手意識と体格さ、見定められてるようでペースが乱れた結果こうなっている。

 

 

「けれど、庄司様と初夜だけの姫。西条に数回、弄ばれた琥珀では気づかないでしょう。しかしながら、ウィル様には圧倒的に足りないものがあります」

「え?…それは一体なんですか?」

 

 

他人に比べられた事が無いウィルは、ハマの言葉に何が足りないのか疑問に思う。

ハマに教えられたソレは…子供でも胸を突き刺す言葉の刃を感じる内容だった。

 

 

「手腕と気遣いは、私の経験内でも一番でしょう…。しかし、ウィル様は、他の成人した殿方より…モノが小さいのですよ」

「っ!?…そ、そんな…そ、れは…知らな、かった……onz…」

 

 

ハマの言う足りないモノ、他の大人の男性にあってウィルに足りない無いものを説明される。

頭にガーンと衝撃を受けるウィル、両手両膝と付きガクッとうな垂れる。

今まで誰にも言われた事のない、初めて言われたどうしようもない事実に落ち込むウィル。

 

 

「…もしかして…亜紀姉や琥珀さんも…そう思ってるんですか?」

「いえ、気づいてはいないでしょう。ですけど、物足りない、もどかしい。とは感じてるのでは?」

「はぅぁ~…今までの僕って一体…」

 

 

亜紀や琥珀も気づいてないだけで、小さいと思われてると思うウィル。

両手を付いたまま、ハマの方を向いて二人がどう思ってるか聞く。

やはり返って来た応えは予想通りのウィルに追い討ちをかけるもので、重いため息付いて更に落ち込む。

もう、どうしょうもない位に激しく落ち込む。

 

 

「もう宜しいですか?落ち込んでも、小さく足りないものは仕方ありませんよ」

「ぐふっ!…もう、勘弁してください…。…?…何を?」

「それより、もう一度お願いしますね」

 

 

ハマは落ち込むウィルにどうでもいいかのように「小さい」と更に追い込んだ。

トドメの小さいで布団に突っ伏し、許しをこう。

しかし今度はハマがウィルを抱き起こし、顔を胸に埋めさせ抱きつかせた。

 

 

「確かに小さいといいました。ですけど、それ以外はウィル様が一番でしたよ」

「…ほえ?…何を」

「鈍い子ですね…私も久しぶりなのです。悦ばせて下さいな♪」

「…はい!」

 

 

鞭と飴のようにウィルを打ちのめして褒める。

胸元から顔を上げ、ハマを見上げるウィル。

その様子は我が子をあやす母と子にも見えるが…それも一時の事。

気合の入った返事と共に後は雄と雌の事情とかす。

 

 

 

―1時間後―

 

 

…事を終えて、呼吸と身なりを整える二人。

先程と違い色々なやり取りがあって、結構ご満悦な二人。

ハマは琥珀からある程度しか聞いていないので、この際だからと計画全部、聞き出そうとする。

 

 

「ふぅ~…それで、ウィル様は一体。これから、何をどうしようとなさったのですか?」

「えーっと…全部、言わないとダメですか?」

「あら?私にまだ、隠し事をする…お・つ・も・りで?」

「うっ…はい、言います」

 

 

何があったか分からないが、ウィルはハマに逆らえない様子で、事の計画を話し出す。

亜紀の意識変えに認識変化させて、庄司の不安要素を足利で確認し手紙で手段と方法を伝える。

ウィルが原を出た後の亜紀を支える役を琥珀とハマに任せ、最終的に庄司が亜紀の認識を戻し夫婦とする事。

その過程で、琥珀とハマの身の安全が取れるように亜紀にも手紙を残すという内容だった。

 

 

「それは…確かに姫にその特殊があるなら上手く行くでしょう。しかし…賭けですね、それは」

「ええ、亜紀姉はソノ性癖を持ってますよ。賭けだったけど、大人の庄司様なら大丈夫でしょう…僕より大きいんだから…onz…」

「ああ、もう!それは、もういいです。けれど、よく見てましたね…西条様の様子など」

「こうなる元を作った、ハマさんがいいますか。他人の視線や雰囲気、顔色伺うの得意なんですよ…まあ、褒めた理由じゃないんですけど」

 

 

計画を話した後、方法の有効制を話し合い、ウィルは庄司の高確率を述べてうな垂れる。

心にトラウマの傷を負ったウィルに流石に苛め過ぎたと思いつつ、今朝の会食の際に琥珀を見る西条の視線と舌なめずりに気づいた事に驚く。

お香の事で周りから褒められてた琥珀だが、ウィルのお陰か色香が増した事で西条がまた善からぬ思案が渦巻くのを気がついたのだった。

 

話を終え今後の話がまとまり切り上げるハマ。

 

 

「それでは、お開きにしましょうか」

「そうですね、お邪魔しました。おやすみなさい」

「御待ちください、姫様の元に行ってあげてください」

「へ?亜紀姉の所にはサッキ行って来ましたよ。またシテ来いと?」

 

 

部屋を出て自分の寝床に戻ろうとするウィルは、ハマに止められる。

内容は亜紀の元に行って欲しいと言われ、ウィルは先程までの流れで、亜紀の元に向う理由を勘違いし述べる。

すると、額に#を浮かべたハマさんが目がスワリ、笑いながらウィルの両耳を抓り引っ張る。

 

 

「痛っ!痛てて…ぎゃぃ!…と、取れる!」

「アナタ様のこの耳は飾りですか?頭にはソレしかないのですか?」

「ごめんなさい!…つぅ~…耳がジンジンする。じゃあ、僕にどうしろと?」

「全く…添い寝ですよ。明日には発つのでしょう?少しでも長く姫の側に居てあげてください」

「はい、分かりました」

 

 

耳を力いっぱい引っ張られ、耳の痛みを覚えつつもハマの要望に了承する。

添い寝するのだからと風呂に向かい、風呂で鴉の行水を済ませて亜紀の寝室に向った。

 

 

 

―亜紀の寝室―

 

 

 

「はぁ~…ハマさんとの話終わって、もう寝たかしら…」

 

 

布団の中では湯浴みを終えて寝巻きに着替え、横になり思いふける亜紀がいた。

考えてるのはウィルの事ばかり、明日、原を発つのでしばらく会えない事に寂しく思う。

廊下を歩く足音と障子を開け室内に誰かが入って来る音がした。

 

 

「ふぅ~…?…誰ですの!」

「あ、ごめん。起こした亜紀姉」

「ウィル!?部屋に戻ってたのでなくて?」

「うん、そう思ったんだけど。ハマさんが亜紀姉と朝まで一緒に居ろって」

 

 

自分の部屋に誰かが入って来た事で、慌てて大きな声を出す亜紀。

訪問者がウィルと分かると驚きと嬉しさが込み上げるが、もう寝てる筈なのに何故部屋に来たのが疑問に思い問いかける。

ウィルはハマに亜紀と添い寝を朝までする様に言われた事、朝食の呼び出しやその他の配慮はハマが済ませてくれた事などを伝える。

 

 

 

「そう!朝まで一緒に居られるのね…ハマさんとの話はどうでしたの?」

「あ~…うん、ちょっと、怒られて耳引っ張られたよ」

「あのハマさんが?ふふ…そうですの」

 

 

布団の中にウィルが潜り込む。

本来、狭い布団も姫な為か大きめで子供のウィルが入っても十分な広さだった。

手を繋ぎハマとの話のみを亜紀と話しに花咲かせ、夜が更けていく。

話を一通り話し終えると、二人は眠りについた。

 

 

夜もふけ二人が寝についてから行く時がたった。

ふと、亜紀は寝苦しさから目を覚ますと、ウィルが胸に顔を埋めてしがみ付いていた。

 

 

「んっ…んぅ?…ウィル、もう駄目ですわよ…あら?」

 

 

添い寝だけと言ってたのにしがみ付くウィルに対し、嬉しくもそういう事は駄目と離そうとしてウィルの顔を見る。

その寝顔は起きてる時の青年雰囲気と生意気さがなく、歳相応の幼さが伺える。

よく見ると、目に涙を溜め頬には雫がつたわっていた。

 

 

「スンスン…もう…ヤダよ…ばあちゃん…」

 

 

どんな夢を見てるのか悲しそうな声で泣いているウィル。

夢の内容は都合の良い事で、街で苛められてた幼い時の夢である。

亜紀は悲しい夢でも見て居るのだろうと髪を撫でながら語りかける。

 

 

「大丈夫ですわよ、ウィル…わたくしが側に居ますわ」

「…んぅ…お姉ちゃん…ありがとう…へへ…」

「か、可愛いですわ♪」

 

 

亜紀の言葉に悪夢が止まったのか、寝顔で微笑み、どの姉かは不明だが姉に対してのお礼を言うと寝笑顔になった。

幼い可愛さに思わず抱きしめる力が強くなる亜紀。

普段の雰囲気に忘れていたが、過去にあったであろう負の出来事と11歳という子供だった事を再び再認識する。

そしてウィルを抱き枕にし、亜紀も再び眠りについた。

 

 

 

 

 

―朝、亜紀の部屋―

 

 

 

「ん~…あぁ、朝ですの」

「あ、おはよう。亜紀姉よく寝れた?」

「…ええ…寝れましたわよ…」

「なんか…怒ってない?」

 

 

人が動く気配がし、目を覚ます亜紀。

ウィルは起きた亜紀に普段どおり挨拶をするのだが、何か不機嫌な様子だった。

たいした理由ではない、昨夜寝泣きして可愛かったのが急に何時も通りになってるのが何となく納得してないだけだった。

 

二人が起きて少しするとハマが迎えに来たので朝食に向かい、何時も通りに朝食を食べ始める。

亜紀はご機嫌、琥珀は寂しそうに、ハマは普段通りの食事だった。

香華は普通に鈴夜はヤレヤレと言った感じに、食事を進める。

食事が終わると各々解散、香華と鈴夜とウィルが旅仕度をするのだが、ウィルは庄司に呼ばれた。

 

 

「ウィル殿。少し宜しいかな?」

「あ、はい。大丈夫です」

「ウィルさん。私と鈴夜は先に準備してます。気にせずどうぞ、いってらっしゃい」

 

 

香華に許可を得ると会食場を後にする二人。

庄司の部屋に入ると真剣な顔になり、庄司は頭を下げでウィルにお礼を言う。

 

 

「ウィル殿。この度は誠に有り難うございます」

「いえ、僕も力になれて嬉しいですよ」

「誠に信じられません。あの亜紀がアレほど変わるとは…一体どのような方法を取られたのですかな?」

「う~ん…まだ、全て終わってないので言えませんが。言える範囲でお答えします」

 

 

亜紀の足利での過去や庄司に対し思ってた事を説明し、それを元に自分の生い立ち等を話し無知だった事を伝えたこと。

また、庄司が一番驚いた亜紀の変化、無駄使いの止めと城下での出来事がウィルが仕組んだ事に驚く庄司。

 

 

「なんと、あの民達はウィル殿が仕組んで…ホントに何をすればあの様に変わるのです?」

「全部はいえませんが、庄司様にも”シテ”貰いますよ。後はプレゼントと城下案内ですかね」

「私が?いえ、それよりも全て終わりでは?」

「まだです。今は僕という抑制力がありますが、このままでは感情が爆発します」

 

 

 

ウィルが言うには、無駄使いは亜紀姫様の趣味とストレス発散でもあったのでそれと止めさせるても、新しい何かとまた買い出すとの事。

その抑制力や趣味を変える為に庄司にも協力してもらう事、その為に足利で確認する事があり、手紙で全てを書きしるし送ると言った。

 

 

「私にもスル事が?…確認とは一体?」

「手紙でお伝えしますよ。後、多分しばらく姫様が落ち込むと思いますが、そっとしておいて下さい…失礼ですが、まだ姫様は庄司様を完全に信頼夫婦仲が戻って無いので、下手な行動は危険です」

「…むう、分かりました…」

「ああ、ご安心下さい。ハマさんと琥珀さんにお願いしてあります…なので、他の家臣の方が二人に用を申し付けないよう注意して上げてくだい」

「なんと!ハマや琥珀にまで手回しを?そういえば…二人もなにやら変わりましたな。承知しました」

 

 

亜紀が前より自身に優しくなり、微笑んでくれるが確かにウィルに対する反応と違う事は気づいていた。

また、亜紀を更生?させる為にハマや琥珀にも手廻ししてた事に驚きも、手際の良さと自分が居ない間に亜紀の世話をする者を選出してた事に驚きっぱなしだ。

他の家臣を亜紀の世話する邪魔になってはいかけないと、家臣の抑制に使われてる事を知らずに了承した。

 

全ての用件を済ませるとウィルは香華達の元に行き仕度を済ませた後、庄司や亜紀、琥珀とハマや家臣一同に見送られ原を出発したのだった。

 

 

 

 

 

―美濃へ向う街道―

 

 

原で見送りされた後、3人の男女が街道を歩いていた。

しかし、一人が先頭で離れて歩き、離れて女が男を背負い後を着いて行く状態だ。

先頭を歩く香華はなにやら不機嫌で、怒って居いる。

鈴夜は苦笑いをし、ウィルを背負い歩いていた。

…気絶しているウィルの両頬には真赤なもみじの跡があった。

 

 

「姫様…そんなに怒っても、しょうがないでござろう。ウィル殿が女好きなのは報告済みでござるのに」

「女好きなのは知ってます!でも、今回のはそんな生易しい問題じゃないですよ!」

「(…ただの嫉妬なだけでござろうに)」

「鈴夜!何か…言いましたか?」

「何でも無いでござるよ~にょほほ」

 

鈴夜のなだめに対しても香華が怒り、当り散らし歩く。

香華が鈴夜の小声に反応するが、誤魔化し笑う鈴夜。

ウィルが気絶し鈴夜が背負って居るかは30分前に遡る。

 

 

 

 

 

―30分前―

 

 

街道を歩く中、香華が散々先延ばしにされた、亜紀姫のご機嫌になった変化についてウィルに問いかけた。

 

 

「ウィルさん。もういいですよね?亜紀姫さんをどうやってあんなに変えられたんですか?」

「うっ…えーっと、言わないと…駄目ですか?」

 

 

ウィルは今まで先延ばしにして来た事に身の危険を感じ、背中や額に冷や汗を流す。

一方香華は我侭、無駄使いで有名な亜紀がどうしたら、あんなにも女らしく優しくなるのかと期待の眼差しでウィルを見つめる。

 

 

「勿論ですよ。ウィルさんが原を出たら教えると言ったんじゃないですか。悪名高かった亜紀さんをアンナにも変えるなって」

「…ウィル殿…ご愁傷様でござる…」

「…ぐぅっ…分かりました、話しますよ…はぁー」

 

鈴夜はこれからナニが起るのか予想でき、手を合わせ冥福を祈る。

覚悟を決めてウィルは亜紀について説明しだした。

 

庄司に申し出て、亜紀を何度か抱いて篭絡した事。

町民に手を廻し金を握らせて、亜紀に無駄使いを止めさせ、服を買いに行くと逢引した事。

亜紀の過去話や琥珀とハマの事は伏せて話終えた。

 

俯いて肩を震えわせる香華…顔を上げると同時にウィルの頬を平手で引っ叩く。

 

 

「信じられません!亜紀さんは庄司様の妻ですよ!なに考えてるんですか!パシンッ!」

 

 

香華は怒鳴りつけると、もう一方の頬を引っ叩く。

ウィルは黙って怒る香華の言葉をじっと聞き、鈴夜は「うわ~」っと二人の様子を見ている。

香華は瑞原道場で、バニラが乱入するがセレーナとウィルがナニをしていたか思い出す。

 

 

「まさか、まさかと思いますけど。他にも手を出してませんよね!」

「…琥珀さんと浜木綿さんにも出しました…」

「ッ!?…ウィルさんの…ウィルさんのー!…馬鹿ー!!」

「ぐばぁっ!?」

 

 

ウィルの他に手を出した二人の名前を聞いて、再度肩を震わせウィルに近づいていく。

香華の雰囲気に一歩下がるが、香華は一歩進み寄りウィルの名を叫びながらミゾオチに、下から突き上げる拳を叩き込みウィルを吹き飛ばす。

 

 

「ヒューン…グベッ」

「はぁ、はぁ、はぁ…はぁ…」

「ウィル殿大丈夫で御座るか?姫様も」

「はぁ~…ふぅ。鈴夜!以後、ウィルさんがそういう行為する時は殺め(止め)なさい!」

「姫様、字が違うでござるよ!?」

 

 

吹き飛ばれ宙を舞い、地にうつ伏して落ちるウィル。

たった一撃に、全身全霊の力を籠め放った事で息を切らせる香華。。

二人に声をかける鈴夜に対し、息を整えた香華はウィルの行動制限を命令する。

行動制止命令を聞き字違いをツッコミながら、ウィル置いて歩いて行く香華を見て、鈴夜は気絶から起こすことが出来るが、そのままのが良いと判断し背負って後を追うのだった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

  ≪人物≫

 

 

 

  浜木綿(はまゆう)(半オリ)

 

侍女のはまを浜木綿に変えて見たが、おたふくではない。

旅館の女将のような髪型でおっとり美人。

戦国で髪をかき上げて止めてる汎用武将に居るからそれでご想像を(コラ

 

先話で、ハマに手出ししてた家臣がとある理由で亜紀に逆らい処刑され続けた事で、亜紀と結託して家臣を殺す魔性の女と言われたりする。

本人にその気はなし、理由はホントに男達の自業自得によるもの。

ま、亜紀に間接的に助けられ、また元々のとある理由で亜紀には何かと気にかけいた。

 

 

 

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