Sons of Skull-Rider   作:怪傑忍者猫

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何とか七月中に上げられました。本編第九話です。
黒子のバスケ×マスカレイドスタイル×仮面ライダーSPIRITSと言う多重クロスオーバー。

実は、書きたい場面に行き着けませんでした。
次回から、ある意味本番だと言うのに。

なお、この話は黒子のバスケと仮面ライダーSPIRITSの登場人物に、マスカレイドスタイルと言う同人TRPGをベースにした独自設定を付加した二次三次創作となります。
その為、原作の登場人物と家族設定などに改変があります。
今回は特に、私家設定が前面に出てきます。
他にも作者設定のオリジナルキャラクターも何人か出てきますので、そう言うものがお嫌いな方はこのままbrowserbackをしてください。
キャラクター改変がお嫌いな方も同様に願います。


この話は、mixi、pixivにも投稿しています。


episode03  欲望のメダル

 フェリーでこの勝義島に来た貨物の大半は、ホテルの地下駐車場に入った。

 搬入口であるのは確かだが、一台だけその更に奥にある大きな二重扉の奥へと入って行った。

 それは、船の中で火神大我が近付こうとした、あの大型トラックだった。

 

 暗闇の底で、ジャラジャラと音がする。

 鈍色のメダルの山の中から、一見すると赤い金属篭手が覗いているようだが、その指が動いているのを見れば誰しも驚くだろう。

 その赤い羽根を模した装飾を施された篭手は、メダルの中から這い出すと何かを探すように宙を掻いた。

 

「何だ、この気配。

 レアンでもルーズでもない、ドロウでもリンクでもない。

 俺達以外のグリード?

 まあ、錬金術師共が俺達だけしか造らなかったとは限らないしな」

 

 そう呟くと、宙に浮き上がった篭手――いや右腕は、そのまま闇の向こうへと消えていった。

 後には、棺に一杯のメダルが、静かに残されていた。

 

 

 大騒ぎのミニゲームで、午後は終始した。

 ここぞとばかりに、コートを駆けずり回る一部バスケ馬鹿達に溜息を隠せない先輩や同級生達がいる一方、誠凜の相田リコや桐皇の桃井さつき、その他情報収集を目的としている面子が、青峰大輝や火神大我の動きを目を皿のようにして追い掛けている。

 それに追従しようとした黄瀬涼太の方は、足の負傷が治りたてである事から先輩であり元主将である笠松幸男から、駄目出し(物理)を食らっていた。

 

「あーあ、あいつら一週間この調子かね?」

「取り敢えず大我――火神はそのつもりじゃないか?

 楽しみのあまり、教科書持って来るの忘れるくらいだし?」

「勘弁してくれ、お陰でリコが殺気立ってて」

 

 1ゲーム終えて、コートから出た宮地裕也のぼやきに、同じく汗を拭った中村真也が苦笑う。

 それに向かって、これは本気で額を押さえつつ日向順平がぼやく。

 三人が揃って見るのは、体育館の中に3面取られたコートの中でも、今自分達が抜けたコートの方だ。

 そこでは、キセキの世代五人と火神、高尾、笠松、桜井良、氷室辰也とが、ボールを奪い合っていた。

 その右隣のコートでは、各校の三年の半数と実淵玲央、根武谷永吉、葉山小太郎とでゲームしている。――誠凜の木吉鉄平と霧崎第一の花宮真が参加していない為、『無冠の五将』が揃わなかった事を、誰よりも三人が残念がっていた。

 残りのコートでは、誠凜の一、二年生達を相手に、残りの三年や二年生がゲームに興じている。

 それをコートの外から眺めるのは、やはり交代してコートから出た福井健介と黛千尋だ。

 

「おーおー、元気だなあ、皆」

「わざわざこんな時期に行われる合宿に、好き好んで参加する時点で判るだろ?」

「じゃあ、ちぃ…いや黛もその口か?」

「違うわい、赤司に参加しろって言われたんだよ」

「ふうん?

 ウィンターカップ以来、びっくりするぐらい素直になった赤毛の後輩に絆(ほだ)されたって、キバットが言ってたぞ?」

 

 スポーツドリンクを飲もうとして、健介の言葉に千尋は思いっ切り咽返る。

 無表情な義兄弟の、慌てふためく姿にこっそり笑いを噛み殺す。そんな遠方暮らしの(尤も、大学からは再び同じ屋根の下で暮らす事になるのだが)相手にぎっと一睨みした千尋は、しかし昇降口にチラつく影に、慌てて腰を上げた。

 いきなり駆け出した相手に、健介も慌てて走って閉じられている扉へ向かった。

 見た目よりは軽いアルミの扉を開くと、千尋は首を突き出し周囲を見回す。

 しかし、冷たい潮風が吹き抜ける景観用の植え込みが広がる外に、動く影は何も無かった。

 

「さっみー!」

「何してんですか、黛さん!」

「あー、済まない、何か誰か覗き込んでるような気がしたんだが、気の所為だった」

 

 出入り口の傍にいた面々が、急に吹き込んだ寒風に悲鳴を上げる。

 それに無表情に謝った千尋に、そっと傍に寄った健介が声を潜めて問い掛ける。

 

「どうした?

 何か変な気配がしたが」

「お前も気が付いたか。

 一瞬キバットが出て来たのかと思ったけど、気配が違い過ぎて覗いてみたんだが、気付かれたらしい。逃げられた。

 何だろうな、魔力っぽい気配だったが、魔族のどれとも気配が違った」

「そうか。《ファントム》でも魔族でもないって言うと……、父さんの遺品をひっくり返せば何か出てきそうなんだけど、今は無理だなあ」

 

 そう言う健介の亡き実父は、カリブ海の歴史を研究していた考古学者だったが、同時にオカルト的な文物を回収し研究するオカルト研究家でもあった。

 但し、そこからトンデモ学説に飛躍するのではなく、当時の風俗文化を知る為の手段の一つとして研究していた真面目な人である。

 尤も、そういう文物に『本物』が混ざっていた事に、気が付いていなかったが故に悲劇に巻き込まれてしまったのだが。

 しかし、話している二人の前を、ゲームが終わったのにそのまま続けようとするのを、笑顔のリコの命令で引きずり出された面子が通り過ぎる。

 その中にいた大我とすれ違ったその瞬間、考えていた二人が顔を跳ね上げた。

 

「健介」

「おう、俺も感じた。

 大我から漏れてる気配に似てるんだ、あれ」

 

 思わぬ事態に、二人は早くこのゲームが終わって欲しいと思った。

 話し合わねばならない事が出来たのだ。

 

 

 夕食までの一時、風呂に入ったり娯楽室として開放されたロビーやカラオケルームで集まったりして、それぞれ時間を潰していた。

 そんな中、千尋と健介、裕也と真也の四人はホテルを抜け出し手近な海岸へと向かった。

 本当は、受取人である大我と呼んだ本人である和成も一緒に行く筈だったのだが、二人ともチームメイトに捕まって抜け出せなかったのだ。

 同じ理由で清志と順平も動けず、取り敢えず半数だけで動く事になったのだ。因みに、裕也の方は兄の影に隠れる形で抜け出していた。

 まあ、大我や和成が動けば、二人を探しに『キセキの世代』の面々が追い掛けて来る可能性が出て来るし、本音として祥吾――灰崎祥吾と『キセキの世代』を会わせたくない一同としては、割合都合のいい面子になった。

 念の為、「散歩に出る」と監督達には根回ししてから、四人は建物の外へと出た。

 五時を過ぎると、空は赤を過ぎて紫色になっていた。

 四人が海岸に付く頃、暗くなった海に光が点る。それはあっと言う間に近付き、大型水上バイクが砂浜へと上がった。

 

「祥吾!」

「大丈夫か!」

 

 裕也と真也の声に、返った言葉は「さっぶーーーーーー!!」と言う絶叫だった。

 

「こら、ホテルの連中に聞こえるって」

「いや寒い!

 日中気温上がってたからって海の上舐めてた寒い!

 二月の海ぱねえ! 俺舐めてた、飛沫冷たい!

 一月に兄ちゃん達と富士山ツーリングに行った時、雨ん中突っ切ったのと同じ位寒い!」

 

 歯の根が合わず、がちがち震えるしかない祥吾に、取り敢えず溜息吐きつつ真也が缶コーヒーを差し出す。

 水上高速航行パーツ(スプラッシャー)を使うと聞いて、何となく寒いだろうと考え買い込んでおいたものであった。

 それを受け取ったものの、祥吾の悴(かじか)んだ手ではプルタブを引き起こせず、仕方なく裕也が開けてやる。それを舌を火傷しつつ呑むのを見て、頭を掻きつつ千尋が切り出した。

 

「お前、その状態で向こうまで帰れるか?」

「うー、実は自信ない……。

 こんなに寒いって思わなかったし、意外に波高くて進むの大変だったし」

 

 よくよく見れば、祥吾が愛用しているバイク用ヘルメットに、うっすらと塩とも氷ともつかない結晶が付いている。

 

「止めておいた方が良くねえか?

 好い加減日も暮れちまったし、何よりちょっと協力して欲しい事があるんだが、良いか?

 ガイアメモリ他にも持って来てないか?」

「あー、確かに五、六本持って来てるけど、何?」

 

 健介にそう答えた祥吾に、続けて言ったのは千尋である。

 

「取り敢えず、今夜は俺達のところに紛れ込んで泊まれ。

 夜中の間に相談したい事がある。大我に係(かかわ)って来る事だ」

「!

 判った。取り敢えずコアボイルダーを隠して、しげさんに連絡してっと」

 

 四人に協力して貰って、海岸近くの茂みに車体を隠すと、祥吾は持って来ていた《INVISIBLE》のメモリを使って透明になって、そっとホテルの中に潜り込んだ。

 健介と裕也に付いて部屋に入ると、二人がロックするのを確認してから、祥吾はロストドライバーからメモリを抜いた。

 

「だあ、うっかり哨戒用に持ってるの、そのままにしてたのが役に立つとはなあ」

「他に何持って来てるんだ?」

 

 裕也に問われ、祥吾はライダージャケットの内側に作り付けてある、防水仕様のメモリホルダーを開いた。

 そこには、彼らが良く見るライトグリーンの《HOPPER》メモリと、使用している《INVISIBLE》が収まっていたらしい空間の他に四本、収められていた。

 

「えーっと、加速用の《LIGHTNING》、応急処置用の《DOCTOR》、それと情報検索用に《BOOK》と《COMPUTER》だ。

 未確認と向かい合う時は《COMPUTER》が便利で、単純に現場検証とかは《BOOK》じゃないと大変なんだ」

 

 それぞれ、黄色、白地に赤いライン、青と白のボーダーと銀色に金色の飾り文字が入ったメモリを出して見せる。

 その応えに、健介が身を乗り出す。

 

「後で、千尋達にもこっちに来させるから、その時《BOOK》の力が借りたい。良いか?」

「判った」

「あ、そういやそろそろ飯だ。

 適当に何か飯、持って来てやろうか?」

「あ、お握りと豚汁なら、こん中にあるんですよ、しげさんが持たせてくれた奴。

 明日の朝食の時に、お願いして良いっすか?」

 

 そう言って、火神大我の教科書類を入れた防水デイパック以外に手に提げていた、丸っこい保温弁当箱を見せると、「おお」と言う表情に二人はなる。

 小料理屋『TOKIO』の店主であり、人事厚生課飲食部門の部門長と言う肩書きを持つ上嶋繁は、気さくなのを通り越して「世話好きなおばちゃん」と言うのが正しい印象の人物だ。

 彼ら滝和也に庇護されて育った面々と言えば、頼りないぐらい物静かに見える彼の、細やかな気遣いに支えられてきたのだ。

 それでも、ここの食事が全てビュッフェ方式であると聞いている二人としては、何か持って来てやりたいと言うのが人情で。

 

「まあ、ちょっと待ってろ、唐揚げ辺りがめて来るから。

 この部屋シャワーあるから……っと、着替えが無いか」

 

 健介がそう言ったその瞬間、ドアをこんこんっとノックされた。

 ドキッと、飛び上がった三人に、陽気な声が掛かった。

 

「健、いや福井先輩俺でっす!

 開けて下さい」

「あ、カズか」

 

 ドアのロックを外すと、滑り込むように和成が入る。

 祥吾とハイタッチして無事を喜ぶと、和成は手にしていたものを差し出した。

 

「ちー兄ぃから、祥ちゃん泊まるって聞いたから、これ!

 シャツとトレパンは、宮地さんが貸してくれた、多めに持って来てるからって、パンツは、コンビニで買ってきた、何とかLLあったからちょっときついかもしれないけど一晩これで我慢してよ、何だったら夜の内に洗ってシャワー室に干しとくとかさ」

「うわ、悪いな。後で清兄ぃにもお礼言わなきゃ」

「じゃあ、確かそこに据付のバスタオルあったから、それ使ってシャワー浴びとけ。

 俺達は飯食ってくる、この部屋には鍵掛けとく。

 まあ大丈夫だとは思うけど、他の連中に見られると不味いからな」

「そりゃあもお、不審者として警察呼ばれちまう」

 

 からから笑って手を振る、幼い頃からの友人を置いて、三人は夕食を食べに食堂へ向かった。

 

 

 この部屋と、隣の205号室の面子が集まったのは、それから二時間後だった。

 夕食の後で、一部の人間が馬鹿騒ぎを起こして――自由時間だからと、これからバスケをしに行こうとしたのだ――、監督や上級生に揃って叱られると言う騒ぎが起こった為だ。

 当然のように叱責組にいた大我はと言うと、相田リコの流れるようなソバットからの腕菱十字を喰らい、再び英語交じりの悲鳴を上げていた。

 

「取り敢えず、順、大我と一緒に部屋に居ろ。

 俺と宮地兄は、隣でちょっと話し合ってくるからな」

 

 わいわいと騒がしい最中、黛千尋は片思いの相手に後輩の見張りを重々頼み込まれていた、優勝高主将と言う肩書き持ちの弟分に声を掛けた。

 

「あ、そう言えば祥吾が来たんでしたっけ」

「ああ、少し話し合う事があるのと、早春の海は寒過ぎたらしくてな、震え上がってたから今晩健介達の部屋に泊めて、明日明るくなってから帰すそうだ。

 そう言う訳だから、隠蔽工作手伝ってくれ。こう言うと何だが、大我の奴、悪気無く他の奴等に祥吾の事喋っちまいそうだから」

「あー、了解です。じゃあ、教科書貰って、あいつに勉強させときます」

「任せる」

 

 さらっと手を振り合うと、順平はぐったり肩を落とす頭半分高い後輩を引っ張って、今晩から泊まる予定の部屋へと向かった。

 二人を見送った千尋が206号室に入ると、そこでは皆が食堂から持ち帰った唐揚げや肉団子を齧っている祥吾を挟んで、すでに宮地兄弟と和成、真也と健介とが車座に座っていた。

 音も無く入って来た千尋に、面々がギクッと顔を上げる中、けろりとした様子で笑ったのは祥吾であった。

 この面子の中で、彼が一番千尋との付き合いが長い事もある。

 

「千尋兄ぃ、扉すり抜けんなよ」

「生憎だが、会いの子(ハーフ)の俺には霧化も物質透過も出来んと、何度も言っている。

 単に、お前達が気が付かなかったのを俺の所為みたいに言うな」

 

 そう言って座る千尋に場所を譲ると、ベッドに腰を下ろしつつ健介が話を切り出した。

 

「今回、祥吾を引き止めたのは晩冬のしかも夜の海を走らせる事に俺らが躊躇した事と、午後のミニゲーム中に俺と千尋が、妙な気配を察知したからだ」

「妙な気配?

 あ、もしかして、急に体育館の扉を開けたあれっすか?」

 

 和成の言葉に、他の面々もあっと言う顔になる。

 祥吾の方は、健介と千尋が感じたという点で微妙な顔になった。

 彼らの大半は勘が鋭いのだが、その中でも二人は魔力系――兄三人に言わせると多少の差異はあるが『オルタフォース』の一種であり、序(ついで)に言うと現在『仮面ライダー』を名乗っている面子は全員、何かしらその恩恵を受けているらしい――のエネルギーを察知する事に長けているからだ。

 そして、千尋が彼の不安を裏付けた。

 

「あの時感じたのは、魔族ともファントムとも違う気配で、ついでに言えば、大我から時々漏れてくる気配に似ているんだ」

「大我の?」

 

 その言葉に、宮地兄弟は首を捻ったが、真也と和成は一様に顔を顰めた。

 

「それは……」

「あの、《鴻上ファウンデーション》が集めてた何とかって奴、こいつに関わるものだろ!?」

 

 そう言って、和成が自身の荷物から取り出したのは数枚のセルメダルだった。

 皆からの差し入れを食べ終えた祥吾が、自身の上着を取ってそのポケットからちょっとした腕時計ぐらいのものを取り出し腕に嵌めた。これは、簡易ガイアメモリドライバーである。

 本来、ガイアメモリは『生体コネクタ』と呼ばれるフィルターか、ドライバーと呼ばれる装置によって起動する。

 ただ、そのどちらの場合も怪人態、若しくは超人体と呼ばれる変身を行う事によって、メモリに封じ込められている特殊能力――それらは一様に『ガジェット』と呼称されている――を使用出来るようになっている。

 この簡易ドライバーは、《ホークアイ・ホールディングス》の研究者達によって開発されたものであり、変身する事無く『ガジェット』を使用出来る装置である。

 尤も、これを使用する際には会話はともかく余り激しい動きは取れなくなる為、安全地帯での使用を祥吾は大人達から耳に蛸が連なる勢いで言い聞かされている。

 その簡易ドライバーに《BOOK》のメモリを刺して、祥吾は目を閉じた。

 

「ガジェット《地球(ほし)の本棚》起動。

 キーワードを挙げてくれ」

「まずは『魔力』、『魔族以外』、『ファントム以外』」

 

 千尋の言葉に、真也が付け足す。

 

「そうだな、『メダル状の物体』、それと……」

「そうだ、『欲望の増減』!

 閃兄ちゃんが言ってた、大我はバスケへの意欲や食欲は過剰なのに、他の事は意識から消えるようだって」

 

 和成の言葉で、目を閉じた祥吾がぴくっと反応した。

 

「一つヒットした。

 でも、くそ、まだロックが掛かって読めねえ……あれ?

 もう一冊? 【欲望のメダル】?」

 

 祥吾の呟きに、慌てて何人かがスマフォのボイスレコードアプリを起動させた。

 

「【欲望のメダル】

 八百年前、錬金術師の集団が行なった、人造生命体を作り出す実験の過程で誕生した魔法物質。

 人間の果てしない『欲望』を、エネルギーとして固体化した物体であり、純粋にエネルギーだけの『セルメダル』、様々な生物種の欲望を元に作り出された『コアメダル』とに別けられる。

 コアメダルは十枚一組で生み出され、そこから一枚欠損させる事によって擬似生命体『GREED』を生み出す。

 ……これ以上はページを捲れねえ、何かまだキーワードがいるっぽいな」

 

 そう言いながら、祥吾はドライバーからメモリを抜いた。

 大きく息を吐く祥吾を労わるように、その銀色の頭を撫でてやりつつ、健介が口を開いた。

 

「そうか、だが判った事がある。

 つまり、大我の体内に入ったという二枚のメダルは、その『コアメダル』と言う事になる」

「だとすると、あの時俺達が感じたのはコアメダルの気配と言う事になるのか」

 

 千尋の言葉に、六人はそれぞれ考え込んでいった。

 

 

 その頃、206号室から遠く離れた112号室。

 そこでは、所謂『キセキの世代』が六人――女の子である桃井さつきは、相田リコと荒木雅子と一緒にいる為、こちらには来ていない――集まっていた。

 

「うー、福ちんが構ってくれないー」

 

 ポリポリ持ち込んだまいう棒を齧りつつ、すねた声が上がる。

 

「火神君と一緒の部屋が良かったです……」

 

 影に隠れるように、恨みがましい声が上がる。

 

「籤引きの結果だ、致し方あるまい」

「そう言うんなら、眼鏡かチャカチャ言わすなよ、(゚⊿゚)ウゼエ」

 

 緑の少年へ、青の少年が突っ込みを入れる。

 このツンデレ朴念仁が、高校のチームメイトにデレまくっているのは同中仲間では有名な話である。

 

「お前達、集まって第一声がそれか?」

「まあ確かに、てっきり学校毎の部屋割りになるとばっかり思ってたっす」

 

 呆れたようにそう言った赤い髪の少年に、心持ち沈んだ顔で黄色い紙の少年が答える。

 そこへ、青い髪の少年が思い出したようにこう声を掛けた。

 

「そう言えば赤司、何で福田総合は呼ばなかったんだ?」

「! な、青峰っち、何でショーゴ君なんか呼ぶんすか!?」

「……福田総合は、この週末に創立記念日が掛かっていて、その時に学校行事があるので参加出来ないと、顧問の先生からお断りが来たんだ。同じように、学校行事などの理由で参加辞退をした学校は他にもある。

 決して、灰崎がいるから声を掛けなかった訳じゃない」

 

 赤い髪の少年――赤司征十郎の答えに、青い髪の少年――青峰大輝はがりがりっと頭を掻いた。

 そんな彼を見て、元相棒で現ライバルの相棒である黒子テツヤが不思議そうに首を傾げる。

 

「どうしました、青峰君、何か悪いものでも拾い食いしましたか?」

「おい、テツお前な」

「と言うか、峰ちんどしたの?」

 

 まいう棒を咥えたままの紫原敦がそう聞き、眼鏡を押さえたまま緑間真太郎もこちらを見るに当たって、青峰は更に頭を掻いた。

 

 あの日、青峰は見たのだ。

 自分が殴ってしまった、嘗てのチームメイトの隠していただろう姿。

 

『Tー0メモリか。またアブねえもんに手を出しやがって。

 おら、寄越せよそれ。んでこれからは、リョータの事を純粋に応援してやれ』

『おう、踏んだぜ。

 そうすりゃ、お前さんが来ると思ったからよ』

『俺ぁ、『仮面ライダー』だよ』

 

 メタリックライトグリーンのスーツに、昆虫を思わせるヘルメットのその姿で、蝙蝠の化け物と化した女子高生を倒したその雄姿を。

 




時空破断装置

『BADAN』が造り出したもので、本来は時空の狭間に封じ込められている大首領をこちら側へ迎え入れる為の装置。
が、『BADAN戦役』末期に暗闇大使が暴発させた結果、地球の公転軌道上に幾つか時空の裂け目を作り出してしまう。
滝和也は、その調査中に異次元へ飛ばされた公算が高い。
尚、別次元の某組織が、この装置を参考にとある装置を完成させているらしいが。
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