はっきり言ってしまえば、完全に敵として出会った時から。
だから、自身の催眠毒で取り込んでしまおうと思ったのに、彼はあっという間に毒の効果から離れてしまい、自分は仮面ライダーに倒された。
二度目に出会ったのは、BADANなる組織と仮面ライダーの戦いの最中。
自分は本来、暗闇大使なる男の傀儡として、自我のないまま捨て駒にされる筈だった。
それを阻止して、自我を戻して下さったのがマミーゼネラル様だった。
将軍(ゼネラル)と付いているものの、元々は財政と後方支援と作戦参謀向けの能力を持っておられた方で、SHOCKERと言う組織を維持する為に億単位の金銭を稼ぎ出しておられた方だった。――最も、その金子を作戦以外の事で一気に使い果たすゾル大佐の事を、ひどく嫌っておられた事を覚えている。
「やあ、バラランガ。私の手を取った以上、君にも片棒を担いで貰うよ」
ひらりひらりと身を捩りつつ、マミーゼネラル様が語った腹案に、私は乗る事にした。
最愛の人が目指した、『人類の自由と平和』を手にする為に。
Monologue by Balaranga.
時の列車、デンライナーから降ろされた火神大我は、周囲の風景に違和感を覚えた。
確かに、あの時の広場なのだが、ベンチに寝かせた老婦人がいなくなっている。
電王こと香山閃によると、デンライナーに乗った数分後に戻って来た筈だと言うのに。
『どうした大我、馬鹿面晒しやがって』
「何だと、レイヴ」
「火神君、あの旗なんでしょう?」
「え? あれ、あんな旗、さっきあったか?」
赤い鳥型をした欲望の化身が取り憑いた、相棒の指差したのは時間移動前には存在しなかった筈の、鷲のエンブレムを染め抜いた黒い旗だった。
それは権威を誇示するように、何枚も青空に翻っている。
まるで、何処かの独裁政権を思わせるその光景に、流石に大我も眉を顰めた。
「一体何があったんだ?」
その疑念は、人々が行き交う街中に入ってさらに大きくなった。
何だか、人の数が減ったような気がする。道行く人々の服や荷物にも、鷲のエンブレムがついているのは気の所為だろうか?
首を捻る大我の横で、見覚えのないメダルケースを開いていた黒子テツヤ@レイヴがぶつぶつ言っている。
グリードと言う存在は、己自身であるコアメダルと、エネルギー兼身体の構造体であるセルメダルとで構成されている。
先程レイヴは、競争相手である他のグリードがいない――時間的にまだ眠っているからだ――過去の時代で、セルメダルの荒稼ぎを目論んだのだが、大我達に阻止されたのだ。だが。
「それ、何だ? 黒子、レイヴ」
「あの騒ぎの前、火神君を見掛ける前にパッドPCを持ったお兄さんから渡されたんです、君とレイヴへのプレゼントだって。ええっと、火神君は《鴻上ファウンデーション》って知りませんよねえ?」
『変なオヤジだったな。パッドに映った途端「Happybirthday!」だぞ。周囲の目が痛いったら』
「いやいやいや、待ってくれ。《鴻上ファウンデーション》!? 何であの会社が、俺にプレゼント!?」
知らない事を前提に話し始めた黒子と、衆目を集めた事にむくれるレイヴと、ここ数年父とその勤務先の会社とが揉めている『日本三大何創っているか判らない大企業』の名前に大我が頭を抱えたその時だった。
物陰から、二人を伺っていた小さな影が二つ、示し合わせたように一気に走り出した。そして、体当たりで黒子@レイヴ――レイヴが表層に出て来ているので、ミスディレクションが消えていたらしい――の体勢を崩すと、その手の中からメダルケースを攫って、もう一人は大我のポケットから財布を抜いて逃げた。
「あー!
俺のメダル!!」
「あ、ちょっと、財布!? お前ら待て!」
一目散に逃げる二人の子供を、黒子@レイヴが追うのを大我が更に追う。
命とほぼ同等であるメダルを持ち逃げされて、完全に逆上しているレイヴを黒子が宥めようとしているが効果が無いようだ。二人?を追っている大我は、だが彼らを全く気にしない人々と、無表情に二人を監視する人々を目の端に見て取り、うそ寒い思いをしつつ走った。
手馴れているらしい二人の子供は、ジグザグに路地を走り抜けていく。
その後を追ううちに、周囲の風景に大我はとある事に気付き眉を顰めた。
小学生の頃一時期、緊急支援の一環でアジアやアフリカの所謂紛争地域へ出向した父に無理を言って、その地方について行った事があった。無論、《ホークアイ・ホールディングス》の警備部門の同行する場所までしか、付いて行く事は出来なかったが。
その際、物資輸送に車両に乗せて貰って貧しい村々も何度か回ったが、活動拠点としている首都や大きめの街にいる事が殆どだった。
戦時下の街は、表向き賑わっていても街のそこここに、戒厳令下の空気の荒れや緊迫感、そして住民の疲労や悲観が漂っていた。
この町にはそれと同じ空気がありそして、壁が途切れた先に広がる光景に大我の足が止まった。
そこは、記憶が正しいなら滝家のあるマンションが建っていた筈だ。
だが、そこには今にも崩れそうな家々が並び、浮浪者同然の格好の人々が身を寄せ合っていた。
まるで太平洋戦争後か、紛争地のようなスラムと化した町の中、唖然としている大我の耳に、「ショッカーの秘密警察だ!」と言う叫びが届いた。
「ショッカー?」
何処かで聞いた事があるような、そう思っている大我の目の前に、パトカーが二台やって来た。
普通のパトカーと違うのは、車体に書かれているのが警視庁ではなく、SHOCKER’S_PORICEと言う文字だったところと、中に乗っていたのが刑事らしい人間が二人と、黒尽くめに白く骸骨を染め抜いたスーツを着た面々――戦闘員だと言う事だ。
パトカーが現れた途端、人々は蜘蛛の子を散らすように隠れてしまった。
戦闘員達は、ナイフを振りかざしつつ大我の方へと近付いて来る。
『バカガミ! 早く来い、そいつらこないだのと同じ連中だろうが!』
「だぁ!!」
苛立ち交じりのレイヴの声に引っ張られるように、大我も足を速める。
その背後で、刑事と思われた男達が姿を変える。一人は、クリーム色の山椒魚が爬虫類になったようなイメージを与える怪人、もう一人は緑色をベースに派手な色遣いの甲殻類に蝙蝠の被膜をくっ付けたような怪人になった二体は、戦闘員を先行させてゆっくりと四人(見た目)を追い掛ける。色が薄い方はザンジオー、殻付き蝙蝠はガニゴウモルと言うが、大我と黒子、レイヴは知らない事である。
先に立って逃げていた二人組のうち、大我の財布を持って逃げていた少し小柄な方が足をもつれさせて転んだ。手に握っていた財布と、目深に被っていた野球帽が飛んで、某キセキのリーダーとは違う緋色の髪が溢れた。
「天馬!」
「いてて……」
「この、追い付いたぞクソガキ!」
転んだ少年にもう一人が駆け寄ったところを、追い付いた黒子@レイヴが捕まえる。
自分と仲間の腕を掴んだ、数センチしか背の違わない相手の手を、薄汚れた元は白かったろうパーカーを羽織った少年が噛み付こうとする。
その、野良猫同然の荒んだ少年を殴り倒そうとした怪人を、追い付いた大我がその小さめの頭を全力で握って止めた。
「人の相棒の体で、何してやがるんだよ!」
『ち、もう来たのかよ』
「か、火神君、バイクスローなんだかアイアンクロウなんだか判りません、痛い痛い」
騒ぐうちに、彼らは戦闘員に囲まれてしまった。
じわじわと、包囲を狭めていく戦闘員に舌打ちすると、黒子@レイヴが大我にメダルドライバーと三色のメダルを差し出す。
『ほらよ』
「あー、レイヴ、何時の間に!」
「落ち着け黒子。取り敢えず、適当に削って逃げるぞ。
変身!」
タカ、トラ、バッタ!
Ta,To,Ba, tatoba TATOBA!
スキャナーを滑らせ、赤、黄、緑の光が大我を包み、その姿が変わる。
黒いボディに、三原色が鮮やかな見知らぬ存在に、少年二人とSHOCKERの怪人達が戸惑い悩む。
それに向かって、大我は半ば自身に言い聞かせるようにこう名乗りを上げた。
「仮面ライダーオーズ、行くぞ!」
「仮面ライダーだと!? 構わん、
甲殻蝙蝠ガニゴウモルの一声で、わっとばかりに戦闘員が押し寄せる。相棒が中学生ぐらいの二人を、物陰に引っ張っていったのを確かめ、オーズはトラクロウを構えて有象無象を迎え撃った。
一応、小学二年までではあるが、火神大我も赤心少林拳の門下生として修練に参加していたし、アメリカ時代兄弟分だった相手の影響で多少なり護身術を身に着けてはいた。だが、それまで喧嘩らしい喧嘩をした事無かったにも拘らず大我が戦闘員を一蹴出来るのは、《オーズ》ことメダルシステム故である。
一人で軍団を相手取る事を想定されて構築された、錬金術の精華であるメダルシステムによる超人化は、改造人間との戦闘に十分効果を発揮していた。いや、戦闘員に関して言うなら、マスクの下で大我は戸惑っていた。
今回の戦闘員の方が、前回あの勝義島で対峙した連中より脆い気がするのだ。
腕の一振り、蹴り一撃で吹き飛ばされる戦闘員達を柱の陰から見ていた黒子も、同じ事を感じて首を傾げたが、赤毛とパーカーの少年達が零した言葉に驚く事になる。
「仮面ライダー? あんな仮面ライダーなんか知らない」
「ってか、仮面ライダーはショッカーの手先じゃないか、何で俺達助けようとするんだよ!」
「『え!?』」
驚いた黒子@レイヴが聞き返そうとした、その時だった。
「仮面ライダーが来たぞ!」
ざっと、戦闘員の壁がモーゼの十戒の如く左右に割れた。
そこに、赤い複眼にアンテナが触覚のように揺れる、二人の異形が建っていた。敢えて言うと、銀のグローブとブーツの方は両手を拘束する手枷が嵌められ、赤いグローブとブーツの方は鎖付きの枷が四肢に着けられた状態だ。
枷はともかく、この二体が仮面ライダー一号二号である事は、大我も黒子@レイヴも知っている。だが。
「あれ、待って下さい、一号二号どころか、クウガより前のライダーはBADAN大首領との決戦の為に異次元へ出掛けていて、まだ帰還してない筈じゃ」
『と言うより、あれは寧ろ捕虜か何か見えるがな、俺には』
「何言ってんだよ、仮面ライダーはこの四〇年、ショッカー最強の怪人として人間を襲った悪魔だよ!」
「何だって!?」
パーカーの少年の言葉に、オーズの意識が一瞬横に逸れた。
それを咎めるように、手枷を外された銀のグローブ――一号と、枷を付けられたままの赤いグローブ――二号とがオーズへと飛び掛かった。
一号の蹴りと二号の拳は、咄嗟に身を捩って交わしたものの、その直後に叩き込まれた回し蹴りに反応が遅れた。
よろめいたところを、二人同時のラッシュを受け、堪らずオーズはガード態勢を取る。だが、同時に大我はおかしいと感じた。
大我もまた、かつて滝家に泊まりに来ては、夕食時に家主のお話に付き合っていた。
『有象無象の怪物達。家の壁なんて簡単に引き裂き、車もあっという間にスクラップだ。
そんな奴らを、相手取って戦ったのが仮面ライダーだ。軽くビルを飛び越え、鋼鉄の柱だって簡単に捻じ曲げる事が出来る。
彼らは怪物達と同等の力を、子供やお年寄り、怪物と戦う術の無い人々の為に使ったんだ』
そんな話を聞いていた事と、あの嘘合宿事件の直後、変身したままの兄貴分達と軽く手合わせした際の感触で、《仮面ライダー》の力と言う物を確認していた。
おじさんから聞いた以上のものを感じて、思わず息を呑んだ大我に向かって、《新生》と称されるライダー達の第一号となった滝海斗は笑って言ったのだ。
「力は、心に左右される。岩を砕くような力も、心が定まっていないなら表面を削るのがやっとになる。
そして心の強さと言うのは、冷酷になる事じゃない。やると決めた事を、けして揺るがずやり通す事だ。
その辺は、大我は出来てると思うよ。だから、冬の大会の大一番で、逆転勝利が出来ただろう?」
然るに今、伝説の仮面ライダー一号二号である筈の彼らの、攻撃はどうだ。
確かに、当たれば重い。オーズになっていなければ、きっと死んでいるだろう。
だが、それだけだ。資料の方は頭に残っていないが、おじさんは一号ライダーは必殺技を大量に持つ技巧派で、二号ライダーは力が強い事を良く喧伝されるが、柔道空手の段持ちで決して力だけの男じゃないと話していた。しかし今大我の前にいる二人の仮面ライダーは、ひたすらに拳を振るい、蹴り付けて来るだけの存在でしかなかった。
――一応の補足を入れるなら、大我がほんの数年とは言え格闘技経験者であり、高度な技術を持つバスケットボール選手であり、まだ解明されていない錬金術科学による、メダルシステムの超人化によってそれらが引き上げられている。
そして、学校には伏せてあるが実はこの二週間の間に、数回メダルの怪物ことヤミーと戦い撃破していた事で、若干の経験値を積んでいたが故である。
手足に長く垂れた鎖を掴んで、オーズは二号の足をそれで払って転がし、そのままその鎖で一号の拳を止めた。
それを傍で見ていたザンジオーとガニコウモルが、焦ったように周囲の戦闘員に攻撃を命じようとしたその時だった。
「っっ、うわああああぁぁぁぁあああああああああ!!」
突然の絶叫に、全員の動きが止まる。
声の主は、仮面ライダー二号だった。
蹲り、頭を抱えていた二号は、やおら立ち上がるや周囲に居る者全てを薙ぎ払い始めた。
壁を、コンクリートの柱を、そして戦闘員達を振るった拳や足、鎖が粉砕する。
「あああああああああ! うぅあああああああぁぁぁぁあ!!」
「な、何事だ!?」
「また二号が暴走したぞ!!」
「ええい、一号、二号を抑えろ! 他の者であの黒いのと餓鬼どもを捕らえろ!」
騒いでいる怪人達の間を縫って、オーズは二号が見て暴走した自分の財布を拾い上げる。
落ちた拍子に開いた、二つ折りの財布のパス入れのところには、ついこの間兄弟分一八人で撮った写真を入れておいたのだ。
二号ライダーの悩乱に、少年二人と黒子も戸惑いを隠せない。が、その間にパーカーの少年からメダルケースを取り返したレイヴが、黄色系のメダル二枚を取り出し、オーズへと投げた。
「あ。お前!」
「うるせえ、おい大我、こいつを使え!」
「うおっ、え? ライオンと、豹?」
「良いから入れ替えろって!」
急かされ、大我はドライバーのメダルを入れ替え、スキャナーを滑らせた。
ライオン、トラ、チーター!
Ra-Ta,Ratarata,RaTorartar!!
胸部に付いた円形プレートが、三原色から黄色系トリコロールに変わる。
同時に、頭部に集まるエネルギーを、オーズは怪人達に向けた。同時に、大型フラッシュを複数焚いたような閃光に周囲が染まる。
咄嗟の事に、目眩ましを避けられなかった怪人戦闘員達が混乱を起こしているところを幸いと、オーズは両脇に少年達を抱え、背中に相棒を背負った姿でその場を脱出した。
ありがたい事に、チーターのメダルによって生成されたチーターレッグは、超加速で走り抜ける事が出来るものだった。
秋山蓮を背負い、滝和也は病院の階段を上がった。
オーディンは強かった。
元々、計画の為に『どのライダーに対しても絶対に勝つ』ように、神崎士郎によって設定がされていたのだろう。
だが、ディエンドライバーによって召喚された仮面ライダー龍騎が援護に入った事で、神崎の妹による説得の時間が稼げたのだろう。
オーディンは消え、ミラーワールドの崩壊と共に仮面ライダーナイト事秋山は現実世界に戻った。
しかし、最後の最後に受けたオーディンの必殺技の為に、秋山蓮の命も長いものではなかった。
その彼の願いを受けて、滝は病院の、彼の恋人の病室へ向かっていた。
彼を病室まで運び、だがその病室には入らなかった。
どのくらい経っただろうか。
「蓮。
そんなところで寝てたら、風邪引いちゃうよ?」
柔らかな女性の声がした。
そして、滝は彼が本懐を遂げた事と、その命を終えた事を悟った。
思い返せば、禄でもなく、そして悲しい世界だった。
理不尽ばかりで、愛おしい世界だった。
せめて、神崎兄妹の幼い頃に彼らに出会えていればとも思った。
どのくらい考えていただろう。滝は、ガラスに映る幼い少女に気付いた。
咄嗟に走らせた視線で、鏡像にしか存在しない事に気付いた滝は、同時にその子の面差しに、神崎優衣に似通ったものを見出していた。
「優衣ちゃん?」
滝の呼び掛けに微笑んで、その少女は一枚のカードを差し出した。
受け取ると、少女は手を振って、ぱっと駆け出した。その先には、彼女の兄らしい少年が、怒ったような困ったような顔でこちらを睨んでいたが、妹が駆け寄ると、ぱっと笑ってその手を握り、そのまま歩いて行ってしまった。
カードには、簡略化された時計の絵が描かれていた。
時計が描かれている以上、これは時間操作に関するカードなのだろうと見当を付け、滝はディエンドライバーにカードを装填した。
「鬼が出るか蛇が出るか。いや、きっと福音だよな。天使の贈り物なんだから」
そう嘯(うそぶ)いて、滝はトリガーを引いた。
一人の青年が、《OREJOURNAL》と言う看板を出したビルから飛び出して、愛用のミニバイクで走って行く。
自転車で我が物顔で走ってゆく青年の向こうを、険しい目つきのレザージャケットの男が歩いてゆく。その通りの辻に、占い師が卓を立てているのを、コート姿の男が声を掛けている。写真を見せて、聞き込みのようだ。
すれ違う高級車には、秘書に日程を確認する弁護士に、助手と発表会の打ち合わせをする大学教授が乗っている。
ミニバイクの青年と、男女連れがすれ違うのを高架橋から見つめつつ、滝和也は溜息を吐いた。
これが、神崎兄妹が十一年前に亡くなった世界。《仮面ライダー》が生まれなかった世界。
寂寥(せきりょう)感を覚えつつ、だがさあ、これからどうしようと思ったその時だった。ドライバーを収めたバッグの中から、再びガシュンと、ホルダーが開く音がした。
えっと思って開いた滝は、そこに仮面ライダーナイトのカードと、青地に金の翼のカードが出現しているのを見出した。
「そっか。
ありがとうよ秋山。お前も力貸してくれるのか。
キドシンともどもよろしくな」
カードにそう囁いて、滝和也は歩き出した。
まるで待ち構えていたように、銀色のオーロラが広がった。
そのオーロラが消えた時、彼の姿はその世界の何処にも存在しなかった。