Sons of Skull-Rider   作:怪傑忍者猫

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黒子のバスケ×マスカレイドスタイル×仮面ライダーSPIRITSと言う多重クロスオーバー。

今回は、続けてepisode03の続きの話になります。。

なお、この話は黒子のバスケと仮面ライダーSPIRITSの登場人物に、マスカレイドスタイルと言う同人TRPGをベースにした独自設定を付加した二次三次創作となります。
その為、原作の登場人物と家族設定などに改変があります。
他にも作者設定のオリジナルキャラクターも何人か出てきますので、そう言うものがお嫌いな方はこのままbrowserbackをしてください。
キャラクター改変がお嫌いな方も同様に願います。

今回、残酷な表現が僅かですがあります、ご了承下さい。


episode04  獣は餌を乞う

 テレビを見て、テロ絡みのニュースが流れると未だに背中の古傷が痛む。

 後遺症とかじゃなく、あの日を思い出すから痛むのだ。

 

 あれは、小学校を卒業してすぐだった。

 父は考古学者で、あの日発掘中の父を訪ねて、母と弟と三人でカリブ海へ向かった。

 カリブ海のあちこちに残っている、大航海時代の海賊達の拠点の跡地を発掘する学術隊に参加している父に会うのは、かれこれ半年振りだった。

 俺も小学二年生だった弟も、それぞれ証書や成績表を父に見て貰って、それぞれ頭を撫でられた。

 その夕刻近くになって、発掘隊のキャンプを謎の武装部隊が占拠した。

 連中が狙っていたのは、父がその現場で掘り出した品物だった。

 カリブに海賊が彷徨(うろつ)いていた時代に持ち込まれ、海賊都市が地震で崩壊した際に失われた財宝の中に含まれていたと言うそれを奪う為に、武装集団は無抵抗の学者や逃げようとした人夫達を切り刻み、容赦なく撃ち殺した。

 ……あの連中が、後腐れを消す為に全員殺した後発掘現場を爆破し、「謎の爆発で全員死亡」と言う筋書きを作っていたのだと言う話を聞いたのは、結構後になってからだったけど。

 そして、俺達親子のテントにもそいつらは雪崩込み、父の制止を笑いながら無視した連中はその場の全てをぶち壊す為にマシンガンをぶっ放し、そこから立ち去った。

 誰も動かなくなったそこで、俺だけが辛うじて生きていた。

 父と自分の血で真っ赤に染まった手で、もがいているうちに触れたのが父達の発掘品であり、武装集団が探していたもの、巨大ファントム《ジャバウォック》を宿したビーストドライバーだった。

 

『小僧、力が欲しいか?』

 

 今にして思えば、言葉面は諸に悪魔の勧誘だったが、あの時家族を失い死に掛けていた自分にとって、《ジャバウォック》の言葉に抗う理由は一つもなかったのだ。

 俺の血――正確には、ライフエナジーと呼ばれる生体エネルギーらしい――を代価に封印が解けた《ジャバウォック》の力で、俺は襲撃者達を追い掛けた。

 父の、母の、弟の敵討ちの為に。

 その、襲撃者がファントムを研究材料として集めようとしていた財団Xと言うけったいな組織の雇った連中であり、そいつらを追い掛けて来たSPIRITS隊に唯一の生存者として保護されたのは、そいつらの半数はぶちのめしたものの、多勢に無勢で追い詰められたその時だった。

 

 

 放った三体のプラモンスターの内、赤い鳥型のレッドガルーダが戻って来た。

 訴えるように周囲を飛び回る、赤い一五センチ程のそれを手に乗せる。

 試合も終わり、敗戦で愚図っていた一年エースが落ち着いたのを見計らい、福井健介は監督に別行動を申し出て、動こうとしていたところで身内からの連絡を受けたのだ。

 

「何とかなったか。

 しっかし、オートバジンが飛び出したって、たいっちゃんから連絡来た時にはどうしようかと思ったぜ」

 

 ぺちぺちと音を立てて、小さな羽根を畳んだそれをジャージのポケットに仕舞いながら、少年は大きく肩を竦める。

 大きな利かん坊と自由人二人を抱え、何とかWCベスト8に食い込んだ――長い付き合いの主将は、「大元締めが何ゆうとんじゃい」と嘆くだろうが――ものの、創設二年目のチームにしてやられたのはかなり悔しいと思っていたところへの緊急連絡で、取り敢えず手持ちのプラモンスター達を放ったのだ。

 やれやれと思っているところで、見覚えのある一年生マネージャーが走って来た。

 

「福井先輩、ちょっと聞きたい事があると主将が」

「ああん?」

 

 振り返ろうとした健介は、ポケットの中の忠実なファミリアの警告にぴたっと動きを止めた。

 

「どうしました、先輩」

「おう、ところでお前、モアラが何だって?」

「え?」

 

 思わずと言った様子で聞き返したその少年に、健介は肩越しに三白眼を細めて睨み付ける。

 見た目は、今年入ってきた後輩の筈。

 だが改めて相手を見た途端、健介には『敵』にしか見る事が出来なかった。

 

「あの、もあらって」

「うちのモミアゴリラが判らない?

 お前、何処の奴だ?

 いや、何処の『未確認生命体』で、誰の差金で俺の前に現れた?」

 

 健介の言葉に、それまできょとんとしていた高校生の顔が、にたりと形容しがたい笑顔になる。

 

「あれえ、ちゃんと化けたのに、変だなあ」

「まあ、俺も一瞬騙されたけど、俺のファミリアは騙されなかったよ。

 って言うか、ほんと《ホークアイ・ホールディングス》の技術部ぱねえよ」

 

 ちょろりと、健介の肩に乗った赤い鳥型ゴーレムに、少年の姿を取った何者かは大きく肩を竦めてみせた。

 

「ふう、何だ、こんな事なら普通に襲えば良かったや。

 メンド臭く、ニンゲンのフリする必要なかったのにさあ」

 

 そう言いながら、少年の姿は歪み、赤黒い鎧と骸骨の寄せ合わせのような姿に変わる。

 その姿に、健介はぺろっと口の端を舐めた。

 

「お前、ファントムか」

「そうだよ、俺はファントムのレギオン様さ。

 この辺に魔法使いがいるって聞いたから、どんな奴か、面を拝みに来たんだよ」

「あーそうかよ、で?

 俺の後輩はどうしたよ? 無事なんだろうな?」

「あ? ああ、あいつね。

 俺としては食っちまってもいいかと思ってたんだけど、ドレイク様の命令でさあ、大事にするなって言われたから姿とちょろっと魔力を頂いただけだよ。

 それでこれはお願いなんだけど、死んでくれない?」

 

 怪人の言葉に、健介は更に目を細めて自身のスポーツバックを抱え直した。

 

「おいおい、いきなりぶっ飛んだ事言ってんじゃねえぞ化物。

 なんで俺が死ななきゃならねえんだ、ざけんなバーロー」

「ええ?

 だって、俺達的には魔法使いなんて邪魔臭えんだもの。

 だったら死んで貰えば丸く収まるだろ?」

「お前、おエライから大事にするなって言われたんじゃねえの?」

「だあって、お前程度なら簡単に殺せるし?

 魔法使いって言うには、大した魔力も感じないしさあ」

 

 ケタケタと笑うファントムに、綺麗にぶち切れた顔で健介はバッグから取り出した指輪を、右手の中指に填め腹部に翳(かざ)した。

 次の瞬間、「Driver on!」と言う音声と共に、彼の腰にメタルブラックのベルトが現れる。

 はっとなるファントムに向かって、綺麗な笑顔で健介は言い放つ。

 

「悪かったな、魔力が少なくて。

 だからお前、俺のジャバウォックの餌になって貰うぜ。

 変身!」

 

 リングをバックル横のシリンダーに差し込むと、健介は一気に回す。

 バックル部分が、観音開きに開きそこに黒と白銀の龍に似た顔が現れた。

 同時にバックルから飛び出した魔法陣を突き抜け、健介は『仮面ライダービースト』へと変身した。

 

「な!?」

「時間的には、ちょっと早いディナーかな?

 何でも良いや、俺も魔力補充で魔法石飲み込むの飽きたし、試合に負けてちょっと虫の居所悪かったし。

 何より、お前の姿は不愉快なんだよ!」

 

 そう言うなり、ライダーは新たなリングを嵌めて再びシリンダーを回す。

 

   Jabberwocky,Flame,Flame,Cloak Go!

 

 バックルからの音声と共に魔法陣が通り抜け、ライダーの右肩に炎をデザインしたマントが翻る。

 

「おら、喰らえ!」

 

 振るった右腕から撃ち出された火炎弾を、レギオンは慌てて取り出した薙刀で切り捨て飛び下がる。

 

「うわわ、こんなの聞いてない!」

「俺が知ったことか!

 おら、大人しく食われろ!」

「冗談じゃない、こいつらと遊んでよ、俺帰る!」

「あ、こらメインディッシュ、逃げんじゃねえよ!」

 

 バラバラっと何かを散蒔(ばらま)くと、ファントムは影に溶けるように姿を消した。

 追い掛けようとしたライダーの前に、魔石から生まれた下級ファントム(グール)が三体、耳障りな唸り声を上げながら起き上がった。

 

「ちぃ、雑魚が!

 ああもう、一気に片付けちまおう!」

 

 そうぼやくと、魔方陣から柄に変な飾りのあるレイピア状の武器を取り出した。

 そしてその柄の、回転ドラムに似た部分を手で弾く。

 カラカラっと回転したそこに、サイコロの様に四つの点が表示される。

 

「おっしゃあ、セイバーストライク、行けぇ!」

 

 レイピア、いやダイスサーベルを振るうと、銀色に光る八本足と翼を持つ竜の形をしたエネルギーの塊が四体、グールに向かって飛び出した。

 エネルギー弾に貫かれた三体は炎を上げて燃え上がり、そして小さな魔力の固まりになりそのままバックルに吸い込まれた。

 

「はい、おしまいっと」

 

 魔力を吸収して、変身を解いた健介の耳に、「おーい」と聞き慣れた低音が届いた。

 暫くすると、建物の陰からのっそりと、中学からの腐れ縁であるバスケ部部長が顔を出した。

 

「おお、福井ここに居ったか」

「あ? どうしたモアラ」

 

 健介の言葉に、「儂は人間じゃと言うに」と肩を落とした相手は、気を取り直してこう切り出した。

 

「もうええいわい、ところで福井、一年が貧血を起こしたんじゃが」

「ああん?

 あ、そうかあのファントム野郎」

 

 健介のぼやきに、モアラ、もとい岡村建一は眉間に深く皺を寄せた。

 

「やっぱり、怪異が原因かい。

 つい先ほどまでピンピンしとったのが、いきなり真っ青な顔で座り込むんでどうした事かと思っとったんじゃが」

「おう、あいつの姿と魔力、要するに生体エネルギーを掠め取ったって言ってた。

 どんな状態だ、一年の奴」

「一応、お前のおやつの焼き菓子食わせたら顔色が戻ったんじゃが」

「勝手に食わせるなって言いたいけど、今回は仕方ねえなあ。

 で、残りは?」

 

 聞き返されて、岡村は目を逸らす。

 マネージャーが落ち着いた途端、岡村の手から残りの焼き菓子を奪って、駄菓子を食べ尽くし腹を空かせた紫原敦が全て食べてしまったのだ。

 その仕草で、大体悟った健介は、取り敢えず相棒の腰をどついておく。

 

「あいた!?」

「勘弁しろよ、人の非常食。

 今回下級ファントムの魔力食ったけど、それでも足りないって気配してるのに」

「おお。そう言えば文句言うとるのう」

 

 そう言いながら、岡村がビーストドライバーを見るのに、健介はそう言えばと相棒を見る。

 岡村は、母方に山伏の血が流れているとかで、厳つい外見に似合わず勘が鋭く、体調に左右されるが霊視等が出来る場合がある。

 その能力の延長か、岡村には健介にも希にしか聞こえないビーストドライバーからの声、つまり封印されている《ジャバウォック》の言葉を聞き取る事が出来るのだ。

 

「一応聞くけど、何て言ってる?」

「そうじゃのう、繰り返し三つの言葉を叫んどるわい。

 『不味い』、『薄い』、『物足りん』とな」

「あー、やっぱり?」

 

 がっくりと肩を落とし、健介は指輪を外した。

 ドライバーが消えるのを見届けた岡村は、踵を返そうとした長年の相棒に一応の確認を兼ねて声を掛けた。

 

「これから養い親のところへ行くんじゃったな?」

「おう、祖父さん祖母さんも亡くなっちまった今じゃ、寮が閉まる年末は元々こっちに戻る予定だったしな。

 監督には最初に話しておいたし、荷物はとっくに送ったしで身軽なもんさ。

 始業式前には戻るから、皆にはよろしく言っといてくれ」

「おお、義兄(おにい)さんによろしくな」

「おうよ、モアラもご両親によろしく言っといてくれな!」

 

 「じゃから儂人間じゃと言うに!」と言う繰り言を続けて、岡村は立ち去る福井を見送った。

 彼が建物の向こうに消えてから、岡村は大きく溜息を吐いた。

 

「何か、嫌な空気じゃなあ。

 福井めも隠しよるから判り難いが、もしや怪異がまたぞろ大きな騒ぎを起こしよるのかもしれんのう。

 骸骨ライダーの倅達と言うたか、福井の何かしら動くのかのう」

 

 それだけ呟き、岡村は後輩達の方へと向かった。

 




福井健介 バトルアクト 人間 古の魔法使い 一八歳 男

  (通常/変身状態)
肉体)4/5 運動)6/8 器用)3/5 意志)4/5 機知)3/4
移動力)9/11 先制力)3/4 肉体HP)18/20 追加HP)-/30

所持品
財布、生徒証、着替えとスマホ他、ビーストドライバー、ビーストリング、マントリング(フレイムとクロウ)、エンケージ(ビースト)、ライズ(ビースト)、ダイスサーベル、プラモンスター×3(設定付属ガジェット)、*契約ファントム(ジャバウォック)

所持ガジェット
トドメ技、勇気、友情、人間系、学問、部活(バスケットボール)、近接強化、魔法の指輪加工、

活躍力)9  命点残り4点(注、製作点のみ) 


 壊滅した学術発掘隊の遺族であり、自身も現場に居合わせ唯一生き残ったと言う悲惨な過去を持つが、同時に傷を押して家族の敵を打たんとビーストドライバーを持ち出した豪の者。
 そのままSPIRITS隊に保護され、治療の為滝和也の保護下で暮らす。
 その後、ただ一人生き残った孫を引き取る事を望んだ祖父母の元で暮らすが、高校三年間で相次いで二人が亡くなった為、ある意味身内である滝家で暮らすべく、東京は城南大学へ進む予定。
 ビーストドライバーに封じられている《ジャバウォック》とは、まれに(夢などで)会話する事があるが、あまり頻繁ではない。
 寧ろ、同級生であり部活の主将副主将の立場である、岡村建一が《ジャバウォック》の通訳を勤める事が多い。

 可愛がっていた弟を亡くした反動か、年下をからかったり悪戯したりと言う行動が激しい。
 健介的にはあくまでも情愛の表現なので、余程に嫌がらないは限り何度でもやらかす、過度な愉快犯。
 彼が黙って従うのは、バスケ部監督を除けば保護者でもある滝和也と、治療時に世話になった《ホークアイ・ホールディングス》の幹部達ぐらいである。

 魔法の指輪加工については、亡父の遺品の中にあった蔵書を読んでいて身に付けた。
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