自己満足で描いた女オリ主の話~自書女主話~   作:最下

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人(仮)との登校

ピンポーン

どこの家も大して変わらないインターホンのチャイムの音。

時刻は朝、ゆっくり歩いてもギリギリ遅刻せずに済む、そんな時間。そして今のピンポンしたのが比企谷家。私の次の目的は比企谷先輩と登校、そのままお昼の約束を取り付ける。重要な作戦だよ。何たって十分な時間彼の情報を引き出せるからね。

 

 

「はいはーい、どちら様ですかー、およ?」

「おはようございます。えーと妹さん?比企谷先輩を呼んできてくれませんか?」

「えーと兄の知り合いですか?とにかくお兄ちゃんを呼んできまーす。」

 

 

一瞬有り得ないものを見るような眼をされたね。地味に傷つくよ。とにかくさっきの子が妹さんみたいだね。なるほど、妹さんがかわいいならその兄が整った顔してるのも頷けるよ。まあ眼が異常だからモテないだろうけどね。そんな異常な眼が気になった私も異常な子かな?他者の評価なんてどうでもいいけどね。

 

 

「兄をたたき起こしてきましたー。もう少し待っててくださいね。それでそれでお姉ちゃん?はお兄ちゃんとどんな関係ですか?」

「いまはただの後輩と先輩ですよ。それより私は若葉八千代。あなたのお名前は?」

「小町は比企谷小町でーす。お兄ちゃんが大好きな妹!あっ今の小町的にポイント高ーい!」

 

 

私の身長をみて年上かどうか悩んだね。君より大きいよ。………多分。あとポイント?ま、まあ元気な妹さんだね、君のお兄さんからは想像もできない元気さだよ。ちなみにいまはただの後輩と先輩だけど、そろそろ私と先輩になるかもね。うん?やっと降りてきたね比企谷先輩。

 

 

「そんなポイント貯めてどうするつもりだよ。」

「あ。お兄ちゃんおはよー」

「おはようございます。比企谷先輩。」

「はいはいおはよーさん。というか若葉は朝から何の用だよ。」

「せっかくご近所でしたので一緒に登校しようかと思いまして。」

「あ!小町も一緒に行く!お兄ちゃん机の上のパン急いで食べて!小町着替えてくるー!」

「……とにかく朝ご飯は大事ですよ?」

「……じゃあ食べてくるわ。」

 

 

元気で行動力に溢れてるね。兄妹で足して二で割ったらそこら辺に転がってる人になりそうだよ、偏った兄妹にしてくれて神様に感謝感激雨あられってね。とにかく登校は一緒にできそうだよ。妹さんのおかげで彼の不満の声も消すことができたし小町様様だね。というかそろそろ行かないと遅刻しちゃうよ?

 

 

「よし!れっつごー!」

「……それで?それだけが用じゃないだろ若葉。」

「はい。よくわかりましたね。」

「まあ朝から俺に会うなんてよっぽどの理由がなきゃありえんだろ。」

「実はですね。お弁当を作ってきたんですよ。だから一緒に食べて感想を貰いたいと思いまして。」

「おおー、お兄ちゃんが後輩の女の子からお弁当イベントなんて!?小町感激!!」

「………小町。これはそういうのじゃないだろ。」

「ちっちっちー。分かってないなーお兄ちゃん」

「読心術持ってるわけじゃないから当たりだっつーの。」

 

 

彼と一緒にいる人は漫才を始めるのがお約束なのかな?とにかく兄妹の仲は良さそうでよかったよ。小町さんと面識も取れて順調だね。小町さんがいるなら、お弁当も食べてくれそうだよ。とにかく話は戻させてもらうね。

 

 

「……それで食べてくれますか?比企谷先輩?」

「お兄ちゃん!食べないと小町的にポイント低いよ!」

「………」

「食べてあげないと小町泣いちゃう!ヨヨヨ」

「はあ、わかった。ただし食べる場所は俺が決めさせてもらうぞ。」

「はい、構いません。」

 

 

うんうん。ありがとう小町さん。君のおかげでスムーズに進んでくれるよ。今度菓子折りでお礼にいくべきかな?……彼女と不仲になるメリットは全くないしむしろデメリットだね。今日の帰りちょっと高いお菓子屋さんにいくとするよ。まあとりあえずは順調。小町さんについて少し探らせ貰おうかな。

 

 

「小町さん。」

「はいはいーなんでしょうか八千代さん」

「小町さんは何年生ですか?」

「小町は中3です。高校はお兄ちゃん達と同じ総武高校を目指してます」

「ということは私にかわいい後輩ができますね。今からもう楽しみです。」

「いえいえ、小町としては後輩の小町よりお兄ちゃんに構ってくれたほうがうれしいです」

 

 

ふむ、この言い様まさか比企谷先輩の引き取り手を探してるのかな?兄妹の仲は良さそうだけど実際は怖いものだね。……私までボケや漫才をする必要はなかったかな。そしてご安心を小町さん、私はしばらく比企谷先輩に引っ付く予定だよ。あとは今日の帰宅時間でも聞いておけば完璧だね

 

 

「こま「おい、小町そろそろ時間危ないだろ。急げ。ほれ。」

「わー!本当だお兄ちゃん八千代さん行ってきます!」

 

 

……多分わざと被せたね。それ以上小町さんに干渉させないためかな?まったく失礼だね。別に取って食いはしないさ。小町さんはもちろん雪ノ下先輩にも由比ヶ浜先輩も。私の興味は君の眼だからね。

 

 

「……若葉。」

「はい。」

「今日の昼休み、特別練の屋上だ。悪いが先にいってるぞ。」

「……はい。」

 

 

自転車に乗って総武高校に向かって一気に駆け抜ける。これは追いつけそうにないね。

しかし小町さんとの接触は悪手だったかな。彼の警戒レベルを大きく上げてしまったよ。まあお昼ご飯で大きく左右するからこの程度取り返せるかな、逆にもう接触できない可能性もあるけどね。まあここで奉仕部を指定されたら詰みだったからまだいい方だよ。とにかく少し調子に乗り過ぎちゃったかな?まったく引き際が大事なのに思いっきり突き抜けちゃったよ。

 

 

「さて」

 

 

このままじゃ遅刻しそうだね。仕方ない、走るしかないかな。これが嫌だから余裕持って家を出てるのにね。ま、調子に乗り過ぎた罰ということかな。


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