ネギまの世界にはたけカカシが飛ばされたようです。 作:アップルトン中将
「カカシさん!!」
「よっ」
二刀流の少女、月詠と刹那の距離が開いた所を見計らってカカシが桟橋に躍り出る
周りの観客からは
「忍者だ!」
「髪型がズレてる忍者だ!」
などと歓声や戸惑いの声が上がるが、カカシは気にしない
「助けに来たよ、事情は見て把握したから」
此方を見上げる刹那にニコリと笑って安心させるように言葉を紡ぐ、刹那は息を整えて眼前の敵、月詠を見据える
「お兄さんだれどすかぁ~?」
随分と間の抜けた声を放つ月詠、カカシはその質問には答えずに戦い続ける子供先生を見据える
あ!と、観客の中から声が挙がり、子供先生がニット帽の少年…小太郎に殴り飛ばされて此方に転がってきた
ハァハァと肩で息をする子供先生に刹那が肩を貸して立ち上がらせる
状況はやや劣勢のようだ
「よぉ兄ちゃん、いきなり出てきてなんやねん」
子供先生を吹き飛ばした少年、小太郎が月詠の側へと歩み寄る
状況は2対3だが刹那と子供先生は満身創痍だ
刹那はどこか動きが堅い、子供先生は大勢の観客を前にどう戦えば良いのか分からない様子だ
「あの……あなたは……」
子供先生、ネギが息も絶え絶えにカカシを見上げる、その表情は突然の乱入者に戸惑っているようだ
「大丈夫、味方だ」
カカシは笑って答えて、まだ何か言い足そうなネギを刹那と共に下がらせる
「はっ!兄ちゃん一人で俺ら相手にしよう思とるん?」
「神鳴流どす~」
特に傷を負った様子のない二人がそれぞれ言葉を放つ、カカシが2人に距離を詰めたところを見計らい小太郎が口を開く
「おいネギ!この変な兄ちゃんかたしたあと直ぐ相手したるからな!まっときぃ!」
小太郎がカカシの後ろで戸惑っているネギに声をかける
「ちゅーこっちゃ、月詠ねぇちゃん、まずはオレからや…負ける気はせぇへんけどな」
「え~しかたないどすなぁ~」
へらへらと笑う月詠を余所に、小太郎がカカシと対峙した
「カカシさん、大丈夫だろうか…」
「ウーム、やっぱり心配ネ」
「ふむ、楽しみでござるな」
「ふん、お手並み拝見といこうか」
「カカシさん…」
大勢の観客に混じり、少女達が次々に言葉を紡ぐ
桟橋は今異様な盛り上がりに包まれている
2人の実力派少年少女に謎の忍者少年
「いくでぇ兄ちゃん!覚悟しぃや!!」
小太郎が勢いよく桟橋を蹴ってカカシへ走り込む、それを見てカカシは腰のポーチにおもむろに手を突っ込んだ
「っ!!」
飛び道具を警戒してカカシの目前で立ち止まる小太郎
「忍戦術心得その1!」
「む?」
カカシの言葉に小太郎と楓が反応する
「体術!…を、教えてやる…」
ポーチから手を引き抜く動作を続けるカカシ
その姿に観客やエヴァ達、小太郎や月詠、刹那にネギに城の上で戦いを見下ろしている近衛嬢とメガネの女性…天ヶ崎千草全員が首を傾げた
(体術って素手じゃないのか?)
その場に居合わせた全員が首を傾げる
そして、ポーチから引き抜かれた手にカカシが持っていた物とは―――
ドーン!!と言う効果音を背後にカカシがポーチからイチャイチャパラダイス(上巻)を引き抜いた
「???」
小太郎やその場に居合わせた全員がその様子に首を傾げる
「…?どうした?早く掛かってこい」
本を読みながらカカシが尋ねる、因みに――
「あのバカ…」
カカシが取り出した本を見てエヴァは頭を抱える
「あれは何なのでござるか?」
訳が分からないといった風な楓に茶々丸が補足する
「あれはカカシさんの愛読書、イチャイチャパラダイス(上巻)です、早い話がコメディタッチの官能小説です」
茶々丸の言葉に再びその場に居合わせた面々が絶句する
無論千草も木乃香も
「アホかーーーーー!!!!!」
敵と味方、魔法関係者やそうでないもの、数百人の心が一つになった瞬間だった