ネギまの世界にはたけカカシが飛ばされたようです。 作:アップルトン中将
「お兄さんつよいどすなぁ~…おなまえは~?」
小太郎は何とか無事に岸にたどり着いたが、精神的ダメージも大きく、肩で息をしながらカカシを睨みつけている
間延びした声でゆらりとカカシの眼前に佇む少女、月詠
今彼女の中に渦巻いている感情は、興奮と殺意
圧倒的とも言える力で小太郎を手玉に取り、軽くあしらい、一撃で沈めた
自分でもそんなに簡単には行かないだろう…だが、この男はソレを簡単にやってのけた
彼女に小太郎の敵討ちなどという感情は無く、ただ人形のようにカカシに挑む
自分の欲求を満たすため、自分の快楽を満たすために笑みを浮かべて腰に差した二本の刀を引き抜く
「月詠言います~…カカシさんで良かったやろかぁ~?」
エヘヘと脳天気に笑いながら刀をカカシに向ける
一方のカカシはイチャイチャパラダイスを未だに読みふけっている、が、相手の刀をみてイチャイチャパラダイスをポーチにしまい、変わりにクナイを取り出して逆手に構える
「血なまぐさい少女だねぇ…ま!かかってこいよ」
右手にクナイを構え、二刀流の月詠と対峙する
観客も息をのんで2人を見守っている
カカシは先程の戦いで観客を味方に付けていた
目にも留まらぬ攻防を繰り返す実力者でありながら、でもどこか抜けていて面白い
観客はそんな゙2枚目役者゙と、カカシを認識していた
「いくらカカシさんが強くたって、あんな小さな刃物じゃ…」
刹那が不安げに呟く、先ほどまで自分が戦っていた相手だ、実力は分かる
彼女は強い、技術的には自分だって負けてるとは思わないが…――
なによりも、覚悟や思想が違う
恐らく何度も何度も本当の命のやりとりをしてきたであろう相手だ
対人戦に慣れていて命を奪ってきている相手だ
一方カカシは龍宮の言っていたとおり楓と変わらない忍者だろう、瞬身という術で自分や先ほどの少年をあしらっていた…――
刹那はそう思っていた、それは龍宮や長瀬、古も同じ意見だった、自分達と何ら変わらない裏の事情を知っている一般人、カカシに対してそんな認識を持っていた
ただ、エヴァだけは漠然としているがカカシに自分と同じ匂いを感じていた
幼い頃から命のやりとりを繰り返してきた、所謂本物
――カカシは本物…――
エヴァは、そう思いながら橋の上を眺めていた
「いきますえ~?」
月詠の間延びした声とは裏腹に鋭い斬撃がカカシの腹をを襲う、落ち着いた様子で逆手のクナイを腹に持って行き、激しい金属音を立てて二人がぶつかり合う
それはまるで踊っているようで、戯れているようで、見ている観客を魅了していく
「やはり強いどすなぁ~…」
月詠が激しい双剣での乱舞を放つ、が、カカシはそれを一本のクナイで防ぎ、いなし、かわしてゆく
少しでもタイミングが外れれば勝敗の決しかねない乱舞をカカシは紙一重で避ける
「すごい…」
楓がその様をみて口を開く、自分にあれだけ鋭い攻撃をクナイ一本で防ぎきれるだろうか…多分、無理だろう
ギシッと歯をかみしめる、楓から見ればカカシは16~17歳の少年、自分と歳はそう変わらない、だが、そんなカカシが余裕を持ってあの少女をあしらっている
――くやしい…!!―――
楓は二人の戦いを見て唇を噛み締める
あの舞台に立ってみたい、あの銀色の化け物に忍として生きてきた自分の全てをぶつけたい…!!
例えそれで命を落としたとしても、楓は後悔しないだろう、カカシはそれだけの強者だ
「カカシがほしいか?長瀬楓」
エヴァが楓に話しかける
自分の激情が外に漏れたのだろうか、バカにしたような笑みではなく、ただ純粋に微笑んで此方を見上げている
「そうでござるな、非常に興味をそそられる御仁でござる」
楓は今、麻帆良学園3-Aの生徒としてではなく、゙中忍長瀬楓゙としてエヴァンジェリンに対応する
「私はアイツが、カカシが欲しい…いや、必ず手に入れる」
闇の福音、真祖の吸血鬼にして最強の悪の魔法使いに「欲しい」、といわしめる男、はたけカカシ
「ライバルでござるな」
楓が笑って応える、エヴァも鼻を鳴らしてそれに応える
カカシの知らないところで微妙な攻防戦が繰り広げられようとしていた
「……!?」
冷や汗を流して観客を振り向く、カカシの目の前には妙に熱っぽい視線を向けている楓とエヴァ、その視線の意図が分からないカカシは首を傾げる