ネギまの世界にはたけカカシが飛ばされたようです。 作:アップルトン中将
川岸に相対するのは三人
カカシと、月詠と天ヶ崎千草
観客もこれまでの展開に拍手喝采、中には涙を流している人すら居る
エヴァ一行は川岸の一番よく見える場所まで移動していた、そろそろクライマックスだろう
「なんで助けたかは知りまへんが…逃げさせてもらいますえ…」
千草が口を開いてカカシに言う
今千草は忍犬の背中から降り、月詠の隣に居る
足下にはずぶ濡れの小太郎、これまた忍犬が連れてきた
「ね…ねぇちゃん…そら無理や…」
足下の小太郎が憔悴しきった様子で口を開く、その言葉に、分かっていたのだが、やはり顔をしかめる
――月詠――
彼女がすでに臨戦態勢だ、もっといえば先程よりもさらに深い笑みを浮かべて狂喜的にヘラヘラと笑っている
「こんな素晴らしい死合~いまさらやめられまへんえ~」
月詠が二刀流を構える、千草は溜め息をついて小太郎へ視線を戻して安否を確認する、無事なようだ
「神鳴流~月詠~いきますえ~」
名乗りを上げて月詠が地面を蹴ってカカシに迫る、スピードは先程よりも上がっている
脳内に精神分泌液が溢れ出し、潜在能力を引き出している
「ざーんがーんけーん」
月詠の岩をも砕く一撃が二発、カカシへと放たれる
それをカカシがクナイで受けようとしたが……右手の攻撃にクナイが弾かれ、左手の攻撃にてカカシが腹を横一文字に切り裂かれた
ぶしゃっ!!と血が吹き出しカカシが仰向けに倒れようとバランスを崩す
「カカシさん!!」
「カカシ殿!!」
「なっ…なんだと!!」
「嘘アル!!」
「そ…そんな…」
騒然となる観客に、その光景に信じられないといった面々
先程まで圧倒していたが、月詠の必殺技を受けてあえなく散ったカカシ
龍宮、楓、エヴァ、古、茶々丸が絶望的な表情を浮かべる
――が…――
「……え?」
勝ったと思った、あの強敵は血しぶきを散らし倒れたと思った、だが……
「…丸太…?」
一同が声をそろえる、本来カカシが転がるべき場所には、両断された丸太が転がっていた
「あれは変わり身の術!?」
楓が驚きの声を上げる、戦闘中にも関わらずあれだけ正確に、直前まで全く分からないくらいの練度でカカシは変わり身をやってのけた
「忍戦術の心得その2、忍術!を、教えてやる」
カカシの声に一同がそちらに振り向く、カカシは無傷で悠然と5mくらい離れて月詠の背後にたたずんでいた
「っ!ほな~見せてもらいますえ~」
月詠が慌てて振り返り、カカシをその両目に捕らえるが…――
「土遁、土陸返し」
カカシのその言葉を最後に顎に激痛を感じて意識を刈り取られた
エヴァ一行は目を見張る、カカシが何やらせわしなく両手で印を結び、地面を手で叩いた瞬間に勢いよく地面が畳返しの要領でせり上がった
その一撃は振り返った月詠の顎を確実に捉え、意識を奪った
本来、遠距離攻撃からの防御に用いられるこの術をカカシは死角からの攻撃として用いた
テコの原理で剥がされた土の壁は、本来の役目を果たせずに攻撃、という形で月詠とカカシの勝負を終わらせた
「ま!こんなもんか」
パンパンと膝についた埃を払ってカカシが立ち上がる、終わってみれば圧倒的だった
気絶した月詠を背に担ぎ、天ヶ崎の元へと向かう
観客は未だに呆けており、皆、口と目を開いている
「さ、どーする?」
カカシが千草に問いかける
その目は眠たげで、覇気など感じないが…――
「くっ……」
千草は頭の中で状況を打破するための手段を考えるが、どれもこれもカカシに阻まれるだろう
手が…手が一つ足りない
小太郎は立ち上がり臨戦態勢をとっているがあの男に対して驚異には鳴り得ないだろう
千草の鼓動が早くなる
――手詰まりか…――
そう、千草が思った瞬間…――
「やれやれ、ここまで追いつめられるとはね」
突如、白をイメージさせる少年がその場に現れた
名を
フェイト・アーウェルンクス