ネギまの世界にはたけカカシが飛ばされたようです。 作:アップルトン中将
真っ白な髪の少年、小太郎とは違い学生服を全て止めた優等生を思わせる佇まいだ
だが、彼には何かが欠落しているようにも見える
表情や目の明るさ、肌の色に至ってまで、無、を連想させる
人形のような少年だった
「君の犬かい?彼らは、まったく…この僕が手こずらせられるとはね…」
僅かに、僅かに悔しそうな顔をしてフェイトはカカシに話しかける
歩み寄り、小太郎と千草の前に立つ、小太郎がなにか喚いているが気にしない
「天ヶ崎千草、ここは引いた方がいい」
フェイトがカカシに視線を向けたまま背後の千草に話しかける
「当たり前や!」
フェイトの言葉を聞き終える前に千草が懐から札を取り出してばらまく
「いっぱいいっぱいのお札さん!うちらを逃がしてくだされや!」
その言葉を皮きりに札から小さな大文字焼きの炎や水が勢いよく現れて激しい水蒸気を生み出し、カカシの目を覆う
「なっ…!!」
これにはカカシも驚いた、魔法の存在は知っていたがこんな術は知らなかったからだ
カカシに取って一番厄介な存在は小太郎でも月詠でも無く、天ヶ崎千草だったと言うわけだ
視界がはれた頃にはそこに三人の姿は無く、カカシの肩に担いだ月詠だけがうー、と気絶していた
「あははは、逃げられた」
そう、のほほんと観客に向かって笑みを浮かべ、観客がドッと笑いに包まれた
劇の終幕を感じて観客が引き、カカシは月詠を軽く縛ってから映画村の一角に居た
カカシを知らないネギと木乃香に自己紹介をして、ネギがこれから西の総本山へと向かう旨を伝え、エヴァと茶々丸もそれに同行する形で一旦カカシと別れる
メンバーはネギ、木乃香、刹那、エヴァに茶々丸
それから、はぐれていたらしい神楽坂明日菜という少女が、出会い頭にネギにハリセン一閃、ネギ達と合流して総本山へ
武道少女達もそろそろ自分達の班の人達が心配するから、とそれぞれ帰って行く
楓は最後まで渋っていたが
口寄せした忍犬達に労いの言葉をかけ、ご褒美をあげて返す
そして、現在カカシは未だに眠り続ける月詠が目を覚ますのを待ち、敵方の情報を入手しようと、のんびりお茶を啜って待っていた
「なぁ~カカシはぁ~ん~」
間延びした声が部屋に響く、時刻は夕暮れ、場所はカカシ一行の宿泊するホテル
依然口を開かない月詠にカカシもやれやれとため息をこぼした
目を覚ました月詠から得た情報は僅か
1、天ヶ崎千草は復讐者
2、小太郎は人間ではない
3、フェイトが何者か知らない
この3つだった、無論こんなものが今後の展開にどう関わっているのかカカシも分かりかねるため、今後の目的を吐露するまでカカシは月詠の拘束を解かない
「闘ってくれまへんかぁ~?一度闘ってくれたらペラペラしゃべりますえ~」
体を揺らしながら笑う月詠はベッドに腰掛けており、カカシはその言葉に頭を抱える
月詠の申し出は簡単、ただ自分と戦え
それだけだ
「ハァ~…分かった、戦うから、目的を教えてくれ」
ついにカカシが折れた、この少女はずっとつきまとってきそうな雰囲気がある、負けても負けても何度でも
ガイと性格も性別も正反対なのになぜこう同じ匂いがするのだろうか
カカシは頭を抱える
「約束どすえ~?」
カカシの言葉に月詠が目を輝かせて笑う、この男は絶対に自分に負けないだろう、ありとあらゆる手を使っても自分を組み伏すだろう
そんな存在が、堪らない
「千草はんはぁ~、木乃香お嬢様の膨大な魔力を~…え~とぉ~…膨大な魔力でぇ~何か呼び出すつもりなんどすぅ~」
カカシは月詠の言葉を自分の中で整理する
千草は復讐者だと言っていた、つまり、その対象は西の魔法協会か…
その後月詠と話を続け、西の総本山は木乃香の実家だという事実を知る
「…ふむ
天ヶ崎千草は再び襲撃して来るだろう、だが彼処にはエヴァも居る…最強の魔法使い、エヴァンジェリン
その実力を見たわけではないが、エヴァは闇の世界で知らぬ者は居ない程らしい
カカシは自分の動くべき頃合いを見いだせずにいた
戦力は十分、だが…――
「天ヶ崎千草はなにを生み出すつもりなの、か」
カカシは腕を組み月を見上げる
ただただ月詠はエヘヘヘと笑っていた