ネギまの世界にはたけカカシが飛ばされたようです。 作:アップルトン中将
カカシは戦っていた、それは小太郎や月詠よりも強く、リョウメンスクナよりも強大だった
「ハッ…ハッ…」
先の戦いですら呼吸を乱したことのないカカシが呼吸を荒げる
もう、身を任せてしまおう…――
カカシがそう思い、深い深い闇へと身をゆだねるが…――
「カカシ~!!」
声が、する、カカシに取ってその声は苦痛でしかなく、ただただ身をむしばんでゆく
ジリジリ、ジリジリとその行進は続く
頭の先から、手足の先まで感覚が犯されてゆく
そんな感覚にカカシが意識を手放そうとすれば…――
「カカシ!おい!しっかりしろ!」
悲痛な声がかかる、ぼんやりとした頭で声をした方を見れば、そこには…――
困ったような笑顔、心配げにこちらを見ている笑顔、満足そうな笑顔
さまざまな笑顔がカカシを迎える
ああ…――
あああ…――
太陽を連想させるその笑顔をみて、カカシの中で大きな欲望が渦巻く
その欲望はうねりを上げ、カカシを浸食し、蝕む
少女、その笑みを浮かべているのは少女
自分を侵入者だと言った少女
ござる口調の少女
護衛対象だった少女
欲望が、疼き、口を開いてカカシを手招きする
それに触れれば柔らかいだろう
それに触れれば暖かいだろう
身を翻せば、同じ様に捩れるだろう
その甘美な誘惑にしがみつき、むさぼり食らいたい!!
カカシの中で激情がうねる
欲望を拒みはしない、悦楽を拒みはしない、この身をその体で満たしたい!!
くすぶっていたモノが一気に爆発した感覚
少女達の笑顔が、苦痛でしかない
来るな!来るんじゃない!うわぁぁぁぁぁ!!
カカシは、戦っていた…――
――自分を幸せな睡眠から強引に引き上げるエヴァ達と…――
カカシは疲れていた
リョウメンスクナを撃破し、戦いは終わった
戦いとは疲れるものだ、カカシはそれを知っている
あの、桃地再不斬との強烈な死闘の後、カカシは寝込んだりもした
その疲労は杖がなければ立ち上がれないほどに
カカシはこの京都で、大技を使った
水遁・大瀑布
その術の難易度はAに区分され、膨大なチャクラを使用する
さらに、それに加えて
雷切二閃
これも視認出来るほどの強烈なチャクラを有する、それが二振り
さらにさらに
影分身に水分身
水分身に居たってはフェイトを出し抜くためにチャクラを練り込み(そのせいで少女達から手痛い反撃を食らったが)発動させ
残り少ないチャクラを影分身と云う形で放出した
流石に、桃地再不斬の戦闘後のような事態にはならなかった
しかし、しかしだ
カカシはこの4日間、トータルの睡眠時間は5時間にも満たない
一日目、徹夜
2日目、徹夜して警戒
3日目、2時間仮眠をとり警戒
四日目、木乃香の実家で2時間ほど睡眠をとり
今に至る…――
「ちょ、エヴァ、無理」
カカシが苦情を呈する
眠い、兎に角眠い
いくら忍とはいえ4日間も寝ていなかったら流石にぶっ倒れる
さらにはまだ戦いの疲れも癒えていない
今日、旅行は最終日
3-Aの子供達は遊びつくさんがために大はしゃぎだ
エヴァは何やら、ネギの父親が住んでいたという家に
茶々丸はそれの付き添い
カカシと知り合った少女達は本来、それぞれ班との行動な筈だが…――
「ダメだ」
カカシは恐怖した、その言葉に
「一緒に回ろうカカシ殿!」
カカシはおののいた、その言葉に
「護ってくれてありがとな、眠ってくれてかまわへんえー」
カカシは感動した、その言葉に
「ウチが公園で膝枕したげるえー」
そして、続いた言葉に絶望した
哀れカカシ、今回、彼を蝕むのは睡眠欲だけでなく、ラブコメディと云うカカシには全く無縁の存在だった…――
結果、カカシは逃げた
敗走、それをカカシはした
しかし、エヴァ達が「はい、そうですか」
と見逃すわけもなく
(えぇい喧しいわ!!)
カカシが自分のくだらなさに舌打ちする
エヴァを振り切り、茶々丸を振り切り、楓を振り切り、木乃香を優しく振り切るも…――
「何故だ!」
カカシは追いつめられた、なぜこんな小娘達に追いつかれるのかカカシには分からなかった
答えは簡単、ラブコメだから
「大人しくしろカカシ…」
エヴァが迫る
「投降して下さい、カカシさん」
茶々丸がカカシをロックオンする
「さぁ、遊ぶでござる」
楓が目を見開いて笑う
「膝枕~」
木乃香がぽやん、と笑う
カカシは、追いつめられていた
追いつめられていたから…――
「影分身の術!!」
増えた
4人に
虚像ではなく、実態
4人のカカシがそれぞれ別方向へと走り抜ける
その様を見て嬉々として目を光らせてカカシの分身を追う少女達
彼女達の目は、狩人の目をしていた
「……ふう…」
カカシはベッドに倒れ込む
少女達が戻ってこないように影分身達は相手をしているだろう
カカシは、目を閉じた
ベッドは暖かくカカシを包み込み、受け入れる
おやすみ…――
誰に言うでもなく、カカシはそう呟いた
しかし、今日のカカシはとことんついていなかった
「お客様、チェックアウトのお時間です」
「え゛」
さらに
ベンチで木乃香に膝枕されるカカシ、それをパパラッチする朝倉
大人エヴァに背負われ眠るカカシ、それを茶々丸が動画と画像合わせて100枚近く保存
楓と街をデートしつつ、ベンチに座り眠ってしまったカカシを楓が寄り添い、眠りながら楓の肩に頭を乗せたカカシを双子が激写
哀れカカシ、分身はちゃっかりと眠っている
分身が寝たからといってカカシが眠れたわけではない
帰りの電車の中でカカシはやっと一息ついたのだが、それぞれ三枚の写真をニンマリと見ている少女達を不思議に思った生徒達が、三者三様に相手に甘えるカカシを見て、憤慨
訳を知らぬ生徒達が迫る、上手くかわすまでに時間がかかってしまい、さぁ眠ろうと思った矢先
アナウンスと共に、新幹線が真帆良駅に到着した
【任務ランクB】
味方被害0
死傷者0
カカシが得たもの
新たな家族と
少女達の冷めた視線