艦娘「私達の提督」   作:オパール

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艦これが可愛すぎて辛くない
でもPCが無いからプレイできない
だからアンソロとか読み漁って知識できるだけつけてきた
でもあまりキャラ掴み切れてない艦娘も多数

プレイ出来る日が来たら初期艦は吹雪にするつもり


白く、白く、吹雪のように

「………」

「………」

「………」

「………」

 

「ぬあ゛ーおわんねぇー」

「それでも結構進んでますよ?あと一息です司令官」

 

ここは横須賀鎮守府

ぼやくのはこの鎮守府の司令官

 

そして、特Ⅰ型駆逐艦一番艦、吹雪。それが私の名前

 

「なー、吹雪ー。ちっとばかし休憩にしねぇ?」

「だめですよ。さっきもそう言ってそのままサボろうとしてたじゃないですか」

「いーじゃんかよぅ。吹雪が秘書艦なのも久々だしここんところ書類仕事ばっかで萎えるしさー。久しぶりなんだしゆっくりしようぜーイチャイチャしようぜー」

「………いちゃいちゃ」

 

………はっ!?

 

「だっ、だめです!その手には乗りませんからね!」

「その割には今一瞬悩んだよねお前」

 

いけませんか!一瞬でも「したいな」とか思ったらいけませんか!

 

「………ま。冗談はここまでにして。続けるか、吹雪」

「ぁ………はい、司令官」

 

ニカッ、と微笑む司令官

それに釣られて、私も気付けば微笑みを返していた

 

 

 

『………だっりぃ』

『あの………』

『あ゛?』

『もしかして、今日ここにいらっしゃる予定の、司令官さん、ですか?』

『そーなっちゃったみたいね』

『………っ!お待ちしていました!』

『え』

『あっ、申し遅れました!私、特Ⅰ型駆逐艦の一番艦、吹雪と申します!』

 

『どうぞよろしくお願いいたします、司令官!』

 

 

 

………それから大変だったなぁ

私と司令官の二人だけから始まって、出撃は私一人、資材運用から何から何まで手探りで

 

でも、司令官は面倒くさがりでマイペースだけど、自分の立場ややるべきことへの責任はちゃんと感じていて、私達一人一人を気遣ってくれて

優しいけどあまりそれを表に出そうとしない、素直じゃない人

 

………そして、寂しがり屋な人

みんなそれがわかってる

 

でも

 

「………しゃー、終わったー」

「お疲れ様です」

「ありがとな、吹雪」

「秘書艦として当然ですっ」

「………吹雪」

「………はい。失礼しますね」

「ん」

 

………あなたは、もう一人じゃないし、一人になんてさせない

 

「………いつもありがとな」

「………いいえ。お礼を言うのは私達です」

「………好きだよ、吹雪」

「はい………私も大好きです、司令官」

 

私が、私達が、絶対に

 

 

 

『とりあえず、あれだ。やばいと思ったら撤退。これ遵守』

『………そう、ですね。今は私一人なんですから、沈んだら大変なことに』

『いや、それもあるけどさ。後から来た奴ら全員に守らせるよ、これ』

『へ?』

『沈まれでもしたら面倒じゃん。後処理とか報告とか』

『………』

『俺に負担かけてほしくないんで沈む前に撤退してください、例え押しきれる時でも』

 

 

 

………この命令のおかげで、ここの艦娘はまだ一人も沈んでいない

一部の方達からは多少の不満は出ているものの、それでも司令官は頑としてこれを撤回しない

姉妹艦や仲間を大切に思う人達にとって、生き残ることを第一とする司令官は敬愛に値するようで

 

「ほれ吹雪。あーん」

「あー、んっ。ふふっ、おいしいです♪」

「そりゃそうだろうな」

「はい、司令官も。あーん」

「あー」

 

………そして、私もその一人

 

「提督ぅー!ワタシもっ、ワタシもーッ!!」

「姉様!金剛姉様落ち着いて!」

「吹雪ちゃんが遠征の間、お姉さまは散々やったじゃないでか!」

「いいなぁ………」

「榛名も手伝って!」

 

「………」

「混ざりたそうね、加賀さん?」

「………貴女ほどではないわ、赤城さん」

 

「あらあら~♪いつも仲良しで何よりだわ、あの二人。ねぇ高雄?」

「………むぅ」

 

「………」

「………那珂?」

「はっ!?べ、別に気にしてなんかないよ!?那珂ちゃんみんなのアイドルだし、ファンいっぱいいるし、一人離れたくらいで那珂ちゃん路線変更なんてしないし!」

「私まだ何も言ってないんだけど………」

 

………と、まぁ、これでも一部

金剛さんを筆頭に司令官を慕う人は他にも何人もいて

 

「………あいつらもうちょい落ち着いて飯食えねぇんかね」

「あはは………』

 

それでも、司令官は私を一番だと言ってくれた

一番付き合いの長い私、誰よりも傍にいる私、他の人達の知らない司令官を知ってる私

私の、私だけの、特権

 

 

 

『建造?』

『はい。資材もだいぶ充実してきたので、一度新しい艦を建造してみるのもいいかと思いまして』

『ふーん。艦種はどんなのよ?』

『そうですね………これなら、思い切って戦艦でもまだ足りるかと』

『じゃ、それで。詳しいことわかんねぇから任せるわ』

『了解です!』

 

 

「おー、もう外真っ暗だわ」

「ずっと仕事でお疲れですよね、司令官」

「ん。そんなわけでめっちゃ癒し求めてます」

「………お風呂、沸いてますよ」

 

 

 

 

「カポーンって擬音、誰が考えたんだろ。すげーよね」

「あまり考えたことないですね」

「まぁ考えるほどのことでもないからなー」

「それもそうですね。あ、お湯かけますよー」

「はいよー」

 

………こうして、一緒にお風呂にも入る仲

最初は恥ずかしかったけど、今は司令官を少しでも癒せるという喜びの方が、ずっと大きい

 

………まぁ、最近は金剛さんとか赤城さんもやってるみたいですけど

 

「サンキュー吹雪。ほい、今度は俺が背中流すよ」

「あ、はい。よろしくお願いします」

 

マイペースで自由、適度なスキンシップもしてくる司令官だけど、セクハラじみたことは私を含めたごく一部の艦娘にしかしない

そして、こういう場でも、よっぽど乗り気じゃない限りは普通に背中を流してくれるだけ

だから、私たちも安心して心も体も晒け出せる

 

「あ、ついでに髪も洗うか?」

「いえ、それは自分でやりますから」

「そっか」

「………代わりに、乾かすときはお願いしますね?」

「任せろ」

 

 

 

『この鎮守府も大分賑やかになったよな』

『結構時間も経ちますし、司令官もたくさん頑張ってましたから』

『やれる範囲のことやってただけだけどな』

『ふふっ。最初は、面倒くせぇー、が口癖だったのに、もうずっと言ってないの、気づいてます?』

『そうだっけか?』

『はい』

『………ま、でも』

『?』

『吹雪がいてくれた、ってのもあるかもな』

『わ、私なんて別に何も………』

『………あー、ダメだ。我慢できねぇ』

『え?きゃっ!?』

『………吹雪』

『し、司令官?』

 

 

 

「吹雪ー?」

「………へ?あ、ごめんなさい!」

「………何か考えてたっぽいけど」

「あ、いえ、その………」

「?」

「………思い出してたんです。その………司令官が、私に告白してくれた時のこと」

「………あー、あの時か」

「はい。本当にびっくりしたんですからね?告白どころかその、ぷ、プロポーズまで………」

「カッコカリじゃなくてガチのプロポーズな。今でも自分の行動力にビビるわ」

「………でも、嬉しかったですよ。本当に」

「男たるもの惚れた女にゃ仮で求愛なんざしたくねーの」

「司令官らしいですよ、そういうところ」

 

 

 

『………どうして』 

『は?』

『どうして、そんなこと、いうんですか?』

『どうしてって』

『わたし、艦娘なんです。司令官みたいな、人間じゃないんですよ?戦うことしか知らないし、出来ないんです。それなのに………!』

『んー………』

『わたしは、わたしたちは、人の営みなんてしちゃいけないんです!誰が決めたとかじゃなくて、生まれた時から、そうなんです………!』

『………』

『………でも、司令官の気持ちは、嬉しいです。ありがとうございます。でも………だから、私よりも、ちゃんとした人間の女性を』

『俺は吹雪が好きだ』

『………っ!!』

『確かに間違ってるのかもしんねぇよ。俺達は住んでる世界が違いすぎる』

『だったら………』

『でも、俺はお前を。今ここにいる、特Ⅰ型駆逐艦。ずっと一緒にいてくれた、吹雪を好きになった』

『司令、官………』

『他のことは、考えられねぇ。………だから吹雪』

『は、い………』

『嫌なら嫌、迷惑ならそうと言ってくれ。ダメならダメで………すっぱり、諦めさせてくれ。そうしてくれれば、俺達は今まで通りの関係でいられる。ただの提督と、その一番の相棒に』

 

 

 

「もぅ。あんな言い方されたら断れるわけないじゃないですか。私だって、その、あの時にはもう司令官のこと………」

「九割フられるかと思ってたけどな。言ってみるもんだ」

「………司令官」

「っと………」

「えへへ………」

「………あの生真面目が男を押し倒すまでになるとはなぁ」

「司令官のせいですよ………だから」

「ん?」

「セキニン、ちゃんと取ってください………貴方の吹雪を、いっぱい、愛して………」

「………吹雪」

「しれー、かん………」

 

幸せな時間

大好きな人と、想いを交わしあう愛おしい一時

 

司令官………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『エラーが発生しまs(カシャッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「………」」

「………」

「………」

「………」

「………」ダッシュ

 

「青葉ァァァァァァァァッ!!!」

「見ちゃいました聞いちゃいました撮っちゃいましたぁぁぁぁぁっ!!」

「待てテメゴルァァァァ!!」

 

キャーシレイカンノケダモノー

カイタイサレテーカァー!!

 

「………ぷっ」

 

「あはっ、あはははははっ!」

 

………司令官

私、今毎日が楽しいです

楽しくて、幸せです

 

ありがとうございます、司令官

これからも、ずっと、ずっとずっと

 

末永く、お願いします───

 

 

 

『わたし、わたしも………しれいかんがっ、大好きですっ』

 

 

 

「………」

「………青葉さん」

 

『オトナな二人!結婚(ガチ)秒読み待ったなし!!』

 

「………後でシメる」

「あはは………でも、私たちの関係ってもう鎮守府中に知れ渡ってるからあまり気にする必要………」

「いや、これ見て騒ぎ出す奴がいるから………」

 

「テェェェェェトクゥゥゥゥゥーーーっ!!」

 

「ほら来た」

「あぁ………」

「HEY提督ゥー!ブッキーばっかりずるいネ!ワタシも提督のLOVE欲しいデース!」

「あー、うっさい。俺は吹雪以外は上司と部下に徹するって何回も言ったろうが。恨むんなら自分の配属の順番を恨めよ」

「初期艦じゃない時点でもう詰んでるネ!」

「金剛さん………」

「ブッキー、一晩でいいから提督貸して?提督も、今なら金剛型全員ついてくるヨー?」

「妹達を巻き込むなバカ」

「………そうですよ」

「ふぇ?」

 

「司令官は、私の司令官なんですから!」

 

ですから、ここは譲れません!

 

 

 

 

 

「」ガタッ

「加賀さん?」

「いえ、今誰かに決めゼリフを取られたような」

「?」




薄い本で愛宕や雷や榛名に惚れ
SSで吹雪や金剛や木曾に惚れ
アンソロで加賀や龍田や霧島に惚れ
pixivで夕立やRJや赤城に惚れ
アニメで北上様や比叡や足柄に惚れた

全提督閣下達が艦これに夢中になる理由がわかった
ちなみに嫁にしたいのは浜風と雷です

あとケッコンカッコカリアンソロジーに何故金剛の話が無いのかと小一時間

失望したんで那珂ちゃんのファンやめます

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