女帝が引っかき回すお話   作:天神神楽

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お久し振りです。
イリュージョニスタ走っていた為遅くなりました。
無事こずえちゃんを迎え三属性SSR揃えられて、ゆかり嬢を迎え清楚三姉妹を結成出来ました。
ランキングは6721位と初めて四桁に入れたので満足です。
次回はシンデレラキャラバンですか……


クールな可愛い女の子 そのニ

 決して短くない時間が経った。エレーナの顔はつやつやになっており、華耶の表情もいつもよりも柔らかになっていた。

 そんな二人と対して、奏は息絶え絶えになっていた。

 「とっても可愛いわ、奏ちゃん。やっぱり奏ちゃんは綺麗だから青と黒が似合うわね」

 「久留米Pにはこのようなコンセプトを薦めてみましょうか」

 「も、もう終わり、ですよね?」

 服装はとても似合っているのだが、疲労で素直に喜べない奏。そんな所に、一人の女性が近付いてきた。その女性はエレーナと並んでも見劣りすることがないほど美しく、疲れていたはずの奏も見惚れてしまっていた。

 「お久し振りです、エレーナ」

 「あら、アンヌ。こっちに来ていたのね」

 アンヌ・アンコヤブル。パリのファッション界を先頭で率いる、世界で最も注目されているファッションデザイナーである。

 「貴女は初めましてですね。当店《Fate》パリ店のグランクチュリエのアンヌ・アンコヤブルと申します。どうぞよろしくお願いしますね、素敵なお嬢様?」

 「お、お嬢様!?」

 「ふふふ、えぇ。其れほどまでに貴女は素敵です。そうだ、エレーナ。この後、お時間はありますか?」

 「え? えぇ。奏ちゃん達と食事をしようとは思っていたけど、少しなら時間はあるわよ」

 その言葉を聞いたアンヌは、とても嬉しそうに手を合わせてほほ笑んだ。

 「それならば、私もそのお夕食にご一緒させていただけないでしょうか? 日本に来たのは久しぶりだったのでお食事をしたかったのですが、誰とも都合が付かなかったのです。こうして再開できたのも何かのご縁。予約はとってあるので、ご招待させていただけないでしょうか?」

 そうお願いしてくるアンヌの目は、心配なのかうるうるとしており、初対面の奏は年上の綺麗な女性にも拘わらず、キュンとしてしまった。

 エレーナはクスリとほほ笑み、不安げなアンヌの頭をポンと撫でる。

 「あっ……」

 「相変わらず心配性ね。貴女のお願いを私が断るわけないでしょう? それに、しばらく会っていなかったのだから、貴女の活躍を聞かせてほしいわ。貴女の話はとても楽しいし、貴女と過ごす時間はそれだけで幸せな時間なのだから」

 「エレーナ……」

 ホッとしたアンヌに優しい笑みを返すエレーナ。二人の間に甘い空気が流れ、店内を侵食していた。

 先ほどまで美女二人に見惚れていた店内が、甘すぎる空気に脳内をとろけさせていた。

 「エレーナ……二人の麗しい仲を見せるはいいのだけれど、周りを見て頂戴。みんな顔が真っ赤よ」

 見渡せば、名店の名に相応しい華やかな女性たちが面持ちを蕩けさせていた。

 「あら、それじゃあそろそろ出ましょうか。アンヌも乗っていくでしょ?」

 「はい。奏さんもよろしくお願いしますね」

 「は、はい」

 奏はアンヌにニコリと笑みを向けられると、顔を紅くしてしまう。そんな奏をエレーナが見逃すはずもなく、頬を膨らませた。

 「むぅ、仁禛さんといい、アンヌといい、私のお友達は可愛い後輩ちゃん達を魅了していくわ」

 「貴女の親友は魅力的すぎるのよ。友達集めてユニット作れば一発で大人気よ」

 「あら、私は大賛成よ。何なら、本気出して説得してあげるけど」

 「……コラボまででお願いするわ」

 現実的ではないとは思いつつ、その提案が非常に魅力的なことに、華耶は少々悔しそうに呟いたのであった。

 

 

 相変わらずの高級車に揺られ三十分ほど。都心とは思えないほどの広い敷地を抱える料亭の中に車を入れた。

 「あ、あの、こんなに凄いところに来てもいいんでしょうか?」

 幾ら周りから大人っぽいと言われる奏といえども高校生。テレビでしか見たことがないような超高級料亭には尻込みしていた。

 「大丈夫よ。仁禛さんのお知り合いの方がいらっしゃるし、私も仲良くさせていただいているわ。それに、味は日本で一番だから期待していてね」

 「私もエレーナに招待されてきましたが、ここはとても日本的なお料理を出して下さいます。それ以来ファンになってしまって、来日した時には無理を言わせてもらっています」

 どう考えても安心できるようなものではなかったが、奏は諦めて華耶の後ろに付いていくことにしたのだった。

 「ようこそお越しくださいました。アンヌ様、それにエレーナ様も」

 店の玄関にたどり着くと、上品という言葉が似合う女将が、綺麗にお辞儀をして出迎えた。

 「お久し振りです、椿さん。しばらく訪れることが出来ずすみませんでした。料理長はお元気ですか?」

 「はい。今日アンヌ様だけでなく、エレーナ様方がいらっしゃると聞き、全身全霊で仕込みをしています。なので、ご挨拶は食後にと言っておりました」

 「あら、それでしたら、最高のお料理が楽しめますね。今の時期は旬ものが多いですし、想像するだけでもワクワクしてしまいます」

 エレーナの言葉に、女将は自信をもって頷く。

 「本日は旬の魚と野菜を用いた料理でございます。なので、皆さまのご期待に添えると自負しております」

 挨拶もそこそこに、一行は座敷に案内される。外観に違わず、室内も落ち着きつつも所々に拘りがちりばめられていた。

 お茶を淹れた女将が退室すると、緊張の糸が切れたのか、奏がほぅと息を吐く。

 「ふふ、流石に緊張した?」

 それをエレーナに見られていたことに気が付くと、奏は顔を紅くする。

 「エレーナ、あまり速水さんをからかわないの。女子高生がここほどのお店に慣れていたら驚きよ」

 華耶のフォローに奏はウンウンと頷く。そんな三人の様子を眺めていたアンヌはコロコロと笑う。

 「ふふふ、やっぱりエレーナ達と一緒だと楽しいですね」

 「あら、それは誉められているのかしら?」 

 「はい。それはもう、飛びきりに」

 ニコニコしながら会話をするアンヌとエレーナの姿を見て、奏は華耶にこっそり尋ねる。

 「大人の女性って、これが普通なんですか?」

 「これは特例中の特例です。普段の言動はともあれ、あの二人は世界トップクラスのアイドルとデザイナーですから。しかも、お互いが人たらしですし」

 「あぁ……」

 取り敢えず目の前の二人が、ある意味目標にしてはいけない類いの人物であることを理解した奏。素晴らしい女性であることは間違いないし、憧れもするのだが、自分ではあぁはなれないと素直にかんじたのだった。

 「あら、今度は華耶さんが抜け駆け? 久留米Pに言いつけちゃうわよ?」

 「違いますから冗談でもやめて下さい。あの子はただでさえ泣き虫なのに、そんなこと聞いたら業務に支障が出ます」

 奏をスカウトした久留米Pは、仕事が出来る人物なのだが、如何せん泣き虫としても有名である。それなりの年齢なのだが、奏よりも遥かに年下に見られる外見と相まって、泣かれてしまうと罪悪感に苛まれるのである。

 「ふふふ、久留米Pを泣かせてしまうのは心苦しいわ。だから、今日のところは食事を楽しみましょうか」

 「私は最初からそう言っているのです」

 それから、料理が運ばれてくるまで少し時間があり、話は奏の話となる。

 「速水さんはまだエレーナとお仕事をしたことはないのですか?」

 「はい。デビューもまだですから。今はレッスンばかりです」

 「最初の内は反復ばかりで大変よね。でも投げ出しちゃダメよ? 最初にやるレッスンが後々大切になるんだから」

 「は、はい」

 それまでふざけていたのに、急に真面目になるエレーナに、奏は慌てて頷いた。

 「でもエレーナも基礎レッスンは欠かさずやっているのでしょう? 貴女のストイックさはパリでも有名なんですから」

 「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、照れちゃうわね。私の曲やダンスは、難易度を高くしてもらうことが多いから、怠けちゃうとすぐに出来なくなっちゃうのよ。《madonna》なんかは特にそうね。今度のコンサートのVerは、特に難しいから大変よ」

 基礎スキルがカンストしていると言われる程のエレーナが難しいと言うのであれば、それは並どころか高ランクアイドルでも難しいということになる。

 「でも奏ちゃんもクールな感じの曲が似合いそうだし、ダンスは必須ね。今度時間があるときにレッスンしてあげましょうか?」

 「えっ!? 良いんですか?」

 「えぇ。今度のコンサートが終わるでは難しいけど、それが終われば多少時間が出来るから。ね、華耶さん?」

 「まぁ、仕事がないわけではないけど、時間は取れるわよ。そもそもエレーナは自主レッスンの時間が多いですし」

 奏やCPメンバーとは異なり、エレーナのレッスンは自主レッスンが多い。仕事が多く、合間合間でしかレッスンの時間が取りにくいこともあるが、エレーナ自身がトレーナーとしてやっていくことが出来る程のスキルを持っており、トレーナー達からの信頼が厚いのである。

 「何人か一緒になるかもしれないけど、スケジュールが決まったら久留米Pに連絡するわ。だから、楽しみにしててね」

 「は、はい」

 突然決まったレッスンに、奏は恐縮しっぱなしである。

 そんな様子を見てアンヌが呟く。

 「相変わらず強引というか何と言いますか。グイグイと引っ張っていくのですね」

 「そうですね。エレーナの悪い癖です」

 「ひどいわ。アンヌも許して? ね?」

 手を合わせてアンヌに頭を下げるエレーナ。それに対してアンヌはわざと頬を膨らませてプイッとそっぽを向いていた。

 この中で奏だけが話題についていけなかった。

 「柳P、エレーナさんとアンヌさん、何かあったんですか?」

 「あぁ、大したことじゃありませんよ。フランス公演の時に、アンヌの後輩達を根こそぎ虜にしただけですから」

 「と、虜に?」

 「えぇ。その頃からエレーナはアンヌと仲がよかったですから、衣装については《Fate》に、アンヌに依頼していたんです。その際にエレーナが事務所を訪れたのですが、いつもの如くこっ恥ずかしい台詞をこれでもかとアンヌの後輩に吐いたんです。それで、公演が終わった後、後輩の方々に全力で接待されてデレデレしていたらアンヌに焼きもちを妬かれた、という話です」

 「それは、何というか……」

 「下らないと言って構いませんね」

 奏が言いにくくて言い淀んでいたことをキッパリと言う華耶。それには奏も苦笑するしかなかった。




キリが悪いですかここで。
何か奏回というよりもアンヌ回。
因みに番外編は後二人分。
簡単に外枠を作ったのですが、全員クールになって驚きました。なので他属性は他の機会の番外編に書きます。
因みに今回の番外編のテーマの一つにエレーナのお友達大集合というのがありまして、最後に華耶が言っていたエレーナフレンズコラボ編(仮)を書く予定です。

現在は
朱仁禛(中国)+橘ありす
アンヌ・アンコヤブル(フランス)+速水奏
?(イギリス)+?
?(日本)+?
の予定で書くつもりです。

こういう設定を考えているときが一番楽しいです。
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