ある男の転生人生   作:Y・O・U

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遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
自分でもここまで遅くなるとは思いませんでした。
しかも今までで一番長くなってしまいました。
キリの良い所まで書こうと思ったら・・・。
ではどうぞ。


遅くなりましたが通算UA4500越え
お気に入り件数45

ありがとうございます。
これからも頑張ります!


幕間4

「さて、と。」

 

廃倉庫の前、廃材の物陰から様子を伺っているが、中の様子は今一分からない。

ざっと見た感じ入口に見張りが二人立っている以外に外に人は居無さそうだ。

しかし、あまり無理は出来ない。

こっちは辛うじて低級悪魔を使役してるだけの小2のガキが一人だけだ。

誘拐犯連中への気遣いとか全く無視したら問題ないかもしれないが、悪人相手とはいえ流石に人死には避けたい。

色々と後で問題になりそうだし、何より俺の精神衛生上、大変宜しくない。

かと言ってグズグズもしていられない。

攫われた女の子達の為にもさっさと行動しないとな。

 

「できる限り相手を傷付けずに無力化するには・・・」

〈眠らせるのが一番でしょうね。〉

「だな。」

 

バロウズと相談して方針を決めた俺は、仲魔の中から適任の仲魔を呼び出す。

 

「悪魔召喚プログラム起動。」

 

ある時は苦行の成就を阻まんと男の煩悩を刺激する妖艶な女性。

 

〈了解。悪魔召喚プログラム起動します。〉

 

又、ある時は戦死者の霊をインドラの待つ天界へと運ぶ役目を担う使者。

 

「天女召喚------」

 

『水の中で動くもの』の名を持つインド神話の水の精。

 

「来い、アプサラス!」

 

天女アプサラスだった。

 

「私を御呼び?サマナー。」

 

魔方陣から現れたアプサラスは俺にそう問うてきた。

 

「あぁ、お前の力を貸して欲しいんだ。」

「分かったわ、存分に使って頂戴。」

「ありがとう。」

 

アプサラスの力添えを得て、俺は行動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、廃倉庫二階の一室。

二人の少女がロープで手足を縛られ床に座っている。

 

「アリサちゃん、大丈夫?」

「えぇ・・・全く何なのよ一体!」

 

アリサと呼ばれた金髪の少女はこの状況にかなり憤っているようだ。

小学校低学年程度に見えるのだが、恐怖している素振りすら見せない。

 

「・・・ごめんね。」

「何で謝るのよ。すずかは悪くないでしょ。」

「ううん、多分これは・・・わたしのせい・・・。」

「え?どういう事よ?」

「・・・・・・」

 

すずかと呼ばれた紫の髪の少女は黙り込んでしまう。

 

「ちょっと、どうしたのよすずか。なんかあんた変よ?」

「・・・ごめん。」

「だから何が------」

 

その時、部屋のドアが開き、数人の男が入って来た。

 

「おーおー、思ったより元気そうだな。」

「うるさいわね、さっさとコレを解いて私たちを家に返しなさいよ!」

「そうはいかない。君はともかくとして、その娘には用があるのでね。」

 

男たちの後ろから声がし、白いスーツ姿の男が出て来た。

 

「やぁ、久しぶりだねすずか。」

「おじさま・・・。」

「おじさまなんて歳ではないんだがね。まぁ、そんな事は良い。」

 

男はそういうと、少女たちのそばに近づいてきた。

 

「さて、そちらのお嬢さん。」

「・・・何よ。」

「君は何故このような状況に陥っているのかわからないと見えるね。」

「わかる訳ないでしょ!」

「だろうね。簡単に言うと君は巻き込まれたのさ、すずかと一緒にいたせいでね。」

「・・・っ。」

 

男の言葉にすずかが僅かに顔を歪ませる。

 

「すずかが悪いみたいな言い方しないでよ!悪いのはアンタたちじゃない!」

「君はすずかの事を何も知らないんだねぇ。」

「どういう事よ!」

「知りたい?知りたいかい?」

「やめて・・・おじさま、やめて・・・!」

 

男の言動にすずかがひどくうろたえた様子を見せる。

それを見てやや呆れた様子で男は話しかける。

 

「やれやれ、まだ自分がどういう存在なのかキチンと理解できていないらしいね、すずか。」

「すずか?どうしたのすずか!」

「彼女は自分に流れている血の素晴らしさが分かっていないんだよ。」

「血?素晴らしさ?」

「あぁ、そうさ。」

「おねがい、もうやめて!!」

 

すずかの懇願を歯牙にも掛けず男は言葉を紡いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「超越者たる我々――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吸血鬼の末裔、『夜の一族』の血だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁぁぁぁぁ!!!」

 

隠していた自身の真実を告げられ、すずかが悲鳴にも似た叫びをあげる。

 

「・・吸血・・・鬼・・・?夜の・・・一族・・?」

 

呆然とした様子ですぐそばにいるすずかを見やるアリサ。

すずかは俯き涙を流して時折、嗚咽を漏らしている。

 

「そうさ。下等な人間どもの上に立ち、支配者となる選ばれた存在なんだよ。」

 

そういうと男は夜の一族について語りだした。

曰く、吸血鬼の血を引いている為、時折『吸血衝動』に駆られる事があるという事。

しかし、吸血鬼の血を引く為、身体能力は常人の比ではないとの事。

又、暗示などの術にも長け、強力なものなら人を意のままに操るのも簡単という事。

男はさも酔いしれるように語り続ける。

その様子は自身が絶対の存在であると信じて疑っていない。

 

「その子の姉の忍を始め、月村の家の奴らはその事を自覚していない様だからねぇ。多少強引な手を使わせてもらったんだよ。己の立場をしっかり自覚できる様にね。」

 

そこで一旦言葉を切り、アリサのそばに歩み寄る。

 

「どうだい?分かってもらえたかな?君とすずかの立場の違いが。」

 

まるで見下すかの様な目つきでアリサを見る男。

アリサは顔を伏せ、表情は窺い知れない。

 

「・・・アリサちゃん・・・。」

 

すずかはそんなアリサの様子を泣きながら見ている。

もう自分はアリサと一緒にはいられない、そんな事が頭を過り、涙が止まらなかった。

そんな中―――――

 

「ちょっと聞いてもいいかしら?」

 

アリサが口を開いた。

 

「何だい?」

 

男は嗤いながらそう聞き返したが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結局、夜の一族って人間と何が違う訳?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・は?」

 

予想外の発言に男は目が点になる。

すずかも同様で、こちらは涙が止まってしまったようだ。

 

「身体能力が優れてる?確かにすごいわね。けど聞く限りじゃ普通の人と比べて、でしょ?空を飛んだり、目からビーム出したり、素手で鉄を砕いたり出来る訳じゃない。それと、『吸血衝動』だっけ?血を吸うってのは確かに普通の人から見れば常識からかけ離れてるわね。でも、それって、『生きてる人間』からじゃないといけないのかしら?その辺どうなの?すずか。」

「え?・・・あ、ううん、『血』なら多分何でも良いと思う・・・。実際、お姉ちゃんや私は輸血用の血液パックで済ませてるし・・・。」

 

突然話を振られ、戸惑いながら素直に応えてしまうすずか。

 

「そう、ありがとう。あと顔何とかしなさい。涙の跡で割と酷い事になってるわよ。」

「無理だよ!?縛られた状態で何とか出来る訳ないでしょ!?っていうか、今言う事かなそれ!!?」

 

アリサのあんまりな返しに思わずツッコんでしまうすずか。

それを無視してアリサは続ける。

 

「要するに、少なくとも私からしたら夜の一族ってのはちょっと人より運動が得意で、かなり特殊な趣味趣向を持っただけの変わった人種でしかない訳よ。世界中探せば普通の人間でも貴方達より強い人だっているだろうし―――――」

 

そこで一旦言葉を切り、ちらりとすずかを見た後、

 

「まぁ、世の中には特殊な性癖を持った人もいるし・・・。」

「待って!そんな認識を持たれる位ならいっそ怖がられる方がマシなんだけど!?」

 

友人のあまりにもひどすぎる発言にすずかが猛然と抗議する。

 

「うっさいわね、大体私はアンタにも頭に来てんのよ。」

「・・・え?」

 

アリサの言葉に再びすずかの目が点になる。

 

「アンタは自分が血を吸う化け物だから嫌われるとか思ったんでしょうけど、馬鹿にすんじゃないわよ。今言った通り、私はアンタの事嫌ったりしないし、怖くもないわ。なのにアンタは私を信じてなかった、それがすんごいムカついてんのよ。わかる?」

「あ、いや、その・・・。」

 

とても良い笑顔ですずかに凄むアリサ。

その威圧感にすずかは萎縮してしまう。

 

「まぁ、つまり―――――」

 

威圧感を消し、いつもと同じように笑うと、

 

「アンタは私の親友。それは変わらないわ。今までも、これからも。」

 

優しい口調でそう告げた。

 

「アリサ・・・ちゃん・・。」

 

親友の言葉にすずかの目からまた涙が溢れてきた。

但し、今度は悲しみや苦しみではなく嬉しさによって。

 

「・・・はぁ。」

 

ため息が聞こえ、二人がそちらを向くと男がつまらなそうに見下ろしていた。

 

「全く、とんだ茶番だよ。せっかく人が懇切丁寧に説明してあげたってのに、まるで理解してないどころかこんな三文芝居を見せられようとはね。」

「あら、お気に召さなかったかしら。それはごめんなさい。でもお生憎様、アンタたちみたいな奴らにわざわざ気を遣ってあげられるほど人間出来てないのよね私。」

 

挑発的にそう返すアリサ。

その言葉に男は目を細め、踵をかえすと、

 

「少し可愛がってやれ。二度と生意気な口がきけないようにな。」

 

周りの男たちにそう命じた。

 

「ひひ、さすが旦那!」

「待ってました!」

「お嬢ちゃん達~。」

「おじさん達と、」

「や・ら・な・い・か。」

 

男の命を聞き、男達が二人に近寄っていく。

 

「ひっ・・・。」

「ちょっと!こっち来んじゃないわよ!」

 

流石にアリサもこれにはうろたえてしまう。

先に威勢よく啖呵を切っていたのを見ると忘れそうになるが、まだ小2の子供なのだ。

すずかもこれから起こるであろう事に恐怖を抱いているらしく、泣き出す。

 

「ちっ、これだから下等種族は・・・。」

 

そんな様子を見て吐き捨てるように言うと男はそのまま部屋を出る―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――事は出来なかった。

 

 

どさっ・・・。

 

そんな音が背後から聞こえ、男が振り向くと、

 

「おい、どうした?」

 

男の一人が倒れており、その男に別の男が声を掛けながら近づき―――――

 

 

 

―――――突如倒れた。

 

「なっ・・・。」

 

その様子を見て、男は目を見開く。

思わずすずかに目を向ける。

すずかは何が起きたのかわからず困惑している。

隣のアリサも同様だった。

二人の様子から、この二人が何かをした訳ではなさそうだ。

では、一体何が―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハンサ、ザン。」

 

「あいよ!」

 

ドアの向こうから声がして、突然ドアが吹き飛んだ。

 

「なん、へぶぅ!?」

 

ドアの近くにいた男は飛んできたドアにぶち当たり吹っ飛ぶ。

 

「今度は何よ!?」

「急にドアが・・・。」

 

二人がドアの向こうに目を向けると、

 

「おうサマナー、あいつらやっちまえばいいのか?」

 

言葉をはなすガチョウと、

 

「殺すのは厳禁と言っていたでしょう?」

 

小柄な見目麗しい薄着の女性と、

 

「何とか間に合った、かな?」

〈ギリギリセーフじゃないかしら。〉

 

それらと会話をしている赤髪の少年が立っていた。

 




何だか途中のアリサが凛っぽくなってしまったような・・・。
次回は戦闘描写を入れようと思っています。
上手く書けるだろうか・・・。

ではまた次回。
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