ある男の転生人生   作:Y・O・U

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はい、前回より大幅に早く投稿できました。
これが、大型連休の力・・・!!
という訳で、どうぞご覧ください。


5/11 加筆、脱字修正。


幕間5

やれやれ、何やらギリギリの所だったようだ。

女の子達が複数人の男達に囲まれているのを見てそう確信した。

部屋の中の様子を伺っていたら何やらマズイ状況になりつつあったので、アプサラスに頼んで内部の人間を『ドルミナー』で眠らせてもらった。

ドアには鍵が掛かっていた為、追跡の後、とある用事(・・・・・)を頼んでそれを完遂して戻って来たハンサに頼み、『ザン』でドアをぶち破った。

訓練中に運良く技が変化してくれて助かったな。

素早く周囲を確認、入口付近には白いスーツの男が倒れている。

どうやら気絶しているらしい。

部屋の奥に目を向けると、男が三人こちらを見て呆然としている。

その奥には男が二人折り重なるようにして倒れており、そのさらに奥に女の子達が見える。

 

「無力化したのは三人か。」

〈予想より減ったわね。〉

「いや、手前の白スーツが頭っぽいし、警戒しておかないとな。」

 

っていうか、あの二人やっぱり『月村すずか』と『アリサ・バニングス』だよな。

海鳴市、小学生の女の子二人、誘拐とくれば予想はしてたけど、やはりこの事件か。

厳密にいうとリリなの原作のイベントではないんだけど、リリなの二次ではよく目にした事件だ。

月村すずかの実家、月村家。

その月村家の人間は『夜の一族』と呼ばれる吸血鬼の末裔らしい。

人間以上の身体能力、人心を掌握する術の数々、そして何より、吸血鬼の血を引くが故の吸血衝動。

月村すずかはその夜の一族の血を巡る騒動に巻き込まれ、親友のアリサ・バニングスとともに攫われる。

つまり、今のこの状況がそうなのだ。

しかし、だとしたら割とマズいかもしれない。

ここにいるのが、ただの誘拐犯一味だったなら何とかなったかもしれないが、夜の一族が関わって来るとなると話が変わってくる。

具体的には危険度が鰻登りの入れ食い状態である。

手早く済まさないと・・・。

 

「な、何だてめぇら!?」

「一体何をしやがった!?」

 

我に返った男たちが俺たちに向けてそう声を掛けて来る。

よく見ると各々簡単にではあるが武装しているようだ。

ナイフが二人に拳銃が一人、如何やら後ろで倒れている男二人も何らかの武装をしていると見た方が良いだろう。

なら・・・

 

「アプサラス、ドルミナー。対象、拳銃持ちの男。」

「了解。」

 

俺の隣に立っていたアプサラスが右手を拳銃を持った男にかざす。

 

「な、何だ、一体な、に・・を・・・。」

 

そこまで言うと後ろの男二人同様倒れ伏した。

 

「なっ!?おい!!」

「おい女!何をした!?」

 

残った男二人が焦ったような、怯えたような様子を見せ、一人がアプサラスにそう問いかける。

 

「さぁ?何をしたのかしらね?」

「ふざけやがって!」

「この女!ぶっ殺してやるぁぁぁ!!」

 

アプサラスの態度に激怒した男たちはこちらに向かってくる。

 

「はぁ・・・アプサラスはもう一度ドルミナー、ハンサ、ザンでもう一人を吹き飛ばせ。手加減しろよ?」

「了解。」

「へーい。」

 

命を受けた二体は向かってきた男達にそれぞれドルミナーとザンを放つ。

片方は糸が切れた人形のように倒れこみ、もう片方は真横に吹っ飛んで壁に叩きつけられた。

 

「ガッ・・・!」

 

壁に叩きつけられた男はそのまま気絶していればいいものを無駄に根性発揮して意識を保ったようだ。

 

「ぐ・・・何・・だ・・何が・・・。」

「しぶといな・・・アプサラス、すまんが頼む。」

「ええ、任せて。」

 

アプサラスに残った男を任せて捕まっている二人に近づきながら声を掛ける。

 

「大丈夫か?見た所怪我とかは無さそうだが・・・。」

「あ、はい、大丈夫、です。」

「あー・・・信用しろってのは無理があると思うんだが、今だけは信じてくれないか?取りあえず縄外すからじっとしててくれるか?」

「変なことしたら承知しないからね。」

「しねぇよ。」

 

そんなやり取りをしながら、何とか二人の拘束を解く事に成功した。

 

「ふぅ・・・一応お礼は言っておくわ。ありがと。」

「うん、助けてくれてありがとう。」

 

縛られていた手首を摩りながらそう言う二人。

 

「礼はここを無事に出られてからだ。」

 

二人が大丈夫そうなのを確認して、この後の行動を考えようと部屋の中を見渡したのだが、

 

「ぐ・・・何なんだ、一体・・・。」

 

と、言いながら白いスーツの男が起き上がろうとしているのが目に入った。

 

「おいおい・・・目ぇ覚めんの早過ぎンだろ・・・。」

 

白スーツの男は額を摩りながら立ち上がり、辺りを見渡して俺達に気づいた。

 

「何だお前は?何でここに・・・ッ!?」

 

男は俺のそばにいるアリサとすずか、取り巻きの男たちを縛り上げてこちらに歩いてくるアプサラスを見て、自分の置かれた状況を理解したのか、改めて話しかけてきた。

 

「おいそこの女・・・!お前がこれをやったのか!?」

「まぁ、私も少しは手を貸したけど・・・あくまでも彼の命令に従っただけよ?」

 

おい、今更責任逃れはやめーや。

っていうか、仮にも契約者を売るなよ、ったく・・・。

 

「まぁ、そーいう事。ホントは手荒な真似は避けたかったんだけどな。アンタも大人しくしててくんない?こいつ等、基本的に手加減とか苦手だし。」

「手加減・・・?手加減だと・・・!?」

 

ん?何だ?何やら『手加減』という言葉に反応したが何だろう?

 

「低俗な人間・・・それも、お前のようなガキが、この私に手加減だとッ!?」

 

・・・あー、無駄に高いプライドに傷付けちゃった感じか?

面倒臭ぇなぁ・・・。

 

「低俗だろーが、そーでなかろーが、んな事関係ねぇだろ?今のこの状況が物語ってんでしょーがよ。」

「うるさいッ!!下等生物の分際でッ!この私に舐めた口をッ!!」

 

男がそう吠えた刹那、

 

「ここかッ!?」

「すずか!アリサちゃん!!」

 

男女の二人組が部屋に入ってきた。

あれって、確か―――――

 

「―――――おや、忍じゃないか。ここに来たという事は私の要求に応じる気になったのかな?」

「ふざけないで!そんな訳ないでしょ!!」

「お前の企みを叩き潰しに来たんだ!!」

「おや、だれかと思えば。確か忍に抱き込まれた男か。私の聞き間違いかな?叩き潰す?私を?たかが人間の君が?」

「だったらどうだというんだ!」

「全く、人間という奴らはどいつもこいつも・・・身の程というのを知らない奴ばかりらしいね・・・。」

 

やっぱり『月村忍(つきむらしのぶ)』か、って事は男の方は『高町恭也(たかまちきょうや)』で間違いないかな。

つーかこのおっさん、何でこんな余裕かましてられんの?

現在進行形でピンチだってのに。

 

「しかし、流石に多勢に無勢、か。」

 

こちらを一瞥し、そう呟く男。

その言動で忍と恭也もようやく俺達に気づいたらしい。

 

「すずか!アリサちゃん!大丈夫!?」

「あ、うん!大丈夫だよ、お姉ちゃん!」

「私も大丈夫です。こいつが助けてくれたんで。」

 

そう言ってアリサが二人に俺を指し示す。

こら、人を指差しちゃけませんって教わらなかったのか。

 

「君は?どうしてこんな所に?」

「えーっと、この二人が誘拐される所を偶々見て・・・。」

 

 

 

 

「お前たち、随分と余裕そうだな・・・!!」

 

おっとイカン、放置されたおっさんが切れかかってる。

その声を聞いた他の人間もはっとして気を引き締めたようだ。

 

「まぁ、良い。コレを見たらそんな余裕も無くなるだろう。」

 

そう言って男が指を鳴らした瞬間、

 

 

 

ドォォォォォォォン!!

 

 

 

床を突き破って何かが出て来た。

 

「きゃ・・・!」

「な、何!?」

「チッ・・・!」

 

咄嗟に二人の前に立ち破片や粉塵の被害から守る。

 

「二人とも、大丈夫か?」

「あ、うん、ありがとう。」

「ええ、大丈夫よ。」

 

収まったのを確認して声を掛けてみたが、大丈夫そうだ。

しかし・・・。

 

「な・・何?貴方・・それは、一体・・・!?」

「おや、見るのは初めてかね?まあ、確かに手に入れるのはかなり苦労はしたが・・・十分だろう。」

「くっ・・・!」

 

見るといつの間にか人影が数人分追加されていた。

しかし、未だ砂埃がひどく、視界が悪い為、確認できない。

まぁ、多分『自動人形』ってやつなんだろけど。

と、思っていると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈要様!悪魔の反応よ!!〉

「―――――は?」

 

突然のバロウズの言葉に固まってしまう。

悪魔?何処に?何故?という疑問が次々と浮かんでいく中、徐々に視界が開けて行き―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ―――――」

 

その光景に無意識にそう漏らしてしまった。

増えていた人影、それは人に限りなく近い『自動人形』ではなかった。

それどころか、『ソレ(・・)』は人間とは似ても似つかぬ姿をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体長約120cm前後、楕円形(だえんけい)の頭部に巨大な赤い目。

カンガルーに近い体に三本の爪が生えた二本の手、更に山羊(やぎ)の足。

およそ、エイリアンと呼ぶに相応しい姿のソレ(・・)は―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――フード『チュパカブラ』だった。




という訳で、イレインはボッシュートになりました。
あれ?戦闘に入るはずが、戦闘してない・・・。
じ、次回こそ戦闘させます。
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