「ん・・・。」
ゆっくりと目を開ける、どうやら眠っていたらしい。
「んー・・・、はぁ・・・。」
横になったまま大きく伸びを一つして、体を起こして辺りを見渡してみる。
「夢・・・ではなかった、か。」
自分の記憶にある自分の部屋ではない。つまり、夢オチではない、という事だ。
確定ではないが、多分間違いないだろう。
しかし、見覚えがない場所という訳でもない。
正確には、見たことはないが知っている、という感覚。
「なるほど、こういうパターンか。」
転生して最初の状況には大きく分けて2つのパターンがある。
一つは生まれた瞬間から始まる場合、赤ん坊からスタートする場合だ。
この場合、自分の意識はあるのに体が赤ん坊である為、自由が利かず自分の意思で動く事が難しい。
さらに、意識があるという事は、要するに赤ん坊の時期の記憶が残るという事。
はっきり言って、黒歴史確定と言っても過言ではない。
成長してから何かの拍子に思い出して身悶える事請け合いだろう。
もう一つがある程度成長した状態から始まるパターン。
恐らく今の俺の状況からこちらのパターンであると思われる。
でなければ自力で起き上がる事も出来ないだろう。
「まぁ、黒歴史が作られる事がなかった事は喜ぶべきか。」
さて、自覚した所でまずは自分の状態を把握しないとな。
まず知識。さっき部屋を見渡した時、初めて見るはずなのに知っているというおかしな感覚に陥った。
つまり、前世からの記憶と、この世界での今までの記憶、二つの記憶がある状態だという事だ。それによると、年齢は今年で7歳になったらしい。
年齢だけで見るとリリなのの原作前か?いや、決めつけるのはまだ早いか。
次に家族構成。父親に母親、それに双子の兄の4人家族らしい。
双子となると原作キャラと兄弟だったりってのが、テンプレだったりするけど、どうなんだろうか。
取りあえず家族の顔を思い浮かべてみる。
父親、母親、双子の兄――――
「――――え?」
双子の兄の顔を思い浮かべた所、非常に見覚えのある顔が浮かんできた。
前世ではその作品をきちんと見たことはなく、二次創作や動画などで見た程度の知識だが、はっきりと覚えている。
「ッ、確か・・・!」
慌てて部屋を飛び出し、直ぐ隣の部屋へ。目的のモノは部屋の一番奥――――!
「・・・・・・・・・マジかよ・・・・・・。」
目的のもの――――母親の使う化粧台についた鏡に映った自分の顔を見て思わず呟いた。
幼いながらに整った顔立ち。
肩にかかりそうなほどに伸びた赤い髪。
俺の知る『彼』より少し鋭い目つきとブラウンの瞳。
そう、その顔はまさしく――――――――――
「やっと起きたのか。ずいぶんよく寝てたな。」
「ッッ!?」
不意に声を掛けられ、驚いて声の方へ顔を向ける。
そこには部屋の入り口に立って、呆れた顔で俺を見ている『彼』の姿があった。
「物音がしたから起きたのかと思って見に来たら、何してんだお前?」
「あ、いや、その・・・ちょっと嫌な夢見ちゃって・・・。本当に夢だったのかという確認をと思って・・・。」
「ふーん・・・、まぁいいや。起きたなら早く降りてこいよ。休みだからっていつまでも寝てたら脳みそ腐るぞ。」
「・・・そんな訳あるか。」
言う事を言って踵を返す『彼』。そのまま部屋を出て行こうとして、思い出したかのようにこちらに振り返り、
「そうだ、忘れる所だった。」
「?」
「おはよう、
「あぁ、おはよう――――
俺がそう言うと満足そうな顔をして、双子の兄――――のちに正義の味方を志し、第5次聖杯戦争にその身を投じる事になる男、『衛宮士郎』は部屋から出て行った。
これが俺、『
プロローグがかなり長くなりそうです。
リリなの無印までどれくらい掛かるのか・・・。
しかもリリなのキャラより早くFateキャラが出てきてしまった。
どうしてこうなった・・・。
因みにオリ主の名字が『峰岸』となっていますが、現時点でのオリ主の名字ではありません。なので、士郎の名字も『峰岸』ではありません。