思い付きで衝動的に始めたせいか、最近ネタに困って作成が滞って来ている状態です。
自業自得と言ってしまえばそれまでなのですがw
兎に角失踪だけはしないように頑張ります。
ところで、今回主人公があるアイテムを使用しているのですが、作者のイメージとしては、宝石というか珠のようなものだと思っています。
なので、このような描写になっております。
では、前置きはこの位にして本編をどうぞ。
「おいしかった・・・」
「ん、お粗末さん」
「・・・で?」
やたら露出の多い服を着た金髪ツインの少女―――――『フェイト』の食事が終わるのを待って俺は一夏にそう切り出す。
「で、って?」
「・・・・・・まず、その娘は誰だよ」
「こいつか?こいつは・・・そういや名前聞いてなかったな」
「・・・・・・・・・はぁ」
「どうしたよ?溜め息つくと幸せが逃げるぞ?」
「お前のせいだけどな?」
こいつは本当に・・・無警戒にも程があるだろうが。あまりにも能天気な一夏の反応にこれ以上は無駄と判断し、対象を変えることにした。
「取り合えず名前聞いても良かったか?俺は峰岸要、こっちのバカが織斑一夏だ」
「誰がバカだ!」
「お前以外に誰が居んだよこのバカ」
一夏がまだ何か喚いているが無視する。正直、名前は既に知っているが余計なリスクは即排除するに限る。何で名前知ってんだよ的な問題起きるのも面倒だし。
「えっと・・・」
「心配せんでも取って食ったりはしないって」
「・・・フェイト、フェイト・テスタロッサ」
「オーケー、よろしくな」
「へー、フェイトって言うのか。良い名前だな!」
「え・・・あ、ありがとう・・・」
一夏の一言に顔を赤くして俯きながらお礼を言うフェイト。こいつはまたか、またなのか。いい加減自覚しろよこの天然ジゴロ。お前のせいで何人のいたいけな少女が泣いたと思ってるんだ。そして将来的に何人の女性が泣くと思ってるんだ。
「で?どうしてここで飯食ってたんだ?こいつに何かされなかったか?」
「おい、何かって何だよ」
「気にするな」
「無理だろ」
「え、えっと・・・別に変な事はされてないよ?」
俺たちのやり取りを見ていたフェイトがそう口を挟む。まぁ判ってた事だが。
「一夏、取り合えず何でこうなってんのかだけ教えてくれ」
「んー、お前に電話した後昼飯まだだったの思い出してさ。何かしらあるかと思って冷蔵庫開けたら見事に何も無くてな?買い出しに出かけたんだけど・・・」
あ、なんか展開が読めた。
「そん時にフェイトに会った?」
「おう、帰り道にスゲェ綺麗な石が落ちててな?その石を拾って眺めてたら、フェイトに声掛けられたんだよ。んでその石を渡せって言われたんだけど、お前のもんかって聞いたら違うって言うからさ、そんなこと言われて渡す訳に行かないだろ?」
・・・頭痛がしてきた。馬鹿正直に答えんなよフェイト・・・。いや、こいつの性格からして無理な話か。
「んで、しばらく言い合ってたら、こいつの腹の虫が―――――」
「わーー!!そ、それは言わなくて良いんじゃないかな!?」
「・・・・・・あぁ、おおよそ把握した」
うん、知ってた。全くこのお人好しは・・・。会って数分、ないし数秒の相手に飯を振舞うなっつーの。家に上げる事すら危ういだろ普通。
「取り合えずお前が救い難い大馬鹿野郎だという事がはっきり判った」
「なんでだよ!」
「ところで千冬さんは居ないのか?」
「無視!?・・・千冬ねぇならここ最近探し物とかで町中歩き回ってるよ。そろそろ戻って来ると思うけど」
「・・・そうか」
「えっと・・・一夏?にはお姉さんが居るの?」
「おう、怒るとスッゲェ怖いんだぜ」
「よし、帰ってきたら千冬さんにそう伝えておこう」
「おいやめろ」
千冬さんが戻って来るなら都合が良い。例の石ってやつを一緒に見てもらえば事態は一気に進むだろう、良くも悪くも。
「そんじゃ、一先ずは千冬さんが帰って来るまで待つか」
「え・・・」
「何でだよ?」
「その石の持ち主がはっきりしてないんだろ?ホントなら交番とかに持っていくべきなんだろうけど、俺達だけだといたずらだと思われるかもだし、他に何かいい案あるか?」
「いや、無い」
「だろ?」
「あ、あの・・・」
「だったら千冬さんが帰って来るまで待っとくのが一番だろ。俺達で勝手に判断して後で取り返しのつかない事になったらどうする?」
「あー・・・そう言われりゃそうか」
「それすら考えてなかったのかよ、どんだけ考え無しなんだお前は」
「うるせーな、ちょっとうっかりしてただけだろ」
「そのうっかりで大変な事になったらどうすんだよ」
「ねぇ!!」
蚊帳の外だったフェイトが大声をあげて俺たちの会話に割り込んできた。少しでも時間を稼ぎたかったんだが、流石に無理があったか。
「どうした?」
「その石は必要なものなんだよ。お願いだから渡してほしいんだ」
「そんなに大事なもんなのか?これ」
そう言って一夏はズボンのポケットから石――――『ジュエルシード』を取り出す。もしかしたらフェイトの見間違いかなにかで実は別物だったという僅かな可能性にかけていたんだが、それはなかったか。
「そう、それがどうしても必要なんだ。」
「何でだ?どうしてそこまでしてこいつがほしいんだ?」
「そ、それは・・・」
「まぁ、説明も無しにいきなり渡せじゃそうなるわな」
「おう、何でこれが必要なのか、それを教えてくれよ。でなきゃ渡して良いのか判んねぇよ」
ぶっちゃけ説明されても判らんと思うがな、魔法だとか言われても納得なんて出来ねぇだろうし。
「え、えっと・・・」
「答えられない、と。だったら素直に待っとけよ。心配しなくても悪いようにはしねぇって」
「そーそー、こいつバカだけど悪い奴じゃねぇからさ」
「だから一言多いんだっつの」
「事実なんだからしゃーねぇだろ?」
「・・・どうしても渡してもらえない?」
おや?フェイトの様子が・・・?
「だからそう言ってるだろ?」
「・・・・・・そう」
そう呟いてゆっくりと立ち上がるフェイト。ちっとマズいか?この状況で実力行使に出られると対処出来ねぇんだよな・・・仕方ねぇ、か。
「こんな事したくなかったけど・・・私はそれを集めなきゃいけないんだ!『バルディッシュ』!!」
『yes,sir』
「え、何だ?どっから声が?」
混乱している一夏を他所に俺は念の為にと普段から持たされていた『ある物』をそっと取り出し、
「セットア――――」
フェイトに向かって投げつけた。
――――キンッ!!
「―――え?」
甲高い音がした刹那、そんな声を漏らしてフェイトが横倒れになっていき、
「危ね!」
一夏が滑り込みでナイスキャッチ。外野手に向いてそう。(小並感)
しかし何とかなって良かった。効かなかったらどうしようかと思ってた所だ。
『master!』
倒れる際、床に落としたと思しき『バルディッシュ』がフェイトを心配して声を上げる。ホント主人思いのデバイスだな。
「ふぅ、いきなり倒れるから何かと思ったけど・・・要、お前フェイトに何したんだよ」
「お、気付いてたのか」
「とぼけんなよ。質問に答えろ」
一夏がやや視線を鋭くして俺を睨む。俺としてはむしろ感謝してほしい位なんだが。俺が何をしたかというのは至って単純、ただ『デビルスリープ』を投げつけただけだ。万が一を考えて日頃からいくつかこういった道具を持たされている。本当は使わずに済むのが一番なんだけどな。
「心配せんでも眠ってるだけだ。しばらくしたら勝手に起きるさ」
「本当だな?」
「嘘ついてどうする。ま、千冬さんが帰って来るまでは眠っててくれるとありがたいけどな。さてと――――」
一先ず何とかなった所で、俺はバルディッシュを拾い上げた。
「何だそれ」
「フェイトが持ってたもんだけど、こいつから声が聞こえたもんで気になってな」
「さっきの声か?」
「あぁ。通信機かなんかだと思ったけど、こいつで何かしようとしてたみたいだし、取り上げといた方がいいかと思ってな」
「何かってなんだよ?」
「知らねーよ。けど碌な事じゃないのは確かだろ、直前の発言から考えて」
バルディッシュは俺の手の中で沈黙を保っている。下手に動くと却って危険だと判断したのだろう。これ以上騒がれるのも面倒なので、一先ず預かっておこう。
さて眠らせたは良いがこの後どうしたもんか、と考えていると―――――
ガチャッ
玄関の方からそんな音がした。
「帰ったぞ、一夏。・・・ん?靴が二つ?要と箒か?しかし、それにしてはこっちは見覚えが・・・」
どうやら千冬さんが帰って来たらしい。何とも都合が良すぎる気がするが、偶然か?いずれにしろこれで何とかなりそうだ。
さて、これからどうなるかな。