ある男の転生人生   作:Y・O・U

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感無量です・・・!!
拙い作品ですが、楽しんで頂けるよう頑張ります!


プロローグ6

「あぁ、クソッ!次から次へと・・・!!」

 

轟音の後、辺りを砂埃が覆う。

かなりの大きさのものが降って――――いや、落ちて来たという方が正確か。

 

「チッ・・・周りが見えねぇ・・・士郎ッ!無事か!?」

「ゲホッ、あ、あぁ、何とか・・・体中痛いけど・・・。」

 

どうやら、俺が突き飛ばした時、体を強く打ったようだ。

悪いとは思うが、非常事態だ。

多少は許してくれ。

 

「今度は何なんだ・・・!?」

「わかんねぇ・・・!上から何かが・・・!?」

 

直後、粉塵が舞う視界の中で何かが動いた。

 

「気を付けろ!何か居るぞ!」

「何かってなんだよ!」

「知らねぇよ!!」

 

次第に砂埃が収まり、視界が良くなってきた。

あれだけの大量の砂埃が起きた時点で予想はしていたが、地面は衝撃で粉々、小規模のクレーターが出来上がっていた。

そしてそのクレーターの中心に――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――ソレ(・・)は立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・な・・に・・!?」

 

目の前にいるソレ(・・)を見て、あまりの衝撃に固まってしまった。

 

 

 

 

 

ソレ(・・)は人型に近い形をしていた。

しかし明らかに人ではない事は一目瞭然だった。

一部が青い表皮。

二足の足で立ってはいるが、蹄のような足。

しかし、取り分け目を引くのはその異形の頭部だった。

人のものと比べてかなり大きいソレは人間の倍、いや、三倍はあろうか。

頭部全体が青く、鼻と口と思われる部分は人の骨の目と口を模していて、目は赤く、両側の側頭部から巨大な角が生えていた。

一言で表すなら、牛。

牛の頭部と人の胴体を持つ異形の怪物――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブモォォォォオォォォォォ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――魔獣『ミノタウロス』が天高く咆哮をあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(あぁ、そうか・・・。これは・・・俺のせいか・・・。)

 

本来ならありえない異形――――『悪魔』の出現。

これは恐らくガントレット、『悪魔召喚プログラム』が存在する事の弊害だろう。

つまり、こいつを呼び寄せたのは他でもない俺自身。

 

(いや、違う・・・今しなきゃいけない事は・・・!)

 

 

この異形から逃げて生き延びる事だ――――――――!

 

 

 

 

「士郎ォ!全力で走れぇぇぇぇ!!!」

「ッ!!」

 

それを合図に俺たちは互いと正反対(・・・)に走り出した。

ミノタウロスは俺たち二人の間に居る。

その状態で子供二人が一緒に逃げる事は自殺行為以外の何物でもない。

それを無意識に理解し、本能的に起こした行動だった。

 

「ブモォォォォォオォォォォォォ!!」

 

それを見るや否や、ミノタウロスは獲物の内の一人――――俺を追いかけてきた。

 

「要ッ!!」

「止まるなッ!走れぇぇ!!」

 

士郎が一瞬こちらを気にした様子を叱責し、俺は全力で走り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・はぁッ・・は・・ぁ・・・!!」

 

どれ位走っただろうか。

走れど走れど背後の怪物は周囲の塀や建物を破壊しながらいつまでも追いかけて来る。

一向に諦める気配がない様子とまだ未成熟な子供の体で全力疾走し続けた反動でついに体が限界に達した。

 

「うぁ・・!!」

 

足がおぼつかなくなり、盛大にすっころんだ。

立ち上がろうとするも、体がいう事を聞いてくれない。

走り続けた疲労と、直ぐそこに迫る死の恐怖のせいでまともに呼吸も出来ない。

 

「はッ・・はッ・・・く・・そッ・・・!!」

 

後ろをみるとミノタウロスが直ぐそこまで近づいてきていた。

俺の様子を見て心なしかにやけ面を浮かべている様に見える。

そして俺の目の前まで来ると、その巨大な腕を振り上げた。

 

(死んだな、コレ・・・。)

 

ありえないはずの二度目の人生、それがこんなにもあっけなく終わってしまう事に対して頭に浮かんだのはそんな冷めた言葉だった。

そして、その腕が振り下ろされる瞬間――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バン!

 

ドォォォン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉ!?」

「ブォォォォ?!」

 

突如、ミノタウロスの顔部分で爆発が起こった。

その衝撃で俺は後方に吹き飛ばされ、ミノタウロスは怯んで二、三歩後ずさる。

 

「何だ・・・今度は・・何が・・・。」

 

突然の出来事に頭が追い付かない。

そんな俺の混乱に関わらず、事態は進む。

 

「ブモォォォォォ!!!」

 

ミノタウロスが咆哮を上げ、こちらを睨む。

だが、その怒りに染まった眼差しは俺ではなく、俺の後方に向けられていた。

それに気づいた俺は後ろを振り返ると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれ、見た目通りタフだな。あんまり応えてねぇみたいだ。」

 

 

「まぁ、見た所そこいらの雑魚悪魔とは違うようだが、大した問題はないだろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには二人の人間が立っていた。

両者とも高校生位だろうか。

一人は男。

緑のジャケットに白のズボン、短めの黒髪で頭にゴーグル?のようなものを付けている。

もう一人は女。

白のカッターシャツに黒のスラックス、長めの黒髪を後ろで縛っている。

しかし、特筆すべきは彼らが手にしているものだ。

男の方は右手に剣を持って肩に担いでおり、左手で持った銃をミノタウロスに向けている。

恐らく、先ほどの爆発はこの銃によるものだと思われる。

そして女の方は日本刀を左手に携えていた。

その二人組を視認した瞬間、俺は安心感と疲労感から意識が薄れていくのを感じた。

 

(あ、やばい・・意識がもたねぇ・・・でも、あの二人(・・・・)なら・・・大丈夫・・だろ・・・)

 

何故、この二人(・・・・)が一緒に居るのか。

何故、こんな所に居るのか。

そんな疑問も浮かんだが、流石にそれを考える余裕はなく、俺の意識は落ちて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「む、マズイな、あの少年気を失ったようだ。」

「まぁ、あんなモンに出会ったらああなるのも無理ねぇだろ。アレの相手は俺がする。あの子は任せたぞ。」

「あぁ、わかった。問題はないとは思うが、気を付けろよ――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――啓自(けいじ)。」

 

「あぁ、んじゃ頼んだぞ――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――千冬(ちふゆ)。」

 

この会話の少し後、ミノタウロスは断末魔を上げ消滅する事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奇しくもこの一連の騒動は、死の淵に追いやられていた少年が正義の味方を目指した男に救われた出来事の裏で起こったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かくして、序章の幕は下り、転生者『峰岸要』の物語が今、始まる。

 

 

 

 

 

 




という訳でプロローグ終了。
かなり長くなってしまった上、リリなのキャラが一人も出ていないという体たらくで申し訳ありません。
次回以降から、徐々に出始めますので、期待せずお待ち下さい。
最後に出て来た男の方は知らない方も多いと思いますので、次回その辺りも説明したいと思います。

追記 この後士郎の登場はしばらく先になります。
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