魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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次回から、(多分)イクス編です


繋がり

「どうした、ティアナ?」

 

腰に抱き付いたティアナに、裕也は不思議そうに問い掛けた

すると、ティアナは

 

「報われないじゃない……」

 

と呟いた

 

「なにを言って……」

 

ティアナの言葉の意味が分からず、裕也は首を傾げた

するとティアナは、涙を流しながら

 

「裕也はあんなに戦ったのに、誰も認めなかった! 最後は、戦争を終わらせたのに……」

 

と言った

それを聞いた裕也は

 

「……なにを見た……」

 

と問い掛けた

それから、十数分後

 

「落ち着いたか?」

 

「……うん……」

 

裕也は問い掛けながら、ティアナの前に紅茶を淹れたカップを置いた

それまでの間に裕也は、ティアナが見た夢の内容を聞いた

すると裕也は、腕組みして

 

「まさか……あれか?」

 

と首を傾げた

するとティアナは

 

「どうしたの?」

 

と問い掛けた

その問い掛けに、裕也は

 

「あの研究所で、ガジェットの攻撃を喰らったのは覚えているな?」

 

とティアナに、視線を向けた

忘れる訳がなく、ティアナは頷いた

すると裕也は

 

「ガジェットを殲滅した後にティアナを治療しようとしたら、大分出血していたからな……俺の血を多少輸血したんだ……」

 

と言った

それを聞いたティアナが、驚いていると

 

「起きても、多少の魔力値上昇か回復力向上だと思っていたんだが……まさか、パスが繋がるとはな」

 

と呟いた

 

「パス?」

 

「ああ……ようするに、契約に近いな。俺が血をティアナに与えたために、精神的なパスが繋がったんだろうな……だから、俺の夢を見たんだ……」

 

ティアナが首を傾げると、裕也はそう説明した

そして、裕也は

 

「すまんかったな……嫌な夢を見させただろう……なるべく早く、忘れた方がいい」

 

と言った

それはまるで、自分は気にしていないという態度だった

それがティアナの琴線に触れ、ティアナは机に手を突いて

 

「裕也!」

 

と裕也を見た

いきなり呼ばれて、裕也は驚きで固まった

だが、ティアナは気にせず

 

「貴方は、絶対に幸せにならないとダメ! あれだけ奮闘したのに、あんなに戦ったのに! でないと報われない! そんなの、絶対に認めない!」

 

と裕也を指差した

更に、裕也が何か言う前に

 

「貴方は、私が幸せにする! これは、確定事項よ! あんな終わり方、認めるものですか!!」

 

と断言した

それを聞いた裕也は、椅子に座ったティアナに

 

「……なぜ、そこまで?」

 

と問い掛けた

するとティアナは

 

「納得いかないのよ、あんな終わり方に……それに、ほっとけないのよ」

 

と言った

それを聞いて、裕也は

 

「ティアナ……お人好しと言われたことないか?」

 

と問い掛けた

するとティアナは、鼻を鳴らして

 

「生憎と、言われたことないわね」

 

と返した

そして、裕也を見て

 

「それで、裕也はどうするの?」

 

と問い掛けた

その問い掛けに裕也は、少ししてから

 

「よろしく頼む」

 

と右手を差し出したのだった


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