不穏な幕開け
JS&R事件から、三年という年月が経った
その間に、幾つもの事件が起きて、解決されてきた
これは、その内の一つの話だ
「あっちだ!」
「急げ! 犯人を捕まえるんだ!」
轟々と燃え盛る炎の中、数人の管理局員達が走っていた
そして、その先では
「教えてもらいます……イクスは何処に居ますか?」
と問い掛けたのは、頭の半分を機械的なバイザーで覆った大柄な女だった
その前には、震える男が居た
「し、知らない! イクスなんて知らない!!」
男はそう言いながら、後退りした
しかし、女は男に歩み寄り
「知らないはずがありません……貴方は、イクスの居場所を知っている筈です」
と言って、右手で男の首を掴んで持ち上げた
その力は、女とは思えないものだった
「あ……がっ……!?」
男は女の腕を叩いて脱出しようとしているが、女の腕はビクともしない
その時だった
「そこまでだ!!」
「時空管理局だ! 被害者を解放し、投降しろ!!」
と管理局員達が現れた
彼等は持っていたデバイスを向けている
それを見た女は
「……兵士も、時が経てば変わるものか……」
と呟いた
だが、男を放そうとはしていない
それを見て、隊長らしい局員が
「スタン弾、撃てぇ!!」
と指示を下し、部下と共に撃った
だが、女は慌てずに
「左腕、武装形態……戦刀」
左腕を大太刀に変えて、全て弾いた
それを見た隊長は
「バカな!? 全て弾いただと!?」
と狼狽えた
すると女は、男を壁に叩き付けて気絶させて
「邪魔はさせません……」
と言って、局員達に肉薄した
場所は変わり、火災現場の外
その上空を、数機のヘリが飛んでいた
その内の何機かは、報道のヘリだった
その報道内容を聞いて、管理局のヘリを操縦していた女性パイロット
アルトが
「あーぁ……報道さん達、仕事が早いのは良いけど、ちゃんと規制は守ってるのかな?」
とぼやくように呟いた
すると、同乗者の女性
ギンガが
「まあ、彼等も仕事だから……守ってくれることを祈りましょう」
と言った
それを聞いて、もう一人の同乗者
マックスが
「たまぁに、規制を守らないバカが出るからな……そん時は、無理矢理にでも離させないとな」
と肩を竦めた
よく見れば、マックスの階級章が三尉を示している
どうやら、昇級試験を合格したらしい
「あんまり、やりたくないけどね……」
マックスの言葉を聞いて、アルトは呟くようにそう言った
その時、通信機が鳴り
『JXー704番機、着陸の許可が出ました。2番ヘリポートへ降りてください』
と告げてきた
それを聞いたアルトは
「了解。2番ヘリポートに着陸します」
と返答した
そして、ヘリは地上本部のヘリポートに向かい始めた
そんなヘリの中で
「この規模……嫌な予感がするんだよな……」
とマックスが呟いた
それを聞いて、アルトが
「……三年前みたいな事件には、ならないでほしいなぁ」
と言った
すると、ギンガが
「この規模だと、管理局本部の執務官が捜査してるはずだけど……知ってる人だといいわ……」
と呟いたのだった