ある日の早朝訓練である
「はーい、早朝訓練終了!」
「「「「「お疲れ様でした!」」」」」」
ある日のなのはの早朝訓練は、最後にシュートイベーションをやって、エリオの一撃が当たったので終了となった
因みに、現在、冥夜と武は拳銃型と剣型のデバイスを練習用に利用している
「うん。皆、訓練の成果が出てきたね。いい連携だったよ!」
「「「「「ありがとうございます!」」」」」
なのはは褒めてから、視線を横に移動した
「で、当麻くんは大丈夫?」
その先には、当麻がグデグデで寝転がっていた
「………だったら……集中攻撃を……しないで、ほしかった………」
「いやぁ、当麻くんが私の攻撃をことごとく消すから、ついついムキになっちゃった」
当麻の言葉に、なのはは苦笑しながら、ごめんね? と誤っている
その時だった
「ん? なんか、焦げ臭いぞ?」
と、武が鼻をスンスンとしながら言った。すると
「ん? あ! スバル! あんたのローラー!!」
と、ティアナがスバルの足元を指差しながら叫んだ
「へ? あ! やっば!」
と、スバルはしゃがんでローラーを脱いで抱えて、持ち上げた
「オーバーヒートかな? 後でシャーリーに修理してもらってね」
「はい……」
スバルは漏電して、煙が出ているローラーブーツを悲しそうに見ている
「ティアナのアンカーガンも厳しい?」
なのはは先ほどのシュートイベーションで、ティアナのアンカーガンが不発を起こしたのを思い出した
「はい、正直騙し騙しです………」
ティアナは、脇のホルスターからアンカーガンを抜いて見つめた
「んー、皆いいレベルまで来たし、そろそろ新デバイスに切り替えかなー」
と、なのはは視線を上に向けながら呟いた
「新?」
「デバイス?」
「うん、それじゃあ皆はシャワーを浴びて、ロビーに集合しようか」
「「「「「「はい!」」」」」」そして、訓練場から出て、6課隊舎に向けて歩いていると
「おお、武たちか」
と、冬也が森の中から出てきた
その後方からは、刹那と明日奈が続いて現れた
「冬也さんに刹那ちゃん。それに明日奈ちゃんは、何処から出てきてるの?」
「ん? 森だが?」
天然である
「そうじゃなくって……」
なのはは思わず、額に手を当てた
「冬也隊長は、どうしてそこから出てきたんですか?」
「そうそう」
「ああ、俺は剣術の修行だな。日課にしている」
と、冬也は夜叉の野太刀形態を手にしていた
「私達もですね」
「あたしは、刹那さんに教えてもらってたの」
「なるほど、納得しました」
と、歩きながら話していると
ブロロロロロ
と、聞こえてきたので、音のした方向を見ると
黒地の車がこちらに向かってきており、それに乗ってたのは
「おや、フェイトにはやてか」
六課部隊長の八神はやてと分隊長のフェイト・T・ハラオウンだった
「おはよう、皆」
「「「「おはようございます!」」」」
「なかなか、良い車に乗っているな」
「ありがとう、冬也さん。これ、地上での移動手段なんだ」
フェイトは、窓から冬也を見上げる形で言った
「ところで皆、訓練はどうや? 順調か?」
「「「「「はい!」」」」」
はやての質問に、全員息をそろえて返答した
「でも、武さんと冥夜さんが凄いですよ」
「はい、援護の必要がまったくないんです」
「ええ、お互いの隙をカバーしてますし、むしろ、私達が援護されてますし」
ティアナ達は訓練中の武たちの連携を思い出しのか、興奮している
「あれが、俺達にとっての普通なんだよ」
「うむ。ああせんと直ぐに、BETAに殺《や》られてしまうからな」
武と冥夜は、ティアナ達の言葉にそう返事した
「そういえばBETAって、なんですか?」
スバルは武たちが言ったことが気になり、質問した
「ん? まぁ、簡単に言うと、宇宙生物だな」
「ああ、常に何万と押し寄せてくる我等の敵だった」
武と冥夜は複雑な表情で語る
「「「「「何万もの敵……」」」」」
フォワード陣は武たちの表情から察したのか、深くは聞かなかった
「それで、フェイトちゃん達、どこかにお出かけ?」
なのはは、フェイト達が出かける様子だったことを思い出して、質問した
「うん、ちょっと6番ポートまでね」
「教会本部でカリムと会談や、夕方には戻るよ」
フェイトとはやては、それぞれ行き先を告げる
「私は昼には戻るから、みんなで一緒に食べようか」
「「「「「「はい!」」」」」」
「ほんならな!」
と、はやてが手を振ると、車は走り出した
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
車を運転しながらフェイトは、はやてに話しかけた
「カリム・グラシアさんか、私は会ったことないけど、どんな人?」
「んー、なんつーか、お姉ちゃんみたいな感じやな。実は、機動六課を立ち上げる時に実質的な部分をやってくれたんは、ほとんどカリムなんよ? だから、私は人材集めに集中できた」
「そうなんだ、まぁ、イレギュラーも現れたけどね」
「せやな、もしかしたら、カリムに聞けば、なんか分かるかもしれへんし」
「冬也さん達のことを?」
「せや」
「うん、頼んだよ。はやて」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
聖王教会本拠地 カリム・グラシア執務室
「久しぶりや、カリム」
はやての目の前には、腰あたりまで伸ばした金髪に碧眼が特徴の優しそうな女性が居た。
この女性がカリム・グラシアである、聖王教会騎士団の騎士である
「ホント、久しぶりね、はやて。まぁ、座って」
と、カリムは向かいの席を指して、はやてに座るように促した
「カリムには、感謝しとるで」
はやては紅茶を一口含むと、そう喋った
「ありがとう。そう言われると、お願いもしやすいかな」
カリムは微笑みながらスプーンをまわした
「なんや、今日のカリムはお願いモードかいな」
すると、カリムは手のひらサイズのリモコンを取り出して操作すると、カーテンが閉じた
「……ちょっと、これを見てほしいの」
と、カリムがリモコンを操作すると、画面が現れて、映ったのは
「これは…新しいガジェット?」
画面は複数映っており、そこには破壊された残骸と、恐らく鹵獲したのだろう、新品同様のガジェットが映っていた
「ええ、今発見されているⅠ型のほかに二種類。新しいのが発見されてるの」
はやては、画面を食い入るように見つめている
「戦闘性能は、まだ不明だけど、コレを見て」
と、新しい画面が映った
「デカイね」
その画面に映っているガジェットの大きさは、大体2m強はある
「ええ、Ⅲ型は割りと大型ね」
「本局には、まだ報告しとらんやろ?」
「ええ、それよりも問題はこっち」
と、カリムがまたリモコンを操作して、映ったのは、血の様に赤い宝石だった
「これは……レリックやね。でも、まだ早いような」
「そうなの、だから直接会って話したかったの、どうするべきか、失敗は許されないから……」
カリムは俯いた
すると、はやては立ち上がり、窓際に近づくと、一気にカーテンを開けた
それにより、室内は明るくなった
「心配あらへん! 隊長やフォワード陣はもちろんやけど、今は頼もしい味方が
と、はやては満面の笑みを浮かべた
「はやて…、ん? 頼もしい味方って、もしかして、この間連絡してくれた人達?」
「せや、神代冬也さん、白銀武くん、御剣冥夜ちゃん。それに上条当麻くん。それにネギくん達や」
「一応、名前は知ってるけど。そんなに頼りになるの?」
「うん、冬夜さんは、所謂《いわゆる》歴戦の猛者や。なんでも、12年間最前線で戦ってたらしいし、武くんと冥夜ちゃんは軍人やったみたいで、動きは新人達より良い。それに、当麻くんは幻想殺しを持ってて魔法が効かんし、ネギ君達は全員が特殊な道具を持ってるし、強い」
「へー、それは凄いわね。もしかして、その人たちについて調べて欲しいのかしら?」
「せや、お願いするわ。もしかしたら、カリムの<予言>で出るかもしれへんし」
「わかったわ、出来る限り調べておくわ」
「ありがとうな」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
女子シャワー室
「えっと、スバルさんのローラーブーツと、ティアナさんの銃って、ご自分で組まれたんですよね?」
キャロは、シャワーで汗を流しながらスバルとティアナに聞いた
因みに、キャロはスバルと一緒に浴びている、その右隣にティアナが入っている
「うん、そうだよ」
「訓練校でも前の部隊でも支給品って、杖しかなかったのよ」
スバルとティアナは、汗を流しながら返答する
因みに余談だが、キャロは入る際にエリオを誘ったが、エリオは逃げるように男子シャワー室に駆け込んだ
ネギは明日奈に捕まって、現在洗れている最中である
「私は、魔法がベルカ式な上に、戦闘スタイルがあんなだし。ティアもカートリッジシステムを使いたいからって」
「で、そうなると自分で作るしかないのよ。訓練校じゃ、オリジナルデバイス持ちって居なかったから、目立っちゃってね」
「あぁ! もしかして、それでスバルさんとティアさんはお友達になったんですか?」
キャロは話を聞いて納得したのか、そう聞くと
「腐れ縁と私の苦悩の日々の幕開けと言って!」
ティアナは苦労したのだろう、否定した
「えへへへ~♪ さて、キャロ。頭洗おっか!」
「お願いします」
と、スバルがキャロの頭を洗う準備をすると、ティアナはシャワーを止めて、タオルを取ると
「私、先に上がってるからね?」
と、出入り口に向かった
「「は~い!」」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
場所は変わって、階段付近
「みんな、まだですかね?」
そこには、エリオのほかに冬也と武。それに当麻が居た
「まぁ、女は風呂は長いからな」
「うむ」
「そうだな」
「だけど、冥夜はそろそろ来るはずだぜ」
と、武が言うと
「すまん、待たせた」
と、丁度良く冥夜が現れた
「冥夜さん、早かったですね!」
「うむ、軍人として当然のことだ」
「15分か、俺達と大して変わらんな」
冬也は、近くに掛かっている時計を見ながら言った
「ああ、ティアナたちはもう少し掛かりそうです」
「わかった」
そして、冬也達はティアナたちが来るまで他愛の無い会話を続けた
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
デバイスルーム
「うわぁ、これが……」
「私達の新デバイス…ですか?」
「そーでーす! 設計主任あたしと冬也さんとハカセちゃん! 協力はなのはさん、フェイトさん、冬也さん、ハカセちゃん、ネギくん、レイジングハートさんとリィン空曹長!」
「はぁ…」
スバルたちの前にある机の上には、白地に真ん中にオレンジ色の球体とXのマークがある白いカードに、スバルの魔力光と同じ空色のペンダントが浮かんでいた
「ストラーダとケリュケイオンは、変化無し、かな?」
「うん、そうなのかな?」
エリオとキャロの前には、2人が以前から使っているデバイスの待機形態である、腕時計と羽のような装飾が着いた腕輪が浮いている
「違いまーす!」
と、いきなり高さ30cmくらいの女の子がエリオとキャロの前に現れた
この女の子の名前は、リィンフォースⅡ《ツヴァイ》空曹長と言う、通称リィンである
因みに、正確にこの子は人間や妖精ではなく、ユニゾンデバイスなのである
余談だが、武と当麻は初めて会った時にリィンを妖精扱いして説教されたのである
「変化無しなのは、外見だけなのですよ!」
「リィンさん!」
「はいです♪」
リィンはキャロに返事すると、姿勢を正して
「2人はちゃんとしたデバイスの使用経験は無かったですから、感触に慣れてもらうために基礎フレームと最低限の機能で渡したです」
「あ、あれで最低限?」
「ホントに……?」
2人はリィンの言葉に驚いていた
「これは、ドックタグと…」
「髪留め?」
武と冥夜の前には、ダークグレーのドックタグと紫色の三角形の髪留め(フェイトのバルディッシュの色違い版)が浮いていた
「うむ、ドックタグのが武ので髪留めのほうが冥夜だ」
武と冥夜の近くに冬也が寄ってきて、説明する
「開発には、冥夜の機体、確か武御雷《たけみかずち》だったかな? あれの機体データを参考にさせてもらったよ」
「はぁ」
「あれ? じゃあ、このデバイスは誰のだ?」
と当麻が指差したのは、無骨な青い腕時計が浮いている
「それは、当麻のだ」
「俺の? だけど、俺が触ったら、壊れるぞ?」
「そこは大丈夫ですよ~。従来の魔法重視ではなく、科学重視ですので、当麻さんの幻想殺しでも壊れません」
「ああ、葉加瀬嬢の技術を中心に、俺の技術とこの世界の技術を融合して完成したんだ」
「はぁー。凄いな」
と、当麻が感心していると
「みんなが扱うことになる6機は、六課の前線メンバーとメカニックスタッフが技術と経験の粋を集めて完成させた最新型。部隊の目的に合わせて、そして、エリオやキャロ、武さんに冥夜さん、スバルにティア、当麻さん。個性に合わせて造られた文句なしの最高の機体です」
リインが新デバイスの概要の説明を始めた
リィンは両手を挙げて、デバイスを中央に集めた
まるで、生きていて、尚且つ、喜んでいるかのように
「この子達は、みんなまだ生まれたばかりですが、いろんな人の思いや願いが込められてて、いっぱい時間をかけて完成したです。ただの武器や道具と思わないで大切に、だけど、性能の限界まで思いっきり、全開で使ってあげてほしいんです」
「うん。この子たちもね、きっとそれを望んでるから」
リィンの演説が終わると、デバイスは各々の手に飛んでいった
「それと、皆さんのデバイスにはリミッターが掛かっています」
「「「「「「リミッター?」」」」」」
全員はリィンの言葉に首をかしげた
「うん、みんなが今のデバイスを使いこなせるようになったら、順次解除していくから」
「うむ、特に武と冥夜、それに当麻は魔法に慣れてないからな。なおさらだ」
なのはと冬也が補足した
「そういえば、なのはさん達のデバイスもリミッターが掛かってるんですよね?」
スバルは、思い出したように聞いてきた
「うん。私達はデバイスだけじゃなくって、本人もだけどね」
と、なのはは補足説明した
すると、冬也が納得した表情でうなずき
「なるほど、なのは達から感じた違和感はそれが理由か」
「え? 冬也さんは気付いてたんですか?」
ティアナは、冬也の言動に驚いていた
「ああ、なのは達から感じる魔力は膨大なのに出力が低かったからな。おかしいと思っていた」
と、冬也は腕組みしながら語った
「リミッターが掛かってると、動きが鈍くなるとかあるんですか?」
武は疑問に思ったのか、質問した
「ううん、そういうのは無いかな。けど、そろそろ皆の訓練を1人でやるのは厳しいかな」
と、なのはが武の質問に返答した
その時だった
機動六課の隊舎内に、甲高い警報音が鳴り響いた
これが、機動六課の初任務の合図だった