「うぅ……」
と呻き声を漏らしたのは、ベッドに寝転がりながら頭を抱えているスバルである
傷を直したとは言え、まだ機械部分の微調整等が残っている
故に、まだ入院中だった
提出する書類は、音声入力で作成済み
そんなスバルだが、レンヤに言われたことが気になって頭を抱えていた
スバルは今まで、異性からのストレートな好意の言葉を受けたことがなかった
それも、同年代からは特に
「どうしようぅぅぅ……」
とスバルが、ベッドの上で転がっていると
『スバル、入るわよ』
とティアナの声が聞こえた
次の瞬間、入ってきたティアナは
「……なにやってるの?」
と転がっていたスバルを見て、ティアナは少し呆れていた
「ティア!? あ痛っ!?」
ティアナの声を聞いたスバルは、ベッドに手を突いて体を起こしたのだが、突いた場所が淵だったので、手が滑ってベッドから落ちた
しかも頭を打ったらしく、頭を抱えて痛みに悶えている
それを見たティアナは、呆れて溜め息しか出なかった
そして、数分後
「まあ、元気そうなら良かったわ」
「うん、ありがとう」
リンゴを剥きながら言ったティアナの言葉に、スバルは頷いた
そして、リンゴを乗せた皿を机に置いて
「で、何があったのよ?」
とティアナは問い掛けた
その質問内容は、先ほどまで身悶えていた理由だ
その問い掛けに、スバルは顔を赤くしながら
「その……レンヤと話をしたんだけどね……」
「うん」
スバルの言葉に、ティアナは頷いた
そしてスバルは、レンヤが戦闘機人だとティアナに教えた
「なるほどね……彼も……」
「うん……私は覚えてないんだけど、ゆりかご事件の時に助けてたんだって……」
「なるほどね……」
スバルの言葉に頷いた後、ティアナはスバルを見つめて
「で、本題は?」
と問い掛けた
長い付き合いなので、スバルが違うことで悩んでいることに気づいたようだ
「……実は……」
少しの間黙っていたが、ティアナが退かないと思ったのか、レンヤが言った言葉を教えた
そして、喋り終わったスバルは、その時のことを思い出して、二度頭を抱えて悶え始めた
一通り聞き終わったティアナは
(スバル……そういえば、ある意味で箱入りか……)
と思い至った
クイントに引き取られたスバルとギンガだが、空港火災までスバルは、あまり外に出るような性格ではなかった
更に言えば、空港火災を経ても、少しの間はコミュニケーション能力が高いとは言えなかった
高くなったのは、訓練校時代にティアナと同室になってからだ
当時、ティアナも自ら話し掛けることはしなかった
当時のティアナは、優秀な成績で卒業すると躍起になっていて、他のことは適当に済ませるつもりだった
しかし、スバルがティアナにしつこく話し掛け続けて、ティアナが折れた形で付き合いが始まったのだ
その経験が、スバルのコミュニケーション能力を高めたと言えるだろう
「うあぁぁぁぁぁ~……」
(まあ、こんなスバルは見たこと無いから、暫く見ていたいけども……)
ティアナはそう思うと、溜め息を吐いてから
「何時ものあんたらしく行ったら?」
と言った
それを聞いたスバルは、視線をティアナに向けた
すると、ティアナは
「聞くけど、彼のことはどう思ってるの?」
と問い掛けた
その問い掛けに、スバルは
「……頼もしいと思ってるよ……レンヤなら、背中を預けられるし……」
と言った
それを聞いたティアナは、コクりと頷き
「嫌いじゃないなら、いいんじゃないかしら? 彼は、スバルの隣に立ちたい……つまりは、パートナーになりたいって言ったのよね?」
と言った
それを聞いたスバルは、顔を真っ赤にして
「そ、そうだけど……」
と尻すぼみに言った
すると、ティアナは
「だったら、付き合っちゃいなさい」
と言った
その言葉に、スバルは顔を真っ赤にしたまま固まった
それ幸いにと、ティアナは
「嫌いじゃなく、頼もしく思ってる。更に言えば、背中を預けられるとすら思ってる……だったら、後は度胸よ」
と言った
それを聞いたスバルは、暫くしてから
「ティア……やたら実感込もってない?」
と首を傾げた
すると、ティアナは
「まあ、それなりに」
と僅かに、視線を外した
因みに、ティアナとスバルは一歳差
ティアナのほうが歳上である
「で、どうするの?」
ティアナがそう問い掛けると、スバルは少ししてから
「……いってきます」
と病室から出ていった
それを見送り、ティアナは
「ちょっと、強引だったかしら?」
と首を傾げた
そこに、マッハキャリバーが
《いえ、相棒はあれ位が丁度いいかと》
と言った
この数分後、ある病室で雄叫びが上がり、それに驚いた看護師がその病室に突入
雄叫びを上げた病室の主を叱るという珍事件が起きる