魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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合宿の準備

試験日から、数日後。

 

「という訳で!」

 

「三人揃って!」

 

「優等生です!」

 

初等部三人の試験結果が返されて、三人は見事にA評価を貰っていた。

 

「お見事!」

 

「これで、心置きなく行けるね!」

 

三人の報告に、なのはとフェイトは嬉しそうにそう言った。そして、フェイトが

 

「それじゃあ、リオちゃんとコロナちゃんは、一緒に家に行って、ご家族に話さないとね」

 

と言って、二人と一緒に居間から出た。

それを見送ったなのはは、ヴィヴィオに

 

「ヴィヴィオ、今の内に荷物を纏めてね」

 

「あ、そうだね!」

 

なのはの言葉に、ヴィヴィオはクリスと一緒に部屋に向かっていった。それを見送ったなのはは、視線を僅かに上に向けて

 

「ノーヴェは、説得出来たかな……」

 

と呟いた。

時は少し遡り、ナカジマ家。

 

「ズルいッスー! 私も行きたかったッスよー!!」

 

「だー! やかましい!!」

 

駄々を捏ねながら腰に抱き付いたウェンディを、ノーヴェは引き剥がそうと全力を出していた。

 

「ノーヴェとディエチが行くなら、アタシも行きたかったッスよー!!」

 

「アタシらだけじゃなく、ウェンディまで休んだら当麻の旦那の店が回らなくなるだろうが!」

 

駄々を捏ねるウェンディを引き剥がすと、ノーヴェはソファから立ち上がった。そこに、ディエチが

 

「私は剣士朗君を連れてくるけど、ノーヴェ。あの子への説明と説得はしたの?」

 

と問い掛けた。

それに対して、ノーヴェは

 

「これからだな。まあ、大丈夫だろ」

 

と自信ありげに答えた。

そして、数分後

 

「合宿……ですか?」

 

『おう、どうする?』

 

ノーヴェの通信を聞いていたのは、アインハルトだった。

 

「しかし、私は訓練が……」

 

『だから、その訓練のための合宿なんだって。ヴィヴィオ達だけじゃなく、現役管理局員の訓練も見れるぞ?』

 

「現役の……」

 

ノーヴェの説明に、アインハルトは少し揺れ始めた。

それを感じ取ったのか、ノーヴェは更に

 

『現役の中でも、執務官や教導隊の人。オーバーSランクが何人か来るから、参考になるぞ』

 

「オーバーSの訓練風景……!」

 

ノーヴェの説明に、アインハルトは思わず言葉を漏らした。

 

『んじゃ、30分位したらそっちに迎えに行くから、荷物纏めておけよ!』

 

「あ、あの……!」

 

アインハルトが何か言おうとした矢先に、ノーヴェからの通信は切れた。

 

「……」

 

最初は虚空で手をフラフラさせていたが、アインハルトは

 

「……纏めましょう」

 

と諦め半分、興味半分といった様子で部屋の隅にあったボストンバッグを開いた。

その頃、ディエチは

 

「えっと……聞いた住所は……」

 

と剣士朗の家に向かっていた。

そして、着いた場所は主街区の外れ。そこにあったのは、小屋に見える一軒の小さな家だった。

 

「……ここ、だよね……」

 

とディエチが固まっていると、小屋のドアが開き

 

「ああ、すいません。お待たせしたようで」

 

と剣士朗が出てきた

その右肩には、既にボストンバッグがある。どうやら、丁度荷物を纏めて出てきたようだ。

 

「ううん、大丈夫だけど……一人で住んでるの?」

 

「ええ、まあ……俺が最後の生き残りなので」

 

「最後って……」

 

剣士朗の説明に、ディエチは驚いた。

最後の生き残り。つまりは、剣士朗は一人で生きているということになる。

 

「まあ、俺の一族は怨みを買いすぎていた……ということですよ……さあ、行きましょうか」

 

剣士朗はディエチに説明しながら、カギを掛けた。

その言葉と時間から、ディエチはあまり話す時間が無いことに気づき

 

「そうだね。乗って」

 

と車のドアを開けた。

剣士朗は荷物を後部座席に入れてから、助手席に座った。

その数十分後、高町家

 

「あ、ヴィヴィオ。御客さんが来たみたいだから、出迎えてあげて」

 

「御客さん?」

 

なのはに促されて、ヴィヴィオは玄関に向かった。すると、丁度チャイムが鳴り

 

「おっす、ヴィヴィオ」

 

「やっほ、ヴィヴィオ」

 

とノーヴェとディエチが入ってきて、そのすぐ後に

 

「し、失礼します」

 

「失礼します」

 

とアインハルトと剣士朗が入ってきた。

 

「アインハルトさん! 剣士朗さん!」

 

その二人を見たヴィヴィオは、目を輝かせた。

そこに、冬也が現れて

 

「ヴィヴィオ、中にいれてやれ……すまんな、君達」

 

とヴィヴィオを諫めた。

 

「あ、うん! そうだね。どうぞ、入ってください!」

 

我に帰ったヴィヴィオは、アインハルトと剣士朗を中に入れた。それとすれ違う形で、冬也は外に出たのだが、そのすれ違い樣に冬也と剣士朗の目があった。

そして居間にて

 

「あ、君達がヴィヴィオと新しく友達になったって子達だよね? 初めまして、私は高町なのは。よろしく。あ、お話しいいかな?」

 

となのはが、アインハルトと剣士朗に捲し立てていた。

だが、フェイトが

 

「ほら、なのは。時間が無いんだから、そういうのは後回しにして」

 

となのはの肩に手を置いた。

 

「はぁい」

 

フェイトに諫められて、なのはは退散。そこにユーノが現れて

 

「なのは、なのは達の荷物を積んでも?」

 

となのはに問い掛けた。

 

「あ、うん。お願い」

 

「ん、了解」

 

なのはの言葉を聞いて、ユーノは居間から去り、居間に残ったメンバーは最後の準備を始めたのだった。

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