徐々に戦域が中央に集まっていくなか、ティアナとなのはは支援しつつ隠れながら、ある魔法の準備をしていた。
それは、砲撃の極地。なのはが切り札として開発し、ティアナも受け継いだ集束砲。
『青チーム各員、そのまま中央付近で戦ってください!』
『準備出来次第、ブレイカーで一網打尽にします!』
スターライトブレイカー。
戦域全体に散った魔力を集め、高密度で放つ砲撃の極地。
奇しくも、なのはとティアナは同じ選択に至っていた。
両チームの全員は、そのオーダーを遂行するために徐々に中央に集まってきていた。
「はっ!」
「しっ!」
そのうちの一ヶ所、そこでは裕也と剣士郎が激しく打ち合っていた。
二人の刀がぶつかる度に、激しく火花が散る。
裕也は剣士郎に抜刀術を使わせないために、積極的に打ち込んでいた。勿論だが、一度見た技を簡単に受ける気はない。
(飛天御剣流は抜刀術が基本のようだからな……これならば……)
そう思いながら、裕也は刀を振るった。そして驚いたのは、剣士郎の読みの鋭さだった。
剣士郎はほぼ正確に、裕也の攻撃を見抜いて的確に防御又は弾いていた。
刺突を払い、袈裟懸けに刃を合わせてきた。
裕也は決して、剣速は遅いというわけではなく、寧ろかなり早いと自覚している。しかし剣士郎は、反応しきっている。
(恐ろしい才覚だな)
裕也はそう思いながら、左から右へと薙ぐように刀を振るった。その一撃で、剣士郎は少し後ろへと押し飛ばされた。次の瞬間、剣士郎が一気に駆け出した。
「むっ!?」
「飛天御剣流……」
剣士郎がそう呟いた時、裕也は驚愕で目を見開いた。
何故ならば、自身目掛けて
「まさか!?」
「
そして次の瞬間には、裕也は剣士郎の技を受けて吹き飛び、壁に激突していた。
『裕也!?』
ティアナの心配する声が聞こえてくるが、裕也は
「大丈夫だ、まだ動ける……」
と答えた。
赤チーム
FA 裕也 残LIFE1200
一撃、否、ほぼ同時の九撃で、裕也は一気に半分以下にまでLIFEが減っていた。
「凄まじいな……まさか、一瞬にして九撃を叩き込むか……避ける隙がまったく無かったし、防御も出来なかった……」
そう語った裕也に出来たのは、致命を僅かに避けることだけだった。裕也は攻撃が当たる直前、体を僅かに動かして致命部位に当たるのを避けたのだ。
「だが、まだ動けるからな……第二ラウンドだ!」
裕也はそう言うと、瓦礫の中から出て剣士郎に向かって突撃した。
その光景を見ていた観戦組は
「え、今の何撃だったの?」
セインは剣士郎の攻撃が全部で何撃だったのか、分かっていなかった。だが、メガーヌは
「私の見間違いじゃなければ……全部で9撃よ……9撃を、一瞬にして入れた……」
と説明した。
「9!? マジで!?」
「ええ……多分、それが九頭龍閃……上段唐竹割り、袈裟懸け、逆袈裟、右薙ぎ、左薙ぎ、右切り上げ、左切り上げ、下段逆風、刺突……剣術の基本的な攻撃の九撃を一気に……ほぼ同時に放つのが、九頭龍閃……」
「マジかぁ……」
メガーヌの説明にセインは呆然としているが、メガーヌは剣術としては破格の技を放った剣士郎に驚愕していた。
(口で説明するのは簡単だけど、実践するとなると話は別……アインハルトちゃんだけでなく、彼も……一体、どれ程の苛烈な修練を……)
まだ幼い二人が、高い熟練が必要な技を使ったことに、メガーヌはやるせなさを感じた。
場面は再び変わり
「赤チーム各員、そのまま戦線を維持! もう間もなく、スターライトブレイカーが、発射出来ます!」
『そうすれば、一網打尽に出来ます!』
二人の砲撃魔導師の切り札が、完成されようとしていた。放たれれば、間違いなく決着が着くだろう。
そして、時は来た。
「赤チーム各員に通達!」
『今から、スターライトブレイカーを発射します!』
二人の前には巨大か魔力球が浮いていて、周囲にも魔力球が精製されていた。
「スターライトブレイカー・
『スターライトブレイカー・
『発射!!』
そして、二つのスターライトブレイカーが、中央付近で激突。大爆発を起こした。
それを見ていた、セインは思わず
「これ、なんて最終戦争……?」
と呟いた。すると、メガーヌが
「まあ、ブレイカー同士がぶつかればねぇ」
と苦笑していた。なおメガーヌはアリシアを抱いているのだが、今の大爆発に伴う大音響でも起きる様子すらない。
間違いなく、将来は大物になるだろう。
「さてと……両チームの生き残りは……」
ブレイカーの影響が落ち着くと、メガーヌは生き残りが居るかどうか確認を始めた。
「な、なんとか……生き残った……」
と呟いたのは、瓦礫の中から出てきたティアナだった。
赤チーム
CG ティアナ 残LIFE 110
本当に極僅かで、ティアナは生き残っていた。
ティアナは戦況マップを開くと
「えっと……生き残りは……私の他に二人……」
マップには、未だに戦える状況の人物が表示されている。その中の一つが、素早くティアナの方に移動を始めた。
「この速さ……まさか、スバル!?」
「じゃなくて、ヴィヴィオです!!」
「ウソっ!? なんでほぼ無傷!?」
青チーム
FA ヴィヴィオ 残LIFE 2300
視界に入ったヴィヴィオがほぼ無傷という事態に、ティアナは驚いた。そして、ヴィヴィオが助かった理由だが
「へっへー! どうだ、特救魂!」
「ああー……ちくしょう、負けた」
ティアナのスターライトブレイカーが当たる直前に、スバルが庇ったことで生き残ったのだ。
青チーム
FA スバル 残LIFE 50 100以下のために行動不能
赤チーム
FA ノーヴェ 残LIFE0 撃墜
「というわけで、ティアナさん! 勝負です!!」
「来なくて、いいんだけど!」
突っ込んでくるヴィヴィオに対し、ティアナは迎撃を始めたが、ヴィヴィオは巧みに防ぐか回避してティアナに接近。拳を構えた。だが
「させません! 覇王流、空破断(仮)!」
そこに、アインハルトが現れて、ヴィヴィオを迎撃した。
「アー!」
アインハルトの攻撃を受けたヴィヴィオは、ゴロゴロと地面を転がっていった。
青チーム
FA ヴィヴィオ 残LIFE 1850
「ティアナさんはやらせません」
とアインハルトは言ったのだが
「ごめーん、アインハルト……実は、既にヤられてたり……」
「ええっ!?」
赤チーム
CG ティアナ 残LIFE0 撃墜
実は先ほど、アインハルトが迎撃に動いた時、ヴィヴィオは単発の誘導弾をティアナに発射しており、それが直撃していたのでティアナは撃墜されたのだ。
そしてこれにより、アインハルトとヴィヴィオの一騎打ちとなったのだ。