DSAAリーグマッチ。簡単に言えば、全次元世界で行われる格闘大会である。格闘世界と地域で予選が行われ、それを勝ち抜けた選手がミッドチルダ都市本戦に出場し、優勝を目指すのだ。
これに優勝すれば、間違いなく10代最強ということになる。
そして今年、ヴィヴィオ、リオ、コロナの三人は出場条件をクリアしたので、参加することを決意。更に、アインハルト、剣士郎も参加することとなり、ノーヴェを代表としたチームナカジマとして参加することを決めた。
「チーム名に関しちゃ、よく考えろって言ったんだがなぁ」
「ふふ、ノーヴェが教えてるんだがら、いいんじゃない?」
ナカジマ家居間にて、ノーヴェがパソコンを使ってトレーニングメニューやらを決めていると、お茶を淹れたディエチがノーヴェの近くにお茶を置いた。
「そうは言うけどよぉ……気恥ずかしいんだよなぁ」
「まあまあ。それで、メニューは決まった?」
ディエチが問い掛けると、ノーヴェは幾つかのウインドウを開いて
「まあ、なんとかな……あいつらは、まだ幼い……幼い内に無理をさせたら、確実に体を壊しちまう……見極めが大事だ」
と目元を揉んだ。それを聞いたディエチは、微笑んで
「そうだね……確かに、それは大事だよ」
と、ノーヴェの頭を撫でた。そして、頷きながら
「それじゃあ、私も色々と手伝おうかな。お菓子の差し入れとかね」
と言った。その直後、ウェンディが現れて
「あたしも手伝うっす!」
と手を上げた。だが
「ウェンディはいい、邪魔」
「なんでっすかー!?」
「はいはい、ノーヴェもそう言わないの」
一気に騒がしくなった二人を見ながら、ディエチは微笑んだ。その頃、ミッド郊外の南西部海岸線
「む、少し早く来過ぎたか」
「遅くなるより、いいんじゃないかしら?」
たまたま休暇だったギンガ運転の車で、チンクとアインハルトは八神家に来ていた。その理由は、アインハルトのデバイスが出来たから、取りに来てほしいということだった。
「む、あそこに有るのは……移動式のドーナツ屋か」
「あら、いいわね。買いましょうか」
そんな中、チンクがトラックを改造したドーナツ屋を見つけて、ギンガも甘いのが好きなので買うことにしたが、それを尻目にアインハルトは砂浜に近づいた。
そこには、一人の少女が居た。全体的に小柄で、年齢はヴィヴィオと同い年だろうか。中性的な見た目なので、下手したら少年に間違われるかもしれないが、アインハルトはその骨格から少女だと分かった。
その少女は、砂浜に立てられているターゲットに拳を突き込んでいる。
(あのスタイルは……我流でしょうか? 近代格闘をベースにしてはいるようですが)
アインハルトがそう思っていると、その少女はターゲットから少し距離を取った。
(あの距離……遠距離攻撃でしょうか?)
とアインハルトが疑問に思った、その直後、一瞬にしてその少女はターゲットと間合いを詰めて、蹴りでターゲットを破壊した。
その威力に、アインハルトはゾッとした。
「あああぁぁぁぁ!? やっちゃったぁ!? 折角ヴィータ師匠とザフィーラ師匠が建ててくれたのに!?」
その少女、ミウラ・リナルディは自分が壊したターゲットを拾うと
「うぅ……上手くいかないなぁ……」
と悩み始めた。そこに、ドーナツが大量に入った袋を片手にギンガとチンクが現れて
「どうしたの、アインハルトちゃん」
「む、ミウラではないか。声を掛けるか?」
とアインハルトに問い掛けてきた。しかしアインハルトは
「いえ、やめておきます。どうやら、鍛練中のようですから」
と首を振った。そしてアインハルトは、ギンガとチンクの先導で、八神家に入った。
これが、アインハルトの相棒となるデバイスとの出会いとなる。