「おー! この子が、アインハルトさんのデバイスですか!」
「可愛い!」
「はい、アスティオンと言います」
数日後、集まった一同はアインハルトのデバイス。アスティオンに熱中していた。雪豹型だが、見た目からは猫にしか見えないのだから、仕方ないだろうが。
「おーい! 大会から、予選の日程が来たぞ!」
「え、本当!?」
「うん、これだよ」
ヴィヴィオの問い掛けに、ノーヴェと一緒に来ていたディエチが大会委員会と書かれた封筒を開き、中から便箋を取り出した。
「予選は、今から約二週間後だね」
「それを踏まえて、今のお前達が行けるところだが……初等科三人は、いけて地区戦だ……」
「うぅ……」
「アインハルトと剣士郎は、地区戦本選ってところだ」
ノーヴェのその言葉に、アインハルトと剣士郎は目を細めた。ノーヴェは今まで何回もDSAAを見てきたために、大会出場選手の平均的実力を知っている。それと比較して、嘘偽りなく告げたのだ。
「だから、これから弱点を克服する練習をする……まず、お前ら。これを着けろ」
ノーヴェがそう言って差し出した箱には、リストバンドが入っていた。
「何処に着けてもいいの?」
「ああ。利き手じゃなくてもいいぞ」
ヴィヴィオの問い掛けに、ノーヴェがそう答えると、一同はそのリストバンドをそれぞれ手首に装着した。最初は不思議そうに首を傾げていたが、着けてから数秒後、一気にズシリと来た。
「な、なにこれ!?」
「お、重い……っ!?」
「これは……なるほど、魔力負荷ですかっ」
「お、剣士郎。大当り」
剣士郎の呟きを聞いて、ノーヴェは指を鳴らした。
「そのリストバンドはな、マリエルさんが開発してくれた特別製でな。かなりの魔力負荷が掛かるようになっている。お前らは、まだ子供だからな……筋力的負荷は、体を壊す可能性が高すぎる。せめて、第二次成長期を越えるまでは、筋力的負荷はなるべく避ける方針で行く」
ノーヴェがそこまで説明すると、どうやら慣れてきたのか、一同は立ち上がり始めた。それを確認してから
「んでだ、特別講師を用意した」
「リオお嬢様の特訓相手をすることになりました、ディードです」
「同じく、コロナお嬢様の特訓相手となりました、オットーです」
それまで少し離れた位置に居たオットーとディードの双子が、近寄ってきて挨拶してきた。
「でアインハルトなんだが、今日は相手の都合が悪くてな……だから、剣士郎と特訓してくれ。剣士郎もだ」
「分かりました」
「心得ました」
二人が頷いたのを確認すると、ノーヴェは
「そんじゃあ、特訓開始だ!」
と宣言した。なお、ヴィヴィオの相手はノーヴェだ。そしてアインハルトと剣士郎の特訓には、ディエチが監視役として就くことになった。
「コロナお嬢様には、ゴーレム創主としての欠点……創造潰し対策を学んで頂きます」
「お願いします!」
「リオお嬢様の春光拳は、武器も使うと聞きます。では逆に、武器への対処を身に付けて頂きます」
「わっかりました!」
双子はそれぞれ、コロナとリオの二人と訓練を開始。そして、剣士郎とアインハルトはディエチ監視の下で訓練を開始することにした。
「アインハルトは、刃物相手に慣れるため。剣士郎は、拳相手に慣れるための訓練だよ」
「分かりました」
「承知しました」
「ヴィヴィオは、あたしとスパーリングだ。お前の利点の目を徹底的に鍛えるぞ!」
「オス!!」
ノーヴェの言葉に、ヴィヴィオは気合いの声を挙げながら構えた。こうして、チームナカジマの訓練は始まった。