魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

173 / 243
ミカヤの力量

ヴィヴィオ達の選考会の、翌日。

 

「そうか。チームナカジマの皆は、スーパーノービス入りしたんだ」

 

と嬉しそうに語るのは、竹刀袋を肩から担ぐように持ったミカヤで、その背後にはディードとオットーの姿もある。

 

「はい。スパーの相手、ありがとうございました。という伝言を、ノーヴェ姉様から預かっています」

 

「いやいや、こちらも丁度いい練習になったからね……それに、まさかあの飛天御剣流の使い手と剣を交わすことが出きるとは、思ってなかったからね」

 

ディードの言葉に、ミカヤは微笑みながらそう答える。

 

(飛天御剣流ってことは……)

 

(剣士郎君ですね……)

 

「開祖が天童流を開く切っ掛けになったのは、緒王戦乱期に飛天御剣流の使い手を見たかららしい……それがまさか、本家を差し置いて、私が見るとは……」

 

ミカヤは感慨深い様子で、溜め息を吐いた。すると、オットーが

 

「しかし、なぜこのような所に?」

 

とミカヤに問い掛けた。今三人が居るのは、廃車場だった。そこで何をするのかが、オットーとディードには分からなかった。

 

「ん? 今朝、晴嵐の研ぎが終わって戻ってきたからね。試し切りをしようと思ってね」

 

ミカヤが言い終わったタイミングで、開けた場所に出たのだが、三人の前に現れたのは、宙吊りにされた二階建て式の大型バス。

 

「まさか、このバスを斬るんですか!?」

 

「そうだよ。廃車斬りは、天童流の項目の一つなんだけど……流石に、私もこのサイズは初めてで、少し緊張するね」

 

ミカヤが笑みを浮かべると、そこに男性が現れて

 

「おう、ミカヤちゃん。早速始めるかい?」

 

と問い掛けてきた。

 

「あ、はい。よろしくお願いします」

 

ミカヤが頭を下げながら言うと、男性はもう一人に合図して、二台のクレーン車に乗り込んで、アームでバスの前後のワイヤーを挟んで上げていく。

 

「ま、まさか……」

 

「あのバスを、投げるんですか!?」

 

「んー……投げるというより、放ってもらうってところかな? こう、振り子みたいに」

 

オットーとディードが驚きながら問い掛けると、ミカヤは飄々としながら説明した。どちらにせよ、かなり危険なのは変わらない。なにせ、10t近い車両が来るのだから。

 

「危ないから、二人は離れていて」

 

「は、はい」

 

「わかりました」

 

オットーとディードは、ミカヤに言われた通りに、約10m程離れた。その間にミカヤは、刀を構えた。すると、先ほどの男性が

 

『準備が良いなら、言ってくれ!』

 

と言ってきた。

それを聞いたミカヤは、腰を落とし

 

「何時でもどうぞ」

 

と促した。その直後、バスが振り子のようにミカヤに迫る。オットーとディードがドキドキしながら見守っていると

 

「天童流抜刀術……」

 

ミカヤは鯉口を切った。次の瞬間、ミカヤの腕が霞むように動き

 

「天月・霞」

 

バスは、四等分に斬られた。

 

『おー! 上手くいったな、ミカヤちゃん! んじゃ、この残骸は廃棄するな!』

 

「はい! ありがとうございました!」

 

ミカヤが頭を下げると、オットーとディードは駆け寄り

 

「ミカヤさん!」

 

「お体は、大丈夫ですか!?」

 

と問い掛けた。

 

「ん? まあ、少し手が痺れたかな? 位だね」

 

ミカヤはそう言いながら、刀を竹刀袋に入れていく。

 

(ディード。今の出きる?)

 

(光剣ならまだしも、実剣では……)

 

ディードはオットーに答えながら、ミカヤに視線を向けて

 

「凄いですね……魔力を殆んど使っていないのに……」

 

と呟いた。

 

「まあ、それが技術ってやつだね……それに、この刀だからっていうのもある。居合刀は、薄く、重い。だからこそ、切断力が上がる……さて、DSAAに出場出きる機会はあと二回……全力で行かないとね……」

 

ミカヤはそう言いながら、空を見上げた。

 

(確か、ミカヤさんの最初の相手は……)

 

(八神司令の所のミウラという子ですね……)

 

そうして、試合は近付く

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。