ミウラ対ミカヤ。試合が始まった瞬間、ミウラはミカヤに突撃した。
「待て待て待てー!?」
「ミウラ、戻れ!!」
それを見たヴィータとザフィーラは、ミウラに戻るように指示した。だが一度着いた勢いというのは簡単には止まらない。
リングに足跡が残る程の力で踏み込み、ミウラは正に飛ぶ鳥の勢いでミカヤに近づいた。これが並の選手だったら、その勢いに驚いて一撃貰っていただろう。
しかし、ミウラと戦っているミカヤは大会常連選手の一人にして、トップファイターの一人。
ミカヤは素早く腰を落としながら刀の柄を掴み、素早く抜刀。
渾身の一撃が、ミウラに直撃。ミウラは大きく飛ばされ、リングギリギリに落ちた。
この時、殆どが決まったと思った。ミカヤの一撃の重さは何度も知られており、何度となく相手を一撃で仕留めてきていた。
だが
「ま、まだ……行けます!」
なんと、ミウラは立った。
ミウラ・リナルディ
残LIFE 560
しかし、残りライフは極僅か。一撃でも受ければ、敗北は筆紙で、勝つなどほぼ不可能に思えた。
だがここで、ミウラは勝負に出た。
「行くよ、スターセイバー!」
《はい、主!》
「抜剣!!」
ミウラの掛け声の直後にすね当てが開き、そこに膨大な魔力が集まっていく。その魔力に当てられて、空気が震えた。
(抜剣だと!? なんだ、この魔力の昂りは!? まさか、収束魔法をあんな極一部に集めるなんて!?)
ミカヤは、抜剣の秘密に気付いた。それは即ち、
本来は砲撃に用いる魔法で、砲撃で使った場合は相手が張った障壁魔法すら容易く貫通することが可能となる強力な魔法だ。
だがそれを、すね当てという極一部に集めて使う。そうなると、その威力は予想すら着かない。
まさに、強力無比という表現しか浮かばない。
だがミカヤは、獰猛な笑みを浮かべ
「まったく……これだから
と気炎を吐きながら、構えた。
そして、二人は再び激突した。ミウラの収束魔法を乗せた蹴りとミカヤの斬激がぶつかり、離れた。
ミウラ・リナルディ
残LIFE 350
攻撃同士がぶつかった衝撃で、ミウラのライフは更に減った。もはや、上手く防御しても当たり方によっては一撃で決まる。
だが
(なんて一撃だ!? 腕が痺れた!)
ミカヤは余りの一撃で、腕が痺れ更には愛刀の晴嵐の刃まで零れた程だった。それだけで、ミウラの一撃の重さが伺いしれた。
直撃を受けたら、防御力が低いミカヤは致命傷に繋がるだろう。
「まだ!」
ミウラは直ぐに体勢を素早く整えると、一気に突撃した。
「晴嵐、斬り伏せろ!!」
《了!》
ミカヤはそんなミウラを倒すために、晴嵐を抜刀した。ぶつかる刃と蹴り。空中に激しく散る火花。
状況的には、未だにミカヤに分があった。
だが
「ぐうっ!?」
晴嵐が折れて、ミカヤに直撃した。
ミカヤ・シェベル
残LIFE 1150
たった一撃で、ミカヤのライフは半分以下に削られた。しかし、ミカヤは諦めずに
「あああぁぁぁぁぁ!!」
雄叫びを挙げながら、予備の刀を逆手持ちで抜刀。ミウラに振るった。しかしその一撃を、ミウラは僅かに後退して回避し
「
必殺の一撃を、ミカヤに叩き込んだ。
その一撃を受けて、ミカヤはリングから吹き飛ばされて壁に激突。
ミカヤ・シェベル
残LIFE 0
今ここに、ルーキーがトップファイターを下した。