「イクス、起きたんだ」
「正確には、魔法の人形に意識を移して、のようだが」
ヴィヴィオからのメッセージを見て、フェイトと冬也が会話していた。スバルが助け、ヴィヴィオと友達になった古代ベルカの冥府の炎王。ある本には、邪知暴虐の王と書かれていたが、実際は心優しい少女だった。
「早く、本当に目覚めるといいね」
「ああ」
フェイトはアリシアを寝かせ、冬也はアリシアの寝ているベッド周りに防音結界を展開した。
「冬也さんも、大分慣れてきたね」
「慣れないとな」
フェイトが言ったのは、生活に使える魔法だ。結婚した頃はそれほど無かったが、今やかなり使えるようになってきている。やはり、変わってきているのだろう。
それはさておき、冬也とフェイトはヴィヴィオから送られてくる写真を見て
「ヴィヴィオ、最近で一番の笑顔だね」
「ああ……色々と解決したのも、大きいだろうな」
と嬉しそうに会話した。
ほぼ同時刻、隣の高町家。
「ヴィヴィオ、本当に嬉しそうだね」
「そうだね。ずっと寝ていた友達が起きたからね」
たまたま休みが重なったなのはとユーノが、ヴィヴィオから送られていた写真を見ていた。一番新しい写真を見るに、どうやらプールに行ったようだ。
イクスも着ているのは、恐らく人形用のを加工したのかもしれない。セインは結構手先が器用なので、セインが用意したのだろう。
「あ、よく見たらノーヴェが居る」
「本当だ。まあ、護衛役かな」
写真を見ていた二人は、端にだがノーヴェが居るのを見つけた。恐らくは、セインやシャンテから頼まれたのかもしれない。
するとなのはが、何やら意気込み
「ねえ、ユーノくん……ちょっと、大事なお話が有るの。聞いてくれる?」
とユーノの前の椅子に座った。
「え、う、うん……どうしたの、なのは?」
少し驚いた様子のユーノが問い掛けると、なのはは服のポケットから何やら取り出して
「見て、これ……」
とユーノに見えるように、両手で持って見せた。それは、何やら細長い道具だった。それを初めて見たユーノは、分からないといった様子で
「これは……?」
となのはに視線を向けた。するとなのはは、少し恥ずかしそうにしながら
「これはね、ユーノくん……妊娠検査キットって言ってね……妊娠してるかどうかが、分かる道具なの……それでね、ここに線が出てるよね?」
なのはが指差した場所には、確かに線が表示されている。
「……もしかして……」
そこまで言われて、ようやくユーノも気づいた。
つまりは、なのはが新しい命を宿したという事だ。
「うん……ヴィヴィオに、もう1つ嬉しい話が出来るね……新しい家族が増えるよって」
「なのは!!」
なのはの言葉を聞いて、ユーノは嬉しそうになのはを抱き締めた。なのはも、ユーノを抱き締めて
「やったね、ユーノくん……!」
「ありがとう……なのは!」
その後二人は、ユーノが運転する車で近くの病院に向かって、検査してもらい、確かに妊娠しているのを確認した。
その夜、なのはとユーノはヴィヴィオに新しい家族が出来ることを告げて、ヴィヴィオは歓声を挙げたのだった。