魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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完全にユミナの家族に関しては、オリジナルです


アンクレイブ家

訓練が終わった後、ユミナの案内でユミナの実家に向かっていた。

ユミナの実家は、ミッドの北区画にあり、整体治療院を経営していた。

 

「なるほど……アンクレイブが整体に興味があったのは、実家の整体治療院が理由か」

 

「あはは……地域密着型だから、そこまで有名店って訳じゃないかな」

 

ユミナは少し恥ずかしそうにしながら、お店の裏手に回る。どうやら、そちらが家としての入り口らしい。

 

「ただいまー! 緋村くん、連れてきたよー!」

 

とユミナが言うと、階段を下りる音がして

 

「お帰り、ユミナ……そちらが家が火事になったっていう?」

 

一人の男性が現れてユミナを出迎え、剣士郎を見た。

 

「そうだよ、お父さん。緋村くん、紹介するね。私のお父さんのカミト・アンクレイブ」

 

「はじめまして。カミト・アンクレイブだ」

 

眼鏡を掛けた肩辺りで切り揃えられた灰色の髪に、優しそうな雰囲気の男性。カミトは名乗りながら、剣士郎に右手を差し伸べた。

 

「はじめまして、緋村剣士郎です。今日は急にすいません」

 

「いやいや。困ってる子供が居るなら、それを助けるのが大人の役割だと思っているからね。頼ってくれ」

 

二人は握手しながら、そんな会話をしていた。

すると、いつの間にか着替えたユミナが階段から降りてきて

 

「お父さん、お店の状況は?」

 

「ん? 今一人終わって、後三人。症状はそれぞれ、肩こり、腰痛、背筋の痛み」

 

と話し始めた。どうやら、まだお客が待っているらしい。

 

「ん、分かった。私が腰痛の人の施術をやるね」

 

「頼んだ。私は水分補給したら、肩こりの人をやろう」

 

二人がそれぞれカルテを見て話し合いを終えると、剣士郎は

 

「すいません、どうやら忙しい時に来てしまったようで……なんでしたら、少し時間を潰してきましょうか?」

 

と問い掛けた。

しかし、二人が

 

「いやいや、その必要は無いよ」

 

「この奥が居間になってるから、そこで待ってて」

 

と外に出ようとした剣士郎を押し留め、奥の部屋に居るように告げた。そこまで言われたら、流石に剣士郎も奥の居間に向かった。

するとそこには、パジャマを着た一人の女性が居た。

その顔立ちはユミナによく似ており、紺色の長い髪が特徴で、少し病弱な印象の女性だった。

 

「あら、何方かしら?」

 

「あ、これはすいません。自分は、緋村剣士郎と言います。今日はユミナさんのご厚意で、泊めてもらう事になりまして」

 

剣士郎がそこまで言うと、女性は手をポンと叩き

 

「ああ、貴方がユミナが言ってた強い剣士の男の子ね? 私は、ユミナの母。アイナ・アンクレイブと言います。よろしくね」

 

女性、ユミナは軽く自己紹介してから、剣士郎と軽く握手した。それで剣士郎は、やはりアイナが体が弱いと察した。

手に余り力が入っておらず、少しばかり体温も低いように感じた。

 

「話しは聞いてますよ。家が落雷で火事になったって。しばらくは、自分の家と思っていいからね」

 

「ありがとうございます」

 

アイナは笑みを浮かべながら、ココアを二つ入れて、一つを剣士郎に差し出した。

 

「はい、どうぞ」

 

「これは、ありがとうございます」

 

アイナは自分のカップからゆっくりとココアを飲み始め、剣士郎はあまりない経験したことない光景に、少し固まっていた。

すると

 

「どうしたの?」

 

とアイナが首を傾げた。

 

「ああ、いえ……お気になさらず」

 

剣士郎はそう言って、ココアをゆっくり飲んだ。

そして、約一時間程した時

 

「ごめんね、緋村くん。待たせて……あ、お母さん。体、大丈夫?」

 

とユミナが現れて、最初に剣士郎に謝罪した後、次にアイナに歩み寄った。

 

「えぇ、今日は調子が良いのよ」

 

やはり、アイナは体が弱いらしい。ユミナはアイナの体を触りながら、何ヵ所かツボを突いた。

 

「ありがとう、ユミナ。体が温かくなってきたわ」

 

「良かった」

 

アイナがカップをシンクに置くと、ユミナが

 

「お母さんは寝てていいよ。私が洗うから」

 

「ありがとうね」

 

見ればシンクには、カップの他に食器が貯まっている。恐らくは、父親のだろう。

ユミナは、食器を洗いながら

 

「……お母さんはね、私を産んだ後に病気になっちゃってね……それまでは管理局で事務員をしてたんだけど、働けなくなって退職して……お父さんも管理局で医務管やってたけど、お母さんの為に退職して整体治療院を開いたの……」

 

「そうなのか……それで、アンクレイブは……魔導整体の資格を……」

 

魔導整体の資格を取れば、普通の整体より治療効率が高くなり、リピーターに繋がる機会が増えるし、何より整体協会から支払われる支援金が増えるのだ。

 

「まあ、有名店になればっていうのもあるけどね。何より、チームとかの御用達になれば、一流選手とかが来てくれるようになるしね!」

 

「確かに……そういえば、ノーヴェさんはジムを開くって言ってたな……」

 

実はノーヴェは、今不動産屋を巡り、ジムを開く準備をしている。その理由は、やはりヴィヴィオ達の練習場の確保が大きい。今は公園や市民体育館を使っているが、雨天時やその市民体育館が閉館している場合は練習が出来なくなってしまうからだ。

そして何より、実はミウラがチームナカジマに合流するという話になっているそうだ。

何故ミウラがというのは、まずミウラが所属している八神道場は主に小さい子供向けの場であり、ミウラのような競技選手に向いた場ではないから。

そして何より、八神家は一人(当麻)を除いて全員が現役の管理局員であり、しかも何らかの役職に就いた者ばかりで、管理局での仕事が忙しく、実は八神道場は不定期にやっていたのだ。

それでは練習の効率が悪いと考えたはやてが、ノーヴェにミウラを受け入れてほしいと打診したのだ。

 

「さてと、ご飯どうしようかな」

 

洗い物が終わったユミナは、冷蔵庫を開けながら呟いた。どうやら、ユミナが作るつもりらしい。すると、同じく冷蔵庫の中を見た剣士郎が

 

「……少し任せてもらっていいか?」

 

とユミナに提案した。

 

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