魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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アンクレイブ家4

葵屋から離れた剣士郎は、一路自身の作業部屋に向かった。すると既に、燃えた家の残骸が撤去され、素材が運ばれ始めていた。

 

「早いなあ……紫乃さん……」

 

予想外の早さに驚きながらも、剣士郎は作業部屋に入って新しく注文された物の制作に入った。

粘土を捏ねて、形を造りだし、乾燥棚に乗せていく。

文章にすると非常に少ないが、何れも高い集中力が必要だ。だから、剣士郎が気付いた時は、夕焼け空が見えていた。

 

「しまった、急がないと」

 

剣士郎は最後に出来た皿を乾燥棚に乗せて、汗を流す為にシャワールームに入った。汗と汚れを簡単に流した後、着替えてから急いで作業部屋を出た。

 

「念のために、買い物するか」

 

朝食を作った時の記憶から、剣士郎は本当に念のために買い物する事にした。

スーパーにより、品定めしながらヒョイヒョイと籠に入れていき、会計を済ませる剣士郎。

そしてアンクレイブ家に到着すると、ユミナが外に出てきた時だった。

 

「あ、お帰り。緋村くん!」

 

「ただいま……」

 

半ば反射的にだが、剣士郎はその言葉を口にしていた。そして、ユミナは外に出ていた看板を回収し、剣士郎は裏の玄関から中に入った。

そして、手を洗ってから

 

「帰宅中に買い物したので、すぐに作りますね」

 

と言って、キッチンに立った。

そこに、ユミナが来て

 

「ごめんね、買い物までしてくれて!」

 

と剣士郎に謝罪してきた。

 

「いや、買う暇無いだろうなって考えてね。大丈夫だ」

 

「それもだけど、お金! 緋村くん、家の建て直しがあるのに……!」

 

どうやらユミナは、剣士郎の今後の事を心配してくれているらしい。

 

「それなら大丈夫だ。紫乃さんが、既に手配とお金を出してくれてな。もう作業が始まってた……」

 

「もう!?」

 

まさか帰ってきて2日で作業が始まるなんて、ユミナも予想していなかったようだ。まあ、剣士郎も予想していなかったのだが。

 

「だから、家の事は大丈夫だ」

 

剣士郎はそう言って、調理を始めた。

そして、約一時間後

 

「今日はトンカツです」

 

と四人分のトンカツが出来上がった。

揚げられた厚いトンカツに、多めのキャベツがお皿に盛られている。

料理としたら、非常にシンプルな見た目だろう。しかし、それにも技が駆使されている。

 

「うわ……こんなに厚いのに、しっかり火が通ってる……」

 

「あら、美味しそうね」

 

ユミナは厚さに驚き、アイナは笑みを浮かべている。

 

「こちらは、お好みで使ってください」

 

剣士郎はそう言って、真ん中に三つ皿を置いた。

 

「右から、トンカツソース、ポン酢タレ、岩塩になります」

 

剣士郎の細かな気遣いだった。

 

『いただきます』

 

そして、剣士郎のアンクレイブ家による二日目の夕食は始まる。

 

「うわ……こんなに厚いのに、凄い柔らかい……美味しい……」

 

「確かに……簡単に歯で噛みきれる……」

 

ユミナの言葉に、カミトは同意している。

トンカツの厚さは、2cm程になる。それ程の厚さなのに、簡単に噛みきれるというのは、ユミナやカミト達からしたら驚きだったようだ。

 

「この三種も甲乙付けがたい……」

 

「うん。トンカツソースはシンプルに美味しいけど、ポン酢タレはさっぱりするし、岩塩はトンカツの素材の美味しさが際立つ……」

 

「かけるのを替えるだけで、こんなに味が変わるのねぇ」

 

ユミナ達は、剣士郎が出したトンカツソース、ポン酢タレ、岩塩で悩んでいるらしい。

やはり、味の好みとなると簡単には決められないようだ。

そうこうしている間に食べ終わり、今日もユミナが洗い物を始めた。

そして、剣士郎はまたカミトに促されて入浴し

 

「それじゃあ、施術するよ!」

 

「ああ、頼む」

 

ユミナが剣士郎に施術を始めた。

 

「はーい、少し派手にいくよー」

 

「わ、わかった……ぐうっ……」

 

ユミナは剣士郎の背中側に回り、密着すると剣士郎の脇の下から腕を回して、何とも言えない体勢で剣士郎に施術を始めた。

密着しているので、剣士郎の背中にはユミナの柔らかさが伝わるが、剣士郎は一生懸命に考えないようにした。

 

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