魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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襲撃と離脱

「はあっ!」

 

「フハハハハハハ!!」

 

剣士郎は気合いと共に、そして黒傘は笑いながら刀を振るう。戦い始めて数分というところで、二人は一旦離れ

 

「この剣技……二階堂平法か」

 

「流石は抜刀斎……見事な読みよ……!」

 

剣士郎は黒傘の剣技を特定した。

二階堂平法。攻撃が一文字(横薙ぎ)、八文字(払い)、十文字(横薙ぎと唐竹割り)の三種類で構成された剣術で、その三種類を合わせて平と読む事から、平法と呼ばれている。

 

(本来二階堂平法は二刀流の剣技だが……斬撃が速い)

 

二階堂平法は本来二刀流の流派だが、黒傘は斬撃の速度が速い為に刀一本で成り立っていた。しかも、本来なら使わない片手平突きも使ってくる。明らかに、殺し慣れている技。

 

「貴様……ここに来るまでに、何人殺した……?」

 

「うふふふ……さあてね……何人斬ったかなど、一々覚えてなどいないよ……!」

 

剣士郎の問いかけに答えた直後、黒傘は剣士郎に向かって駆け出した。次の瞬間、二人の刀が激突し、甲高い金属音が鳴り響く。

 

(最初は一文字の型、次に八文字……最後に唐竹割りで、上に弾く!)

 

剣士郎は持ち前の読みで黒傘の技を先読みし、三撃目の上段からの振り下ろしを柄尻で弾き上げて、その勢いのまま一撃入れようとした。だが次の瞬間、黒傘は右手に持っていた筈の刀を左手に逆手持ちで持っていて、剣士郎の左肩に突き刺していた。

 

(しまった……!? 背車刀(はいしゃとう)があった……!)

 

背車刀、二階堂平法の中では珍しい突き技だが、これは不意打ちに特化した技で、弾かれるか、斬りかかろうと振りかぶった際、背中で刀を持ち変えて攻撃するという技である。

それ故に技のリーチが短く、相手に懐に入られるというリスクを侵す、ハイリスク・ハイリターンな技だが、上手く決まれば致命傷になる事間違えない技だ。

今回左肩に刺さったのは、剣士郎がギリギリで避けようと努力したからに他ならず、もし避けようとしなかったら、心臓を刺されていた可能性があった。

 

「さあ、行くぞ……抜刀斎!!」

 

黒傘はそう告げると、左腕をダランと下げた剣士郎に向かって刀を振り下ろした。だが次の瞬間、横からの一撃で大きく吹き飛ばされた。

 

「何者!?」

 

「時空管理局強襲制圧部隊隊長、神代冬也二等空佐だ。貴様を殺人未遂の疑いで逮捕、または撃破させてもらう」

 

間一髪で剣士郎を助けたのは、冬也だった。

冬也は剣士郎の前に立つと、黒傘を見ながら

 

「何とか間に合って良かったよ、剣士郎くん。ユミナちゃんから帰ってこないと連絡があってな……こいつは?」

 

「分かりません……いきなり襲撃されたので……」

 

剣士郎は答えながら何とか立ち上がり、冬也に答えた。そして冬也は、ジッと黒傘を睨み

 

「……まさか、貴様が黒傘か? 最近、一流のアスリートばかりを辻斬りしてるという?」

 

と問いかける。

 

「うふふふ……何人斬ったかなど、一々覚えていないなぁっ!!」

 

笑いながら答えた直後、黒傘は突撃した。

黒傘と冬也の刀がぶつかり、膂力の差で冬也は黒傘を思い切り弾き飛ばし

 

「バーストショット!」

 

素早く左手の刀を銃に変形させ、散弾魔法を放った。その魔法を、黒傘は右に大きく弧を描くように走って回避。そして、冬也を狙って突きを繰り出した。

だが冬也は、その技を敢えて素手で掴んだ。

まさか素手で掴むとは予想していなかった黒傘の動きが、僅かに止まる。その隙を突いて、冬也は黒傘を殴ろうとした。しかし、次の瞬間

 

「かあっ!!」

 

と黒傘が気合いの声を上げた。その瞬間、冬也の動きが止まった。

 

「むっ……!? 体が……!!」

 

「うふふふ……まさか、素手で掴むとは思いませんでしたよ……しかし、貴方もこれで最後です!」

 

黒傘は笑みを浮かべながら、引き抜いた刀を冬也の心臓を狙って突き出そうとした。だが

 

「させない!」

 

「はっ!」

 

そこに、ティアナと裕也が到着し、未然に防いだ。

 

「時空管理局執務官のティアナ・ランスターです! 黒傘、20件の殺人罪、ならびに今回の殺人未遂の容疑で逮捕します!!」

 

「大人しく投降しろ!!」

 

投降勧告すると、黒傘は少し考えてから

 

「今日はここまでにしとくか……」

 

と呟き、下がろうとした。勿論だが、ティアナと裕也は追い掛けようとした。だが、黒傘が玉を地面に叩き付け、一帯に煙が充満した、

煙が晴れると、黒傘の姿は無かった。

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