魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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黒傘の名前

「さっきの奴が黒傘ね………」

 

「確かに、剣技は凄まじいものだった……神代隊長、大丈夫ですか?」

 

裕也が問い掛けると

 

「何とかな……しかし、体が動かない……これは」

 

と冬也は、何とか体を動かそうとしているようだが、全く動いてない。

 

「やっぱり、何らかの希少技能(レアスキル)かしら……」

 

「その可能性が高いな……どうすれば……」

 

とティアナ達が考えていると、剣士郎が

 

「気合いです。神代さん……気合いを発してください」

 

と告げた。

 

「剣士郎くん?」

 

「気合いか……ハッ!!」

 

ティアナが不思議そうにした直後、冬也が全身に力を入れながら声を発した。すると、何かが弾けるような音がして、冬也は動けるようになった。

 

「これは……」

 

「二階堂平法・心の一方……奴が使っていた剣技の奥義に当たる技で、簡単に言えば目から直接殺気を流し込み、相手の筋肉を強制的にすくませる技です」

 

「なるほど……ようは金縛りにさせるのか……」

 

剣士郎からの説明を聞いた冬也は、即座に黒傘の使った技の原理に気付いた。

 

「つまり……同格の殺気を放てば効かない……もしくは、同格以上の相手には通用しないな」

 

「流石です……まさか、あの技が使えたなんて」

 

剣士郎は黒傘が消えた方角を、ジッと睨んだ。

すると、ティアナが歩み寄り

 

「まず剣士郎くんは、怪我の治療に行きましょう? 肩の出血も止めないと」

 

と告げた。確かに、まだ剣士郎の肩の傷口からは出血が続いている。簡易的に、剣士郎が持っていたタオルをきつく縛ってはいるが、完全には止血出来ていない。

その後、剣士郎はティアナ達同伴で地上本部に向かって治療を受け、軽く入院する事が決まった。

剣士郎は少々不満そうだが、一日検査入院。

その間、ティアナは剣士郎が告げた情報から、改めて黒傘に関する情報を探して

 

「出てきたわ……本名は鵜堂兵衛(うどうひょうえ)……今から約10年前にある剣術道場を襲撃して、指南書全てを強奪……今回の事件から、その強奪された指南書が、二階堂平法の物と考えられるわ」

 

ティアナは自身の推測交じりでだが、ある程度の情報を裕也と冬也の二人と共有した。

そして新しく、特記事項の欄に心の一方の文を書き連ねる。

 

「問題は、この心の一方ね……まさか、魔法を使わない拘束……金縛りなんて、実在したのね」

 

「一定の実力者になったら、殺気等による束縛といった技術は多々あるが……あれは、その中でも強い方だろうな……」

 

ティアナの説明に、冬也が納得を示した。裕也も無言でだが、頷いている。

二人とも、戦場をくぐり抜けて生きた猛者だ。そういった技術には心当たりが有るらしい。

 

「問題は、黒傘の犯行動機ね……」

 

「……恐らく、奴は血を見るのが好きなんだろうな……剣士の血塗られた一面だ……」

 

ティアナの言葉に、冬也が推測を告げる。自身も魔法剣士な為に、剣士の血に関する闇の面に気付いていたらしい。

 

「……とりあえず、一定ランク以下の局員には交戦は避けるように厳命。市民にも絶対に一人で行動しないように伝えるしかないわね」

 

ティアナは苦い表情を浮かべながら、呟いた。

実際、冬也レベルの戦士でさえ一時的に心の一方で捕まったのだから、仕方ないだろう。

だが3日後、事態は予想外な方向に進んだ。

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