魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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誘拐

鵜堂兵衛による襲撃から、三日後。

 

「ダメ! ヴィヴィオ達と連絡がつかない!」

 

「……クリスやティオからの応答も無し……デバイスジャマーを使われてるかもね……」

 

休日に特訓に向かったヴィヴィオ、アインハルト、ユミナの三人が行方不明になったのだ。妊娠しているなのはは自宅で待機しているが、フェイト、ユーノ、冬也が連絡や三人が居そうな場所を回っていたのだ。

なおユーノが言うデバイスジャマーというのは、主に反管理局側が開発し売っている違法機器で、その名前の通りにデバイスの機能を著しく低下させる機能を有している。

このデバイスジャマーを使われると、連絡や魔法の使用が難しくなり、更にはGPSも使えなくなる。

 

「……ああ、分かった。隊員達を収容し次第、他の隊員は広域散開し、探してくれ……見つけたらすぐに俺に連絡を……決して挑むな」

 

「冬也?」

 

通信が終わったのを確認したフェイトが問い掛けると、冬也が苦い表情を浮かべながら

 

「……念のために配備していた強襲部隊の隊員、8名が全員重傷で見つかった……証言で、黒傘……鵜堂兵衛が犯人と分かった」

 

と告げた。

 

「すまない……流石に予想外だった……20人以上配置しておけば、手出しは控えると思っていたんだが……」

 

「冬也は悪くないよ」

 

「うん。その黒傘って人の思考が予想外過ぎるだけだよ」

 

冬也の謝罪に、ユーノとフェイトは冬也の肩を叩きながらそう言った。

冬也は黒傘の襲撃を予想し、武と冥夜を隊長として精鋭20人以上をヴィヴィオ達の周囲に配置していたのだ。

そうすれば、躊躇すると冬也は考えた。

しかし黒傘は、突入と脱出の際のみ障害だった隊員を排除し、ヴィヴィオ、アインハルト、ユミナの三人を連れ去ったようだ。

 

「……探査魔法にも反応しない可能性が高いな……地域警ら隊……いや、犠牲が出る可能性が高いな」

 

「サーチャーを視界と同調させて探してみるよ」

 

「無理はしないでね」

 

ユーノが言うと同時に、探査魔法の一つ。サーチャーを大量に発動させて、広域に展開させた。

通常サーチャーは、魔力波を出して様々な情報を統合して発動者に情報を送っている。

しかし、ジャマーの影響で上手く情報を送れない可能性が高い。ならばとユーノは、敢えて送る情報を一つだけにした。それが視角情報。

一つに絞る事でジャマーの影響を最小限にしようと、ユーノはしているのだ。

ユーノのデバイス要らずの多重並行処理能力だからこそ、出来る荒業だろう。

ユーノがサーチャーで探している間、冬也とフェイトは様々な部隊と通信をしていた。

その時

 

「見つけた! けど、これは……!」

 

「どうした」

 

「剣士郎君が、黒傘と交戦してる!」

 

既に、鵜堂兵衛と剣士郎が激しく戦っている光景を、ユーノは見つけた。

少し時は遡り、廃墟区画。恐らくは体育館だっただろう広い建物に、鵜堂兵衛とヴィヴィオ達は居た。

 

「貴方が、あの黒傘……?」

 

「クククッ……確かに、そう呼ばれているねぇ」

 

ヴィヴィオの言葉に薄気味悪く答えながら、鵜堂兵衛はタバコを吸っている。三人は手足を縄で縛られ、結界装置の中に入れられており、三人から少し離れた場所にデバイスジャマーで機能停止状態の三人のデバイスが置かれていた。

 

「目的は……緋村君ですか……?」

 

ユミナは初めて事件に巻き込まれたからか、僅かに震えながら問い掛ける。すると鵜堂兵衛は、興奮した様子で

 

「ああ、そうだ! 人斬り抜刀斎の血を継ぎ、技を使う彼! 今の世にあれ程の剣士が居る! 素晴らしい! 命のやり取りが出来る剣士が!」

 

と語り出した。その様子は、明らかに尋常ではなかった。

 

「剣は凶器! 剣術は殺人術! 何が非殺傷設定か! そんなもの、剣術への冒涜に等しい! 血を吸い、肉を斬る事で剣術は飛躍し、発展する!!」

 

それは、鵜堂兵衛の持論なのかもしれない。

だが鵜堂は、確信した様子で語っている。その余りにも狂気的な様子に、三人が固まっていると

 

「そうだな……剣は凶器、剣術は殺人術……それは同意しよう……」

 

と聞き慣れた声が聞こえて、一つのドアが錆からくる鈍い音を立てながらゆっくりと開く。

入ってきたのは、間違いなく剣士郎なのだが、今の剣士郎が纏う雰囲気を三人は知らなかった。

 

「クククッ……来たな、抜刀斎の後継者!!」

 

「貴様がここを指定して連絡してきたんだろ……そんなに殺し合いがしたいなら……望み通りに付き合ってやる……」

 

剣士郎はそう言って、刀を抜いた。

立ち上がった鵜堂はタバコを投げ捨て、刀を抜いた。次の瞬間、二人の姿が消えた。

かと思えば、二人が火花を散らしながら刀を交えている。

 

「クフハハハハハハハ!!」

 

「おおおぉぉぉ!!」

 

鵜堂は狂ったように笑いながら、剣士郎は雄叫びを挙げながら刀を振るう。激しく交わる二人の剣劇の応酬に、三人は見る事しか出来ない。

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