アインハルトの大会連続出場だが、アインハルトの連戦連勝で優勝を総なめだった。
唯一苦戦したのが、以前に戦った事のあるエーデルガルトだったが、軍配はアインハルトに上がった。
その大会で優勝してから、アインハルトは覇王の過去の夢を見なくなったのだ。
そして、僅かに時は流れて
「どう? ルーテシア?」
「フッフッフ……これは、私の中でも最高傑作ですよ、フェイトさん!」
時空管理局の演習場の一つに、フェイト達は居た。
数日後に、時空管理局の大イベントの一つ。戦技披露会が開催される。
今回ルーテシアには、その戦技披露会に使う特設会場の設営を頼んだのだ。
時空管理局の工兵隊も協力したが、中心はルーテシアで設営された会場は、陸戦魔導士でも空戦魔導士と戦えるようにと公安され、少しの魔力があれば足場が形成出来て、限定的にだが立体的軌道が出来るようにされたのだ。
「勿論、空戦魔導士の高機動の障害にはならない」
「うん。流石だね、ルーテシア」
ルーテシアの実演混じりの説明に、フェイトは満足そうに頷いた。
「これなら、ヴィヴィオと全力で戦えそうだよ」
「それは良かったです♪」
フェイトの言葉に、ルーテシアは満面の笑みを浮かべた。そこに、DSAA上位常連達が現れ
「おー……これが、特設会場かあ」
「凄いですね……どういう仕組みなんでしょうか」
と特設会場を見て、驚いたり感心したりしていた。
そこに、フェイトが降りてきて
「ごめんね? 模擬戦に付き合ってもらって」
「いえいえ」
「こちらも、現役の管理局魔導士……それも、噂に聞く金色の閃光と戦えるなんて、滅多に無い経験ですから」
彼女達が特設会場に来たのは、フェイトが彼女達と模擬戦する為に呼んだのだ。
ヴィヴィオとはファイタースタイルは大きく違うが、格闘技選手と戦った事が無いフェイトは少しでも特性が知りたかったから、頼んだのだ。
因みに、ルーテシアの母親のメガーヌも来ており、その両腕には愛娘のアリシアが寝ている。
冬也は関係各所との調整に奔走していて、この場にはまだ居ない。
「それじゃあ……始めようか」
『はい!』
そして十数分後に、特設会場に来た冬也は
「……大丈夫か、お前達?」
と地面に横たわってる選手一同に声を掛けた。
『な、なんとか……』
そう答える一同だが、呼吸荒く横たわっているので、説得力は皆無である。
そして当のフェイトは、まだ元気にバルディッシュを振って調子を確認している。
「調子はどうだ、フェイト?」
「あ、冬也さん。うん、好調かな?」
近付いた冬也が声を掛けると、フェイトは微笑みながら答えた。
「なら良し……ヴィヴィオが来たから、ヴィヴィオと交代だ」
「あ、来たんだ……ヴィヴィオの様子は?」
「見た感じからは、完全に試合モードに入っていたな」
「そっか……うん、分かった」
冬也の言葉に、フェイトは頷いてからバリアジャケットを解除。ようやく起き上がった一同に
「皆、ありがとう。お礼は今度するからね」
と声を掛けて、冬也と一緒に特設会場を出た。
そうして通路でヴィヴィオとすれ違ったが、ヴィヴィオは真剣に前だけを見て、フェイトの横を静かに通り過ぎた。
少し進むと、フェイトは振り向き
「なるほどね……あれは、相当意気込んでる……ふふ……楽しみだね、ヴィヴィオ」
と特設会場に向かうヴィヴィオを見送った。