戦技披露会当日
時空管理局が開設した様々な場所の観戦所は、満員御礼だった。
そんな中
「あーもう! お前達のせいで、遅れたじゃないか!!」
「師範代だって、色々見てたじゃんかぁ!」
「私達だけのせいじゃない!」
リンナ、イェン、シュエの三人が、走って現れた。
よく見れば、イェンとシュエは、両手に様々な食べ物を持っている。
リンナも、肩から下げてるバッグに何やら入っている。
実はこの三人、会場周りにある出店を色々と見て周っていたら、開会式に遅れてしまったのだ。
そこに
「お、無事で良かった」
「あれ、ミカヤちゃん?」
慌てながらも座席位置を確認しようとした三人の下に、ミカヤが現れた。
「予定時間過ぎても居なかったから、探しに行こうと思ってたんだ。まあ、理由は察したけど」
「私達だけのせいじゃないです!」
「師範代も色々見てたです!」
ミカヤが視線を向けると、イェンとシュエは背筋を伸ばしながら反論した。
確かにリンナの肩掛けバッグからも買った物が見えるが、明らかイェンとシュエの二人が買った物の方が多い。
両手の指や間に、串系の食べ物が数本に、両手の肘にビニール袋が幾つかある。
ミカヤからしたら、食べきれるのか不安になる量だが、困るのは二人だから無視する事にして
「それじゃあ案内するから、ついてきてくれ」
ミカヤが先導し、三人は用意されていた観戦所に入った。
そこには様々な試合会場を映しているモニターが幾つも展開しており、そのどれもが高度な模擬戦を繰り広げているのが分かる。
「おー! どの会場も、スゲェ!」
「中には、格闘型と砲撃型の戦闘もやってる!」
激しくやり合う局員達の戦闘に、イェンとシュエの二人は興奮しながら目を輝かせている。
リンナは一つのモニターをジッと見つめて
「あの局員、いい動きしてる……試合してみたい」
と呟いていた。どうやら格闘型の局員を見て、格闘家として戦いたくなったようだ。
「まあ担当は違えども、局員の皆さんは全員命懸けで事件に当たっているからね……あ、冬也さんも居るね」
「あ、なのはちゃんのお父さんの一人って聞いた人?」
「どれですか?」
「あ、この人か……頭一つ抜けてる強さだね」
イェンとシュエは探すが、リンナは即座に見つけた。
冬也は両手に刀を逆手持ちに構えており、相手が放ってきた砲撃を両断。その後、一気に加速し相手に接近を計った。
相手は後退戦闘を開始し、誘導弾を放つ。
しかしそれすら弾き飛ばし、急に背後に刀を向けたと思えば弾幕を形成した。
なんと冬也は、一人で十人近くを相手にしていたのだ。
弾幕に気を取られ、背後の三人が隙を見せた瞬間、冬也はバク宙の要領でその三人の真後ろを取り、一人目を地面に投げて撃破。二人目は一気に肉薄し斬り、三人目は右手の刀を投げて撃破した。
「あの一瞬で、三人を!?」
「強っ!?」
イェンとシュエは驚愕し、リンナは
「なるほど……噂の強襲制圧部隊の隊長ってのは、伊達じゃないね」
と呟いていた。
その後、冬也は僅か3分で十人を全て撃破した。
そうして、戦技披露会は順調に試合を消化していき、いよいよ注目されていた試合。
ヴィヴィオとミウラの試合の時間になった。