修復開始から、約一時間後。
『これより、高町・S・ヴィヴィオ選手対フェイト・T・ハラオウン執務官の試合を始めます!』
司会者の言葉の直後、歓声が響き渡った。
『試合は、前回と同じくDSAA公式ルールとなり、ダメージ管理はこちらのタグにより管理され、クラッシュエミュレートも行われます! 双方、よろしいでしょうか?』
「はい、大丈夫です!」
「問題無いよ」
司会者からの問い掛けに、ヴィヴィオとフェイトは頷きながら答えた。
『そして解説は引き続き、神代二等空佐と八神二等海佐。八神二等空尉の御三方にお願い致します!』
『宜しく頼む』
『よろしゅうなぁ』
『任されました』
そして引き続き、冬也、はやて、ヴィータの三人が解説をするようだ。
『では、試合開始5秒前……4……3……2……1……ファイッ!!』
ゴングが鳴らされたと同時に先に動いたのは、やはりフェイトだった。ソニックムーブで一瞬にしてヴィヴィオの背後に回り込み、バルディッシュを振り下ろした。
普通だったら、一撃貰う攻擊。
しかしヴィヴィオは、即座に反応して振り向き、バルディッシュを受け流した。そこから反撃で、フェイトの顎を狙ってフックを繰り出す。
しかしその一撃をフェイトは、体をまるでコマのように躱して、バルディッシュを横薙ぎ。
ヴィヴィオはしゃがんで避け、アッパーを繰り出すが、フェイトは一時距離を取って回避した。
ここまで、僅か数秒足らず。
『あ、あっと言う間の攻防戦! 何があったのか、私には分かりませんでした!』
『先にフェイトがヴィヴィオの背後に移動し、バルディッシュを振り下ろしたが、ヴィヴィオは左手で受け流し、顎を狙ってフックを繰り出した』
『だけどその攻擊を、フェイトちゃんは体を横回転させて回避と同時に、バルディッシュを横薙ぎにした』
『ヴィヴィオはしゃがんで避けて、アッパーを繰り出したが、フェイト執務官は後ろに跳んで回避した。が、今の間の攻防だな』
冬也、はやて、ヴィータが解説すると、司会者の前にウィンドウが開いて、映像が表示された。
『御三方、解説ありがとうございます! スロウ映像でようやく分かりました! これほどの攻防、管理局でも中々お目にかかれません!』
解説陣が会話している時、特設会場では
「ふふ……ヴィヴィオ、強くなったね」
「ありがとう、フェイトママ……まだまだ、ここからだよ!!」
と短いやり取りの直後、今度はヴィヴィオが動いた。
一瞬にしてフェイトの懐に入り込み、ボディブローを放つが、その一撃をフェイトはバルディッシュで防いだ。
「今の動きは!?」
「最近ものに出来た瞬動術だよ!」
そこから、ヴィヴィオのラッシュが繰り出されるが、フェイトはバルディッシュを回して防いでいく。
『ヴィヴィオ選手! 一瞬にしてフェイト執務官に肉薄したぁ! 今の動きは……』
『瞬動術と言って、JS&R事件後から少しずつ陸戦魔導士に浸透してきていた高速移動術だな』
『ソニックブームとは違って、移動の際に気取られ難いのが利点だな』
司会者が冬也達に顔を向けると、冬也とヴィータが軽く説明した。
元々は協力していたネギや古菲、楓達が使用していた高速移動技を、冬也が覚え、少しずつ強襲制圧部隊に広めていき、そこから地上の各陸戦魔導士部隊に広めていったのだ。
それを、ヴィヴィオも修得していたらしい。
不意を突かれたフェイトはヴィヴィオの攻擊を防いでいたが、ヴィヴィオが拳から魔力弾を出してバルディッシュを大きく弾き、フェイトの両手からバルディッシュが弾き飛ばされた。
(今なら、入る!!)
ヴィヴィオはそう確信し、セイクリッドスマッシュをフェイトに繰り出そうとした。
しかし次の瞬間、ヴィヴィオの拳は交差している2本の雷刃に受け止められていた。
「えっ!?」
「新しい技があるのは、ヴィヴィオだけじゃないよ?」
気付けばフェイトの両手には、刀の柄のような物があり、そこから電気による刃が形成されていた。
ヴィヴィオが後退すると、フェイトはその2本を構えたのだが、その構え方が、ヴィヴィオには見覚えがあった。
「その構え、冬也パパの!?」
「行くよ、ヴィヴィオ!!」
ヴィヴィオが驚いていると、フェイトは雷刃を逆手持ちにして接近した。