魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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出会い

とある喫茶店では、近くを歩く人達から視線が向けられていた

 

理由は簡単

 

そこに居るのが、エース・オブ・エースの高町なのはと時空管理局無限書庫の若き司書長ユーノ・スクライアだがらだ

 

この二人はそれぞれ、かつて雑誌の取材も受けたことがあるので知らない人は居ないとも言い切れる人物である

 

そんな二人が、揃って喫茶店に居れば注目されるのは当たり前である

 

しかも、二人の仲むつまじさは恋人のそれである

 

それを見て、密かに泣いている者が居るので、狙っていたのだろう

 

その時、なのはの胸元にあったレイジングハートが光った

 

「ん? なんだろ」

 

なのははレイジングハートを手に取ると、ウィンドウを開いた

 

すると、そこに表示されているのはアラートという文字

 

「全体通信? エリオから?」

 

なのはは目つきを変えて、通信を開いた

 

それは、今から数分前のことである

 

市街地でエリオとキャロの二人が仲良く歩いていると、エリオが突如足を止めた

 

「エリオくん?」

 

キャロが不思議そうに名前を呼ぶと、エリオは周囲を見回しながら

 

「今、音がしなかった?」

 

と言った

 

「特に聞こえなかったけど……」

 

キャロがそう言うと、エリオは周囲を注意深く見ながら

 

「なんて言うか、ゴリと言うか、ゴトッっていうか……」

 

と言うと、少し先の路地に駆け込んだ

 

すると、少し奥の所のマンホールが動いた

 

「「っ!?」」

 

二人は驚きながらも、そのマンホールに近寄った

 

場所は変わり、ある基地

 

『ドクター、マテリアルを追っていたガジェットが撃破されました』

 

画面に映っている女性が報告しているのは、ドクターことジェイル・スカリエッティである

 

「ほう……局の魔導士かそれとも、当たりを引いたか」

 

『恐らくは後者かと……』

 

スカリエッティの言葉に、紫髪の女性

 

ウーノは同意を示した

 

「素晴らしい。娘達を回収に向かわせよう」

 

『わかりました。クアットロ達を向かわせます』

 

スカリエッティの提案に、ウーノがそう言った時

 

「ドクター……それ、あたしも行きたい」

 

と、通路から赤い髪の一人の少女が現れた

 

スカリエッティはその少女を見ると、軽く驚いた様子で

 

「ノーヴェ、君か」

 

と言った

 

赤い髪の少女、ノーヴェは

 

「そいつが本当に、あたし達の王になるなら、直接確かめたい……」

 

と言った

 

が、それに対して画面越しにウーノが

 

『ダメよ、ノーヴェ。あなたは、まだ専用武装が出来てないんだから』

 

「そうだよ、ノーヴェ。それに、もし本当にマテリアルだったら、直に私達の所に来るから、その時にしたまえ」

 

ウーノに続き、スカリエッティが言うと、ノーヴェは数秒間沈黙してから

 

「わかった……」

 

と言って、元々来た道に戻っていった

 

ノーヴェを見送ると、スカリエッティは画面に向き直り

 

「さて、念には念を入れて、彼らにも応援を頼むとして……優しいルーテシア、聞こえるかい? レリック絡みだ。少し頼まれてくれるかい?」

 

と、ルーテシアに対して通信を開いた

 

場所は変わり、市街地

 

「エリオ、キャロ、お待たせ!」

 

「皆さん!」

 

スバルが声を掛けると、エリオがスバル達に気づいた

 

「その子ね。また、ずいぶんとボロボロね……」

 

「だいたい、六歳くらいか」

 

「なぜ、こんな小さな子供が……」

 

「どうやら、地下水道をかなりの距離を歩いてきたみたいです……それと、これ……」

 

ティアナ、武、冥夜の三人の言葉を聞いて、キャロは分かってることを言うと、鎖に縛られたレリックケースを持ち上げた

 

それを見たティアナは、眉をひそめた

 

「ケースはもう一つ有った?」

 

レリックケースに絡まっている鎖には、もう一つケースが収まりそうな部分があった

 

「今、ロングアーチに地下水道を調べてもらってます」

 

と、キャロが言ったタイミングで、新たに四人が路地に入ってきた

 

「エリオ、キャロ!」

 

「すまんな、遅れた」

 

「状況は?」

 

と問い掛けてきたのは、フェイト、冬也、なのはの三人

 

ユーノは地面に寝かせられてる少女に駆け寄ると、体の色々な所を軽く触り

 

「幸いにも、大きな怪我は無いみたいだね。詳しくは、シャマルさんに看てもらおう」

 

と言った

 

なのははそれに頷くと、フォワード陣に視線を向けて

 

「みんな、悪いけど、休暇は一旦お預けだよ」

 

と言い、それに続くようにフェイトが

 

「ここからは、お仕事モードで頑張ろう」

 

と言うと、フォワード陣はそれぞれ姿勢を正して

 

「「「「「はい!」」」」」

 

と斉唱した

 

その数分後、シャマルとネギ達を乗せたヘリが近くのヘリポートに着陸した

 

ヘリから降りたシャマル達は、路地に来ると少女の診察を始めた

 

「うん……ちょっと衰弱してるけど、問題は無いわね」

 

シャマルがそう言うと、その場の全員は安堵した

 

すると、シャマルが視線をなのはに向けて

 

「悪いんだけど、なのはちゃん。この子をヘリまで運んでくれるかしら」

 

とお願いした

 

「あ、はい。わかりました」

 

となのはが、少女に近づいて抱き上げると

 

「あ、ユーノ君は機動六課隊舎に来てくれるかしら。はやてちゃんが、念の為に保護するって」

 

とシャマルが、ユーノに告げた

 

「あ、はい。わかりました」

 

ユーノはそれに頷き、なのはの後に続いてヘリに向かった

 

そして、ヘリが出発すると隊長陣と刹那は屋上に集まり

 

「あの子達、だいぶ逞しくなったね」

 

「ニャハハハ、もっと逞しくなってもらわないとね」

 

フェイトの言葉に、なのはがそう返すと冬也が

 

「では、俺達がやるべきことを終わらせるか」

 

「はい」

 

「そうですね」

 

冬也の言葉に刹那とネギがそう返すと、隊長陣が居た場所が光り、バリアジャケットを纏った隊長陣が空を飛んでいった

 

その頃、場所は戻りフォワード陣

 

フォワード陣が全員でデバイスを差し出すと

 

〈〈〈〈〈スタンバイ・レディ!〉〉〉〉〉

 

と一斉に、変身を促し

 

「「「「「セート・アップ!」」」」」

 

全員が一斉に、バリアジャケットを纏った

 

ヘリに乗ってきた明日菜は騎士鎧に、楓は忍者服に変わっている

 

そして、順番に地下水道に入ると

 

「「ゴー!」」

 

武とスバルの号令を合図に、フォワード陣は奥へと向かった

 

時は戻り、場所はベルカ自治区の聖王教会

 

そのカリム執務室では、二人の人物が会談していた

 

片方はもちろん、この執務室の主である騎士カリムだ

 

そして、もう片方は黒い髪に少し童顔気味の男性である

 

その男性が着ているのは、時空管理局次元航行部隊の提督を示す服である

 

名前は、クロノ・ハラオウン

 

フェイトの兄である

 

「それにしても、何時見ても、あなたのその姿は新鮮ですね。クロノ・ハラオウン提督」

 

カリムがそう言うと、クロノは軽く肩をすくめて

 

「制服姿が似合わないというのは、友人どころか、妻にまで言われる始末です」

 

と言うと、カリムは微笑みを浮かべて

 

「いえ、そのお姿も大変よく似合ってますよ。クロノ・ハラオウン提督」

 

と誉めた

 

「ありがとうございます。騎士カリム」

 

誉められたクロノは、軽く頭を下げた

 

すると、そのタイミングでドアが開き

 

「失礼します」

 

と断りながら、シグナムが入室した

 

「あら、シグナム。お疲れ様です」

 

「今、僕と騎士カリムの二人で機動六課の運営面を話し合っていた所だ。良ければ、君も混ざってくれないか?」

 

カリムとクロノが立て続けに言うと、シグナムは視線を僅かにカリムに向けた

 

どうやら、本当に混ざっていいのか聞いているらしい

 

「私からも、是非」

 

「わかりました」

 

カリムから言われて、シグナムが机に近づいた時、カリムの前にアラートという文字を輝かせながら、通信画面が開いた

 

「直接通信? はやてから?」

 

カリムははやてから通信がくるとは思ってなかったので、内心で首を傾げた

 

はやてからの通信内容を聞いて、カリムは険しい表情を浮かべながら

 

「小さい女の子が、レリックのケースを……」

と呟いた

 

『せや。どうして、小さい女の子がレリックを持ってたっていうのも気になる。恐らく、ガジェットや召喚師が出てくるから、市街地付近での戦闘は避けられへん……せやけど、迅速に確実に片付けなあかん』

 

 

はやての話を聞いて、カリムは頷いた

 

市街地付近での戦闘となれば、下手したら民間人に被害が出る可能性すらある

 

事態は緊迫していた

 

「近隣の部隊にはもう?」

 

『うん。市街地と海岸線の部隊には、既に連絡済みや』

 

クロノからの問い掛けに、はやては真剣な顔で答えると

 

『もしかしたら……奥の手も、出さなアカンかもしれん……』

 

と呟いた

 

「そうならない事を、祈るがな……」

 

はやての言葉に、クロノは同意した

 

はやてが言ったのは、冬也やネギ以外の隊長陣に施されているリミッターの解除である

 

すると、しばらく黙考していたカリムがシグナムに顔を向けて

 

「シグナム、貴女も向こうに戻っておいた方がいいわ」

 

と、六課に戻ることを提案した

 

「はっ、わかりました」

 

「シャッハに頼めば、すぐに送ってくれるわ」

 

シグナムが姿勢を正しながら頭を下げると、カリムがそう言った

 

「ありがとうございます」

 

カリムに礼を言うと、シグナムは退室した

 

場所は変わって、機動六課ロングアーチ

 

「来た! 来ました! ガジェットとドールです! 地下にガジェットⅠ型が十五……二十。ドールが五十。海上にガジェットⅡ型が十二機編成で五つの六十機。ドールが……百を超えてます!」

 

メインモニターに表示されていた情報を見て、シャーリーが悲鳴じみた報告をした

 

すると、はやてが唸りながら

 

「これは多いな……」

 

と呟くと、近くに居たグリフィスと当麻が

 

「どうします?」

 

「俺も出るか?」

 

と尋ねた

 

すると、通信画面が開いてヴィータの顔が映った

 

『スターズ2からロングアーチへ。こちらスターズ2、海上で演習中だったんだけど、ナカジマ三佐が許可をくれた! 今、現場に向かってる……それから、あと二人』

 

ヴィータの言葉に答えるように、新しく通信画面が開いてギンガとマックスの顔が映った

 

『陸士108部隊のギンガ・ナカジマとマクシミリアン・G・マクダウェルです。別件の捜査中だったんですが、そちらの事例とも関係がありそうなんです。参加してもよろしいでしょうか?』

 

思わぬ援軍に、はやては笑みを浮かべて

 

「うん、お願いや!」

 

と承諾した

 

そして、すぐに表情を改めると立ち上がって

 

「ほんなら、ヴィータはリインと合流、協力して、海上の南西方向を制圧!」

 

指揮官然とした凛々しい表情で、指示を出し始めた

 

『南西方向、了解です!』

 

指示を受けたリインから、返事が返ってきた

 

「隊長陣は北西部から制圧を!」

 

『『『『了解!』』』』

 

隊長陣は高速で飛行しながら、返事をした

 

「ヘリの方は……ヴァイス君とシャマルに任せるで?」

 

『お任せあれ!』

 

『しっかりと守ります!』

 

はやての指示を聞いて、ヘリに乗ってる二人は意気込んだ

 

「フォワード達はギンガたちと合流を目指しつつ、ガジェットとドールを殲滅しながらレリックケースの確保!」

 

『『『『『了解!!』』』』』

 

フォワード達もはやての指示を聞いて、ギンガたちとの合流を始めた

 

「ギンガたちもフォワード達と地下で合流を。道々、別件の方も話を聞かせてな?」

 

『はい!』

 

『了解しました!』

 

こうして事件の解決に機動六課が動く中、市街地のとある一角では

 

『ヘリに確保されたケースとマテリアルは、妹達が回収します。お嬢様は地下の方をお願いします』

 

ウーノは市街地を見下ろしていた紫髪の召喚師、ルーテシアにそうお願いした

 

「うん、わかった……」

 

ルーテシアは表情を変えずに、コクリと頷いた

 

『騎士ゼスト様とアギト様は?』

 

「……別行動中」

 

ウーノからの問い掛けに、ルーテシアは淡々と答えた

 

ルーテシアの答えを聞いて、ウーノは心配そうにすると

 

『お一人ですか?』

 

と、ルーテシアに問い掛けた

 

すると、ルーテシアは首を振ってから手を伸ばした

 

「一人じゃないよ……」

 

ルーテシアがそう言うと、手にはめていたデバイス<アスクレピオス>から、黒い光の玉が出現した

 

「私には、ガリューが居る……」

 

ルーテシアはそう言うと、その黒い光の玉に頬ずりをした

 

『失礼しました。協力が必要でしたら、なんなりとお申し付けください。最優先で実行します』

 

「うん、お願い……」

 

ルーテシアの返答を聞くと、通信画面は閉じた

 

それを確認すると、ルーテシアが

 

「行こうか、ガリュー……探し物を見つけるために」

 

と言うと、黒い光の玉は細かく明滅して答えると、ルーテシアの姿は消えた

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