魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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多分、これが今年最後の更新かな?
もしかしたら、もう一作更新するかもですが
皆さん、よいお年を!


英雄はかく語りき

交戦した翌日

 

機動六課の主要メンバーは、とある会議室に集まっていた

 

集まった理由はもちろん、冬也からの話である

 

その冬也は、先の戦闘で左腕を斬られるという負傷を負ったが、シャマルの診察で多少の貧血はあるものの大丈夫という結果だった

 

そして、捕まえたスカリエッティの仲間

 

ディエチは能力封じの手錠を嵌めて、武装を取り上げた上で牢屋に当たる部屋に閉じ込めた

 

保護した少女は聖王教会系列の病院に搬送

 

現在も目覚めてないらしい

 

閑話休題

 

全員が静かに待っていると、ドアが開いてはやてと冬也が入ってきた

 

はやての姿を見て、全員姿勢を正して敬礼した

 

「固くならんでな、休んで」

 

というはやての言葉に、全員は素直に従った

 

そして、はやてと冬也の二人は揃ってモニター前に立った

 

「みんな、昨日はお疲れ様や。レリックの確保と女の子の保護。並びに、犯人一味の捕縛は大戦果や」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

「けど、気を抜いたらあかんよ? まだ、スカリエッティの企みはよう分からんのや。最後まで気を引き締めていこう!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

全員の返事に満足したのか、はやては笑みを浮かべながら頷くと冬也へと視線を向けて

 

「それで、話してくれるんよね。冬也さん?」

 

と問い掛けた

 

問い掛けられた冬也は、それまで閉じていた目をゆっくりと開いて

 

「ああ……話そう」

 

と言うと、大きく深呼吸をした

 

「俺は正確には人ではなく、人型生態兵器……開発コード七大罪の一体、傲慢(スペルビア)だ」

 

冬也のその言葉に、ほとんどの者が息を呑んだ

 

「人型生態兵器……」

 

「つまり、戦うための兵器ってことなんですか……?」

 

エリオとキャロのその言葉に、冬也は頷いた

 

「そうだ……正確に言うと、人を殺すためだけに人間をベースに開発されたんだ」

 

「人を殺すためだけに……?」

 

「あの、ロンドって奴の狙いはなんなんや?」

 

なのはは呆然と呟き、はやては指揮官として努めて冷静に問い掛けた

 

「……ロンドの目的は……人類の抹殺」

 

冬也のその言葉に、ほとんどのメンバーが目を見開いて固まった

 

「奴になにがあったのはか、分からん……だが、奴は人類を滅ぼすために俺達を作った」

 

冬也がそう言ったタイミングで、夜叉がある一枚の写真を投影した

 

「開発コード七大罪……奴が作った人型生態兵器の中でも,選りすぐりの七体をそう呼んだ」

 

冬也はそう言いながら、夜叉が映し出した写真に視線を向けた

 

「この七人が……?」

 

ティアナが問い掛けると、冬也は頷き

 

「右から憤怒(イラ)王伊建(ワンイーキン)色欲(ルクスリア)のノエル・ミラー、嫉妬(インウィディア)のクレア・ミラー、真ん中の傲慢(スペルビア)の俺、暴食(グラ)のカイト・マッケンジー、怠惰(アケディア)のアラン・スペイサー、強欲(アワリティア)のアレクサンドラ・ノワルスキー……今、生き残っているのは俺だけだがな」

 

冬也はそう言うと、目を閉じた

 

すると、スバルが手を挙げて

 

「あの、生き残っているのは冬也隊長だけって、どういう……」

 

と言うと、冬也は薄く目を開いて

 

「この世界に来る直前、俺達はロンド率いる組織と戦争をしていてな……その戦争の最中、俺を除く六人は戦場で散った……」

 

と語った

 

「そして俺はロンドと戦い、ロンドの放った極大魔法を切り裂いたら強い光が起きて、気が付いたらこの世界に居た」

 

冬也の話を聞いて、はやては納得した様子で

 

「なるほど……それが次元震の原因なんやね……」

 

と呟いた

 

しかし、はやての呟きを無視して冬也は

 

「俺の目的は……ロンドを殺すこと……」

 

と言った

 

その言葉に、全員の視線が冬也に集まった

 

「俺達はその為だけに、戦い続けた……俺達みたいな存在を、二度と産み出さないために……十二年間、俺達だけでな……」

 

そう語っている冬也は、まるでどこか泣いてるように見えた

 

表情は何時もと同じなのに、フェイトには泣き崩れているように見えた

 

「だから、ここから先は俺の戦いだ。あいつらとは、俺だけで戦う」

 

冬也のその言葉に、全員は動揺した

 

「ムチャや! 相手は七人居るんやで!?」

 

「そんなの、大した差ではない。俺達は四十万の敵とも戦ったことがある」

 

はやての言葉に、冬也は冷静に返した

 

その数を聞いて、はやて達は息を呑んだ

 

あまりにも、数の差が激し過ぎる

 

四十万の敵に対して、たった七人で挑んだというのは前代未聞だった

 

「もし、戦場で俺を見つけたら、敵と判断しても構わない」

 

冬也はそう言うと、部屋から出ようとした

 

だが、その冬也の手をフェイトが掴んだ

 

「フェイト……?」

 

冬也が訝しむように目を向けると、フェイトは俯いたまま

 

「……ました」

 

何か呟いた

 

「なに?」

 

「私、知ってました」

 

「なんだと?」

 

フェイトの言葉の意味が分からず、冬也は眉をひそめた

 

「私……冬也さんが生態兵器だって、知ってました……」

 

フェイトの言葉を聞いて、冬也は目を見開いた

 

「なぜ、フェイトが知って……まさか、夜叉?」

 

冬也は自分の手首の夜叉へと、視線を向けた

 

〈私は、マイスター雪音様の意志を継いだまでです〉

 

夜叉がそう言うと、夜叉が光り輝いて次の瞬間には女の子の姿へと変わった

 

「お、女の子……?」

 

「夜叉って、インテリジェントだったよね……?」

 

少女姿の夜叉を見て、アルトとシャーリーは驚いていた

 

「皆さん、改めてはじめまして。私は主神代冬也のデバイスの夜叉です」

 

夜叉は全員を見渡すと、スカートをちょこんと摘みながら挨拶した

 

「あ、どうも……」

 

「うわぁ……凄い自然」

 

スバルは驚きながらも挨拶し返して、ティアナは驚きで固まっていた

 

「その見た目は、一体……?」

 

「夜叉さんの姿なんですか?」

 

エリオとキャロが問い掛けると、夜叉は自身を指差しながら

 

「この姿は私のマイスター、田原雪音様の姿です。マイスター雪音様の思考と姿が私の人型形態のベースです」

 

と説明した

 

「もしかして、私が解析出来なかった機能の一つ……?」

 

シャーリーがそう呟いていると、夜叉は頷いて

 

「すいませんが、アクセスを制限させてもらいました」

 

と言った

 

「本来は、私を含めて七機存在したんですが、今現在は私だけです」

 

夜叉のその言葉を聞いて、なのはが

 

「七機って、もしかして……」

 

と呟きながら、写真に目を向けた

 

「ええ……彼ら全員のデバイスもそうです。私、夜叉にメデューサ、金剛、イグニス、ビスマルク、マルーシャ、ソニック……皆、マイスター雪音様が開発した傑作機です」

 

夜叉はそう言うと、目を閉じた

 

「あの、その開発者さんは……?」

 

シャーリーが気になったのか、手を上げて問い掛けた

 

「マイスター雪音様は……今から七年前に亡くなりました……」

 

「俺の目の前でな……俺達が弱かったから、守れなかった……」

 

夜叉に続いて冬也がそう言うと、スバル達は息を呑んだ

 

「それに関してですが、マイスター雪音様はご自身の死を予見してました」

 

「……なに?」

 

夜叉のその言葉に、冬也は眉をひそめた

 

「マイスター雪音様の希少技能(レアスキル)……それが、予知夢です……マイスター雪音様は予知夢でご自身の死を見てました……そして、それを気にして主達が死に場所へ自ら立つことも予見してました……だから、私に伝言と願いを託しました」

 

「なに? 伝言と願いだと?」

 

夜叉の言葉を聞いて、冬也は驚いていた

 

雪音から伝言と願いが有ることを、知らなかったようだ

 

「ええ……その条件も、揃いました……今から見せましょう」

 

夜叉はそう言うと、両手を掲げた

 

すると、部屋の中心に画面が開き、夜叉と同じ顔の少女が映し出された

 

こうして、一人の少女の願いが語られる

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