「私が皆さんを呼んだ理由……それは、私の希少技能に起因しています」
カリムはそう言うと、紙の束を持った
「
「預言の中身も古代ベルカ語で、解釈によっては意味が変わることもある難解な文章。次元世界に起こる事件をランダムに書き出すだけです」
そこまで言うと、カリムは二枚を戻した
「解釈ミスも含めれば、的中率や実用性は……割と良く当たる占い程度。つまりは、あまり便利な能力ではないんですが……」
カリムはそう言うと、苦笑した
「騎士カリムの預言は聖王教会はもちろん。次元航行部の上層部も読んでいる……とはいえ、参考程度だかな」
「ちなみに、地上部隊は読んで無いのがほとんどや。実質、ツートップの片割れがこの手の希少技能とかが大嫌いやからね」
クロノとはやてが続けて言うと、クロノは一拍置いてから
「そんな騎士カリムの預言能力に、数年前から少しずつ、ある事件が書き出されている」
と説明した
カリムは頷くと、一枚の紙を浮かべて
「古い結晶と無限の欲望が集い交わる地。死せる王の下、聖地よりかの翼が蘇る。死者達が踊り、不滅の黒炎が舞う中、なかつ大地の法の塔は虚しく焼け落ち、それを先駆けに数多の海を守る船も砕け落ちる……」
「それって……」
「まさか……」
カリムの言葉を聞いて、なのはとフェイトは瞠目した
そして、カリムは頷くと
「ロストロギアを切欠に始まる、管理局地上本部の壊滅と……そして、管理局システムの崩壊」
と告げた
カリムの言葉を聞いて、ほとんどのメンバーが息を呑んだ
だが、ネギや冬也。当麻等は目を細めるだけだった
それに気付かず、はやてが
「それを未然に防ぐために設立されたのが、機動六課ってわけや」
と語った
その数秒後、カリムが新しく一枚の紙を浮かばせて
「そして、ついこの間……これに関すると思われる預言の解読が終了しました」
と告げた
「なんやて?」
「本当か?」
はやてとクロノが問い掛けると、カリムが頷いて
「無限の欲望と世界を飲み干す大蛇が手を結び、数多の世界は破滅の炎に焼かれる。それを食い止めるは、四人の英雄。蒼き装甲を纏いし英雄。雷光を纏いし英雄。幻想を殺す英雄。反旗を翻した英雄……四人の英雄が手を結び、罪を従えし愚者と刃を交える……この四人が倒れし時、世界は終焉を迎える。以上です」
カリムの言葉を聞いて、はやて達は顔を見合わせて
「その四人って……」
「もしかしなくても……」
「間違いないやろうね……」
と言うと、冬也達に視線を向けた
条件的には武、ネギ、当麻、冬也の四人が合致する
「お前達。何か知っているのか?」
クロノが問い掛けると、はやてが頷いて
「その預言に出てきた四人の英雄っていうのは、恐らく当麻君達や」
と言った
「本当?」
カリムが問い掛けると、なのはが頷き
「まず、上条当麻君は右手に幻想殺しを持ってるの」
と説明した
「報告は聞いてるわ……確か、あらゆる異能を破壊する右手って……」
カリムがそう言うと、はやてが頷いて
「その通りや。おかげで、一回命を助けられたわ」
と言った
「そうだったのか……」
はやての説明を聞いて、クロノは神妙そうな表情を浮かべた
「それに、ネギ君は魔法を纏うことで雷化出来るんだ」
なのはがそう説明すると、カリムは首を傾げて
「どういうことかしら?」
と問い掛けた
すると、なのははネギに視線を向けた
ネギはなのはの意図を察したのか、無言で頷いた
すると、なのははウィンドウを開いて
「今から見せるのは、他言無用でお願いします」
と言った
クロノとカリムが頷くと、なのはは映像を再生した
それは、実力評価試験の時の映像だった
その映像では、ネギが両手に紫電が走る球を展開し、それを掌握した
『術式兵装、雷天双壮!』
「これは……」
「まさしく、雷光纏いし英雄……」
クロノとカリムが絶句していると、ネギの姿が消えて、僅か五十足らずで試験は終わった
「これは凄いな……」
「確かに、英雄と表記されるのも納得ね……」
二人が納得していると、次に武が
「恐らく、蒼き装甲を纏いし英雄ってのは俺かと……」
と言った
「君が?」
クロノが問い掛けると、武の隣に座っていた冥夜が
「私達が所属していた国連軍では、機体をUNブルーと呼ばれる色に塗装してました」
と説明した
「UNブルー……確かに、蒼き装甲には合致するな……」
「では、英雄というのは?」
カリムが問い掛けると、武が複雑な表情を浮かべて
「なのはさんやティアナには語りましたが……俺や冥夜が居た地球では……人類は絶滅の危機に瀕していました」
武の話を聞いて、クロノやカリム。更にははやてとフェイト、ネギも瞠目した
「冬也さんは……知ってたんですか?」
フェイトが問い掛けると、冬也は頷き
「武御雷のデータを見ていた中に、戦闘データも残っていてな……それを見てしまったんだ。シャーリーと一緒にな」
フェイトからの問い掛けに対して、冬也はそう答えた
「映像が残ってたんですか?」
冬也の言葉を聞いて、冥夜が問い掛けた
「ああ……夜叉に映像を記録してもらったから、今でも見れるが?」
冬也がそう言うと、、武は数秒間悩んでから
「隊長、その映像を写してもらってもいいですか?」
と問い掛けた
「良い機会です……知ってもらいましょう」
「……わかった。夜叉」
武の言葉を聞くと、冬也は夜叉を外して空中に放った
《承知……人型形態》
夜叉が人型形態になると、クロノとカリムは驚きで固まった
「デバイスが人の姿に……」
「初めて見たわ……」
二人が驚きで固まっているが、夜叉は軽く頭を下げて
「はじめまして、お二方……しかし、自己紹介は後ほど……今は映像を見せるのが先決です」
夜叉はそう言うと、両手を掲げた
すると、全員の中心にウィンドウが現れた
そして、ノイズ混じりに映像が始まった
「これは……」
「宇宙から見た、地球……」
「綺麗やね……」
なのは、フェイト、はやての三人が語っていると、画面に突如警告画面が現れた
『これはレーザー照射警告!?』
画面から聞こえてきたのは、冥夜の声だった
『どうなってんだ!? 重金属雲は!?』
『濃度不足です……敵は対レーザー弾をほとんど迎撃してません!』
続いて聞こえてきたのは、武と見知らぬ少女の声だった
『まさか……もう対処を!?』
『ムアコック・レヒテ機関、最大稼働!』
冥夜の驚愕の声に続いて、武の声が聞こえた
その時、角度が変わったのか、巨大な機体が画面に映った
『武!!』
冥夜の心配そうな声が聞こえると同時に、その巨大な機体を中心に光が拡散した
「話の腰を折るようで悪いが、あの機体と光は?」
とクロノが問い掛けると、武が視線を向けて
「まず、あの機体はXGー70d通称、凄乃皇・四型と言います。人類の決戦兵器で……あの光は地上から重レーザー級が放っているレーザーです」
と説明した
「レーザー! あれが!?」
なのはは武の説明を聞いて、目を見開いた
なのはが知ってるレーザーといえば、精々が太さ数ミリのものである
だが、地上から放たれているというレーザーは少なくとも2メートル近くはあった
その時だった
『Aー04! 我々に構わず、回避しろ!』
『そうだ! ここでAー04を失う訳にはいかない!』
Aー04というのは、恐らく凄乃皇のコールサインだろう
『ダメだ! 駆逐艦にそんな機動は出来ない!』
『やってみせる! 回避してくれ!』
『我々はAー04を失う訳にはいかないんだ! 早くしろ!』
武の言葉に対して、二人の男性が反論した
『ダメです! 下手に回避機動したら、それこそレーザーの袋叩きです! それだったら……』
『貴官らはコースを維持しろ!』
武の言葉に対して、ある一人の男性の声が聞こえた
『『『『っ!?』』』』
『い、一文字!?』
『第二戦隊旗艦、夕凪!? 無事だった!?』
多くの男性の驚愕の声と、男性の名前を呼ぶ声がして、最後に冥夜の驚愕の声が聞こえた
『ここは我々に任せて貰おう!』
その声の直後、凄乃皇の前に一隻のシャトルが割り込んだ
『まさか……凄乃皇の盾に!?』
『やめてください、一文字艦長! いくらなんでも無茶です!』
武の静止の叫び声が響いた
『人類を……頼むぞぉぉ!』
『やめてくれぇぇぇ!』
武の叫び声の直後、そのシャトルはレーザーの集中し爆散した
『一文字艦長ぉぉぉ!』
武の悲痛な叫び声の直後だった
『全艦、
『『『『『了解!』』』』』
という通達の直後
『切り離すぞ! 切り替えろ!』
『りょ、了解!』
冥夜の声の直後、一瞬暗くなったが直ぐに直った
その数秒後、目前を一隻のシャトルが飛んでいった
『そんな、あなた達まで!?』
『貴様らを無傷でオリジナルハイヴまで送り届けることこそが、我らが任務!』
『貴様ら人類の反撃の狼煙となる決戦部隊を運んだことは、我々駆逐艦乗りにとっては最大の名誉だ!』
『その名誉を誰にも傷つけさせやしない! そして、貴様らのことも傷つけさせやしない!』
『フランスを……ユーラシアを……っ……奴らの手から取り戻してくれぇ!』
男性達の言葉が終わる度に、一つ、また一つと友軍を示すIFFが消えていった
『皆さん……っ!』
『……了……解!』
冥夜と武の悲痛な言葉の直後、映像は途切れた