魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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急行

六課からの通信を聞いて、はやては部隊を三つに分けた

 

フェイト率いる、シグナム以外のライトニング隊は六課隊舎へ

 

ヴィータ以外のなのは率いるスターズ隊は、地下に向かって通信が途絶えたギンガとマックスの二人の捜索及び救援へ

 

そして、シグナムとヴィータ含めたネギ率いるアサルト隊は遊撃隊として行動を始めた

 

尚、アサルト隊はラダビノット中将の計らいにより、試験的に配備される予定だった戦術機部隊の指揮を一任された

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「冬也さん、返事をしてください! シャマル、ザフィーラ、ディエチ、グリフィス!」

 

「ロングアーチ、長谷川さん、茶々丸さん!」

 

フリードに乗っているエリオとキャロを先導する形で飛びながら、フェイトと刹那は隊舎に残っているメンバーを呼んだ

 

だが、隊舎側からは一切返事はなく、それが余計にフェイト達を不安にさせた

 

「フェイトさん、刹那さん! 僕達は置いて、先に行ってください!」

 

「お二人のスピードなら、すぐに到着出来るはずです!」

 

エリオとキャロが二人に先に行くように促すが、二人は首を振って

 

「それはダメ。二人は空中戦が出来ないんだよ?」

 

「私達が先行して二人が襲われたら、二人はまともに戦えません」

 

と拒否した

 

本当だったら、エリオとキャロの提案に乗って隊舎へと向かいたかった

 

だが、まだ幼い二人を残して先行する訳にはいかなかった

 

その時、フェイト達の前方に人影が二つ現れた

 

片方は、以前に廃棄都市区画で交戦したトーレ

 

そしてもう一人は、両手に巨大なブーメラン状の武装を持った茶髪のロングヘアーが特徴の少女だった

 

「お前達は……」

 

フェイトと刹那が身構えていると、トーレが手を伸ばして

 

「フェイトお嬢様、お迎えにあがりました」

 

「我々と一緒に、ドクターの所に来ていただきます」

 

とトーレに続いてもう一人が言うと、フェイトは激昂した様子で

 

「誰が行くものか!」

 

と叫んだ

 

すると、トーレは困ったような表情を浮かべて

 

「聞き分けの無い事を言わないでください。フェイトお嬢様と私達は、言わば姉妹のようなものではないですか。そして、ドクターは私達の親も同然」

 

とトーレが言った直後、フェイトはバルディッシュを突きつけて

 

「あんな男が親など、願い下げだ!」

 

と叫んだ

 

「フェイトさん、落ち着いてください!」

 

怒りで冷静さを失いかけていたフェイトに対して、刹那が落ち着くように促しながら刀を構えた

 

すると、トーレともう一人

 

セッテも構えて

 

「こうなったら仕方ありません……力ずくで連れて行きましょう」

 

「お覚悟を、フェイトお嬢様」

 

と宣言した

 

「覚悟するのは、お前達だ!」

 

「ここで捕まえます」

 

フェイトと刹那はそう言いながら、肩越しにエリオとキャロに視線を向けた

 

二人の視線を受けて、エリオは二人の意図に気付き

 

「フリード!」

 

とキャロの後ろから、フリードの手綱を引いた

 

するとフリードも、エリオの指示に従ってフェイトと刹那の横を通って隊舎の方向へと向かった

 

「エリオ君!?」

 

「フェイトさん達が足止めしてくれてる間に、隊舎へ行こう!」

 

キャロが驚いて振り向くが、エリオはそう言って隊舎へと向かった

 

場所は変わって、地上本部地下

 

「ギン姉……マックス兄……」

 

地下を走っていたスバルは呟くように二人の名前を呼ぶと、そこから加速した

 

それに僅かに遅れて、なのはに抱えられたティアナと、楓と古菲が現れた

 

「スバル! 先行し過ぎ!」

 

「ごめん! でも、嫌な胸騒ぎが!」

 

ティアナが叱責するが、スバルはそう返して更に加速した

 

「んー……やっぱり、こういう場所だとスバルのほうが早いね……」

 

「すいません、なのはさん……私が瞬動を習得しきってないから……」

 

なのはの言葉を聞いて、ティアナは申し訳なさそうにそう言った

 

「仕方ないよ。ティアナの瞬動の成功率、まだ三割位なんだから」

 

実を言うと、最近になってネギ達がティアナやエリオ、キャロに高速移動技の瞬動を教えていたのだ

 

だが、元々余り動かないキャロとティアナの二人は、未だに成功率は三割程程度

 

それに対して、エリオは元からかなり動くのと、高速移動を得意としていたので、あっという間にマスターしたのだ

 

「拙者達に任せるでござるよ」

 

「スバルを追いかけるアルね!」

 

なのはの両側に現れた楓と古菲がそう言うと、なのはは少し考えてから

 

「二人共、お願い」

 

と告げた

 

「ラジャアル!」

 

「了解でござる!」

 

二人は返事すると、あっという間に加速していった

 

「本当に速いなぁ……」

 

「しかも、限定的ながら空中戦も可能なんですよね……確か、虚空瞬動でしたっけ」

 

二人が呆然と呟いている間にも、スバルはどんどんと突き進んだ

 

そして広間に出た時、スバルの目に飛び込んできたのは

 

「ギン姉……マックス兄……?」

 

ボロボロになり、三人の戦闘機人により押さえつけられた二人の姿だった

 

三人の内、手空きだった一人

 

小柄な体躯に長い銀髪、右目に付けた眼帯が特徴の戦闘機人が振り向いて

 

「ほう……タイプゼロ・セカンドか……探す手間が省けた」

 

と言いながら、ナイフを構えた

 

だが、スバルにはそれは聞こえておらず、スバルの目はボロボロになっている二人に向けられていた

 

「ギン姉……マックス兄……」

 

呆然と呟いた時、スバルの足下に、魔法陣が現れた

 

だが、それは普段出現するベルカ式でも、ミッド式でもない、全く別の魔法陣だった

 

その直後、スバルの目が青から金色に変わった

 

「うああぁぁぁぁ!」

 

スバルが叫ぶと同時に、魔力の奔流が溢れ出した

 

そして、スバルが忌み嫌っていた力が発現する

 

再び場所は変わり、市街地

 

そこでは、ゲンヤ・ナカジマ率いる陸士108部隊が必死の防衛戦を展開していた

 

「ナカジマ三佐! 右翼が押されてます!」

 

「付近に手空きの部隊は!?」

 

部下からの報告を聞いて、ゲンヤは怒鳴るように問い掛けた

 

すると、ウィンドウを見ていた別の部下が

 

「陸士152部隊が居ますが、そちらも手一杯だそうです!」

 

と報告してきた

 

その報告を聞いて、ゲンヤは頭をガリガリと掻きながら

 

「こいつはいよいよ……進退極まったか……」

 

と呟いた

 

その時だった

 

『こちら、機動六課アサルト隊です! これより援護します!』

 

と子供の声が聞こえた

 

「なに!?」

 

ゲンヤが驚いて顔を上げた瞬間、数えるのが馬鹿らしい程の光の矢が降り注いでガジェットやドールを一掃した

 

あまりの光景にゲンヤが固まっていると、雷光を纏った子供

 

ネギが着地、それに遅れて武と冥夜、明日菜の三人が着地し、僅かに生き残っていたガジェットやドールを撃破した

 

すると、数秒後に夥しい数のロボットが次々と着地した

 

「こいつは……」

 

ゲンヤが呆然としていると、雷天双装を解除したネギが歩み寄って

 

「陸士108部隊のゲンヤ・ナカジマさんですね?」

 

と問い掛けた

 

「ああ、そうだが……お前さんは?」

 

ゲンヤが問い掛けると、ネギは頭を下げながら

 

「僕は機動六課民間協力者のネギ・スプリングフィールドです」

 

と名乗った

 

そして、背後で警戒態勢を取っている武達に視線を向けて

 

「あちらに居るのは、同じく民間協力者の白銀武さん、御剣冥夜さん。そして、神楽坂明日菜さんです」

 

と紹介した

 

「なるほど……お前さん達が、八神の嬢ちゃんの所に居る民間協力者か」

 

ネギの紹介を聞いて、ゲンヤは納得した様子で頷いた

 

「ここは僕達が引き受けますので、後退して態勢を整えてください」

 

「だが……お前さん達だけじゃあ」

 

ネギの言葉にゲンヤは難色を示すが、ネギは笑みを浮かべて

 

「大丈夫です。僕達は簡単には倒れません」

 

と断言した

 

ネギの言葉を聞いて、ゲンヤは数秒間悩んでから

 

「わかった。すまねぇが、ここは頼む」

 

とネギに言った

 

「はい! お任せください!」

 

ネギが返事をすると、ゲンヤは部下達に後退の号令を下し、負傷者達に肩を貸しながら後退していった

 

「ネギ! 新手が来たわよ!」

 

明日菜がそう言いながら指差した方向には、数百機ほどのガジェットとドールの混成部隊が見えた

 

「陸士108部隊の方々が後退する時間的を稼ぎます! 武さん、冥夜さん! 戦術機部隊の指揮は任せます!」

 

「「了解!」」

 

「明日菜さんは僕と一緒に突撃します!」

 

「わかったわ!」

 

ネギの指令を受けて、武達は防衛戦を開始した

 

こうして、長い戦いは中盤戦に入った

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