「危ねっ!」
反射の一撃を間一髪で回避した当麻は、冷や汗を流した
反射の戦法は、基本的に相手の攻撃を跳ね返すだけ
だがしかし、近接格闘戦闘が出来ないわけではない
だがその動きは
(古菲やネギ君ほどじゃねえ!)
と当麻は判断し、実際そうだった
だから当麻は、紙一重とはいえ回避出来ていた
そこから当麻は反撃を繰り出したが、それは回避されて腕を掴まれそうになり、慌てて腕を引いた
それは、冬也の忠告からだった
『反射に掴まれたら、即死と思え』
と言われたのだ
基本的に反射は、相手の攻撃を跳ね返すのみである
しかし、相手を掴んだら場合、機械の場合は電気の逆流が起き、人間の場合は血液が逆流するそうである
これは恐らく、相手の体内で反射を使ったからだと思われる
というのが、冬也の談だった
過去に当麻が一方通行と戦った時、一方通行も似たことをやろうとしていたが、当麻が勝った
だから理論上、当麻なら勝てる筈なのだ
だがしかし、相手は仮にもオーバーSランク
それに対して、当麻は右手以外はなんら一般人と変わらない
だから冬也は
『勝てないと思ったら、逃げろ。手が無いわけではない。俺が殺す』
とも言っていた
だが
「それが……どうしたぁ!」
と叫びながら、がら空きだった腹部に右手を叩き込んだ
「死なないからって、道連れ戦法で倒させるか! フェイトが泣くだろうが!!」
それは、フェイトから送られてきた冬也の能力からイマジンが導きだした、冬也が反射を倒す方法
冬也の使う魔法の中には、風を扱う魔法があった
その魔法により竜巻を作り出し、《中の空気が無くなるまで、冬也が足止めする》
というものだった
確かに、反射は死体だ
だが、当麻が腹部に右手を叩き込んだ直後、激しく噎せていた
つまり、反射も空気を吸っているということになる
だったら、空気を無くしてしまえば動けなくなるのは道理
そして空気が無くなれば、反射は死ぬだろう
足止めしていた冬也諸とも
だが冬也には、即死からすら再生する能力がある
ほぼ確実に、酸欠で死んでも復活するだろう
だが、幾ら復活するとは言っても、冬也が一度でも死ねばフェイトが泣くのが当麻には見えた
そして、当麻はそれが許せなかった
当麻は、誰かの泣くのが嫌だったから、右手を振るってきた
その相手がどれ程強大だろうが、右手で解決してきた
何度も何度も何度も
血に濡れながら、絶望を乗り越えてきた
「ああ、そうだ……」
当麻は右手で相手を殴りながら
「ここまでが、冬也にとっての長い長いプロローグだったのかもしれない……だったら!」
自分の思いを告げていく
「だったら、信じられない位のハッピーエンドじゃなきゃおかしいだろうが! あんただってそうだ!」
当麻の思いが込められた拳が
「死んでまで、戦わされる必要はないんだ!」
反射に叩き込まれていく
その時だった
『当麻君、後ろや!』
とはやてが警告してきた
後ろを見てみれば、当麻を狙っているドールが二体居た
当麻は既に、右手を大きく振りかぶっていた
回避も、防御も、間に合わない
思わず歯を食い縛った
その瞬間、その二体を弾丸が撃ち抜いた
すると、下から
「上やーん! 決めるぜよ!」
「決めちまえ、大将!!」
と二人の声が聞こえた
すると視界に、ウィンドウが表示された
一人は、金髪アロハシャツが特徴のクラスメイトにして、
土御門元春
そしてもう一人は、何やらゴツい物を纏っているが、見覚えのある相手だった男
浜面仕上
二人の支援により、当麻の危機は去った
そして、右手は既に振り上げられていて、反射は当麻に殴られ続けたことにより、体勢を崩していた
チャンスは、今しか無かった
「ロンド……お前が、死人を使ってまで世界を破壊しようとするのなら……お前のその、フザけた幻想をブチ殺す!!」
当麻はそう言って、反射の顔面と渾身の一撃を叩き込んだ
その一撃で反射の顔に付けられていた機械の仮面が破壊されて、反射は真下に墜落
反射は、ビルの屋上に力無く横たわった