「よく、動かなかったな……ロンド」
「私の究極目標は、人類抹殺……星を守るために命懸けで闇の書を封印したのに、奴等は我が一族を化け物と罵り、殺しに来た……私は命からがら生き延び、復讐の機会を待った……ようやくだ……違う星だろうが関係ない……私にとっては、人類というだけで殺すべき対象だ!」
ロンドはそう言うと、冬也に次々と魔法を放った
冬也はその魔法を、刀で次々と弾いていく
その後ろでは、フェイトが魔法でスカリエッティ達を拘束している
冬也は、フェイトを庇っていたのだ
仲間だからなのか、冬也にも分からない
だが、守らないと、と思ったのだ
ロンドの犠牲者を、これ以上増やさないように
もし出るなら、自分を最後にと
「人類を殺すために、私は貴様ら七大罪を作り出した。特に、貴様を含めた三強は私の力作だった……だというのに、貴様らは!」
「……つっ!」
ロンドは杖に魔力刃を作り出し、冬也に振り下ろした
その一撃を、冬也は刀を交差させて防いだ
その直後、二人を中心に半径3mほどのクレーターが出来た
すると、冬也は
「貴様、自身も改造したな……戦闘機人の技術か」
「次いでに言えば、人造魔導師計画とやらで、体から生まれ変わっている……あやつは、確かに天才だろうて!」
二人のその会話を皮切りに、高速戦闘が始まった
その速度は、先のフェイトとトーレの速さに迫るものだった
しかもその戦いは、全て必殺を狙っていた
互いの急所を狙い、刀と魔力刃が繰り出される
それを二人は直感で回避し、更なる追撃を繰り出す
それだけで、空気が震えた
魔力の衝突と、二人の人外の身体能力の衝突による衝撃
それが理由だった
この世界に来る前にも、冬也とロンドは戦った
その時は、冬也が優勢に戦えた
それは一重に、冬也の強化人間としての身体能力が高かったから出来たことである
だがその優位性は、今はない
今の冬也とロンドの身体能力は、完全に互角
勝つには、短期決戦
もしくは、経験によって押す
人生経験は、ロンドの方が上
しかし、実戦経験は冬也の方が上だった
冬也の戦闘経験は、約13年
それに対して、ロンドの実戦経験は、僅か数年足らず
その理由は、ロンドは兵器の開発に注力していたからだ
ロンドが戦場に出たのは、冬也達七人に押された末期だった
七大罪の力は、ロンドの予測を越えていたのだ
それが、ロンドを戦場に引っ張り出したのだ
結果、元の世界でロンドは焦りから惑星破壊魔法を冬也に使ったのだ
惑星破壊魔法
ビックバン・メテオ
ロンドが、人類を根絶やしにするために編み出した魔法だった
それを冬也は、自身の最強の一撃で迎撃
それが理由で起きたのが、管理局が言う小規模次元断層だった
それにより、冬也達はこの世界に来たのだ
元の世界がどうなったのかは、冬也達には分からない
そして冬也は、ここでロンドの執念を止めるつもりなのだ
自身の命と引き換えにしても
その為に冬也は、切り札も用意した
(だが何故だろうな……
冬也はそう思いながらも、刀と魔法を繰り出した
自身の誇りと、死んだ仲間の思いを背負って
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「なんでだ……なんで壊れねえんだ!」
と叫んだのは、全身血塗れのヴィータだった
その傷は、一目で致命傷レベルと分かるものだった
だがそれでも、ヴィータは止まらなかった
守りたい人達が居るから
「こいつを壊さないと、はやて達が危ないんだ……だから、アイゼン!!」
《了解!!》
ヴィータの思いに答えるように、アイゼンは残っていたカートリッジを一気にロード
ヴィータは、アイゼンを高々と掲げた
よく見れば、アイゼンはヒビだらけだった
稼働出来ているのが、不思議だった
「砕けろぉぉぉぉ!!」
ヴィータはそう雄叫びを上げながら、アイゼンを振り下ろした
その一撃は、今までで最長のタイムでエンジンに叩き込まれた
ドリルが当たった場所は、激しく火花が散っていた
だがその時、アイゼンのドリルや頭部分が碎け散った
その直後、ヴィータの体は力なく落ちていった
ヴィータの見ている先には、エンジンが変わりなく動いていた
「はやて……皆……ごめん……」
それが悔しくて、ヴィータは涙ながらに謝った
その時だった
落ちていたヴィータの体が、優しく受け止められた
「謝ることなんか、ないよ」
ヴィータを受け止めたのは、はやてだった
「はやて……リイン……当麻……」
ヴィータの視界には、はやての他にはやてとユニゾンしているリインと、はやての近くに当麻が見えた
「鉄槌の騎士ヴィータと鉄の伯爵グラーフアイゼン……その二人がこんなになってるのに壊れない物なんて……」
はやてはそこまで言うと、当麻と一緒にエンジンを見上げて
「この世界に有る訳がないやんか」
と言った
その直後、今まで無傷だったエンジンにヒビが広がり碎け散った
場所は変わり、管制区画
「エンジンが破壊された!? あのチビ騎士!」
とクワットロが悪態を吐いた
だがクワットロは、諦めずに
「まだよ。まだサブエンジンがある! それに聖王が居るなら、まだ負けでは!」
と言いながら、コンソールを叩いていた
その時、クワットロの視界の端に何かが見えた
それが気になり、クワットロはその方向に視線を向けた
そこに見えたのは、小さい人形を乗せた小さいガジェットに似た機械だった
「な、なにこれは……?」
とクワットロが困惑していると
「なのはさん! 見つけましたぁ!!」
とその人形
さよが喋った
『ありがとう、さよちゃん』
と言ったのは、クワットロが開いていたウインドウ向こうのなのはだった
その機械の正体は、朝倉和美のアーティファクト
なのははこれを、ゆりかごに入る直前に掴んで入ったのだ
その渡鴉の人見は、何らかの施設に入る時は誰かに入れてもらわないといけない
そしてなのはが入れた機体は、さよが操縦することが出来るやつだった
そしてなのはは、さよにクワットロを探させていたのだ
そしてヴィヴィオとの戦いは、時間稼ぎに注力していた
そして今、ようやくその時が来た
なのははさよから送られた情報を頼りに、狙いを定めた
「まさか、私を撃つつもり? 無理よ。ここまで、何層もの壁が……」
クワットロは狼狽した様子でそこまで言って、あることを思い出した
今から数年前に、なのはがやった壁抜きを
なのはは魔力を充填していたが、膝を突きそうになった
その時、なのはを支える手があった
驚いてなのはが視線を向けた先には、金髪の青年が居た
なのはの恋人
ユーノの姿が
「僕が支えるよ、なのは……一緒に撃とう」
「うん!」
ユーノの言葉を聞いて、なのははトリガーに指を掛けた
そして
「ディバイーン……」
二人で、なのはの代名詞とも言える魔法を
「バスター!!」
発射した
「いやぁぁぁぁぁ!!」
クワットロは逃げようとしたが、直撃を受けて意識を失ったのだった