魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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両断

冬也は刀を突き付けていたが、違和感を感じていた

 

(こいつの魔力量からしたら、やけに早く魔力が尽きたな……)

 

ロンドの魔力量は、推定SSS

つまり、測定不能である

幾ら少し前から戦っていたとはいえ、それを含めても一時間程で戦闘不能になった

冬也の計算では、最低でも二時間は掛かると出ていた

しかし実際は、その半分だった

違和感を感じるな、と言われても無理な話しだった

その時冬也は、ある魔法を思い出した

それは、ロンドが前に居た世界で人類抹殺の為に編み出した魔法

それを思い出した冬也は、空を見上げた

そして、気付いた

太陽が、二つ有ったのだ

ミッドチルダは月は二つだが、太陽は一つだ

 

「太陽が、二つ!?」

 

「違う……片方は、魔法!?」

 

そう、その太陽に似た極大の球体がロンドが長い時間を掛けて準備していた魔法だった

 

「貴様……俺と戦う前からアレを準備していたのか!? ビックバン・ノヴァを!?」

 

と冬也が問い掛けると、ロンドはクックックと笑い

 

「ああ、そうさ……以前は、貴様達が予想以上の速度で侵攻してきたからな……だから今回は、作戦開始と同時に発動させておいた……惑星破壊魔法、ビックバン・ノヴァをなぁ!」

 

と告げた

惑星破壊魔法

ビックバン・ノヴァ

それは、極大なエネルギー体を対象たる星に撃ち込み、星の核たるマントル

それを暴走させて、爆発させるという魔法だ

しかし欠点として、発動するのに時間が掛かり過ぎるのだ

 

「貴様ならば分かるだろう、傲慢……あれは、前回と違い完成している……簡単には、止められんぞ!!」

 

ロンドはそう言うと、狂ったように笑い出した

すると、ティアナが

 

「貴方、なんでそこまで人間を滅ぼそうとするのよ」

 

と問い掛けた

するとロンドは

 

「ふん……我が一族は、地球では名の知れた魔法使いの一族だった……」

 

と語り出した

 

「今から約五十年前、我が一族は請われて闇の書を封印することになった……そして我が一族は、私を残してその命と引き換えに、闇の書の暴走を食い止めることに成功させた……だが、奴等は我が一族をバケモノと罵り、迫害した! 地球を救った我々をだ!」

 

その声には、憎しみが感じられた

そしてロンドの話しを聞いて、はやて達が辛そうな表情を浮かべた

ロンドもまた、闇の書によって人生を歪められた人間だったのだ

 

「だから私は、人間を滅ぼそうと決めた……その為に作り出したのが、七大罪だった……何千何万と犠牲にして作り出した最高傑作だった……しかし、各国の軍により世界中の研究所が襲われて、七大罪は解放された……その後、その七大罪が私に反旗を翻し、私の計画は崩れた……その後は、そいつら七人に本部を襲撃されて、傲慢と戦って……気が付けば、この世界に居た……例え違う星だろうが、人間に救われる価値は無い!」

 

とロンドが語り終わった直後、空に浮いていた極大球がゆっくりと落ち始めた

 

「アレを止めるよ!」

 

となのはの声に従い、六課は動いた

ゆっくりと落ちていくビックバン・ノヴァに対して、次々と攻撃を放った

しかし、全員の攻撃は表面で弾かれた

その理由は、至って単純

ビックバン・ノヴァに込められた魔力量が大きく、ビックバン・ノヴァの表面に強固な障壁が張られているのと同義になっているのだ

つまりは、生半可な攻撃では止めることは不可能ということである

すると、冬也が

 

「やはり、使うしかないか」

 

と言って、ポケットの中から一発の黒いカートリッジを取り出した

その見た目は、魔力カートリッジに酷似していた

 

「あれは、一体……」

 

とフェイトが疑問に思っていた

その時だった

 

『フェイトさん! あのカートリッジを使わせないでください!』

 

とシャーリーから通信が開いた

 

「シャーリー、どういうこと?」

 

『以前から、冬也さんが何か作っていることは知っていました……そしてつい先程、廃棄されたデータの修復が完了して、何を作っているのか分かりました……あのカートリッジの名前は、サクリファイス……自分の命全てを、魔力に変換する物です!』

 

シャーリーの説明を聞いて、フェイトは目を見開いた

そしてフェイトが目を向けた時、冬也は夜叉から残っていたカートリッジを全て排出し、その黒いカートリッジ

サクリファイスを装填しようとしていた

そして、冬也がサクリファイスを指で弾いた

その直後

 

「冬也さん、ダメ!!」

 

とフェイトが、そのカートリッジを掴んだ

 

「フェイト……だが」

 

「だからって、死んだらダメ! 他に、方法がある筈!」

 

冬也が視線を向けると、フェイトはそう言ってサクリファイスを地面に叩き付けて壊した

すると、バルディッシュが

 

《魔力譲渡》

 

と夜叉に魔力が流れ込んだ

その後、その場に居た全員のデバイスから魔力が夜叉に流れていく

 

「これは……魔力が」

 

《チャンスは一度きり……主、決めてください》

 

夜叉がそう言った直後、冬也の体を凄まじい魔力が覆った

それは、オーバードライブ

夜叉の最後の切り札の解放

そして、冬也の最後の魔法の発動だった

そして冬也は、夜叉を肩に担いだ

すると、その冬也の手をフェイトが優しく包み込んだ

そして冬也は、フェイトと目を合わせると

 

「一刀……羅刹!!」

 

と夜叉を振るった

それと同時に、夜叉から漆黒の魔力刃が伸びて、ビックバン・ノヴァと激突した

ぶつかった当初は激しく火花が散り、拮抗したかのようにビックバン・ノヴァの落下が一時的に止まった

しかし、またゆっくりとだが落下し始めた

ビックバン・ノヴァに押されているのだ

すると、押されている証拠にか二人の足下が陥没

二人の腕が、震え始めた

だが、二人は諦めない

 

『アアアアアァァァァァァァァ!!』

 

二人は揃って、雄叫びを上げた

すると、ビックバン・ノヴァの落下が停止

魔力刃が、ビックバン・ノヴァにめり込み始めたのだ

 

「ま、まさか!?」

 

その光景が信じられぬと、ロンドの目が見開かれた

そして

 

『切り裂けぇぇぇぇぇ!!』

 

二人の掛け声の直後、魔力刃がビックバン・ノヴァを両断

大爆発が起きた

そしてミッドチルダは、守られたのである

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