新たな出会い
新暦77年9月
「これで、最後……っと」
と言ったのは、武器密輸グループの捜査をしていたティアナだった
新暦77年4月
ティアナは、無事に執務官試験に合格
一人立ちし、初めて担当した案件だった
武器密輸グループ
そのグループは少し前に、ある管理世界の銀行を襲撃
多数の重傷者が出ていた
死者が出なかったのは、強襲制圧部隊が迅速に出動したからである
強襲制圧部隊は通常の指揮下には無く、独自に動くことが出来る部隊となっている
しかも、隊員の裁量で非殺傷設定の解除が許可されていた
一部の部隊からは毛嫌いされているが、今までにないスピーディーな出動と確実とまで言われる犯人の捕縛と事態の鎮圧性が民間からは高く評価されていた
しかし、それ故に求められる技量は非常に高いレベルである
まず、陸戦か空戦のどちらかでAA以上
更には、魔力を用いない戦闘技能の習得が必須とされた
それはさておき、ティアナはその襲撃グループたる武器密輸グループの捜査を最初の仕事とした
そして、地道な捜査を行い5ヶ月後
ティアナはその武器密輸グループが一堂は会する場所を特定し、全員が集まったタイミングで乗り込んだのだ
奇襲だったのと、ティアナの技量も相まって全員の捕縛に成功した
そして、その武器密輸グループが会議場所に使ったのが炭鉱だった洞窟だった
グループはそこの広い空間を、会議場所として利用していたのだ
「さてと……調査するわよ」
《了解》
ティアナの言葉を聞いて、クロスミラージュは返答した
ティアナの髪型は変わっており、以前はツインテールだった髪型は今はストレートにしている
もしかしたら、顧客データが秘匿されているかもしれない
そう思いながら、ティアナは長い髪を揺らした
そしてティアナは、更に奥に進んだ
「これが書類ね……」
奥に進んだティアナは、目論み通りに顧客データが記載された書類を発見
それを、バッグの中に仕舞った
その時
《奥右手に、魔法による隠蔽があります》
とクロスミラージュが言った
それを聞いたティアナは、言われた場所に近づき
「ここ?」
と岩壁に触れた
その直後、その岩壁に見えていた場所が金属製の扉になった
「これって……クロスミラージュ」
《ハッキングします》
それを聞いたティアナは、クロスミラージュと扉横のコンパネを接続した
そして、数秒後
《解錠しました、開きます》
とクロスミラージュは言って、ドアが開いた
その瞬間、ティアナは両手に構えながら中に入った
そして少しすると
「人の気配はしないわね……それに、やっぱり違法研究施設……」
と呟いた
ティアナが見たのは、規則正しく二列に並ぶ人間サイズのカプセル
そして、床を這う何本もの太いケーブルと壁に設置されている幾つかの巨大モニターだった
そこは、ティアナの予想通りの場所
違法研究施設であった
そしてティアナは、一番近くにあったモニターに歩みより
「……ダメね、電源が死んでるわ」
少し操作してから、そう告げた
その時だった
《奥に10m行った所に、高魔力反応検知》
とクロスミラージュが言った
「高魔力反応?」
それを聞いたティアナは、右手にクロスミラージュを持って向かった
そして見つけたのは、一人の青年が浮いているカプセルだった
それが、ティアナの運命に関わる出会いだった