ティアナは資料を纏めると、纏めた資料の入ったメモリースティックを事務官に手渡した
そして、新しい任務を選ぼうとした
すると、事務官が
「ランスター執務官、ハラオウン提督がお呼びしてました。重要か話があると」
と教えてきた
それを聞いて、ティアナは
「わかりました。ハラオウン提督は、今日は?」
と問い掛けた
すると、事務官は
「ハラオウン提督でしたら、今日は艦隊運用部でロウラン提督と話し合うようです」
と教えた
それを聞いて、ティアナは
「わかりました、向かいます」
と言って、背後で待っていた裕也と一緒に、艦隊運用部に向かった
すると、裕也が
「ハラオウン提督というのは、先日向かえに来てくれた方か」
と言った
すると、ティアナは
「そうよ。後ロウラン提督というのは、ハラオウン提督の上司の一人よ」
と説明した
そして二人は、時空管理局本局の次元航行艦隊運用部に向かった
そして中に入ると、一番近くの人物に
「すいません。ハラオウン提督とロウラン提督は、何処に居ますか?」
と問い掛けた
すると、その人物は
「お三方でしたら、第五会議室に居ますよ」
と言った
「ありがとうございます」
ティアナはそう言うと、裕也を伴って歩き出した
すると、裕也が
「お三方? ということは、もう一人居るのか?」
と首を傾げた
それを聞いたティアナが
「それだったら多分、リンディ・ハラオウン提督ね」
と言った
そして、目的の会議室に着いたらしく、ノックして
「ティアナ・ランスターです。彼も連れてきました」
と言った
すると、中から
『どうぞ』
と入室を促された
それを聞いたティアナは、ドアを開けて
「失礼します」
と裕也と一緒に入った
中には、先日出会ったクロノの他に二人の女性が居た
一人は、水色の髪に額に特徴的な模様がある女性
そしてもう一人は、一房だけ長く伸ばした紺色の髪に眼鏡を掛けた女性だった
その三人を見て、ティアナは
「お呼びとうかがいました」
と言いながら、敬礼した
すると、クロノが
「敬礼はいい。まずは、座りなさい」
と言って、二人に座るように促した
促された二人は、クロノに示された椅子に座った
すると、クロノが
「さて、裕也・カーバイド。改めて自己紹介しよう。僕は、クロノ・ハラオウン。時空管理局本局所属、次元航行艦隊の提督をしている。そして、こちらの人が僕の上司に当たる人。レティ・ロウラン提督だ」
と眼鏡を掛けた女性の名前を告げた
すると眼鏡の女性
レティ・ロウランは、軽く会釈してから
「初めまして、裕也・カーバイド君。私は、レティ・ロウラン提督よ。よろしくね」
と名乗った
それに裕也が頭を下げると、もう一人の女性が
「それじゃあ、私ね」
と言った
そして、その女性は
「私は、リンディ・ハラオウン。クロノの母親で、今は次元航行艦隊の提督であり、責任者ね」
と言った
それを聞いた裕也は、ゆっくりとティアナに視線を向けた
その理由を察したのか、ティアナは
「間違いなく、母親よ」
と小声で教えた
それを聞いた裕也は、視線を前に戻した
すると、クロノが
「裕也、ティアナ。母さんとロウラン提督に、裕也のことを説明してくれ」
と言った
それを聞いた裕也は、目を細めた
すると、ティアナが
「あのお二人なら、大丈夫よ」
と裕也に言った
それを聞いて、裕也は少しすると
「分かった。話そう」
と頷いた
それを聞いてティアナも、クロスミラージュが得たデータを表示
裕也の説明を補足した
そして、聞き終わると
「本当に、アルハザードの技術は、我が家に関わってくるわね……」
とリンディが言った
すると、裕也が
「アルハザードの技術とは、クローン技術のことか?」
と首を傾げた
すると、クロノが
「ああ、その通りだ。更に言えば、そのクローンに記憶を転写する技術もな」
と説明した
それを聞いた裕也が腕組みしていると、リンディとレティの二人が
「プロジェクトF……まだ続いてるのね」
「監査部に、怪しい資金の動きがないか調べてもらいましょう」
と話し合っていた
「プロジェクトF?」
「人造魔導師計画……裕也みたいな魔導師を、人工的に産み出す計画よ」
裕也が問い掛けると、ティアナがそう説明した
それを聞いて、裕也は
「愚かなことをしたものだ」
と言った
それを聞いた全員の視線が、裕也に集まった
すると、裕也は
「あの研究所、内部が大分崩落していたな?」
と裕也が問い掛けた
それを聞いたティアナが
「ええ……でもあれは、自然に崩落したんじゃないの?」
と言った
すると、クロノが
「いやあれは、鑑識班が言うには内部で攻撃魔法が使われたのが原因らしい。上手く偽装されていたそうだが」
と言った
それを聞いたリンディが
「まさか……」
と呟いた
それを肯定するように、裕也が
「人選をしたのかは知らないが、産み出した者の中に、どうしようもない輩が居るとは、考えなかったのか」
と言った
すると、レティが
「つまり……何処かに、その個体が紛れ込んでいると?」
と言った
それを聞いて、裕也は
「俺が記憶している限りだが、もう一人成功個体が居ると言っていた……そいつは確か、爆炎の使い手だった」
と言った
それを聞いたクロノが
「爆炎とは、厄介な能力を……」
と呟いた
そして、裕也を見て
「しかし、もう少し早くに言ってくれてもよかったんじゃないのか?」
と、少し批難するように言った
すると、裕也は
「眠らされていた影響なのか、記憶の一部に欠如があるようだ。それに、俺も思い出すのに時間が掛かった」
と言った
それを聞いて、リンディが
「クロノ、言ってもしょうがないわ。それよりも、その個体を探しだすほうが大事よ」
と言った
そして、裕也を見て
「それで、他に何か手懸かりはないかしら? なんでもいいの」
と言った
それを聞いて、裕也は少し黙考し
「覚えている限りだが、そいつは青い髪の女だったな……確か、番号は……N0」
と言った
それを聞いたクロノが
「青い髪の女か……」
と呟きながら、顎に手を当てた
すると、リンディが
「クロノ……確かこの半年、時空管理局の高級仕官が殺される事件が起きてたわね」
と思い出すように言った
すると、クロノは
「ええ……中には、腕のたつ護衛を連れていた将校も居ましたが……まさか」
とリンディの真意に気づいたように、腰を上げた
すると、リンディは
「ええ、可能性は高いわ……殺し屋、ナイトレイド」
と言った
それを聞いたクロノは
「もう一度、殺された者達に共通点がないか探します」
と言って、通信ウィンドウを開こうとした
しかし、それをリンディは制して
「ランスター執務官。貴女に、その事件の調査を依頼します。解決のためならば、次元航行艦隊は協力を惜しみません」
と言った
それを聞いたティアナは
「わかりました。その依頼、引き受けます」
と言ったのだった