超鋼を纏いし戦士たち -神武の艦隊-   作:Violet

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【再起編】第四話 大義と星義

悪姫が放った特攻機着弾寸前!

しかし、我が身に零式鉄球あり!

 

我が身に宿りし8つの零式鉄球は、表皮の56パーセントを鋼に変えるなり。

 

「零式鉄球、体内吸引!」

 

前面上半身、鋼鉄化!

 

我が身が鋼と化すと同時に、特攻機、着弾せり。

 

–ぐ・・・!

 

衝撃、甚大なり。

臓腑を引き裂かれるが如く響くほど。

それ以上に、悪姫の〝思い〟が何よりも強く我が体内に響くのだ。

 

–オマエサエ イナケレバ・・・

 

悪姫が涙と共に怒りと怨恨の言葉を放つ。

 

–オマエサエ イナケレバ!ネエサンハシナズニスンダノダ!

 

「・・・。」

 

–カナラズコロス!キサマヲコロシ!ニクキニンゲンヲセンメツシ!ウミヲ!ホシヲ!アルベキスガタニカエス!

 

悪姫の中にある大義を垣間見た気がした。曾て相対した我が兄、現人鬼 散を思う。

 

〝星義〟

 

我が兄は地球を害した人類を滅ぼし、その上であらゆる汚染を除去する〝再星〟を行おうとしていた。

 

だとしても、多くの犠牲の上に立つ行いが星義というのなら。

 

「・・・我が身は牙なき〝人〟の剣なり!」

 

譲れぬ思いがあるのは俺も同じ!

 

牙なき人々が!

巡り合った仲間が!

そして俺の中に生まれた〝火〟が!

 

零式鉄球、特攻形態!

 

「脚部爆芯、最大噴射!」

 

右脚部爆芯、崩壊。

我が体、空高く飛翔せり。

 

–ニガスカ!ソノママソラデ!チニクノハナトナルガイイ!

 

敵が左右のカタパルトから特攻機を放つ。一気に加速、突撃してくるなり!

 

左脚部爆芯、最大!

零式鉄球、右脚部圧壊浸透!

 

–悪姫の思い!我が胸にしかと刻まれた!

 

–故に!

 

「零式防衛術、奥義!」

 

「大義!」

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

「金剛!」

 

「陸奥!遅いネー!」

 

–これでも姉さんから連絡を受けて全速力で来たんだけど・・・

 

敵艦載機は殆ど撃墜。後詰めの私と伊勢は金剛達に合流した。彼の軍用犬もいる。でも、

 

「・・・?彼は?」

 

彼の、葉隠さんの姿がない。

まさか・・・。最悪の予感が胸をよぎる。

 

「カクゴはまだ戦ってマース。」

 

「え!?」

 

どうして!?ていうか、

 

「ちょっと金剛!何故貴女達が彼から離れたの?!何故一人で・・・。」

 

「約束・・・だそうです。」

 

吹雪が前に出る。この子もまだ戦える体じゃあない筈なのに・・・。彼が戦っていると聞いて、無理して出てきたらしい。

 

「約束?」

 

「デース。」

 

『陸奥殿!彼女達は皆、覚悟を信じてくれたのだ!責任は我と覚悟にあり!』

 

零!?何でトランクに!?

 

「ちょ、ちょっと待って。もしかして彼、今生身で戦っているの?!」

 

その時、そう遠くない場所で爆発音がした。

 

「!!」

 

空に人影が浮かんでいた。

 

「・・・!!カクゴ!?」

 

–・・・ほぼ全裸じゃない!?でも・・・

 

遠くに見える彼の体は、青い金属の光を帯びていて、右脚は黒く変色している。

 

「みんな、彼を助けに・・・。」

 

そこまで言いかけた時、彼が猛スピードで斜めに落下を始めた。

 

『あれこそ、零式防衛術奥義なり。』

 

直後

 

空中と水面で二度の大爆発が見えた。

 

「ッ!」「ひえーっ!」「っ!この爆発じゃ・・・」

 

「急ぐわよ、みんな!」

 

全員で彼の元に急行する。あんな爆発、ほとんど生身の彼が無事とはとても思えない。

 

–無事でいて!

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

「圧壊解除。」

 

零式鉄球の過剰侵食、圧壊は、七心拍の内に解除せねば細胞が壊死する諸刃の刃なり。

 

–・・・コロセ

 

悪姫が言う。

大義は悪姫の纏う装甲を粉砕したのみ、体には衝撃のみ到達せり。

 

「もはや戦う力は残っていまい。」

 

–コロセ!

 

「殺さぬ。」

 

–!?

 

「このまま同行してもらう。」

 

悪姫の顔にさらなる怒りが浮かぶ。

 

–フザケルナ!ツカマリ ハズカシメラレルクライナラ・・・

 

口から血が一筋流れた。自害して果てようとしている。

 

俺は無言で当身仕るなり。

 

–グ・・・・ク・・・ネエ・・・サン。ミ・・・ンナ

 

意識を失いし悪姫に言う。

 

「誓おう。決してそんなことはさせぬ。」

 

静かに抱き上げる。しかし、もはや左脚爆芯でかろうじて浮いているだけの我が身なれば、移動することなどできぬ。

 

–でも大丈夫だ。俺には・・・

 

「カクゴー!」

 

金剛殿が呼んでいる。

仲間が呼んでいる。

 

–俺には、信じてくれる仲間が居るのだ

 

悪姫は安らかな顔で眠る。

 

戦いは終わり、暗雲の隙間から光が漏れてきていた。




今回時間がかかった上に短くてすみません。。



次回

悪姫の命を預かった覚悟!
なぜ生かしたのだ覚悟!
それは彼女の中の〝火〟が!人と同じ熱さをもっていたからだ!
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