超鋼を纏いし戦士たち -神武の艦隊-   作:Violet

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【再起編】第六話 命

 

「はぁ・・・。」

 

「ヘーイ陸奥!どうしたデース?浮かない顔してるネー。」

 

・・・貴女が能天気すぎるんじゃないかしら。

 

「ため息も出るわよ・・・。棲姫・・・奴が鎮守府に居るのよ?」

 

金剛は、あ!と声を上げた。

 

「まさか忘れていたの?!貴女が曳航して来たんじゃない!まったくもう!」

 

「忘れてなんかいないデース!あのコの武装はカクゴがぜーんぶ壊したネ。ノープロブレムネ!」

 

・・・だといいけどね。

 

棲姫。私たちの敵。

 

そして

 

姐さんは決して認めないけれど、恐らく私たちにとっては・・・

 

 

「ッ!?」

 

「what's !?」

 

鎮守府に振動が走った。

 

「shit!また爆撃ネ!」

 

いや違う!この振動は建物の内部からだ!

 

・・・まさか!

 

「金剛!最低限の艤装でいいわ!すぐに装備して地下牢に向かって!私は先に行くわ!」

 

「っ!?カクゴとナガモンが危ないネ!」

 

金剛もすぐに事態に気づいてくれたみたい。勢いよくドックへ走っていった。

 

そう。

いま姐さんと覚悟くんは、棲姫の尋問をしているハズ。

2人とも非武装だった。

 

・・・そしてこれは私だけが知っていることだけれど。

 

–〝奴ら〟の武装は無尽蔵だ。まるでそこに初めから置いてあったかのように、何もない空間から武器を呼び出す。原理は分からないけれど・・・

 

2人とも、無事でいて・・・。

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

爆煙が私の視界を塞いでいた。

地面には地下牢の破片が散乱している。

 

・・・目は大丈夫だ!しかし耳が利かない!彼は!葉隠殿はどうなった!?

 

無事とはとても思えない。至近距離からの砲撃、それも近代兵器すら穿つ悪魔の砲撃をまともに受けたのだ。

 

ゆっくりと視界が開けた時、最初に見たものは、驚愕と恐怖の表情を浮かべた〝奴〟だった。

 

「ッ!貴様ああぁ!」

 

私は拳を〝奴〟の鼻柱に叩きこむ。

激しく吹き飛び、剥き出しのコンクリートの壁に体をめり込ませた〝奴〟は、それでも私を見ることは無かった。

 

〝奴〟の視線を追う。

 

〝奴〟の視線の先には、首から上を鋼鉄に変容させた彼がいた。

砲弾が直撃したであろう額に浮かび上がる『七生』の文字。頭髪すらも鋼鉄と化している。

 

鋼鉄が彼の中に溶けるように消えてゆく。

 

「葉隠殿無事か!?」

 

発言してから、我ながらなんとも間抜けな問いかけをしたものだと恥じる。しかし、

 

「仔細問題ない。我が肉体に不当な攻撃は通じぬ。」

 

彼は一切動揺せずに答える。

 

「悪姫。」

 

〝奴〟はびくりと体を震わせる。

私の拳を受け鼻血を流し、涙を浮かべた顔で彼を見る。

 

「囚われの身と成りてもなお、自ら大義を果たそうとする気概、見事なり。しかし、今の貴様に俺を討つことは出来ぬ。」

 

–・・・コロセ

 

〝奴〟が怒りと悲しみと無念を滲ませ唸る。

 

「拒否する。貴様はこのまま海へ放逐する。」

 

–ッ!?

 

〝奴〟が目を見開く。

そして私は耳を疑った。

 

放逐?敵を?

 

あり得ない!今ここで〝奴〟を逃しては、また我々の脅威として立ちはだかる!力なき人々の命が危険に晒される!

 

「葉隠殿、それは無理だ!〝これ〟はここで〝処分〟する!」

 

私は再び拳を握る。次はない。今ここで、〝これ〟息の根を止める!

 

「長門殿。」

 

彼の手が私の拳を優しく、しかし絶対的な意思を持って包む。

 

「ッ!葉隠殿!?」

 

彼を睨む。

今の私の目は怒りと困惑、そして悲しみを孕んでいるだろう。

 

彼は正面から私の視線を受け止める。

今まさに命を狙われたというのに、その瞳には微塵も怒りを感じさせなかった。

 

静かに拳の力を解く。

彼は私の手を優しく握る。

 

「すまない。全ての責任は私が持つ故、なにとぞご容赦を。」

 

「・・・。」

 

私の手を離し、〝奴〟に手を差し伸べる。

 

–・・・ナゼコロサヌ

 

「貴様の命は俺が預かっている。どのように扱おうが俺の勝手なり。」

 

–ッ!

 

「今から俺が勝手に貴様を海へ放逐する。それだけの事だ。」

 

–・・・

 

〝奴〟が彼の手を払いのけ立ち上がる。

 

–・・・カナラズ、キサマダケハカナラズコロシテヤル・・・!

 

彼は表情一つ変えずに言う。

 

「今の言葉、準宣戦布告と判断する。次に対峙せし時は容赦せぬ。」

 

–ッ!

 

 

葉隠覚悟。

 

私は彼の事が分からない。

 

–何故、私を助けたその手で〝それ〟の命を助けるのだ

 

–何故、貴方はこの世界にやってきてしまったのだ

 

この時の私はまだ知らなかった

 

全てが動き出すことを




非常に間が空いてしまい、申し訳ありませんでした。。

次回

長門は思う。彼は危険な存在なのかと。
長門は思う。これから先の日本を。
長門は想う。彼の心の内を知りたいと。

そして覚悟は決意する。この世界の真に〝守る〟事を!

再起編 第七話 正義の理
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